2024/07/31 のログ
■奥空 蒼 > 「……ふっ……あっははは……!なーんだその顔。惚気やがってさ~。かーわいっ」
そんな恥ずかしそうにするなんて。
こっちまで甘ったるい気持ちになってくるくらいだ。
ひょいっと折られないように指引っ込めてけらけら。
「……いや、仕事回らないならサボっちゃえばいいんだけどさ。
よりによってご指名だ。
それも、犯人を極力殺すなって指示付きで。それでちょっとね。」
(今めっちゃ失礼な事を想われた気がする…!!)
「え?え?えええーー……っっ???」
「は、はい…やめるね……?」
ちびっこい方とめたら本体も止まるのか…?!
いや、止まってないな?!
破壊魔法に抗ってくるあたりやっぱ流石だ…。
そう思いながらくるんっ、と指回すと檻が紐解かれるように消失した。
(でも今カグラも正論がダメージになるよねとか言いかけてなかったか?)
……もうちょっと続けても良かったかコレ。
「……別なんだ。そうか、離れた時点で別のものになるわけだ。」
さっき影色から生まれてたのは、そういう事か。
そして、今戻っていったのは、つまりまた同一化したわけか。
(……えッ?)
「遠隔通話装置みたいにも出来るし、別生命の召喚としても使えると。
今カグラに取り込まれたヤツ……人格、別なんだよね……?」
哲学的にその自我ってのはどうなっているんだろう。
確か……自分の自我について、非常に重く考えていたようだから、気になった。
「欲しいのはちょっとした話し相手と気の利く助手。ついでに諸々の分析とかもしてくれるととてもありがたいな~。
そういう意味では、カグラがストレートに操作してくれる方が私はやりやすいかな。
別の生き物になると…こう。…さっきみたいになりそうだし。
戦闘はこっちで全部済ませるからさ。……まっ、そこもしたかったらしていいけど。」
「お礼に風紀委員の末端の籍と、ちょっとしたお食事でも?
あとは破壊の神の加護もあげよう。特別だよ。」
何だかんだでゴミ処理係は風紀委員会とは思えないほどゆるっゆる。
■迦具楽 >
「よりによって破壊神に、不殺の指示ねえ。
完全にミスキャストだと思うけど」
腕を組んで眉をしかめる。
なにかしらの思惑でもあるのだろうが。
そこに首を突っ込めるほど、昔ほど自由でもない。
「そ、まあ消耗は大きいけど、便利には使える――ああ、そう、そうなのよね」
そこで、へな、と力の抜けた顔。
自分の面倒くさい性分が嫌になる所だ。
「すっごい簡単に説明すると、私の中には、数万、もしかしたら数億に及ぶ人間の残滓が保存されてるの。
とはいえ、今はもう私のこの主人格に影響が出るような事はないんだけど。
今みたいに自律で動く分身を作ると、私の人格をベースに、『保存されてる誰か』混ざって別の人格を作る。
もちろんそれも私がどれくらい支配するかの割合に依るし、エネルギーに戻して再吸収しちゃえば何でもないんだけど」
例えば本体と同じ量、半分以上のエネルギーを使って自律する分身を作ってしまうと、反対に本体のはずの迦具楽の方が吸収されてしまいかねない。
そういう意味で、自我の保存、人格の保持という意味では相変わらず厄介ではあった。
「んー、その程度なら私が直接操作して動けばいいか。
その程度ならあまりエネルギーを割かなくてもよさそうだし。
ああ、いざとなったらほら、その場に捨て置いてくれても大丈夫だしね。
そうならないよう、荒事は物陰で見守る事にするけど」
あくまで遠隔操作のお人形である。
切り捨てたところで、エネルギーの損失は痛いが、それはまた時間を掛ければ補える。
「お礼かあ。
食事はありがたいけど、一応私、正式には祭祀局に所属してるからなあ。
程度を聞いた限り、掛け持ち自体は大丈夫そうだけど。
ああ、加護の方はいいよ、着払いで返品する。
むしろ輝夜の面倒を見てくれる方が助かるくらいだよ」
さて、と祭祀局の方の規則を思い出しつつ。
正直お礼なんて要らないと言えば要らないのだ。
それなら、目を放せば家を抜け出してあちこちを駆け回っている娘の方を見ていてくれるのが一番ありがたかった。
■奥空 蒼 > 「…でしょ?だから参ってんのさ。
それで…さっきの魔法。不随の球牢ってのを使ってやれば、
ちょっとはマシかなーって。雑魚の足止めには十分、主犯格は多分コレだけだと逃げるだろうなって踏んでるけどね」
「ふむ―――そういう事ね。いや、…やばいねそれ。
さらっと言ってくれたけど、数億。
自律の存在作るのはやめとこう。なんかいやだそれ。」
ほんのりと、さらっとやって見せてくれたことに示す不安感。
ちょっと見ていて大丈夫かってなる。
万一ってことがあり得ないでもないわけだし。
「意外と…思った以上に丁寧に受けてくれるじゃん?
