2024/06/07 のログ
■おこん > 「対温度、大気圧、対毒、対非物理……。 様々な防御性能をこのサイズに抑えこむのには苦労したわい。
背中のバックパックにEVAのためのバーニアだけでなく、パワーアシスト機能も持たせておるしな。
理論上はこれを身につければ、栄養と賦活剤によって170時間は連続作業が可能じゃ。」
宇宙服に近づき、じろじろと確かめるように姿勢を変えながら見やる。
部員たちは興味半分、不安半分といった面持ちだった。
「装備も充実しておる。 宇宙作業用のものから、いざというときの護身用のものまでな。
特に手首につながっているエネルギーラインと、このブレードを直結することで、
刀身に高周波をまとわせることができるんじゃよ。」
『あの、おこん先生……宇宙服……』
察しの良い生徒の脳裏に浮かんでいたのは”詭弁”という言葉であった。
戦車を開発するのにトラクターを名乗るとか、そういったそれである。
「宇宙には様々な苦難があるからのう。”タフすぎてソンはない”…というやつじゃ」
『我々はピットファイターなんですか…?』
困惑しながらも、やはり目の前の”宇宙服の魅力に抗えない部員たちを見て、
おこんはにっこりと笑った。
「安心せい。少数量産タイプがそろそろ届く。
陸上でしばらく訓練をすることになるから、おぬしらにも着てもらうからのう!」
月2万円の活動費を持つロケット研究部……明らかに2万円ではないその活動費用が
一体どこから捻出されているかは、部室棟の謎の一つなのであった。
ご案内:「部室棟 広間」からおこんさんが去りました。