2024/07/30 のログ
ご案内:「委員会街 風紀委員会本庁」に奥空 蒼さんが現れました。
ご案内:「委員会街 風紀委員会本庁」に迦具楽さんが現れました。
奥空 蒼 > "今日の帰りに風紀委員会本庁の私の部屋まで来てね!"
我がかけがえのない親友―――焔誼 迦具楽こと、
カグラに唐突に向けられた呼び出し。

蒼色の理不尽な破壊神は、
呼び出した部屋―――ゴミ処理係の部屋でお菓子の袋広げながら、
怠惰の限りを尽くしていた。

冷房を18℃(※設定可能最低温度)にして、風力最強にして。
部屋を冷蔵庫みたいにキンッキンに冷やして。

「んぁ~冷房最高~~~!!」
「チョー気持ちいい~~~!!!」

部屋の戸には「極寒注意」との張り紙をしている。
熱を命にするカグラへの、最低限の配慮である。
怒られたらその時はちょっと炎の魔法使って謝ろう。

迦具楽 >  
 部活の面倒を見に学園にくれば、親友であり家族からの、極めて雑な呼び出しを受ける。
 その時の迦具楽の顔は、おそらく『え、やだ、めんどくさい』という顔だっただろう。

「蒼穹~来た――さっむっ!?」

 張り紙なんて見るはずもなく、扉を開ければ噴き出してくる冷風。
 十分な熱量を万全に貯えている今だからいいものの。
 八年くらい前だったら致命傷だったかもしれない。

「あんたねえ、電気代を考えなさいよ。
 ここまで設定下げる必要ないでしょうに」

 と、呆れた顔で部屋に入りつつ。
 適当にパイプ椅子を引っ張って腰を下ろした。
 

奥空 蒼 > 「寒いでしょ。」
「いらっしゃい、カグラ。」

ドヤッ
待ってましたと指ビシッ

「あ、大丈夫。電気代はぜーんぶ風紀委員会が持つから、"実質無料"なんだ。」

あまりにも酷い物言いは、多分前から変わってない。
むしろ前より酷くなってる。
……あら、そんな痛くもなかったか、……ほっ。

「とりあえず、おやつどうぞ。梅味ゼリーだよ。」

軽くデザートでも勧めながらのんびりとした調子で一緒に座っておきつつ。

迦具楽 >  
「寒いでしょ、じゃないのよ。
 うちでやったら冷房取り上げるからね」

 恐らく迦具楽の妻が。
 電気代が云々の前に、『必要以上に文明に頼るのは堕落ですっ』などなど、言われそうだった。

「風紀委員は羽振りがいい事で――ああ、ここでアイスを出してこない辺り、悪意があったわけじゃないのね」

 もしここでアイスでも出してくるようなら、喧嘩買ってやるかと思ったけれど。
 まあゼリーはシンプルに好きなのでありがたくいただく。

「――んで、わざわざ庁舎まで呼び出して、何の用?
 ふつうの用事なら、別に家帰ってからでもよかったでしょ」

 面倒な事情でもあるのだろうかと思いつつ。
 そんなもの無いといいなあ、と心底思う。
 

奥空 蒼 > 「そう。絶対に取り上げられると思ってたから。
ここでしかやらないし出来ないんだ。大丈夫、絶対やらない。絶対。やったら何でもする。」

もしやったらカグラにめちゃくちゃ怒られるって確信してる。……はて、そういえば、彼女の妻は、
まだ見たことがなかったな。名札はしっかりあったのを、覚えているけれど。

「ああ、なるほど。そうやってカグラに喧嘩売り返したらよかったのか!
 こないだ2回ぶん殴られたし。……まっ、殴られる理由が私にあったけど。」

冗談半分。……こうして軽口を、また叩きあうのも…もう何年振りだか。

まっ、それはさておき本題だ。

「いやあ、あのね。」

「改めて。」

ちょっと向き直る。

「私の助手さ。また。やってほしいなって思ってさ。」

……あの時は。私は隣にいなかったけれど。
私の責任で。

「昔―――キミが落第街で、頑張ってくれてたの知ってるから。」
「ああ、別に……厳しいノルマや火急の用事があるようなとこじゃない。」
「治安の維持なんか考えなくていい」
「やってる感を最重視する部署。どう?私ららしいでしょ」

