2024/06/08 のログ
ご案内:「図書館 休憩室」にマトさんが現れました。
マト >   
「休憩室には図書館内の本の持ち込みは禁止」
「その代わり飲食は可能、文字通りの休憩室」


先ほどカウンターで聞いた説明を口にしながら休憩室に入り、立ち並ぶものを眺めている
正直な所『休憩』が必要なほど目も体も疲れているようには見えないが

「ジュース……うん、これがいいかな」

薄桃色の味付きのジュースを一本買い、手近な椅子に座り込む
そのまま取り出すのはスマホの端末のようで

「……さて」
「今日の成果を確認しよう」

きゅっ、とペットボトルの蓋を開けて一口飲むと、スマホの画面を凝視し始める

マト >   
「――――」

「――― ♪」

「――――――」

「――――――――――」

「―――  ~~~♪」

マト >   
―――図書館ではお静かに、という言葉を律義に守っていてはこの状態でのロールが成立しないので、此処からは例外的にマトの視線の先を表示させてもらう

マト >   
『目標1:料理を作る、参考書物、家庭料理に関する本』
『お弁当を毎日作ってもらっていてはお礼が出来ないので、自分で料理を出来るようになる』
『結果:料理関連の本が多すぎるため絞るのにある程度時間がかかったが、最低限の知識は得たと判断できそうだ』

『目標2:神についての知識、参考書物、多数』
『先日優希に聞いた知識に関する発展を目的とした検索、此方も料理以上に探す幅が多かったね』
『歴史、事件、宗教……複数の国に関して調べる余裕はまだないから、さしあたり日本についての情報に絞る事にした』

どうやら図書館で調べた内容をスマホに書き記し、休憩室に持ち込んで確認しているらしい

ご案内:「図書館 休憩室」に風花 優希さんが現れました。
風花 優希 >  
その日もまた、いつも通りに彼は図書委員の業務に従事していた。
意識を周囲に配り、禁書の類が持ち出されていないかを警戒し、書庫を整理する。
受け付けの方は今日は担当ではなかったが、必要時にはそれを受け持つ。

そんな中で、休憩所に優希が姿を現したのは、ある意味では当然の事だった。
書庫整理の途中だったのか、彼は本の束を抱えながら、休憩所横の通路を歩いていた。
そこでふと、視線を向ければそこには記憶に新しい知人の姿が見えたわけだ。

「…マトじゃないか、ここでなにしてんの?」

こてりと小首を傾げながら、彼は訪ねる。
その様子だけを見れば、スマホ片手に休憩中…という様子ではあったが、やけに愉しそうであったので。

マト >   
『あの時にでた単語である荒魂というものを調べた』
『神の荒ぶる側面であり、対応する側面に和魂というものもあるらしい』
『面白いのは側面、という言い方をしている通り同じ神であっても荒魂と和魂で名前や扱われ方も変わる場合がある事だね』
『根本が同じものの一部を切り取り、そして定義する』
『これとあの時優希が言っていた概念に当てはめると――』

そこまで読み進めた所で声をかけられた事に気づき顔を上げる
その相手がつい先日あった相手だとわかると、わぁ、と言いたげに口を軽く開けて笑って

「優希♪またあったね、勿論図書館なんだから、本を読みに来たのさ、調べたい事があったからね」
「あ、勿論此処には持ち込んでないよ、人が決めたルールは守らないとね」

すっくと立ちあがって優希に近づくと、マトもまた優希の様子を見る
手に持った本の束をじぃ、と興味深そうに眺めてから口に出す言葉はある意味分かり切った内容だ

「優希の方は何をしているんだい?沢山本を持ってるみたいだけど、それ全部読むの?」

こてり、と首を傾げながらも本や優希に対する興味は瞳からありありと伝わってくるだろうか

風花 優希 >  
「なるほど、調べもの…ね。
 それにメモしてた感じかな?」

スマホを指さし、優希は本の束を抱えたまま休憩室へと。
案外と力はあるのか、重そうな様子は見せずに。

「何を調べてたのかには興味はあるけど…
 あぁ、これ? これは今から元の棚に戻しに行くんだよ、図書委員だからね」

読むわけじゃないよ、とはらはらと掌を振る。

マト >   
「持ち込みは出来ないからね、最初に貰ったメモ帳はすぐに書ききっちゃったから」
「相談したら寮母さんにスマホの契約を進められてね、連絡も取りやすくなるって事で」
「格安しむ?ってやつで登録したんだよ」

