2024/07/21 のログ
八坂 命 >  
「これでどうや~~?」

がちゃんとメモリを入れ替え、コードを手早く差し、スイッチを押す。
ぽちー。
ファンが唸る音が響き、パソコンが起動。
暫く待てば、

「よーぉし、いいこや!」

OSが機動。
一応念のためにデータファイルをコピーし、シャットダウン。
パソコンを台車に乗せてガラガラと押しながら部室を後にした。

ご案内:「占星術部部室」から八坂 命さんが去りました。
ご案内:「部室棟」に竜胆 襲さんが現れました。
ご案内:「部室棟」から竜胆 襲さんが去りました。
ご案内:「占星術部部室」に竜胆 襲さんが現れました。
ご案内:「占星術部部室」に水仙 倫太郎さんが現れました。
竜胆 襲 >  
夏季休暇。
熱でうだるような外とは裏腹に占星術部の部室は涼しい。
部室の中には年中設置された炬燵があり、そこには部長の姿がある。
当然エアコンは必須である。
大体いつもの光景は夏季休暇中も変わらず。

「…あ、プライズゲームの景品新入荷……とりにいかなきゃ」

夏に炬燵という風情のかけらもない中、スマホの画面に金色の視線を落とす占星術部部長。
その画面には新商品入荷!の文字と共にネコマニャンのグッズの写真が映し出されている。

ネコマニャン。
猫好きであるにも関わらず動物アレルギーという部長がせめてもの思いでハマっているゆるふわキャラクターグッズである。
風紀委員で有名なとある先輩も好きという情報がまことしやかに囁かれている…

水仙 倫太郎 >  
夏季休暇の間でもやることは変わらない。
部活動という名の元に日夜彼女の為に駆けずり回っている。
うだる暑さもなんのその、男にはそんなもの屁でもない。

「うーっす。お、結構冷えてんな。相変わらずクソあちぃから助かるぜ。
 つーか、やっぱり此処にいたんだな、襲。何してんだ?」

がらっと手慣れた様子で開かれた部室の扉。
それはそれとして、冷房の涼しさが身に染みる。
心地よさに目を細めながら、見慣れった少女によ、と軽くご挨拶。
共に学園に入学し、部活を立ち上げた恋人の見慣れた姿だ。
手にしたビニールからほれ、と炬燵に置いたペットボトル。
キンキンに冷えた夏にピッタシの濃度120%のオレンジジュースだ。

「適当に買ってきたから適当に飲んどいてくれ。
 なんか普通にウマそうだったし。てか、何見てんだ?……お、新作?」

当たり前のように隣でスマホ画面を覗き込んだ。
ネコマニャンの新作らしい。やはり、結構人気なようだ。

竜胆 襲 >  
「…あ、倫太郎くん。いらっしゃい」

スマホから視線を外し、やってきた部員の彼へ。
差し入れだぞ、といった感じにビニール袋から出されたペットボトルを見て、小さく笑みを浮かべて。

「ありがとう、いただきます。
 …ええと、新しいネコマニャングッズが…。
 ゲームセンターの景品だから、とりにいかないと」

彼は倫太郎。
小さい頃に数年の間、彼の家にお世話になっていた。
色々と事情もあって、自然と距離も近くなって。
気づけば互いにかけがえのない存在になっていった。
そんな相手にも関わらずですます口調で丁寧に話す姿は、どこか生真面目なところが伺える。

答えを変えしながら、部室を見回す。
部長は"ほぼ"この部室で生活のほとんどを過ごしている。
だからというべきなのか、否か。
大量のネコマニャングッズが部室の埋め尽しているのだ。そしてどんどん増えていく運命にあった。

水仙 倫太郎 >  
もう一本ビニール袋から取り出したのは120%濃度のぶどうジュース。
炭酸とかよりフルーツ系が大好き。かしゅっとペットボトルを開けて喉に流し込んだ。
うん、ちょっとこのどろっとした感じが乾いた喉に良く効く。
炭酸よりもこういうのの方がやっぱり好みの味だ。

