2024/07/11 のログ
ご案内:「第三教室棟 屋上」に武知 一実さんが現れました。
武知 一実 >  
―――放課後の屋上。
授業明けに無性に腹が減って、購買で買った焼きそばパン片手にオレは屋上の扉を開けた。
どうして屋上にしたのかは完全に気分。
ラウンジで一人黙々と食うくらいなら、いっそ暑さに文句言いながらの方が気分的にマシかな、とかそんな程度だ。

「こんな時期だし、誰か居るって事も……案の定、なかったな」

無人の屋上を見渡して、やっぱなあ、と一人で何故か納得してしまう。
オレだって来ないわ、放課後の梅雨時の屋上なんて。来てるけど。

「さっさとパン食って学校出っかなあ……」

商店街とか学生街で食べ歩きでも良かったかもしれん。
ベンチに腰を下ろし、焼きそばパンの袋を開きながら今更な事を思う。

ご案内:「第三教室棟 屋上」に柊庵さんが現れました。
柊庵 >  
放課後の屋上、特に夏場というのは結構な穴場。
なにせ、幾ら冷却用の魔法道具(マジックアイテム)が流通していると言っても、こんな炎天下に人は出たがらない。
そう、絶好の楽器練習には最適な場所だ。
肩からぶら下げたギターケースを揺らないように、屋上の扉が開いた。

「うわっ……。」

むしっとした熱風に思わず目を細めた。
衣服の裏に仕込んだ魔法道具(マジックアイテム)のおかげで体はいい感じに冷えてくれる。
梅雨時も近いせいか、余りいい天気ではないが返って都合がいい。
この蒸し暑い空気ばかりはどうにも出来ないけど、適当に鳴らしてさっさと帰……。

「……ん、なんだ。先客がいたんだ。」

……と、思ったが先客がいた。"如何にも"な格好をした男子生徒。
黄色の瞳が一瞥すれば、軽くペコリと頭を下げる。相応の礼節はあるらしい。

「こんな時期に一人で外でパン?変わってるね。
 私が言えた立場じゃないけど、お友だちとかはいないの?」

武知 一実 >  
包装を破いて焼きそばパンを口へ運ぶ。
何の変哲もない購買の焼きそばパン、学生向けのためか少々ソースの味が濃い。
けれどそれが勉強に運動にと疲れた頭と心に染み入るようで丁度良い。今度はメンチカツパンも試してみるか。
そんな事を考えながらもっきゅもっきゅとパンを頬張っていたら、

「あァ?」

ギターケース担いだ女生徒が屋上に訪れた。
こんな天気だってのに屋上に来るなんて物好き、そう居ないと思っていたがそうでもないらしい。
あるいは人が居ないと踏んで、穴場狙いで来たかのどっちかか。
軽く頭を下げる姿に会釈を返すが、続いて投げられた言葉にはさすがに少し眉が寄る。

「――別に、ツレは全員、放課後は部活なり委員会活動なりでつるんでねえだけだ。
 まだ1年だし、初っ端からサボりって訳にも行かねえんだろ」

それにオレと一緒に居て喧嘩に巻き込まれるのは御免だ。オレが。
だから放課後は大抵一人で居る事が多いってだけで、ぼっちではない。断じて。

柊庵 >  
何事もないように屋上の扉を締め、隣まで歩いてくる。
距離を取らなければそれこそ何事もないように隣に座るだろう。
ギターケースはそれこそ丁寧に、我が子のように自らの傍へと下ろした。

「ああ、ごめんごめん。そういうつもりで言ったんじゃないんだ。
 わざわざ屋上でパン食べてるなんて、なんかあったのかなーって。」

「ご飯だけなら食堂でも食べれるし。外で食べるのが好きだったり?」

確かにあまり良い言い方じゃなかったのは素直に謝罪した。
恐らく、人が来ると思っていなかったのは彼も同じような気配を感じる。
わざざこんな曇り空に、蒸し暑い外で焼きそばパン。純粋に美味しいのかな。
不思議そうに横目で見やりながら、ふぅん、と相槌を打ちながら口元が僅かに緩む。

「意外とお友達のこと気にしてるんだ。君は部活動とかには入らないの?」

武知 一実 >  
まあ少しムッとしたけれどそこまで気にしてる訳でもない。
自分の面相と言動は理解してるし、不良っぽいと(そういう風に)見られるのも珍しい事じゃない。
ベンチの隣に腰を下ろす女生徒を見れば、随分と丁重にギターケースを取り扱うのが見えた。まあ、楽器は大抵壊れやすいからな……。

「別に、理由なんざ無えよ。
 ラウンジも食堂も、他に使ってる奴が居たから屋上に来ただけだ。
 ま、気分だ気分。屋上でメシ食う機会なんて、しばらく無えだろうしな」

さすがに昼飯をダチと屋上で食うには暑過ぎる。
男数人で面突き合わせて汗だくで飯食うなんてプチ拷問だろ。
それに、弁当も悪くなりそうだ。

「そりゃあ、ダチだしな。……特に周りに迷惑掛けずに入れる部活が無えンだよ、ワケあってな」

風紀委員に追い回されるのを部活に入れても良いかなぁ……ダメだろうなあ。

柊庵 >  
理由はないと語るが、言葉の端々からは他者への気遣いが見受けられる。
委員会の下りもそうだし、見た目の割には根はいい子なのかもしれない。
そう思うと、庵の笑みもニヤニヤとからかうようにニヤついてきた。

