2024/12/22 のログ
ご案内:「扶桑百貨店 商店街支店エリア/催事場エリア(1~3F)」に海藤 宗次さんが現れました。
海藤 宗次 >  
「うっしゃー!今日はパーティーや~。ええか、騒ぐのは結構やがあんまし羽目を外しすぎんなよ~?折角の休日に風紀の連中とカチ合いたくないからのう」

1Fのとある場所にて丁度10人程でたむろす連中がいる。
身なりというか圧倒的にガラの悪さが目立つ連中はまさしくあの半グレ組織『覇伝洲』である。
だがしかし今日は別に暴れるとか強盗だとか普段の業務はしない。
皆でこのクリスマスムードを楽しむために来た。
悪党だってクリスマスを楽しみたい!

そんなヤバイ連中のリーダー、海藤宗次はまるで引率の先生の様に注意事項を述べる。
覇伝洲の幹部で幹部序列こそ最下位なものの言いつけを守らない奴は即刻処刑だ。
たとえここであろうともだ。
これ見よがしに腰のチャカ()を見せつける

「ほな行くで~」

号令と共に10人の覇伝洲構成員達が闊歩する。
その威圧感に一般人も思わず道を開ける。

海藤 宗次 >  
「あ、お疲れ様です~風紀の旦那~」

とみんなで仲良く歩いてたら巡回していた風紀委員の一人に出くわす。
この風紀委員は覇伝洲の事をよく知ってたようで見るや否や無線機に手が伸びて応援を呼ぼうとする。

「おっと~、勘違いなさんな。別に俺ら襲撃とかしにきたワケちゃうねんな。」

瞬間、宗次が動く。
少なくとも10m以上は離れてたはずだがそんなものは目と鼻の先だ。
先行して宗次が風紀の巡回から無線機を取り上げる。

「まあ、今日は全員で遊びに来たねんな。襲撃もせえへんし闇バイトもないで。なんたって有給つかってるんやからな。ほい、これ有給申請書と許可の判子な。全員分あるで。」

そして宗次は無線を取り上げたままバッグに手を伸ばし沢山の書類が入ってるクリアファイルを渡す。
どうもそれは全員分の有給申請書だ。
つまり有給日なので今日は悪さは無しない絶対的な証明…だと宗次は思ってる。

海藤 宗次 >  
宗次は思うた。
俺、顔バレしとるやん…なんか悪い事したんかなぁ。と
しかしながら冷静に考えれば食事を邪魔されたので公安を虐殺したり、葬式はチャンスなので式場ごと爆破したりと今年振り返ればちょっとヤンチャし過ぎたのだろう。
だが宗次からすればちょっとヤンチャし過ぎた程度の認識だ。たかが10人死んだ程度だ。

だから今、目の前で有給申請書を見せて暴れない証明をしているというのに巡回の風紀は物分かり悪いのか無線機の奪取を諦めてオモイカネを取り出すために懐に手を伸ばした。

「だ~か~ら~何べん言わせんねん。有給休暇の申請して通ったって言ってる、せやから今日は労働禁止で遊びに来ただけって言うてるやろ。もうええわ。寝たれや」

説得してるというのに応じない。
困った宗次は殺すと面倒なのでとりあえず手刀を叩き込んで寝かせることにした。
気絶している風紀の巡回に言う。もう聞こえてないと思うけどこういった。

「あのな、悪党だって遊びたいねん。」

ご案内:「扶桑百貨店 商店街支店エリア/催事場エリア(1~3F)」に大神 璃士さんが現れました。
大神 璃士 >  
「そんなに遊びたければ、勝手知ったる落第街へ帰って其処で遊んでいろ。」

サングラスの男に向けられた声は――後に続く10人程の構成員達の、更に後ろから。
いつの間にか、纏まっている面々の背後を取る形で、声が掛けられたようなものである。

振り向いたなら、其処に居るのはシルバーメッシュのウルフヘアに、風紀委員の制服の上から
黒いレザージャケットを着た、一人の男。
背丈は、先頭を行く幹部の男と同レベルの高さだ。

