2025/01/13 のログ
ご案内:「委員会総合庁舎 資料室」に浜野 宗一郎さんが現れました。
■浜野 宗一郎 >
「さーってお仕事お仕事~」
浜野宗一郎はしがない一風紀委員だ。
現場に出たり、特別な装備を与えられるバリバリのエリートではなくごく平凡だ。
ごく平凡の事務仕事がメインの風紀委員だ。
やることと言えば情報を集めたり、プレゼンしたり…
まあ裏方がメインだ。
裏方がメインではあるが刀を差してる。これはファッション。
「軽く予算補正でもチェックしますか」
と言ってパソコンを叩く。
仕事はするが浜野宗一郎は仮の姿でしかない。
本当の目的は情報を閲覧である。
だが資料室という閑職である以上都合がいい。
ご案内:「委員会総合庁舎 資料室」に大神 璃士さんが現れました。
■浜野 宗一郎 >
「前作戦における出費と経費の削減、そして経費削減による活動範囲の縮小、更に違反部活との余計な軋轢を避けるべし…」
いってることは単純。
前の作戦で金を使いすぎたからしばらくは節約しよう。
節約するために風紀委員の活動範囲を縮小させよう。
抗争は金食い虫。なので違反部活との衝突は出来るだけ避けて譲歩しよう。
こんなところだ。
金、金、金とうるさいがこれが現実だ。
金がなければ何もできない。
「追記、一部スポンサー解約による経費削減について」
ちなみに経費削減と言ってもいくつか理由がある。
それがこのスポンサー解約。
実はこれ、海藤宗次が裏で該当するスポンサーと覇伝洲と契約を結んだことで取られるという形になってしまった。
■大神 璃士 >
がちゃり、と扉が開かれる音。
続いて入って来たのは、風紀委員の制服に黒いレザージャケットを着た男。
(資料のコピー取りに出てこい、とは…本格的に狗扱いの日々だな。)
最も、其処に不満などはない。元々走狗扱いに離れている。
そういう訳で、使い走りよろしく資料室を訪れた訳だが。
「――――――。」
人の気配。
何度か使い走りで訪れた事はあるが、こんな地下の、辛気臭いとも言える場所に
人の気配がある事自体が珍しい。
少し訝りながらも足を進めれば、オールバックの髪型の男。
何やらPCを操作しているのが見える。
「………。」
表情は変わらない。だが、幽かに違和感。
(――――知らない顔だな。)
無論、黒いジャケットの男とて全ての風紀委員の顔を覚えている訳ではない。
他委員会の委員か、とも思う。
だが、PCを操作している男は風紀委員の制服を着ている。
風紀委員は刑事部など、一部の例外を除けば職務の際は風紀委員の制服の着用が義務だからだ。
「…………。」
■浜野 宗一郎 >
「あっ、どうも~資料室使わせてもろうております~」
えへへへ、とすぐさま作り笑いを見せるこの男。
糸目で表情は良く分からないものの腰の低さが目立つだろう。
態度からしてかなり情けない部類に入るこの男、相手の顔を見るなり少し考えるようなそぶりを見せる。
そして、何かを察したのか先に口を開いた。
「ああ、もしかしてコピーです?コピー機なら奥の方にあります。分からなかったら呼んでもらってください。」
と言ってパソコンを叩く作業に戻る。
丁寧な説明を心掛けたがその後は用もないので相手から視線を切った。
パソコンを打ちながら宗一郎は内心穏やかではなかった。
「(なんでよりによってコイツと出くわすねん…風紀も結構大きい組織なはずや。もしかして追跡けられてるとちゃうんか…?)」
■大神 璃士 >
「…………。」
少しの間…あるいはオールバックの男にとっては、思ったよりも長い間に感じられたかも知れない時間。
すい、と、黒いジャケットの男は目を逸らす。
「……そうか。」
短い返事。そのまま、足音もなくゆるりと歩き出し、オールバックの男の視界から消える。
少し離れた所で、すれ違いながら――と言うには、距離が離れていたが。
其処から更に少し。
棚から資料を取り出すような物音が、少々離れた場所から響き始めた。
どうやら、資料の探索と確認を行っているらしい。
■浜野 宗一郎 >
「違反組織についての一覧…対処すべき組織の序列配置…」
相も変わらず宗一郎は資料作りに励んでいる。
まあそれが仕事というのもあるが。
無視して仕事をするのはここじゃ当たり前だと言葉ではなく行動で示す。
