2024/06/20 のログ
ご案内:「図書館 閲覧室」に風花 優希さんが現れました。
風花 優希 >  
本の束を両手で抱え、迷いなく本棚の合間の道を歩み進める。
今日もまた何という事はない、ごくごく普通の図書委員の業務の一環だ。

「この本は…ここだな」

どの本がどの本棚に収められるべきものなのかを記憶しているのか。
空色の髪を靡かせる少年は、確認のために本の表紙を一瞥すれば、直ぐに立ち止まる。

丁寧に蔵書を扱うように、一旦傍の置き椅子に本の束を寝かせて、
一番上のその本を手に取れば、少しだけ背伸びするようにして最上段の棚に手を添える。
左の手で本の隙間を起用に作り、そのまま本をゆっくりと押し込もうと。

風花 優希 >  
本はそのまま奥へと納められ、綺麗に表紙が冗談に並ぶ。
間が埋まったことで隙間なく詰められたそこは、実に綺麗に整頓された棚となり。

「さて、次は……」

そう呟けば、彼は再び椅子に置かれた本束を手に取り息を吐く。
本を押し込めた後の彼の視線は、通路の左右を確りと一瞥して。

ご案内:「図書館 閲覧室」に如月 槐徒さんが現れました。
如月 槐徒 > 「さて…これだけ広いと探しものにも苦労するな」

常世学園の教職になってから、図書館に訪れた回数は片手で数える程度。
普段調べものをするとなれば、自分で資料を取り寄せる事が多い。
だが、今日は取り寄せるよりも常世の図書館の方が適切な理由があった。

なのだが、不慣れかつ視線が通りにくい図書館で半ば迷子状態となってしまったらしい。
目的の棚がどこにあるか分からない。

「少しいいかな。今本を探していて。異能についての情報が記された資料を探しているのだけど、案内をお願いできないかな?」

本を片付けている図書委員らしき生徒に下手に話しかけた。
異能についての本、資料を探しているらしい。

風花 優希 >  
「ん? ああ、はい?」

かけられた男性の声にくるりと振り向く。
先ほど周囲を一瞥した時に、辺りを見回していた顔だなと密やかに思い。

ともあれ、続く言葉に耳を傾ければ、どうやら本探しの様子。
普段は見ない教師の顔だ、恐らくは久しぶりの図書館利用で迷ったと見える。

「異能についての本ですね、案内しますよ。
 ここ、小説コーナーなのでちょいと歩きますけど」

図書委員の本業として、無碍にするわけにもいくまい。
本は抱えたまま、こっちですよと先導して歩を向けた。

如月 槐徒 > 「ありがとう。恥ずかしながら迷ってしまったんだ。」

図書委員で間違いなかったようだ。
誘導してくれる図書委員の生徒の後ろをついていく。
それにしても、見ない子だ。
制服を見る限りでは男子生徒だとは思うが、この子も何というか、かわいらしい顔たちをしている。
昨日の子程ではないとはいえ、勘違いを生みそうな容姿だ。

「君は普段ここ(図書館)にいるのか?」

なんて、到着までの時間つぶしついでに尋ねた。

風花 優希 >  
「さり気に広いですしね、数が数だけに入り組んでますし」

本棚ばかりで歩けど歩けど周囲の光景に変化が無いのも一因だろうと。
同情するかのような、同意をするかのような言葉を返して。

「ええ、図書委員なので係りの時間帯はだいたいは」

そうでない時も、ここに居る事は多いのだがそれはそれ。

時折、ちらりと首を後ろに傾けて視線を送り、着いてきているかを確かめる。

「しかしまた、先生が異能の本なんて…わざわざ探しに来るのは珍しいですね」

如月 槐徒 > 「そうなのか。どうりで」

見たことがない訳だ。なんて納得する。

「そうだね。昨日異能のせいで容姿も声も価値観も大きく変わってしまっている子に出会ってね。
勉強不足を実感したんだ。だから異能について勉強しようと思ってね」

38歳の成人男性が女児にしか見えなくなるなんてのは初めて見た。
ありとあらゆる異能が存在する現代で医療に携わる者としては、知らなかったでは済まされない問題だと思っている。

「普段は外部から資料を取り寄せるんだけど、異能についてならここ(常世)以上の場所はないだろうからね」

風花 優希 >  
その口ぶりからして他の委員の担当なのだろうか。
なとと思案しつつ、記憶を辿り如何な相手であったのかを探る。
教師に関しては一通り、過去に記憶を留めていたが故に。

「ははぁ、なるほど…一種の変異、変容や呪いの類ともいえる奴ですか。
 古今東西、ありますからね。祖先の血のせいで妖怪になっただとか、そういうの」

話を聞きながら、静かに納得する。
少し圧のある雰囲気もあったが、中々に生徒想いな教師なのだなと。

「とはいえ、異能由来となれば例も限られそうですね。
 魔術やら呪いやらの方だったら、ボクにも多少は知見もあったんですが」

如月 槐徒 > 「そうなんだ。魔術も呪いも、異能で一時的に姿が変わったり、身体の一部が変化したり増えるぐらいなら俺も知っているんだが…数年前から女体化が進んでいるというのは全くの初耳でね…」

肩を竦める。
図書委員の生徒と同じく、魔術や呪い由来の変化への対策自体はある程度心得ている。
そういった症状を和らげる霊薬もあるぐらいだ。

「だから、似た事例を探して何か手がかりとかを探ろうと思ったんだ。
当人はそれほど困っているようではなかったからお節介かもしれないけどね」

本人にとってどうするのがいいのかはいまいちまだ分りかねるが、いざという時の対策を打てるようにするのは大切な事だ。
本人の体組織やら遺伝子やらを解析するのが手っ取り早くはあるが、そこまでする段階では決してないだろう。

「それにしても、知見があるということは、君は魔術師なのかな?」

なんて、尋ねてみた。

風花 優希 >  
「ははぁ…女体化……。
 どっかの池に落ちたとか、そういうのじゃあないだろうし」

異能が原因、というあたりに、魔術や呪いではない確信があるのだろう。
あるいはその変質している…女性になりかけてるらしい人物の主張か。

「一夜にして変化するなら、まだ逆に解決の目途が見つかりそうですけど…
 年単位で変化して行ってるって言うなら、根深そうですね」


どちらにせよ、『徐々に変質していく』というそれは難儀だろうなと直感する。

「うん? あぁ…一応はそうなりますね。
 ボク個人じゃあ、其処まで大した魔術は使えませんけど」