「ふぅ、たまんねぇな。やっぱ一年中この味は変わんねぇ。
 ……ああ、ゲーセンのな。あー……、……。」

確か襲はほぼ此処で生活していると言っても差し支えない。
寮生活ならぬ部室生活。そのおかげか、此処が一種の居住スペースだ。
そのせいか、ずいぶんと増えてきたネコマニャングッズ。
いや、最早ネコマニャン部屋と言っても差し支えがない。
軽く見渡しただけでも我が物顔。此処からまだ増やすというのか。

「ま、今度ゲーセンに行くとして、だ……スペース、足りるか?」

それとなく聞いてみる。
そのうち足の踏み場のなくなるんじゃないか…。

竜胆 襲 >  
もらったペットボトルに視線を落とす。
120%……濃度が100%を超えてるのってどういうことなんだろう。
そんな疑問はキャップをまわしてこくん、と喉を鳴らして飲んでみるとよく分かる。
……なんかどろっとしてる。すごく冷えてるけど…。

「好きですよね。倫太郎くんこのシリーズ」

美味しいけど全部一気に飲むのはやや厳しいかもしれない。
しかし襲の生活スペースたる部室には小さいながらも冷蔵庫も完備されている。
残したとてまたあとで冷やして飲める。

「うーん…スペース…足りなくなったら、いくつか倫太郎くん引き取ってくれますか?」

ぬいぐるみ、抱きクッション、メガクッション。小物にいたるまで様々である。
まじ、と少年に金色の視線を向ける少女はそう問いかける。
丁寧口調だが遠慮はない、そういう間柄である。

水仙 倫太郎 >  
「まぁな。なんか濃くてウマいしよ。薄いよりはそういうのがな、いいんだよ。」

何でも濃いめのがちょっと美味しく感じるタイプだ。
ちょっとどころじゃない位の濃度な気もするが、倫太郎目線ではそうらしい。
不味い訳では無いが、人によってはちょっときつい濃さ。
ある意味では味覚の傾向は子どもっぽい。
ペットボトルを締めて、得意気に揺らしてみせた。

「そういう襲はどんなんが良かったっけ、もうちょい薄いのがいいか?」

互いに気安く大事な仲だとは思っているが、知らない事の一つや二つある。
それこそ付き合って数十年ってわけじゃないんだ。お互いまだまだ、これから。

「……なぬ?」

思わず一瞬顔を顰めて周囲を一瞥。
多分今後、無限に増え続けるには違いない。
マジか、男子寮の部屋にこれがいっぱい?

「……お、おぉ!いいぜ?なんたって俺は彼氏だからな。
 手前(テメェ)の女一人のワガママの一つや二つ余裕だって!」

とは言え、そう言われると断れるのは現実。
見栄張って強きにニヤリ。張った胸をトントン、と叩いて見せた。

竜胆 襲 >  
「うーん…ジュースに好みはそんなにありませんよ。
 ラーメンのスープなら薄いものよりは濃いほうが好きです」

こくん、と頷いて。
ペットボトルは炬燵の天板の上へ。

そう、お互い長い付き合いだけれど。
この年になってその距離感も昔とは変わってきている。
彼も自分も成長したし、色々な関係が変化した。
今はよき友人で、仲間で、甘酸っぱい感情も抱く相思相愛の間柄。
そうなったからといって過去からの互いの意識が大きく変化したのかどうかは……。
彼は、どうだったのか。
全てを知ったつもりになれるほど、まだ大人にはなれていない。

一瞬戸惑ったようにも見えた彼。
けれどすぐに笑みを浮かべ、胸を張っている。

「ありがとうございます倫太郎くん。
 いつとってもも頼りになります。」

嬉しそうに笑顔を浮かべ、ぽん、小さく手を合わせる。
そんな小さな動きだけで何がとは言わないがたゆ…と揺さぶられる。
何がとは言わないが。

水仙 倫太郎 >  
「そいやそうだったな。
 じゃあ今度のデートはゲーセンの帰りにラーメン行こうぜ。」

こういうことはしれっと決めるタイプ。
生憎とコッチは一端の男、女性のエスコート位完璧だ。
内心キマったぜ……と自画自賛する辺りまだまだ半熟卵なのだが。

「お、おう!任せとけ!」

……まぁ、こうしてあとには退けない状況をうっかり作っちゃう辺りもそうだ。
どうしよう、今のうちにちょっとお部屋を整理しておくべきか。
物は多い方ではないがどうしよう、用意しておくべきか。ネコマニャンスペース。
そんな外面だけ得意気な倫太郎も男の子。
たぷ、と揺れる某には自然と視線が落ちる。