本体がいけないのは、残念でもあるけどさ。
逆に心配事がなくなって良いや。――カグラは別に心配するほど弱くないだろうけど。」
ぱちん、とウィンクして見せる。
「ぶっちゃけ、こっちの仕事なんてあってないようなもんだよ。
基本は祭祀局優先で良い―――え。祭祀局?!…カグラが?……妙な事もあったもんだね。」
一時期、怪異として恐れられてた側が、そうなるんだって聞き直す。
「まっ、祭祀局優先でいいのは、そうだし。」
「加護を断られたのは、悲しいし。」
「カグヤの面倒は、喜んで?」
あの子、目が離せないよなっていうのはよくわかるから。
子供ならではの好奇心、何か新しい刺激への欲求って、良いものだから。
何せ私自身が、日々の刺激を得るために、ゴミ処理係なんてやってるんだし。
■奥空 蒼 > 「さて。それじゃあ改めて―――受けてもらうってことで良いかな?」
「ああ、別に来たい時に来てくれたらそれだけで良いよ」
「たまーに今日みたいに呼び出すけどね!」
「じゃ。」
(随分長いこと経ったけど、)
(やっとやりたいと思ってたことが一つ叶った。)
「改めて今日からよろしくね。カグラ。」
(破壊神の助手、ずっと名乗ってくれてたの、知ってるからさ。)
とても、にこやかだったのだとか。
■迦具楽 >
「さっきのから逃げるって――力業なら私以上、魔術や異能なら超がついてもおかしくない相手じゃん」
そりゃあ、手助けだってほしくもなるというところだろうか。
本音を言えば、本体で手伝ってあげたいところだ、が。
家族の相反する頼みを、どちらも立てるとしたら、この辺りが限界だ。
「えっ、意外かなぁ。
蒼穹の頼み事だし、最初からちゃんと聞くつもりだったけど。
――ん、そうそう、祭祀局。
既に消滅したとはいっても、神性を持ってた事もあるし、怪異や神性の知識だけなら相応にあるしね。
あとはまあ、すごく良くはしてもらってるけど、監視の目的もあるんだろうな」
異邦人、怪異として、非常に好意的に受け入れては貰っているものの。
迦具楽の所持している能力は少しどころでなく強力すぎるのだ。
それこそ、ここが常世島でなければ、比喩抜きに街一つ潰すくらいは訳がないのだから。
「まあ祭祀局として私が動くのは、ほら、話が通じないような連中相手だから。
そうでないときは、子育てに忙しい普通のお母さんです~。
加護はほら、なんていうか――もう貰い過ぎたから」
ぽりぽり、と頬を掻いて。
なにせ、あの場所があったから今の自分があるのだ。
妻がいて、子供がいる。
そういう意味で、この破壊神は、迦具楽にとっては縁結びの神みたいなものだった。
「ああうん、じゃあそれで。
あの子ってば、もうお留守番出来るようになったのはいいんだけど、私とサヤの目を盗んでは脱走するから大変なのよ」
しかも体力や身体能力は迦具楽譲り、異能は両親のいいとこ取り。
島中を追いかけっこさせられた事もあるくらいなのだった。
好奇心の塊は、そう簡単には止められない。
「おっけー、じゃあ、ゆるーくお手伝いしましょうか。
でも、必要な時には遠慮しないで呼びなさいよ」
そう言いながら軽く拳を付きだし。
「今更でしょ。
それを言うなら」
軽く破壊神のムカつくサイズの胸を小突いて。
「今後ともよろしく、蒼穹」
そう快諾する迦具楽もまた、昔のように悪戯好きな、無邪気な笑顔を見せるのだった。
ご案内:「委員会街 風紀委員会本庁」から奥空 蒼さんが去りました。
ご案内:「委員会街 風紀委員会本庁」から迦具楽さんが去りました。