迦具楽 >  
「なんでもする、ねえ。
 輝夜の面倒でも見に、遊園地でも連れてってもらおうかしら」

 娘の事を口に出しつつ、恐ろしいのはお嫁様である。
 うっかりすると、流血沙汰――には流石にもうならないとは思うが。

「買うぞー、買う買う。
 今度こそ立ち上がれないくらいぼこぼこにしてあげる」

 しっしっし、と笑いつつ。

 さて改めてと言われれば、むと眉間にシワだ。

「――んー、助手はまあ、やめたつもりもないんだけど」

 とはいえ、問題は場所だ。

「それさ、『あの街』であれこれやる感じ?
 実は、あ~――私、あっちに行かないように言われてて」

 以前、妻に酷く怒られたのだ。
 別に悪事を働いたわけでもなく、古巣の様子が怪しかったものだから首を突っ込んでしまったのだが。

「だとしたら、ちょっと手伝うのは難しいかも。
 流石にそのぉ、やっぱり、サヤに泣かれるのはしんどい」

 などと、愛しい妻の事を想うと。
 流石にはいよ、と二つ返事で受けられないのが実情だった。
 

奥空 蒼 > 「カグラとカグヤとで……ゆ、遊園地ね。……夏祭りとかじゃダメ?」

ああいう場所、あんまり明るくないんだ。
恐怖を糧にする破壊神としては、特に。


「…?え、まじ?」

返答にちょっと、びっくりした。
結構あの場所好んでたし、元は路地裏の影なんて異名の怪異だったろうに、
一体どういう変化なのだろう。

「あ、あぁー…愛は、全てにおいて優先されるからね。
 特に…怒られる、じゃなくて泣かれるってなると。」

どうしよう、
すっかり受け入れてもらえるものと思って誘っちまったぞ。
そうか…
そういうこともあるか…

「そっか。でも…なんか、良いね。それ。
 キミがしっかり家族やってて、愛されてるし愛してるってのがよく分かる。」

そういわれると、強く誘うわけにもいくまい、か。

「まっ…表向きは普通に風紀委員会で出るゴミ処理係になってるから…つまりこのあたり、
 庁舎で出るゴミ焼き捨ててくれたら、いいんだけどさ。」

裏向きの話は、しないほうが良いのかもしれないなあ…って。

迦具楽 >  
「夏祭りも行きたがってたし、連れてくつもりだったけど。
 なに、蒼穹が連れてってくれるの?」

 おや、風向きが怪しい。

 さて本題の方であるが。

「まじまじ、自分でもびっくり。
 愛されてる、のは嬉しいけどね。
 愛してあげられてるかはまあ、ぶっちゃけ私ってロクデナシだし、自信ないかも」

 などとへらへら笑いつつ。

「ん~、ほんとにゴミ掃除じゃん。
 ――どうせ、違反部活の類の掃除でしょ?
 別に手伝えないわけじゃないよ、要するに、『私の本体』が危険に遭わなければ大丈夫。
 例えばこんなん作って、動かしたりとか」

 そういうと、迦具楽の手先から黒い流体がどろりと溢れて、机の上にぼとり、と落ちる。
 それは直ぐに、小さなデフォルメされた迦具楽の姿になって。

『やーいやーい、昼行燈破壊神~!』

 などと言いながら、机の上をちょこまかと走り始めた。
 

奥空 蒼 > 「うん…行こうか?カグラは?まっ、仲を深めに二人っきりってのも良いか。」

折角だからとにんまり。意外と遊ぶのはこっちも気に入ってるみたいだから。


「……ふふん、ろくでなしなところは私と変わりないね。でも……愛してるって言えるよ、キミは。
私がそう見えるんだから。」

「単に違反部活ってわけじゃないんだけどさ、大体あってる。
ようはここに押し付けられてる、ガチのゴミ。
超常犯罪者を適当に間引けばいいんだ。そこに………依頼ボックスあるでしょ?
そこにはね、

とりあえずめんどくさいから押し付ける、
手間がかかるから押し付ける、
適当な理由で押し付ける、
或いは―――たまーに、破壊の神に心底掃除してほしいと祈られて形になる。
そういう超常犯罪者(ゴミ)の案件が山積してる。」

ゴミ掃除について解説しながら、ちょっとした小箱を開く。

「達成率は良く見積もって3割かなー。適当でいいんだコレ。
楽な奴だけやってやってる感を演出~ってねえ。」



「ほんたい…?」

きょとん。
見つめた先に出てきた…異形の影…みたいなのから生まれたカグラのちっちゃいやつ…??

「……で、なにこれ。」
「カグラの分体かなんか?」
「え、なに?」
「喧嘩売ってんの?」
「私に?」

昼行燈。
……いやま、そうだけど?!
それがなにか?!
蒼い瞳がじとっと走り去る姿を見ている。

迦具楽 >  
「お、輝夜と二人は大変だぞ~?
 まあ、蒼穹が面倒見てくれるなら、私は久しぶりにデートを楽しんじゃおうかなぁ」

 子供が生まれてから、当然のことながら二人きりで遊びに行ける機会などもなく。
 『夜のお楽しみ』はほどほどにしているが、そういうデートは随分とお預けだった。
 まあ、二人きりでデートに行けば、当然、ヤる事はヤってしまうとは思うのだ、が。