実際豊満である。
清楚でお淑やかな雰囲気とは裏腹に実に女性的。
別に体で選んだわけじゃないけど、ついつい見ちゃうのは男の性。
ほんの数秒だったけど、倫太郎には長い一瞬。

「あ、そ、そうだ!最近他の連中とはどうだ?仲良くやれてるか?」

やべ、とはっとすれば即座に話題を切り替えた。

竜胆 襲 >  
「いいと思います!
 異邦人街に美味しいラーメン屋さんがあると聞きました!」

ちょうどそんな噂を聞いた後に、そんなデートのお誘い。
ぱっと明るい声色で、嬉しげにそう答える少女。
彼はこうして、どちらかといえば引っ込み思案なところもある襲をいつも上手く連れ出してくれる。

「………」

じ、と倫太郎の様子を伺う襲。
もしかしたら置き場所に困るのかな。
なんとなくにそう察したのか。

「倫太郎くんのお部屋、片付いてますか?
 また、そのうちお掃除とか手伝いにいきますね」

寮住まいの彼。
男子寮の部屋なんてどうしても物が溜まって片付かないもの。
襲は時折部屋に通ってはお節介を焼いているのであった。

「? そうですね、部員のみんなとは仲良くしてもらってます。
 夜間活動のほうも、これから夏に向けて少し頻度を増やそうかと思ってます」

なんだか慌てて話題を振られたような。
うん?と思いつつもまぁいいかと済ませ答えを返す様子は。やや天然気質である。

水仙 倫太郎 >  
「へぇ、そいつはいいな。一発走らせるにはいい距離だし、ちょっとリサーチしとくか。」

そうなるとなるべく近いゲーセンがいい。
この島自体部活動と称して色んな事業が成り立っている。
とは言え、一つの島国にみたいなもんだ。都会ほど密集してるわけじゃない。
最適なルート決めは退屈させないのに必須だ。
帰ったら早速調べよう。嬉しそうな彼女にがぐっとサムズアップ。
この瞬間のために生きていると言っても間違いない。

「え?あ、あー……ま、まぁまぁ散らかってきた、かも?
 いや、結構掃除してるつもりだけどどーもメンドーに……。」

定期的にやってるつもりだが雑と言えば雑。
典型的なちょっと掃除出来ないタイプの男子。
めんもくない、と申し訳無さに後頭部を掻いた。
だが、とりあえず視線にはバレてないらしい、セーフ。
引かれたらそれこそそれどころじゃない。

「ならいいんだ。多分、悪い奴らではねーと思うしな。
 夜の方も皆頑張ってくれてるし、俺も頑張らねーとなぁ……。」

ちゃんとその辺のチェックには抜かりがない。
変なお嬢様に方言女と犬。……犬?
思い返せば個性的な面々ばかりで逆に不安になってきた。
とはいえ、仲良く出来ているなら問題ない。
夜の仕事よりも、その辺りのが気になった。
そういう学生っぽいことの方が経験してもらいたい。
その方が、彼女の心のキズを癒せるのではないか、と思っているからだ。
正直、夜の活動の方は彼女には悪いが重要とは思っていない

この学園にはそういう専属の組織があったりもする。
そいつ等がやってくれるから、という怠惰的な考えな訳では無い。
余計なお世話かも知れないが、彼女にはなるべく戦ってほしくない我儘だ。

「俺もなんかもーちょい、こう……そういう魔術とか勉強すべきか?」

体に自信があってもそういった怪異相手のあれこれにはからっきしだ。
もともとそういうのに関わりがあるわけじゃないし、そういうのも彼女のために初めた。
正直、部活動の中じゃ一番弱い自信まである
勉強は苦手だが、いい加減何か一つ位物を覚えるべきか。
うーん、神妙な顔付きで自身の顎を撫でた。