色々お金はかかるから、そのうちバイトとかした方がいいとも進められたね、とマトは言う

「中々こういうものを触るのも楽しいね、本を読む、という行為とはちょっと感覚が違うけれど」
「あぁ、もしそれなら時間があるならちょっとお話する?優希に会って調べようと思った事だからさ」

軽々と本を持ち運ぶ優希を見ながら横の椅子を引いて、楽し気に薄桃色の髪を揺らす

「へぇ図書委員、そういえば委員会、というものがあるんだったね」
「僕はまだ所属してないんだけど……お疲れ様かな?」

図書委員、という言葉にも分かりやすく興味を持ったような反応と一緒に、手をこいこい、と誘う様に振るだろう

風花 優希 >  
「よくやるなぁ…普通の書物なら借りて持ち帰ってもよかっただろうに」

その方が、メモをするのであれば容易であっただろうに、と呟きつつ。

「キミも寮住まいって奴か、お金とかどうしてるのやら…」

そんな今更ながらに、当然抱く疑問を口にする。
魔導書の己が言えたことではないが、ゴーレムのマトが如何にして人間生活を送っているのかは気になるのだ。

「構わないよ、案外と図書委員の仕事は普段は暇なもんだからね」

今も手が空いている、と身振り手振りで示す。
まあ両手が本で塞がっているのだが、それは一旦机の横にでも置いておけばいい。

「今も返却された本を戻してしまえばフリーな見回りタイムだ。
 そこまで疲れててもないし、大丈夫」

ともあれ、そのまま招かれるようにマトの隣へと。

マト >   
「…… その手もあったね」
「でも僕が借りている間に他の人も読みたいかもしれないし」
「覚えるのは得意な方だからある程度は之で賄えるかなってね」

ぽん、と手を叩いて答えつつ、マトなりの配慮もあったようだ

「あぁ……僕の場合は無一文で保護されたから、ある程度は補助金?ってやつが出てるみたいでね」
「とはいえ最低限だから、ある程度以上のお金を使いたいなら自分で稼ぐ必要があるみたいだ」

食事は美味しいけれどあんまり必要ないけど、水分は欲しいし……
何て生活が垣間見えるコメントをしながら自身の環境について軽く説明している

「優希は寮には住んでないのかい?僕は堅磐寮って所にお世話になっているけれど」
「そっか、それは嬉しいな、優希とはまた話したいなと思ってたからね」

誘いに乗ってくれた優希に嬉しそうな顔を見せながらスマホの画面を見せる
そこには彼が調べていた本についての情報が並んでいた
半分は料理関係、もう半分は日本の歴史や神についての本の題名だと分かるだろう

風花 優希 >  
「ははは、そこまで気にしてたら本は借りれないよ。
 配慮しているのは律儀というかなんというか、だけどね」

「なるほど保護身分か…生活するだけなら確かに困らないか。
 食事とかそういうの、必須じゃないんだろうし」

とはいえ最低限はそれでも食べているのだろう。
前回もお弁当を美味しく食べる為…なんて理由で山で出会ったのだから。

「ボクは男子寮に世話になってるよ。
 …で、話をするのはいいけど、何か聞きたいことでもあった?」

隣に腰を下ろし、魅せられたスマホに目を通す。
なるほど、あの話の後にマトはそれに関連する事柄を調べていたらしい。

マト >   
「人に迷惑はかけたくないからね、でも優希がそういうなら……」
「次からはそれも考慮に入れてみる事にするよ」

言われて直ぐにそう頷くあたり、やはり素直ではあるのだろう

「恐らくはね、自分の事なのに恐らくというのも変な話だけど」
「ただ食べるという行為は好きだし、人との交流という側面で見てもそれが可能なのはメリットだと考えているよ」
「その延長線上として、料理を作る事が出来るのも喜ぶ人が多い技術だと感じてね」
「半分はそれが理由で料理の本を探しに来たのさ」

自身にとって本質的にそれが必要な行為なのかをマト自身は測りかねているらしい
とはいえ今のところは食事そのものが好ましい行為として認識しているようだ

「あぁ、取りあえずあの時聞いた荒魂について調べたんだけど」
「荒魂以外にも和魂、幸魂、奇魂何て側面にも分けられているんだね」
「そしてそれらが元々は一つの神を根源にしている……」
「まだ詳しくは調べてないけれど、この考え方が神道って奴のものなのは調べたよ」