宗一郎は減らされた予算の中でより効率的な動きができるように対処する組織の順番を定める。
まあ危険度を設定する専門の部署の仕事なので当たり前だ。
だがその作業中に流石にあの男が探索してしばらく経つのにしびれを切らしたのか席を立つ。
「あ~、なんか探し物でっか?」
男がいるであろう場所にひょっこり顔だけを出した。
■大神 璃士 >
顔を出した先には、ブックトラックに数冊のファイルを置き、その中身を確かめていた黒いジャケットの男。
ぱらりぱらりと頁を捲り、必要と思しい箇所を確かめては目印に付箋を挟んでいた。
地味な作業であるが、至って真面目な仕事である。
「……何だ。デスクを離れて良いのか。」
す、と視線だけが声の主に向けられる。
顔立ちの問題もあり、睨まれるような雰囲気。
「こちらはいい。色々な課から資料の複製を頼まれて、作業量が面倒なだけだ。
仕事があるなら真面目にやっておいた方が、上からの覚えも良くなるだろう。」
つまり、雑務の押し付けである。
相応に時間がかかるタイプの、誰もやりたがらない…そして最後に、そのツケを
手の空いていた誰かが被る事になる面倒な仕事である。
■浜野 宗一郎 >
「(何してるかぱっと見分からへんな。…藪蛇やし聞いておくのやめておこうか…)」
見た感じはやってることは地道な作業だ。
しかしながら真剣な表情を見ると少なくとも遊びに来たわけではないのは明らか。
あんまり下手な事は聞きにくい雰囲気だ。
「あー、あんまし良くはないですなぁ。まあ別にここは人も少ないですし」
人も少ない場所で勝手にパソコンを弄られる心配はない。
そもそも真面目にやってるからどうってことはない。
だが本能的に人にパソコンを弄られるのは本業的に嫌う。
だからちょっとパソコンの方に目を向けながら答える。
「あ、あははは…そうっすか。それはまあ大変な事ですなあ。何はともあれ健闘は祈りますわ」
苦笑いを浮かべる。
真剣にやっている以上は無駄話は不要だろうか。
そう感じた宗一郎はひょっこり出してた顔を引っ込めた。
「(ふーん、あんなヤバイ奴もここじゃ下っ端ってわけか…)」
■資料室にて >
オールバックの男が愛想笑いと一緒に顔を引っ込めるのと、黒いジャケットの男が
再び資料に視線を戻すのは、ほぼ同時の事であった。
そうしてまた少しの間、頁を捲るかすかな音。
定期的に響き、一旦止まる形でそのリズムが崩れるのは、恐らく目当ての資料や
書類を見つけたタイミングで、付箋を挟んでいるのだろう。
そうして、再びPCにオールバックの男が戻り、その気が少しばかりでも緩んだタイミングで、
かたん、とファイルをブックトラックに置く音。
そして、
■大神 璃士 >
「――――おい。」
と、男の背後から、突然の声がかかる。
振り向けば、其処には黒いジャケットの男の姿――。
■浜野 宗一郎 >
パソコンに戻る宗一郎。
本当はやりたいことはあるがどうも人がいる場所でそれは集中がそがれる。
なので今やっているタスクを最小化でしまっておく。
代わりに出したのは名簿。
体調確認とかそういうのを判子したりする作業だ。まあ電子なのでチェック欄をクリックするだけだが
「!?」
後ろから急に声をかけられればガタと椅子から音を立てる。
気配がなく急に後ろに現れれば当然の反応だろう。
「なんでっか?ちょっと、急にビックリしますがな…」
■大神 璃士 >
「ああ、それは悪い事をしたな。」
かける言葉はいつもの調子。
本当に悪い事をしたと思っているのかどうか、どうにも判別がつき辛い。
それはさておき、といった形で、男は言葉を続ける。
「……資料室で仕事をしてるって事は、資料管理の類が仕事だろう?
少しばかり訊ねたい事があってな――」
すい、と視線が落ちる。
「……覇伝洲、とか言ったか。
まあ、よくあるゴロツキ・ならず者共の烏合の衆だが、幹部連中に煮え湯を飲まされたって声が多い。
暫く前に、幹部込みで危険度が下げられたって報せが来てな。
前に出てる連中からは、随分不満が出てる。
「書類整理ばかりしている奴は前線の危険を分かっていない」……ってな。」
そこで、一度言葉を切る。
す、と底の知れない光を見せるは、黒みのかかった青い視線。
「――何か、情報でも入ってきていないか?