「――違反組織・覇伝洲幹部、海藤宗次だな。
公安委員大量殺害・公衆施設におけるテロ行為・その他多数の重犯罪行為により、
貴様は指名手配・並びに身柄確保案件となっている。

速やかに投降しろ。
貴様には黙秘権及び弁護士依頼権が存在する。」

その宣言と同時に、風紀委員の男の周囲の空気が、ゆらりと流れを変える。
静かな、しかし近づけば震えの来そうな、空気。

海藤 宗次 >  
「別にええやろ。どこで遊ぼうが。確かに俺はお前らから見たら悪党かもしれへん。せやけど悪党にだって遊ぶ権利だってあるんやぞ?」

構成員達が一斉に振り返る。
その圧倒的な力の差に恐れるが同時に左右に散らばり道を開ける。
その出来た道を宗次が行く。
新たな風紀へと近づくように。

「あー…今日はそういうんは要らんのよ。さっきも言ったけど、今日は全員で有給休暇を取ってんねん。」

ぼりぼりと頭を搔く。
面倒臭そうながらも説明をする。
しかして腰に差した刀と銃に目を向けいつでも抜けるように気を配る。

「ほい、これが全員分の有給申請書と許可のサインや。せやから俺らは今日、覇伝洲の業務はないねんな。まあ、簡単に言うと覇伝洲の海藤宗次としてではなく、親しみしやすい気の良いあんちゃんの宗次としてよろしくなぁっちゅう話」

クリアファイルに挟めた書類、有給申請書を見せて勝ち誇る。
まるでこれが不可侵条約でもあるかのように

大神 璃士 >  
「――――――――」

免罪符か何かのようにクリアファイルを見せられれば、それを一瞥し、

「疾。」

すぱん、と、奇妙な風切り音を伴う、手刀の一閃。
少し遅れて、有給申請書はクリアファイル諸共、縦に真っ二つになる事だろう。
――それを持っていた者に傷を残さぬように立ち回ったのは、警告と、ある意味温情。

「違反組織の有給申請書の信用度など燃えるゴミ以下だ。
そんなものは免罪符にもならない。

『一般市民にすら牙を剥きかねない危険人物が、我が物顔で歩き回っている』。
その事実が、既にこの街の秩序を乱している。」

腰に差した刀と銃を見れば、更にため息を一つ。

「もう一度、分かり易く説明が必要か?

貴様らのような、秩序と一般生徒の安全、更には命までを揺るがす存在が、こうして歩き回っている事。
それ自体が、既に予備犯行為だ。

そして、「法」は法を守る者の味方だ。
法を犯す貴様らのような連中に、法が定めた権利が許されていると思うのか?」

ぎらり、と、黒みを帯びた青の瞳が真正面からサングラスの男を睨みつける。
野の獣を思わせる、読み切れない眼の色。

「――最終勧告だ。
投降するか、このまま大人しく家に帰るか、好きな方を選べ。

抵抗するつもりなら、暴力行為と風紀執行妨害の罪状が新たに加わると思え。」

其処に、一切の「遊び」はない。
この風紀委員の男は、「やる」と決めたなら躊躇なく、この場で10人以上を相手にして、捕縛に取り掛かる。
そう思わせ――否、確信させる、空気がある。

海藤 宗次 >  
「おお、酷いな~まあ念のためコピー取っておいて正解やったけど…」

真っ二つになったファイルと書類がバラバラと床に落ちる。
なるほど、これは強敵だ。

さて、戦力的に見れば部下の10人でやれるか?
答えは否。正直、覇伝洲もそこそこ名の知れた組織といえど実力差は結構ピンキリだ。
だから宗次は大きくため息を吐いて告げた。