勿論まだまだ検索途中ではあるんだけどね、と付け加えつつ楽し気に調べた結果を話している
こういった知識を得る行為もきっと好きなのだろう

風花 優希 >  
「そうだね、共にする食事は人の心のハードルを下げる。
 知らず知らずに、信頼というものを食事を通して得る事だって出来るからな。
 ……しかしまあ、料理の方にまで興味を持つのは意外だったが」

食べるだけでなく、作る方にまで興味を持つ。
実に好ましいことであり、微笑ましいことではあるが、意外が勝る。
不必要である事柄に強い興味があるというのは、己にはあまりないから。

「一霊四魂とはまた、結構ちゃんと調べたね。
 わりと荒魂・和魂の解釈の方が一般的だってのに」

「でもそうだな、同じものでも別の側面を神は持つ。
 だからこそ、荒ぶる者を崇めて諫める。
 そうすることで荒ぶる神でも、別の側面を見出せる」

マト >   
「意外かぁ、いや、正直な事を言うとね」
「今やるべき事、が余り定まらないから、かな?」
「もしかしたらもっと大事な事があったのかもしれないけれど、覚えてないものは仕方がないからね」
「記憶喪失なのか元から無いのか……それも今調べる方法も無いわけだし」

手近なところで始められる『何か』が今日調べていた事だったんだよとマトは語るだろう

「興味があったからね、それに図書館にあった本が詳しかったお陰さ」
「一つの側面を見出すという事は、相手の全てを相手にしなくてもいいという事だ」
「之もまた"人の及ぶ範囲に留める"ための工夫とみる事も出来る」
「いろんな意味で上手くやっている概念だと思うよ」
「所で、それを鎮めていた優希は、つまりそういった術……読んだ中だと陰陽道だったかな」
「そういった力を使えるのかな?」

あの時の状況を思い出しながら、自身の考えと優希への質問を重ねていく

風花 優希 >  
「……あぁ、キミには使命(オーダー)ないのか」

その言葉に、実に納得したようにそう呟く。

「だから、色んなことに手を出したり、調べたりしているんだね」

己には一定の使命がある。
目的が存在し、存在意義というものがある。

だが、マトには無いのだろう。
それは被造物にとっては、実に足元が覚束ない事実だ。
如何にして生き、活動すればよいのかの世術がないのだから。

「ああ、分割し、分類することで可視化する、矮小化する。
 そういう捉え方も確かに出来るし、事実…間違いでもない。
 荒ぶるものでも宥める事が出来る、という解釈だって出来るしな」

都合がいい解釈をやるんだよ、と少年は冗談めかして。

「残念ながら、ボクの本分は魔術の類の方さ。
 ただ、神道や陰陽道の要素も在るにはある…それに準じた再現魔術、と言った方が正しいか」

マト >   
「そういう事だね」
「うん、優希にそう言われると腑に落ちたよ」
「僕にはまだ、使命(オーダー)が無いんだ」

今の自分をどう表現するか、といった問いに対しての答えを貰った気がしたのだろう、納得がいったように頷く

「君にはあるのかい?いや、あるんだろうね、それこそあの時に出会った理由もそうか」
「……何だろうこの感情は、嬉しいけれど、少しだけ胸がきゅう、とするような」

マトは目の前の少年が魔導書である事実は知らない、知らないが
此処までの話で、自身のような存在を良く知っている、という考えには至っているのだろう
ならばそこに宿る感情は、親近感や羨ましさが混じったものだろうか

「創意工夫という奴だね、そしてその意味ややり方を残したのが知識であり、本な訳だ」
「此処にある数多の本を見ていると、そういった人の歩みが感じ取れる、好きだよ」
「都合がいいのも大いに結構だと思うな、結果的に人が救われるならだけれど」

冗談めかす彼の言葉に、マトもくすくすと声を漏らしながら答えるだろう

「あぁ魔術か、それなら僕も適性があると言われたね、他はまだ測っている途中だし、相性もあるみたいだけど」

再現魔術?という聞きなれない言葉に小首をかしげる様子は、貪欲に知識や交流を深めようという気概に満ちている

風花 優希 >  
「…そうだね、ボクには明確な使命がある、活動理由がある。
 気が付いているだろうが、キミと同じ側だからね、ボクは」

事実は知らないだろう。見抜いているわけでもないだろう。
だが、同類であることは、恐らく理解をしている。

「…羨ましい、かい?」

だからこそ、その感情も理解はできる。
己にはないものを、持っているのだろうから。

「創意工夫、技術や知識というものを媒体として継承する。
 本というのはまさしくその象徴だからね。
 継承無くして、人は此処まで文明を築けていないだろう」

「あぁ、魔術だよ。色々方向性は偏ってるけどね。
 ……しかしそうか、キミも適性はあるのか、ゴーレムとはいえ」

マト >   
「そっか、そうなんだね」
「うん、羨ましい……とも思う、あぁ、だけどそれ以上にきっと好ましいとも思ってるよ」
「今分かったが、余り良い気分ではないからねこれは、持っていないならその方がいい」
「友達がこんな気分と無縁ならそれは喜ばしい事だよ、優希」

