2024/06/21 のログ
如月 槐徒 > 「そうなんだ。簡単な事ではなさそうでね…」

相槌を打つ。
なまじ唐突な変化でない分たちが悪い。
それに、生まれてすぐとかならまだしも恐らく30を超えてからの話だろう。
何か条件でも満たしたのだろうか。

あの時、異能で見ておけばよかったと少し後悔するも時すでに遅しだ。
次会う事があれば確認させてもらおう。

「そうだったか。俺は魔法の才能がいまいちでね。あまりよく知らないが、どんな魔術を使うんだ?」

風花 優希 >  
ゆっくりと変質するそれは、話だけを聞けばまるで遺伝子ごと変わったかのような話だ。
それこそテセウスの船のように、少しずつ部品を組み替えて、全くの別人に変えるような。

何処から何処までが『かつての自分だったのか』。
その境界すら曖昧になる状態は、戻そうにも果たして『どう戻す』のか。

「凍結とか氷とか、そういう魔術が得意ですね。
 あとはまあ、それに付随した封印や停滞の系統だとか」

あ、ここ曲がります、と一言入れて。
本棚を右に曲がって進んでいく。

「先生は…霊薬学とかでしたよね、確か授業科目」

如月 槐徒 > 「図書委員というよりかは祭祀局っぽい魔術だね。本がすきだったりでもしたのかな?」

封印と聞き、祭祀局っぽいなという考えが浮かぶ。
図書委員であることを否定する訳では全くないが、どうして図書委員をしているのかが気になった。

「よくわかったね。俺は霊薬学を担当している。受講者の少ないマイナーな科目なのに、知っていてくれるのはうれしいね」

受講者が少ないだけではなく、認知度も低い科目だというのに、初見の生徒に言い当てられるのは少しばかし喜ばしい。
驚きを見せつつも、少しばかし表情が和らいでいるのが分かるだろう。

風花 優希 >  
「あはは…まあ、そっち系の系統なのは否定しませんね。
 図書委員の仕事も、似たようなものでしょう?」

魔術がそう、とは敢えて言わない。
どこか曖昧な同意であり、肯定を返す。

「先生の担当科目やら、名前とかは一通り覚えてるので。
 それに霊薬学の先生となればあまりいませんから」

逆に覚えやすい。
そう返すと共に、本棚をひとつ、また一つと過ぎていく。

「実際、どんな科目なんですか、霊薬学って?」

如月 槐徒 > 「そういうものなのか」

祭祀局の仕事も、図書委員会の仕事も良く分かっていない。
そういえば、常世には禁書庫があった事を思い出す。
禁書の類の封印、という事だろうか?入った事がないからよく分からない。

「凄いな。俺でも全員は自信がない。」

感心。一応顔と名前は一致するだろうが、話した事がない教員もいるし、話題に出された程度では分からない同僚もいると思う。
そう考えると、この子は凄いな。

「そうだな。名前通り霊薬について学ぶ科目だ。霊薬っていうのは身近な所だと異能抑制薬とかがそうだな。ああいう科学じゃ説明できない薬について学ぶ科目だよ。魔術だと儀式用のインクとかも霊薬の仲間だな」

霊薬学についての質問はもっぱら霊薬とは何か、である。
霊薬についての知識が創作の域を出ない生徒は少なくない。霊薬が身近なもので在る事を知ってもらう事が始まりだろう。

風花 優希 >  
「封じ、そして管理するという点では、同業他社みたいなものですよ。
 たまに協力することもありますしね」

嘘ではない。確かな事実の一つではある。
無論、随分と語弊のある例えでもあるが。

「実際に話したことのある先生となると、全然ですけどね」

とはいえ、生徒と教師であればそんなものだろう。
それこそ部活やら委員で関わる教師や担任以外は普通、機会がない。

「ははぁ、異能抑制のアレも範疇と…言われてみれば納得ですね。
 インクまで範疇なのは少し驚きですが……
 その感じだと、思った以上に取り扱ってる範囲、広いみたいで」

如月 槐徒 > 「なるほど。勉強になるね」

本家にも秘術の記された禁書があるなんて話を聞いたことがある。
才能があれば、自分もその手の魔術に触れる機会もあったのかもしれないな、なんてふわりと思った。

「霊薬っていうのはあくまでも俗称だからね。正式な区分がない分、それっぽいってだけで霊薬って言われる事もあるぐらいだよ。とはいえ、俺の授業では人体に作用するものが殆どだけどね。インクとかはあんまり教えてないな」

科学で説明できない薬。その材料を用いて作ったものは全部霊薬みたいなところがある。
授業ではそこまで広くは扱わない。何故なら人体に効くものと、それ以外に作用するものではまた話が変わってくるから。

風花 優希 >  
「アレですね、こっちの感じで言うなら…
 魔術具の触媒やら、薬剤に焦点を充てたって感じの

おおおよそ、そう言った説明でなんとなく理解が行ったらしい。
魔術に触れている、というだけあって、身近なのもあるのだろう。

そうこう話しているうちに、目的の本棚に辿り着く。

「と、ここですね、異能コーナー。
 前の方が初心者向けで、専門的なのだと奥の方だったかな」

如月 槐徒 > 「そうだね。あんまり専門的なものになると老舗とか専門店のが多いかもしれないけど、授業とかで使うものぐらいだと製造元が製薬会社だったりもするから見てみるといい」

この辺りの理由は、薬と触媒が霊薬として一括りにされている以前に、製造過程や必要とされる技術が似ているという部分だろう。
専門的なものや高性能なものとなると、古来から受け継がれてきた知識にはかなわない部分が大きい。

「案内ありがとう。手間をかけてしまったね。」

ざっと本棚を見れば、異能についての様々な資料。
かつて(大変容以前)は著者の妄想とされていた書物なんてものもある。流石常世だ。
じっくり見させてもらう事としよう。

「持ち出しとかは出来るんだったかな。その時はまた君にお願いしてもいいかな」

風花 優希 >  
「へぇ、一般流通で手に入るのはいいですね」

その身近さを知れるのも、霊薬学の強みかも知れない。
いつか授業を覗きに行くのも悪くないな、と考えながら。

「いえいえ、これが仕事なので」

案内を終えれば、ぺこりと一旦頭を下げて軛を返す。
手にした残りの本を戻す仕事はまだ途中なのだ。

「ええ、それはもちろん。
 ”コレ”を戻し終えたら、カウンターにいますんで」

如月 槐徒 > 「ありがとう。それじゃあまたカウンターに寄らせてもらうからその時はよろしくね。
それと、その前に名前だけ聞いてもいいかい?」

去ろうとする図書委員の子に声をかける。
出来るだけ生徒たちの事は憶えておきたいのだ。

「知ってるかもしれないが、俺は如月槐徒、霊薬学を担当している。気軽に槐徒先生とでも呼んでくれればいい」

優しい表情で名乗った。

風花 優希 >  
「ああそう言えば…」

一方的に、此方からだけ名前を知ってる状況だったなと。
苦笑気味の顔を向けて、さり際に立ち止まり。

「風花優希、二年です。
 また機会があれば、その時はまたよろしくお願いしますね」

そう名乗りを返して、一礼の後に、その場を跡にしただろう。

如月 槐徒 > 「ああ、また会おう」

去っていく生徒を見送ったあと、1時間ほどかけて参考になりそうな本を選び出すだろう。
合計4冊を借りて、図書館を去って行った。

ご案内:「図書館 閲覧室」から如月 槐徒さんが去りました。
ご案内:「図書館 閲覧室」から風花 優希さんが去りました。