2024/06/13 のログ
ご案内:「図書館 閲覧室」に風花 優希さんが現れました。
風花 優希 >  
今日もまた、蒼髪の少年は本を片手にカウンターの奥に腰かけて、黄昏ていた。
なんということはない、図書委員として業務の最中だ。
所謂受付、カウンターに座り本を借りる人や生徒の声掛けがあれば、その対応をするだけの仕事。
少々退屈な仕事ではあるが、その間には本を読んでいてもいいし、ぼんやりしていてもいい。

「………」

少年もまた、受付に座っているだけで本に視線を落としている。
ただしそれは一見すれば、の話。

よくよく見れば彼の視線は時折、上を向く。
図書館の様子を確認するように、人々の動きを逐一確かめるように、だ。

ご案内:「図書館 閲覧室」にリョーガ・パレコルタさんが現れました。
リョーガ・パレコルタ > 『ふんふ…ん。』

そんな折、禁書庫に続く道から出てきたは貴方と同じ図書委員かつ、同輩の男。
禁書庫の見回り帰りだったか、真っ直ぐカウンターに近づきながら。

『よう、優希。
業務お疲れさんだねい?』

カウンター内にするりと入りながら労りの声。

風花 優希 >  
「うん?
 ああ、キミか…そっちこそ見回りお疲れ?」

ひょい、と軽く片手を上げて言葉を返す。
視線の先に居たのは同じ図書委員の同級生。

禁書庫の通路から来た辺り、見回り帰りかと推測を立てて。

リョーガ・パレコルタ > 『ん。
まあ何も無かったよい。
【かずさん】が常にいるようなものだしねぃ。』

こちらも手を挙げ、ヒラヒラと右手を振りながら挨拶を。
彼は無論腕は″右″しかないから当たり前だが。

『そっちはどーだい。
ぼちぼちってとこでい?』

ずっと今日の放課後は禁書庫を見て回ってたものだから、″表″の状況なんてわかるはずもなく。

風花 優希 >  
「そ、まあ、何かあっても困るしな」

【かずさん】なるものが何のことかは分からないが、それはさておき。
何事かがあれば、こうも自分もゆっくりしていないであろうことは事実。
禁書庫で何かしらがあれば、そも今頃駆り出されている。