「お前ら全員撤退や。」

そう告げるとぞろぞろと取り巻き達は百貨店を後にした。
外では各自が乗ってきたバイクがとめてあってそれに乗ればみんな去っていくだろう。
宗次一人を除いて

「俺は居座らせて貰うで。まあ、なんだ…可愛い可愛い部下達にお土産を買いたいんでな。オドレのような木っ端、ちゃちゃっと片づけてクリスマスムード楽しませて貰うで。」

構えを取る。
狙うは後の先か後の後。
中華拳法のような姿勢を取ったまま睨みあう。

「言っておくけど俺、週一で通信空手習ってるから強いで?」

大神 璃士 >  
「――――――。」

取り巻き達が去っていくのを、風紀委員の男は目で追いもせず、一人だけ残った幹部の男から視線を外さない。
飽くまで此処から去る気がない、というのを確かめれば、ぐ、と手を握り締める。
ぽきり、と乾いた音が数度に渡って重なるような音。

「……最終勧告の拒否を確認。
風紀執行妨害行為の意図有りと認識する。

以後、捕獲対象の身の安全は、この一切を保障しない。」

テンプレートを思わせる宣言は、以後、サングラスの男がどのような事になろうが、
その身の安全を保障しないという冷酷な宣言。

黒いレザージャケットの風紀委員の男は、しかし、その宣言とは裏腹に、何の構えも取らない。
握り締めた片手の拳以外は、極めて自然体。
それが、何を繰り出すかを予想させず、余計に得体の知れなさを増す。

――無論、「重犯罪者」を前にして、である。
遅れを取るつもりはないと認識しての行動なのだろう。

海藤 宗次 >  
「俺もな、本当はこんな手荒な真似したくないねん。なぁにが悲しくてクリスマスにバトらなアカンねん」

ぶつくさと文句を垂れるサングラスの男。
構えは解かないまま、少しの間膠着状態。
その間に相手を観察する。
構えは自然体で読めない、不用意に近づけば思わぬ攻撃で痛い目を見るのはこちらか。
大抵は一発貰えば宗次は持ち前の対応力で攻略するが今日はこのあと買い物が控えてるので被害は最小にしたい

「……まあ、ええわ。個人的に男と男の拳のぶつけあいは嫌いやない。せやから小細工抜きの清い戦い、正々堂々勝負やあ!」

拳同士のぶつけあい。
小細工など不要。
そう語った口が閉じる前に銃声が鳴り響く。
腰から抜き打ちの一射。
相手の胴に向けてはなった不意打ちの弾丸だ

大神 璃士 >  
たぁん、と、不意打ちで放たれた拳銃からの弾丸。
卑劣極まるその一撃――しかし、男は立ったまま、動こうとはしない。

避けられない?
否、「避けようとしていない」のだ。
その証拠に――己に迫る弾丸を、目だけで追ってすらいる。

硝煙の匂いが周囲に広がり、人の聴力では捉えられないであろう、小さく肉を抉る音。
間違いなく、放たれた一撃は風紀委員の男の胴体に「命中した」。

その上で、

「シャァッ――!」

奇妙な雄叫びと共に、先程サングラスの男が気絶させた風紀委員にしてみせたように、
ただの一足で、瞬く間に間合いを詰め――

「……お前らはいつもそうだ。
溝のように汚い、反吐の出る「匂い」がする。だから――」

――何をしてくるか、分かり易い。

その言葉が終わらぬ内に、とん、と拳がサングラスの男にぶつかりそうな距離に。
打撃どころか、撫でた程度にもならないだろう、軽い接触。

…その接触を許したなら、
次の瞬間には、拳が触れた身体の「内側」で、小型爆弾が爆裂したような衝撃が襲い掛かるだろう。

外部からではなく、身体の内部から「破壊」にかかる、奇妙な技。
クリーンヒットすれば、よくて内臓破裂、悪くすればショックで命を落とし得る危険もある。
この男…「本気で」殺しにかかってきている!

