2024/06/03 のログ
ご案内:「常世公園」に深見透悟さんが現れました。
深見透悟 > 考え事をしてると、ついつい公園に来てしまうなあ。
ぼんやりと空を眺めながら、深見透悟はそんな事をふと思う。
一般的な学生服に身を包み、背中に背負い紐で括っているテディベアは今は膝の上。
今日は放課後に何となく気分転換と思考整理のために学生街をぶらついて、そのままこうして常世公園までやって来たのだった。

「うーん、流石に今日は降らなさそう……?
 島だからか天気の移り変わりが思ってるより激しくってやあねえ……」

片手を頬に当てて独り言ち。
ちらほらと雲は浮かんでいれど、おおむね晴天と呼んで問題無さそうな空模様。
明日もこの天気が続けばいいけれど、と独り言を締め括って視線を下ろした。

ご案内:「常世公園」に黒羽 瑠音さんが現れました。
黒羽 瑠音 >   
「やったー、晴れたー!」

風紀委員の先輩にレモンラーメンを御馳走になり
お腹をすっぱくして帰った数日後、次に足を運んだのは公園だ

「此処にも"ならでは"ってものあるのかな……」

魔術や異能を使った遊具とかあったりするのかしら、と思いながら公園を歩く
さんさんと降り注ぐ太陽と木々のざわめきが心地よくて一つ欠伸が出た

「といっても、今の所見た目以外は普通……?」

まぁ憩いの場としては正しいんだろうけれど、と独り言ち
何かないかなーときょろきょろと見回すのである

深見透悟 > 「さてさて、今日はこれからどーすっかなあ……
 帰って勉強……こないだ借りた参考書も読み切っちゃったしなあ」

この時期にしては気持ちのいい天気の下、屋内へと戻るには少し惜しい。
けれども幽霊という種族柄、あまり陽の光の下に居続けるのはちょっとキツイ。
とはいえ着々と夜に向かっているから、時間経過とともにキツさは抜けてくるのだが。

「とりま、もーちょい公園でぼーっとしてから改めて後の事は考えよう、よし決まり!
 気持ち良い天気だし、運動部の女の子とかジョギングしたりしに来るかもしれないし……ぅん?」

訓練施設での敗北をまだちょっと引き摺ってるような事を口走りながら、ぐるりと常世学園を見渡してみれば。
何だかきょろきょろと挙動不審気味な動きをしている少女を見つけた。
新入生かなあ、なんて馴染み切っていない姿から予測し、微笑ましく眺めてみたり。

黒羽 瑠音 >   
「折角だし一通り遊具を試す……のは流石に一人じゃなぁ」

流石の私もぼっち公園遊具巡りはハードルが高い、一人焼肉より高い、そっちもした事無いけど
でもでも、折角来たんだけど何かしたいじゃん!と心の中の私がざわめく

「どーしよっかーなー……」

と言った所で、ベンチに座っているテディベアを膝に乗せた男の人に目がいった
そういえば私も小さいころにああいうの持ってたなぁ、と懐かしい気持ちになる

「……」

声をかけてみようかな?でも場所柄的にリラックス中だから迷惑かな
いやでも何かこっちに笑いかけてる気がする!之は話しかけてもOKのサインかもじゃん!
それに此処までやってきておいて物怖じするのはどうなんだ瑠音!お前はもっとできる子だ!

「こんにちはっ、いい天気ですね!」
「私、つい先日転入してきた黒羽瑠音です、よければお話しませんかっ」

結局自分内の葛藤を5秒くらいかけて終わらせ、此方から走り寄って声をかけた

深見透悟 > 自分もあんな風に見える物全てに興味を惹かれる時期があったなあ、なんて少女を眺めながら物思いに耽ろうとしたが。
そもそも常世島に流れ着いた時には既に幽霊だったし、
元の世界では興味を惹かれるものもそんなに無かったしで、まるで身に覚えがなかった。
――やだ、私の人生モノクロトーン過ぎ……?
と一人で勝手にショックを受けていたところで、此方に気付いたと思しき少女が何だか真っ直ぐこっちへと向かって走って来る。

「わ、ま、まだ別に俺は疾しい事なんて考えてな……へ?
 あ、ああ、はい。いい天気デスネ……」

日頃の行いの所為か、しなくていい自己弁護を口走りかけたが、普通に話しかけられて面食らう透悟。
きょとん、とかぽかん、とかそんな感じの、鳩が豆鉄砲を食ったような顔で挨拶を返し。