マトは自身の感情を優希の言葉と共にかみ砕き、吐露するようにしながら纏めていく
羨ましいが、同類である優希がこの感情を持たずに済んでいる事は好ましい事だ、というのがマトの考えだった

「おかげで僕もそれに肖れる、そして今はこのスマホもその媒体の一つ、便利なものだね」

「うん、調べて貰った範囲だと、属性でいう水と火……には結構親和性があるらしいね」
「もしかしたら僕の力にもその辺り関係しているのかもね、"液体"を"固める"って行為だからさ」

実際どの程度扱えるかはこれから学んでみてだけどね、と付け加えながらも、少し嬉しそうだ

風花 優希 >  
「”複雑な気分”って奴だろう?
 そうだね、そんなものが無いならない方が良いんだろう」

だが、在る方が”人らしい”とも言えるだろう。
己も真似だけならば相応に出来ていると自負しているが、中身は別だ。
オーダーもなく、自由であるからこそ人に近しい。
少年にはマトはそう見えてならなかった。

「本当に便利になったものだよ。
 この端末一個だけで、その気になればこの書庫の内容全部を収められる。
 そして本にはできないことも出来るんだからね」

ともあれ、少年は利用してなんぼさ、と肩を竦めて。

「水と火、か。水の方は分かるが…土ではないんだな」

続く言葉には、少しだけ意外そうに。
そして在る部分で、少しだけ耳を揺らした。

「……液体を固める……。
 なら、氷なんかはどうかな?」

マト >   
「そう、それだと思う、フクザツナキブンさ」

優希の考えをマトは認識していないだろう、だから彼に対して少しだけ微笑んで

「でも自覚出来た事そのものはきっといいことだ、探すという目的が出来たんだから」
「どう探すか、何をそう定義するかは決められていないけどね」

「でも、それでもこうやって本の形で残っているのにもきっと意味があるんだろう?」
「適材適所、という言葉は知っているからね、そのために図書委員というものもいるんだろうし」

「土ではなかったね、能力で土を生み出す事は出来るけど……」
「あくまで作れるだけで、作った後に自在に操れるわけじゃないからかもしれないね」
「作る際に勢いをつけて飛ばす、なんて工夫くらいは出来るけど」

意外、という言葉には何となく自分も思っていたのか髪を軽く揺らしながら思案する仕草を見せつつ

「氷かい?あぁ、液体をそのまま固める、という意味なら出来るよ、寧ろ得意といってもいい」
「何せ僕の能力は変化先が複雑なほど液体の質と量を必要とするからね」
「液体をそのまま凍らせるだけならそこの問題はほぼクリアできる、別種の『凍った液体』にするなら別だけど」
「……そういえば氷も属性としてあるんだっけ?」

自身の能力を絡めて説明しながら、ふとそんな疑問を持ち上げて

風花 優希 >  
「……そうだな、己で目的を探すんだろう」

決められたものではない、自らで探求するもの。
ああそれこそ、人のようだなと、改めて。

「何だかんだ、本という形である方が読みやすかったりするからね。
 あとはまぁ…分かりやすいのさ、記号的にね」

横に置いた、本を一冊掲げる。恐らくは何らかの小説だ。
それはスマホに納まったデータではない、本であることが一目でわかる。
小さな一つの箱に納まっていれば、それはきっと紛れてしまっていただろう。

「なるほどね…創造は出来ても、製造は出来ない。
 自分の一部を捻り出してるようなものでしかないのかもな、それだと」

ともあれ、今の本題はその続きの話だ。
魔術についての話に、少年は少し食いついた。

「属性に明確にあるわけじゃあないな、水やら土、あるいは風との派生や複合ってのが多い。
 ただ、概念的な”氷や凍結に類する魔術”っていうのは案外まとまってる。
 しかしそうか、得意と言えるものなんだな…実に奇遇だ」