海藤 宗次 >  
「おっほ、命中~…あん?」

命中する確かな手ごたえ。
防御の為の剣も魔術も異能も発動した様子はないので不意打ちが決まったとは思った。
だが次の瞬間微かな違和感。
回避こそしてないものの銃弾に反応している。

これは何かヤバいと思った瞬間男は目の前にいた。
こちらの腹に手が当たる
瞬間、内臓が爆破したかのような衝撃が駆け巡る。

「ごは…、な、んや……発勁使い、なんか……」

その技には見覚えがある。
宗次も使っている技でもあるので分かってしまえば対処は出来る。
だが時既に遅し。
内部破壊の拳の衝撃で折れた肋骨が心臓に突き刺さった。
致命傷を負った宗次は大きく突き飛ばされた後、白目を剥いて倒れた。

大神 璃士 >  
「答える必要はない。」

サングラスの男が白目を剥き、倒れる瞬間。
何の感情も籠らない、その一言だけが響く。


「……痛むな。」

対象が意識を失い、集まって来たのを確認し。
黒いレザージャケットの男は、小さく呟いて胴に手を当てる。
手には、真っ赤な血。
最も、銃弾を受けたにしては妙に出血量が少ないが。

「…………。」

軽く首を動かし、視線と共に目を向ける。
その先――ちょうど、男の真っ直ぐ後ろには、デートであろうか、遠巻きに騒動を見ていた男女の姿。

弾丸を避けずに敢えて受けた理由は単純だった。
自分が避ければ後ろに居た二人連れのどちらかに、流れ弾が命中してしまうから。
気配があったから、動かずに自分の身体を盾にしたのだった。

「……こちら大神。
重犯罪者・海藤宗次と交戦、意識喪失に追い込んだが、こちらも怪我を負った。
捕縛作業他、引き継ぎを頼む。」

専用端末で近くを巡回している風紀委員達に応援を頼むと、
黒いレザージャケットの男は治療のために先に引き返していった。


――集まって来たのは、所謂一般的な風紀委員達である。
サングラスの男が意識を取り戻せば、振り切って逃げる位は難しくはないであろうレベルの。

海藤 宗次 >  
応援の風紀委員が駆け付けた瞬間、宗次の背中が燃えた。
ちょうどうつ伏せに倒れたのでよく見える。
燃える背中は着ているものを一部燃やし、その露になった背中には不死鳥の刺青。
その刺青が炎を発していた。
どうもこの刺青は描いたものによって能力を付随させる特殊なもので、例えば不死鳥であれば不死鳥の能力が使える。

つまりはこの炎は不死の炎。
触れても火傷のような相手にダメージを与えるものはないものの、炎に包まれた宗次の傷がドンドン癒える。
つまりはこれは再生の炎だろう。

「ち、不死鳥の能力も一回使ってしもうたわ」

そして刺青を書き直せば補充されるものの復活も回数制限
悪態をつきながらも狼狽える応援の風紀達の横をすり抜けて逃亡。

いつの間にか駐車場に止めてあったバイクに跨り、元の落第街へと帰っていくだろう。

ご案内:「扶桑百貨店 商店街支店エリア/催事場エリア(1~3F)」から海藤 宗次さんが去りました。
風紀委員 >  
『ほ…捕縛対象が逃げたぞ!!』

まさかあの状況から復活してくるとは思わなかった委員達。
問題の相手を倒した者が不在ではどうしようもなく、
完全に出し抜かれ、逃走を許してしまった。

――だが、逃げられて成果なし、という事態だけには終わらなかった。
何しろ目撃者が多数なのである。すぐさま、情報は風紀委員会にて共有される事になるだろう。


―指名手配重犯罪者・違反組織「覇伝洲」幹部・海藤宗次に対する重要情報―
―入れ墨を発火させ、負傷から立ち直り、現場を逃走―
―治癒、ないし蘇生系の人造異能の持ち主である可能性が濃厚―

 

ご案内:「扶桑百貨店 商店街支店エリア/催事場エリア(1~3F)」から大神 璃士さんが去りました。