誰かが変な提案した、とかな。
………ま、ある訳ないとは思いたいが。」
ふぅ、と小さく息を一つ。
まさかそんなことはないだろう、と言いたげだが、念のために、といった空気。
■浜野 宗一郎 >
「も~…誰だってビビりますって~」
ヘラヘラとしながらもほっとしたように胸をなでおろす。
立場が立場なだけあって心臓に悪い。
だが逆にビビらないと看破される危険性もあるので敢えてビビるのは正解か。
「まあ、下っ端ですけど…なにかありました?」
見た感じは閑職に追いやられたうだつの上がらない風紀委員だ。
下っ端と言っても通じるし責任も負いにくい。
「覇伝洲…ああ、名前は聞いたことはあります。構成員は大したことないものの幹部の戦力が高いと…。」
「まあ、前線に出てないのは事実ですけど…そもそも下っ端にこんな問答は不毛ですよ。俺は命令されてるだけなんですから。」
困ったように眉を顰める。
苦笑いを浮かべて両手を上げて本当にお手上げという様に。
「ただ、まあ…連中の行動は自分から風紀に吹っ掛ける事はないというのをチラっと聞いたことがあります。それじゃないでしょうか?」
腕時計を見る。
針はキリの良い時間を差しそうだ。
定時上がりと言わんばかりに帰る準備をし始める。
パソコンの電源を消す前に作成途中の書類を上書き保存するのを忘れずに。最後に電源を落とす。
■大神 璃士 >
「命令――命令、か。」
小さく、口元が上がる。
敢えて表現するなら、苦笑といった感じの表情。
「…下っ端という割に、随分耳が良さそうじゃないか。
――まあ、書類の作成で忙しいなら、他所からの噂や愚痴のひとつやふたつ、
入って来ていてもおかしくはないか。」
そう言いながら、パソコンのシャットダウン作業を行っているオールバックの男の背後から、
とん、と肩に手を置く動き。
――少しばかり、力が強い、ような気がしないでもないが。
「…まあ、下っ端は大変だな、お互い。」
その声と共に、するりと手は離れ――黒いジャケットの男はブックトラックの置かれている場所に戻っていく。
少ししてから、からからと音を立ててブックトラックが引っ張られ、少しばかり奥の書架へと
それを引く男共々消えていった。
■資料室にて >
――黒いジャケットの男が、オールバックの男の肩に手を置いて、離れる瞬間。
気付かれない程に静かに、その髪の毛を一本、拝借して。
■浜野 宗一郎 >
「まあそういうもんっす。」
組織の下っ端とは得てしてそんなもの。
正当性はともかく上からやれと言ったことはやる。
「別に耳が良いんじゃないんすよ。まあ、色々愚痴とか吐かれたりするんでね。自然と情報が集まる…そんなもんっす」
だから割とシャレにならない情報とか聞こえたりもするが…
まあ、そっちの方が本業が楽になるので大助かりだが。
「ええ、大変っすよ。でも責任は軽くて良いっすよ。」
肩に手が置かれる。
だが少しばかり重かった。
…これは圧だろうか、それとも単なる気のせいか…
「…………。」
今の動きちょっと不自然だった。
それがなんなのかは分からない。
だが一つ言えることがある。
「(どっちの姿でもアイツに関わるのはやめた方が良さそうやな…)」
警戒を露にする。
奴は危険だ。
風紀の奴とコンタクト取って交渉で覇伝洲と奴を関わらせないようにするか?
そんなことを考えながら帰路につくのだった。
ご案内:「委員会総合庁舎 資料室」から浜野 宗一郎さんが去りました。
■大神 璃士 >
「――――――。」
室内から、気配が消えたのを確かめてから、黒いジャケットの男は先程拝借したものを確かめる。
一本の、髪の毛。
それを、ハンカチで慎重に包み、更に取り出した密閉型のケースにしまい込む。
何時、何を頼まれるか分かったものではないので、常に携帯しているものだ。
それが、今回は役に立つ。
「………。」
確信、といえる程の物がある訳ではなかった。
名前も知らない、書類担当という風紀委員の男。
だが、口調と……「匂い」が、奇妙な違和感を訴えていた。
無論、そんな程度で強硬手段には出られない。
動くならば慎重に、かつ大胆に。
「…………仕事が、増えるな。」
ケースをしっかりと内ポケットに入れ直すと、改めて資料の捜索。
それが終わればコピーを取って、押し付けてきた相手に渡し終えれば、此処での業務は終わり。
――手に入れた毛髪は、前回とは異なるルートで以て、秘密裏に研究区の科学捜査所へと送り届ける。
各種生体データの分析と…念の為、以前に調査に回されていた、遺留品の刀から
得られたデータとの照合、ついでに風紀委員とのデータベース照合も併せて依頼する形で。
(…勘違いだったらそれでいい。懸念がひとつ減るだけだ。)
懸念が当たれば、いずれ動く所が動く。
あるいは……「また」自分にそれが押し付けられるのか。
それはまだ、黒いジャケットの男にも分からぬ事であった。
ご案内:「委員会総合庁舎 資料室」から大神 璃士さんが去りました。