「そっか、理由はないんだ。
 まぁ確かに、隣で不良生徒とご飯食べてると気まずいかも知れないもんね?」

人間見た目なんじゃなって言うけど、事情を知らなければ大体見た目。
確かに食堂にこんなガタイのいいのがいたら気まずい気もするなぁ。
軽く足をパタパタさせながら、食べてる姿を見ている庵。

「ふぅん、なんだか剣呑な言い方。不良だから……って、感じじゃないか、流石に。」

見た目だけだったら、それこそ彼以上に一杯モンスターはいるだろう。
今や種族さえ多種多様の世界なのだ。そういう理由ではなさそうだ。

武知 一実 >  
「別にこんなナリしてるが、オレぁ不良じゃねえ」

体型はまあ仕方が無いとしても、髪は地毛だし、タバコは吸った事が無い。
当然酒も無免運転も縁が無いし、授業は今のところ無遅刻無欠席無早退だ。
……ただ、売られた喧嘩は大抵買ってるってだけで。

「けどまあ、自分の見てくれくらい分かってるからな。
 オレが誤解されんのは構いやしねえが、ダチまでそう思われんのは嫌だろ、普通」

最後のひと固まりを口へと放り込んで咀嚼。
そろそろ髪とか染め直した方が良いんじゃないかとは自分でも思うが地毛だから弄りたくねえしな……。

「異能の関係でちょっと、な」

別に隠し立てする様な事でもないが、大っぴらにする事でもない。
ここの生徒なら大抵は異能のこと、と言っておけば察してくれるだろう。どう受け取るかは……まあそこまで気にしねえからご自由に、って感じで。

柊庵 >  
オレは不良じゃない。
そんな事を言われては目をぱちくりと瞬いた。

「人は見かけによらないって言うけどね……。
 実は結構優等生?ちょっと面白いな、それ。」

この見た目で成績優秀無遅刻無欠席なのだろうか。
絵面としては大分面白いが、彼の人柄をなんとなく感じればありえなくもない。
根っこは真面目そうだし、結構他人の気遣いを欠かさない男のようだ。
口元に両手を合わせながら、庵自身は楽しげだった。

「お粗末様。……そうかな?案外話せばわかってくれるかも。
 それとも"優等生"な君は、ナリ以外でも誤解を招くような真似を?」

案外見た目以外で損をしているタイプなのかもしれない。
異能関係と言われればあー、と何かを察したように声を出す。

「私も同じなんだよね。異能関係で入学したし、私も部活入ってないよ。
 つまり、私達は似た者同士の屋上同盟ってわけだ。いっそならデュエットする?」

なんて、おちゃらけてみた。

武知 一実 >  
「別に優等生ってわけでもねえけどな……」

成績に関しては中の上くらいだろう。
優等生にも模範生にも縁遠いのも否定しねえ。ただ、不良じゃないってだけだ。
面白がられたところで何も出ねえし、パンは今食いきった一つきりだし。
しっかし、この女なんだか楽しげだな……何がそんなに面白えんだか。

「……あちこちで喧嘩してっから、そっち関係で誤解はされてっかもな。
 まあオレから喧嘩売って回る訳でもねえし、さっきも言ったがオレ個人がどう思われたところで気にゃしねえけどよ」

見た目と喧嘩の相乗効果と言ったところか。
まあ幾ら喧嘩しようと、成績が悪くなければお説教だけで済まされるから良いんだが。

「へえ……アンタも異能が厄介なタイプか。
 ……音楽もさっぱりでね、悪いが遠慮しとくわ」

デュエットって、何をさせる気だ何を。

柊庵 >  
「あちこちで喧嘩、ね。売られた喧嘩はついつい買っちゃうタイプ?
 まぁ、どういう事情かは知らないけど旺盛なんだね。怪我とか大変だよ?」

それはたしかに優等生とは程遠い。
そこばかりは見た目通りということらしい。
どういう理由で喧嘩しているかは知らないが、あちこちで殴り合ってたらそりゃそういう目で見られる。
そういう自業自得ばかりはどうしようもない。
が、そういう立ち回りをする割には…少し庵も顔をしかめた。

「お友達、いるんでしょ?喧嘩の理由はわからないけど、そこまであちこちで喧嘩しなきゃいけない?」

素朴な疑問を、一つ投げてみよう。

「うん。制御出来ないから暴走しちゃう。漫画みたいでしょ?
 ……そう?残念。意外と肺活量ありそうだから、ヴォーカルとかできそうなのに。」

武知 一実 >  
「ああ。断る理由も特にねえし。
 ちょっとした怪我くらいなら自分で手当ても出来るし、見ての通り、ちったぁ頑丈なんでな」

思い返せば喧嘩した後に病院へ行った覚えが無い。
大抵は喧嘩を売られる→喧嘩する→騒ぎを聞きつけた風紀が来る→風紀から逃げるでほとぼりが冷めたら家に帰るのが定番の流れだ。
喧嘩の最中に大怪我を追って搬送、という事は今まで一度も無い。
……まあ切り傷擦り傷打撲に捻挫くらいなら自分でどうにか出来るからな。

「しなきゃいけないからしてるわけじゃねえさ、オレぁ売られた喧嘩を買ってるだけ。
 喧嘩くらいでしか他人とコミュニケーション出来ない馬鹿どもに付き合ってるだけだ……まあ、最近はそれに加えて目的も出来たけど」

答えになってるだろうか。ちょっと自信ない。

「暴走ねえ……まあ、オレだってそうだし、よくある事なんじゃねーのか?
 ……授業くらいでしか音楽聞かねえしな、歌とかもよく分からねえ」

育ちが特殊だからって所為もあるだろうが、まあそこまで言う必要も無いか。