「んー――蒼穹に言われるとなんか、微妙な気分だなぁ」

 嫌ではない、が。
 恐らくこれは、気恥ずかしい、そんな感情だ。

「――いやマジでゴミ処理じゃん。
 言葉選びは最悪だけど。
 サボり魔のあんたには丁度良さそうな仕事か」

 話を聞いて、なるほど、と納得する。
 この真面目に仕事なんかするはずもない破壊神が、帰って来てからも風紀の小間使いをしているのだから、面倒な仕事のはずがなかった。

「――そ、私を一部だけ複製したの。
 まあ、この程度だと玩具みたいなもんだけど」

『昼行燈~ろくでなし~!
 壊す以外は能無し~』

 ちび迦具楽は、調子に乗ってテーブルの上を駆け回る。

「――口悪いなこれ。
 まあうん、私は行ってしまえば特殊なエネルギーの塊だから。
 十分なエネルギー量さえあれば、自分の分身くらいは作れるの。
 思考やなんかもリンクできるし、思ったように動かせる。
 とはいえ、能力はよくて四割いかないくらいかな」

 などと、自分の粗雑に作った小さな複製を、微妙な表情で眺めながら説明する。
 要するに遠隔操作できるお人形を作れるというわけだ。
 それであれば、迦具楽自身に危険もなく、落第街を出入りしても怒られる心配もなかった。
 

奥空 蒼 > 「目を離しちゃいけないのはよくわかる、子供って好奇心が旺盛だもんね。
……はぇ……仲睦まじくっていいなあ、やっぱ愛し合ってんじゃん?」

にへ。
両指立ててびしりっ。

「そうそ、ゴミ処理ゴミ処理。らっくにやれる緩い仕事。―――ま、最近予想外の仕事を一見捻じ込まれたけどねえ…」
(さっさと片付けよ……)

そういうと、書きかけのレポートと、
妙に丁寧に仕上げられた、おおよそこの破壊神が書いたとは思えないレポートをちらりと一瞥した。


「そうそう、私はねー、……おいいい加減にしとけよマジで。
 正論だからって何言っても許されると思うなよ~?」

軽く指を鳴らすと、青黒い色彩の檻がちっちゃいカグラを覆った。
不随の球牢(プリズンスフィア)―――、ちょっとした、動けるって事実を壊す魔法。
誰かを捕まえるには便利だ。…それだけでしかない魔法だけど。
にっこりしてるけど割と効いてる。
破壊神、恐怖を食う性質上、悲しいかな、ナメられるのは効くのだ。

「口悪いなって…これカグラが言わせてたんじゃなかったの?!」
「なに?!別人格か何か?!」

「え……」
「えーーー……」

この口悪いのと……?

「コレを…?」
「いやまあ、……偵察要員には、良いか……。」
「特にカグラが傷つくこともないし……?」
「案外使えるか。カグラはこっちにいてくれて、適当に出てきた
ゴミ片付けて安全に緩く過ごしてくれてたらいいし…」
「……?モニター役とかもやってもらえるかも、それじゃあ。」

悪くない選択なのかもしれないと思いなおす。

迦具楽 >  
「愛し合ってなかったら子供なんて出来ないの。
 こら。その指へし折るぞ」

 どことなく恥ずかしそうに、むすっとした顔で。

「予想外の仕事ね。
 それで一人だと手が回らないとか、そんな感じ?」

 と言いつつ、視線を追ってレポートをチラ見はするが。
 特に何も言う事はなく、素直に、『こいつもちゃんと働いてるんだなあ』なんて思った次第であった。

「ほんとに、正論が一番ダメージにな――ってちょっと、私まで止めないでよ!
 これ、これが勝手に言ってるだけだから!」

 うぎぎ、と。
 概念を壊されても力業だけで、腕を動かしてチビ迦具楽を指さすあたり。
 ここはもう規格外と規格外の力比べのような物。
 とはいえ、ちび迦具楽は言葉も発せないくらい、ぴたりと停止してしまったが。

「スタンドアロン――あー、自律行動させたらまあ、どれくらい私の人格をコピーさせるかにもよるけどね。
 私とは無関係に動くよ、言っちゃえば同じ能力をもった別の生き物」

 そう言いつつ、ちび迦具楽は黒い液体に戻って、迦具楽の身体へと戻っていく。

「逆に人格や思考を持たせないで、私が完全に操作する事も出来る。
 ま、どっちにしても、作るにも動かすにもエネルギー効率悪いから、あんまり使ってなかったけど。
 あんたの手伝いの場合、純粋な戦闘力が欲しい訳じゃないだろうし。
 そういう意味では、それなりに手伝えるとは思うけど――」

 言ってしまえば、これ以上の事は出来ないといった所だ。
 流石に今みたいに、『動けるという概念』を破壊された状態で活動できるほどの能力までは持たせられない。
 精々、八年ほど前の迦具楽と同程度――もう少し弱いくらいだろう。