竜胆 襲 >  
サムズアップにお願いします。と微笑んで。
部屋が散らかっている、なんて口にする彼には小さくその細い肩を竦めて見せる。

「やっぱりですか。
 しょうがないですね。倫太郎くんは」

口ぶりとは裏腹にちょっと嬉しそうに目を細める。
こういうところは、明確に昔と変わったところだろうか…。
なんだか世話を焼くことを喜んでいるような素振り。

「みんないい人ですよ。ミコちゃんも、先輩も。わんこくんも。
 ……? 倫太郎くんが魔術を…ですか?」

首を傾げる。
急な申し出…この学園では魔術を習うこともできる…けれど。
魔術はそれはもう膨大なる学問である。
……いや、でも。彼なら一生懸命にならばこなしてしまいそうである。ただ…。

「魔術が必要な場合は、私が色々使えますから。
 倫太郎くんが無理に憶えることはしなくても良いのではないでしょうか…」

西洋魔術、陰陽五行、etc
怪異を滅ぼすためだけにあらゆる魔術にてを出し修める少女、襲。
学ぶにもそれなりに大変だとは思い、そう応えるが…。

「……もしかして、夜間活動のことで悩んでいたり…とかです、か?」

部室には今、二人きり。
この部に秘匿されている夜間の話も、口にしても問題はなかった。

水仙 倫太郎 >  
「ハハ、何時も悪いな。助かるよ。」

たはは…そう言われると弱いところはある。
けど、好きな子に世話を焼かれるのはこそばゆい嬉しさがある。
あと彼女が部屋に来てくれる口実になるので、そういう所が気が緩んでるかもしれない。

ズバリ言われるとちょっと眉を顰める。
その通りではあるし、隠し事にすることは出来ない。
特に部活仲間もいない二人きりの状況。強がっても仕方ない。
ちょっと気まずそうに頬を掻けば、視線を落とす。

「まぁな。まだきちんと皆と部活動したワケじゃねぇけど、一番足引っ張りそうなのは俺だ。
 ぶっちゃけ、この前まで平和ボケしてたっちゃーそうだしな。せめて、襲達の役にはたたねーとさ。」

それこそこの間までちょっとヤンチャしてた位だ。
言っちゃえばそれこそ何処にでもいるような田舎のヤンキー。
それが偶然彼女と出会い、異能に目覚めて此処にいる。
最低限戦う力は身につけても、まだまだ修行の身だ。
今でも現在修行中。ちょっと戦える程度の異能者だ。
喧嘩と戦いは全然違う。それはある出来事で身に沁みている。

夜の活動じゃ足を引っ張らないようにしているが、ついていけてるかも心配だ。
弱音を吐いてしまうのは良くないが、意地張って足を引っ張ったら余計に迷惑だ。
面目なさ苦い顔をするがいや、と首を振ればすぐに顔が引き締まる。

「つってもさ、少し位覚えておかねーと役にたたねーだろ?
 殴ってぶっ倒せるってワケでもねぇし、皆程多芸ってワケでもねーから。」

「何処でもお前の隣にいるのが俺の役目だからな。
 襲の彼氏がカッコ悪かったら、イヤだろそりゃ。」

竜胆 襲 >  
「いいんです」

自分も彼の部屋にいく口実になるし。
なんてことまでは、恥ずかしくて口には出さないけれど。

「うーん…それは、どうでしょう」

足を引っ張る…。
確かに霊体の怪異なんかには難しいかもしれない、けど…。

「無理に魔術を憶えるよりも、倫太郎くんの攻撃が怪異に通じればいいと思います。
 ほら、倫太郎くんは身体もおっきいですし、力も人一倍強いので。
 それだったら、きっと色々な方法がありますよ」

人差し指を立てて見せて、そう提案する。

「例えば破邪の言霊を織り込んだ布をバンテージ代わりに巻くですとか…。
 結構、色々。やりようは……。その、格好をつける必要までは、ないような…?」

彼氏が、とはっきり口に出されるとむず痒い。
やや照れくさそうに、視線を外して頬を紅くする。