2024/06/04 のログ
ご案内:「図書館 休憩室」に伊都波 悠薇さんが現れました。
伊都波 悠薇 > 「ふぅ……」

先輩と、風紀委員のお仕事を分担し、お荷物にならない程度に終わらせてから、頭を下げて逃げるように解散し、勉強しにきて、現在。

ある程度、今日の目標を達成できそうな目処がついてから、休憩室にやってきた。

キョロキョロと辺りを見渡せば、今は、誰もいない様子。

入る様は、泥棒や不審者だが……陰キャ、コミュ障には、このくらいの用心が必要、だ。
必要である。必要なのだ、と力説し、不審者ではありませんよー、と心のなかでいいながら、着席して息を吐く。

「今日も、あんまりうまくできなかったな」

ほぅと、いつも通り、ため息を、ひとつ。

ご案内:「図書館 休憩室」にポーラ・スーさんが現れました。
伊都波 悠薇 >   
「もうちょっと、姉さんみたいに、要領良ければ、なぁ」

ないものねだり、だが、一緒に行動してくれるひとたちに迷惑をかけるのは、気が引ける。

なんせ、今日はあちこち行きはしたものの、緊張で躓いて転ぶのを3回もした。

人によっては呆れて置いていかれてもしかたない。

今回は、人が良かったからいいものの……

「……はずかし」

ぽつり、呟いて。
目線をより隠すように前髪をいじった。

ポーラ・スー >  
「――あらぁ~」

 誰もいなかったはずの休憩室、どこからか聞こえる楽し気な声。

「可愛いこひつじさんがいるわぁ」

 それはまさに、いつの間にか。
 少女が座った席のテーブルの向かい側。
 テーブルの下からすぅっと、顔の上半分だけが覗いて、光を吸い込むような深い蒼色の瞳が、俯いた少女を見上げていた。
 

伊都波 悠薇 >   
「ぴゅい」

顔面蒼白。

ぴょんっと、座っていたのに文字通り、腰浮きし。

がたんと、椅子に着地する。

いなかったはず、いなかったはずである。

誰もいなかったはずであるが、いた。

もしかしたら、幽霊?

とも考えるが、人であったなら、余計に「大変」だ。

幽霊のほうがまだ幾分かましである。

「お、おじゃま、して、すみません、でしたぁ」

そーっと立とうとするが、腰が抜けて、立てない。

おじゃましましたぁ、できない。

冷や汗が、頬を、伝った。

ポーラ・スー >  
「『ぴゅい』」

 少女から飛び出た変な音を、面白そうに真似して。
 ゆっくりと、テーブルに両手を置いて、ひょこりと顔を出した。

「そんなことないわ、わたしの方がお邪魔しちゃったわねえ。
 驚かなくていいわよ、お化けじゃないわ」

 真っ青になってしまった少女の顔を見て、くすくすと笑う。

「そ、れ、と、も~。
 お化けの方がよかったのかしら、こひつじちゃん?」

 『お化け』は、目を細めて、やんわりとした微笑みを浮かべながら少女の顔を見上げていた。