2024/06/08 のログ
深見透悟 > 「おっけー、そうこなくっちゃ!
 そうだなあ……差し当たってはこのちょっと先に評判の鯛焼き屋さんがあったはず。
 今この体じゃ食えないけど、センパイちょっと代わりに食べて貰って感想お願いして良いです?」

微笑みを向けられ、少し考えた後にピッ、と商店街の先を示して提案する。
良い評判は聞くけれど、果たして評判通りなのか。気にはなっていたところだが、生憎今の身体では食事など出来るはずも無く。
というわけで、畏れ多くも先輩に食レポをお願いしてみたのだった。

「別に周りに言い触らすわけじゃないから良いでしょうよ。
 人の上なり前なりに立つんだから、威風堂々とくらいしてなきゃ」

何だか自分が普段から恥ずかしいやつと言われてる気がして来た透悟である。合ってるけども。
煮え切らない様子の桜を見て、まあ気が向いたらで良いですよぅ、と折れた。

「でしょでしょ?もうリリィとは相棒!って感じで――あ、リリィってのはこのテディベアの本来の名前ね。
 ううん?そうでしてよ?生まれてからこれまで、一応年中無休でオトコノコさせて貰っとります。以後よしなに?」

合ってる合ってる、と頷きを返す。
男子がテディベア(女の子)に入っていて何か問題でも、と首を傾げて。よく考えてみると問題だらけかもしれないが。

桜 緋彩 >  
「鯛焼きですか、いいですね。
 ――そう言えば、霊体でも食事は摂れるのですか?」

甘いものは好きだ。
上手く食レポできるかどうかわからないが、頑張って伝えよう。
しかし霊体の身で食事は摂れるのだろうか。
摂れないならば自分だけ食べるのは気が引ける。

「そう、ですね。
 少なくとも否定はしないようにしてみようと思います」

天才と言われてはいそうですとは流石に答えられないが、お礼を言うぐらいならば嫌味でもないだろう。
たぶん。
彼の言うことにも一理あるわけだし、と頷いて見せる。

「リリィどのと言うのですね、そのくまのぬいぐるみは。
 ――あぁよかった、もし女性だったなら大変な失礼をしてしまったと思っておりました」

無事?彼が男性だと言うことが判明した。
ほっと胸をなでおろし、彼が示した鯛焼き屋に向かおう。
評判に違わぬ美味しさではあったが、自身の食レポは「甘くておいしい」くらいしか言えず。
もし彼が本来?の器で食べられるのであれば、持ち帰りで一つ買ってシャツと一緒に持っていこう。
男子寮までの道のり、あちこち寄り道しながら歩き、着くころにはすっかり鯛焼きは冷めてしまっていたけれど――

ご案内:「商店街」から桜 緋彩さんが去りました。
深見透悟 > 「霊体でも食事は無理ー
 あ、お供えして貰えれば食べれ……るものと食べられないものがあるかな。」

基本的に供えてくれる人の気持ちに左右される部分が大きい。
物理的に直接の飲食は不可能だが、霊体にとって生者の感情の方がよほど糧になると説明して。
だから気兼ねなく食べて欲しい、と勧める。

「そーそー、まあ否定から入るのは勿体ないしね。
 まっ、気構え的な物と思って貰えれば……」

頷きを見せた事に、満足気に笑う声。
無理強いはしないが、折角なら天才には堂々として欲しいと思う。

「そうっ、リリィっての。俺共々宜しくね!
 ……うん?そんな事されたっけ? まあいいや、それより行こ行こー」

一体彼女は何を危惧していたのか。何にせよ杞憂で済んだようなので言及もしないけれど。
そうして鯛焼き屋へ向かい、先輩の語彙の乏しい食レポと共に彼女の“美味しい”という満足感を堪能して。
その後はぶらぶらと寄り道しながら有意義に帰ったのだった。
――冷めた鯛焼きは透悟がちゃんと美味しく頂きました。

ご案内:「商店街」から深見透悟さんが去りました。