「特に何にも、いつも通りだよ」

そして普段の受付仕事など、事件も何も起きるはずもない。
常日頃と同じように受付をして、時々本を片付けるくらいだ。

リョーガ・パレコルタ > 『ん。』

かずさん、まあ要は禁書庫の【彼女】の事なのだが、それはひとまず置いておこう。
リョーガはそれを聞いて。

『まあいつも通りが1番だよい。
こうしてここは平和な方がずっと良いだろうしねい。』

カウンター業務を進めるために、受付に座りながらテキパキと片手で資料なりを整理しながら。
【異能】も使わずに器用なものである。

風花 優希 >  
「何事もなく、いつものような安寧のために働くのが、ボクらだろうしね」

図書委員の仕事はそういうものだろう、と呟いて。
視線は軽くその横に、資料を整理するその様子を窺っていた。

「今日はそのまま帰るのかい?」

世間話がてら、なんとなしに言葉を続ける。
特に大した意味はない。
なんとなく、無言は気まずいだろうからという考えから零れたもの。

リョーガ・パレコルタ > 『ん。
図書室は″そうあるべき″だからねい?
当たり前の事でもあるんだがよい。』

資料を軽くまとめてからんー、と言葉を洩らす。
実際同じ寮生であり、同輩でもある彼とは何度か顔は合わせても、何を話したものか、と。

『ん、まだもうちっと居るよい。
まだ時間はあるもんで。』

貴方の零した言葉にそう笑みを浮かべながら。

風花 優希 >  
「ああそうだね、当たり前に違いない」

ぱらりと、無意識に本の頁を捲る。
視線を落としていないそれは、単に手持無沙汰な指先を動かす為だけのもの。

「そうか。
 まぁ寮に直ぐに帰ったところで、だもんな」

何か遊べるものがあるわけでもなし、と。
いや、現代ならばゲームやらなんやらもあるだろうが。

リョーガ・パレコルタ > 『ん。
特に門限辺りまでぶらついててもいいんだがよい…たまにゃ駄弁るのも乙なもんでね?』

貴方に顔だけ向けながらそう言の葉を投げる。
実際お互い寮で何してるかなんて良くは知らない。
だから。

『…優希って普段何してんでい。
読書のイメージがあるんだがよい。』

何気ない会話をしてみようか、なんて。

風花 優希 >  
「相手がボクでいいのかい?
 適当な女の子を引っ掛けてた方が、得な気がするけど」

冗談めかして軽く笑い、そう返す。
もちろん、そんな相手がいるとは欠片も思っていないが故だ。

「普段か…趣味的な話なら…
 読書以外は、適当に散歩したり、適当に喫茶に行ったりくらいかな」

リョーガ・パレコルタ > 『そんな引っかけるより気の知れた方がいーだろうでい。
ナンパ紛いなんて柄じゃないよい。』

ルックスから女性にチヤホヤされがちの彼だが、そういうのは見た目に反して柄じゃないらしい。
そこに真意や意図があるかは分かり兼ねるだろうが。

『なるほどねぃ…。
でもなんか親近感は湧くもんでい。
よく喫茶とかは行くもん良い。』

風花 優希 >  
「顔は良いだろうにねぇ。
 ま、見知った相手の方が気は楽だね」

どこまで本音で言っているのか、分かりかねぬ表情。
相も変わらず、向けているのは視線だけ。
その顔は本の方へと向けられている。

「水分補給兼の休憩として丁度いいしね。
 まあ少し、財布にダメージは入るけど」

リョーガ・パレコルタ > 『自覚はないんだけどよい。
皆が言ってくるからそうか、ぐらいでい。』

ふ、と笑みを浮かべながら。
この男は″いつもこうだ″。
飄々とした雰囲気も相まって、そう見える。
それでもお人好しなのはたまに見え隠れ。

『まあねぃ。
でも自分で幾つか落ち着ける手段を確保してるのは尊敬するよい。』

風花 優希 >  
「無自覚な顔の良さは、トラブルの元って聞くよ?」

人のことは言えない面であろうに、さも当然のように。
否、少年は自覚はあるのだが、特にそれを誇りはしない。
何処か無味乾燥、眉ひとつ動いていない冗談であった。

「そんな尊敬されるような事かね?
 普通に、喫茶で飲み食いしてるだけで」

肩を竦めて呆れたように、本を何となしに、パタリと閉じて。

リョーガ・パレコルタ > 『まー実際トラブルまで行かないけど、なんか雰囲気は感じるよねい。』

ははは、と肩を竦めながら。
冗談であって欲しかった言葉であり、彼のルックスに嫉妬を得る男子は少なくはないだろうから。

『俺はそう思うってだけだよい。
何気ない事が他から見たら尊敬出来るこたぁ、なくはないだろうさ。』

呆れた様子かの貴方にまた、肩を竦めて。

風花 優希 >  
「ふぅん?
 ……まぁ、言わんとすることは分かるけども」

何気ないこと、当たり前のようにしている事。
それが他者にとってはそうではない、というのは儘ある事だ。
ただ、それが彼にも当てはまる事だったのは、少々意外で。

「あんまり、落ち着ける場所が無いのかい?」

だから、そう言った疑問が湧くのは至極当然の事であった。

リョーガ・パレコルタ > 『ん。
まああるよい。
部屋が最近手狭だからねぃ。』

確かに落ち着く場所はある。
けれども、部屋が″趣味″で圧迫されていたから。
大した事じゃなかったから、疑問を抱かせてしまったか、と。

『んな訳で、新しい落ち着ける場所を探してるってだけだよい。』

おどけて見せてみる。
これだから、リョーガという男を読めないのかもしれない。

風花 優希 >  
「ふぅん?」

また、よく分からない感じだなと、少年は感じた。
無いのか?という問いに、在ると答えたのは理解できた。
だが、手狭だからと続けた意図は咀嚼できず。

まぁ、休めるはずの部屋がモノに溢れて落ち着きにくくなったのだろうか、と。
おおよそ、そのようにひとまずは解釈した。

「それだともう、どっかのホテルの部屋を借りるとかにならないかい?」

リョーガ・パレコルタ > 『んー、そこまでは。
まあこれから帰って整理するよい。
変なこと言ってしまったんでね、これくらいにしようかい。』

よ、と立ち上がって。
隅に置きっぱなしだったリュックを右手で持ち上げ、肩に背負いながら。

『優希もまた寮でねい。
んじゃ。』

颯爽とその場を後にする。
やっぱり、よく分からない同輩である。

ご案内:「図書館 閲覧室」からリョーガ・パレコルタさんが去りました。
風花 優希 >  
「なんだ、片付いてなかったって感じかい?」

苦笑を浮かべてそう返し、立ち上がるのを見れば片手を上げて。

「ああ、また寮で」

ひらひらと軽く手を振り、さり行く姿を一瞥するのであった。

ご案内:「図書館 閲覧室」から風花 優希さんが去りました。