「黒羽瑠音さん……やっぱり新人さんかあ。
 俺は深見透悟、別にお話しするのは全然構わないけど……」

随分元気でグイグイくる子だなあ、と膝の上に置いていたテディベアを無意識に掴みながら、良ければどーぞ、とベンチの隣を少し広めに空けた

黒羽 瑠音 >   
「お邪魔しますっ」

少しだけ困惑した様子が垣間見えた、やっぱりちょっと迷惑だったかも?
だけど此処まで来て引くのもそれはそれで挙動不審だし……っ

「深見透悟さんですね、よろしくです」

ちょこん……という程可愛らしくも無いけれど、隣に座って深見さんに目を向ける
……所で何を話そう、完全にノープランである、勢い任せの弊害がでちゃった

「えーっと、えっと… ぁ… テディベア、可愛いですよね」
「私も実家では幾つか持ってたけど、来るときに置いてきちゃいました、お好きなんですか?」

考えても簡単に話題を捻りだせるわけでもなく、まず目に入ったテディベアについて質問してみる

深見透悟 > 「はいはい、よろしくよろしく~」

あれ、話をするにはベンチに並んで座ってるってちょっと不便では?
そんな事を考えもしたが、だからと言って他に良い案がある訳でもなくまあ不便さは雰囲気でカバー出来るだろうなんて軽い気持ちで座り直す。
――座り直したのだけど、何だか苦肉の策みたいな話題が少女の口から出て来た。

(ははーん、さては目が合ったから声を掛けて来ただけでほぼノープランだなこの子)

わかるわかる、そういう時ってあるよねーと心の中でうんうん頷きつつ。
敢えてノープランであることに言及はしない、こういう時こそ年上の男子の懐の深さを見せる時だからと思っているからだ。
年上っても、多分1つか2つ程度だろうけれど。

「ああ、この子? リリィって名前でさ、友達から貰った大事な相棒なんだ
 好きとか嫌いとかもう、そういう次元も超えて一心同体というか相棒みたいな感じ。ほら、テディベアって女子からチヤホヤされやす――ごめん何でもない気のせい。」

小さな事でもぷっくぷくに膨らませるのはお喋り幽霊としては朝飯前。
なんて調子に乗っていたら要らん事まで口走りかけたので慌てて話を止めた。かっこわるい。

黒羽 瑠音 >   
首を横に向けて話していると、向きあった方が話やすいなぁという当たり前の感情が沸いてくる
でもまぁそれ用の席も周囲に無いし、こういう時は雰囲気が大事だよね

「ほうほう、リリィちゃん……あ、分かりますそういうの!」
「友達からもらったり、一緒に作ったものとかめっちゃ思い入れできちゃいますよねっ♪」

気持ちを共有できそうな返答にほっと心が軽くなる、一部を除いて実家に置いてきてしまったけれど
友達や家族に貰った思い出の品は、私にだって簡単には数えきれないくらいにあるものだ
そのうちのいくらかを思い出してちょっと顔を綻ばせたりして

「チヤホヤ……」
「…… 了解です、そういうなら!」

そういってこくこくと頷く、何か聞こえかけてた気がするけれど
こういう時に深入りとか蒸し返すのはデリカシーが無いという奴だろう
更に言えば初対面な訳だし……としっかり話題をキャッチボールできた事に安心する

「此処、いい所ですね、日差しもいいし、木々もいっぱいあって……勉強とか研究で疲れたら此処にこようかな?」

天気の話題、モノの話題、次は場所の話題だ、少し勢いにのって次の話題を振ってみよう

深見透悟 > 「そうそう、若い内の思い出って一生モノになるからねえ。
 後でちゃんと思い出せるように大事にしときたいよね」

何だか年寄り臭い事を言いだす幽霊。
自分も絶賛思い出構築中なのに、変に先輩風を吹かせてしまった結果である。
幸いにも口を滑らせた辺りは気を利かせて貰いスルーされたので、ほう、と胸を撫で下ろすかっこわるい先輩。

「良い公園だよねえ、木々があって静かでっていうと神社の方なんかもそうなんだけど、
 あっちはちょっと静か過ぎるというか何だか変に緊張しちゃうからさー
 ぼーっとしたり考え事したりするとどうしても自然と足が向いちゃうんだよねえ……」

振られた話題はちゃんと拾って返す。
今度は変に口を滑らせることは無かった、さっきのカッコ悪さを帳消し――とまではいかないかもしれないけれど。

黒羽 瑠音 >   
「はい、勿論ずっと大事にするつもりです!」

飄々とした雰囲気に落ち着いた声が帰ってくる、何というか、大人だーって感じだ
勢いで声をかけたけど正解だったなぁ、なんて呑気な事を考えながら

「あーそれも分かっちゃうかもです、それに神社ってどうしても神様が見てる、って気がして」
「ちゃんとしなきゃ!ってなるんですよね、いや、本当は何処でもだらしなすぎるのは良くないんですけど」

神社も勿論嫌いという訳ではないけれど、ジャンル違いという奴なんだよねぇ
ともあれ、しっかりと話題に一つ乗せて返してくれる深見さん、此方も心を少し砕いて微笑みが浮かんでくる

「じゃあもしかして今日も考え事とか?あ、勿論言いたくないなら全然大丈夫ですけど」

予防線を張りながら更に話題を返していく、まぁ初対面の相手に出来るような相談なんてそうそうないだろうけれど
吐き出すだけで楽になるようなものなら儲けもの、くらいの気分で聞いてみた

深見透悟 > 「わお、いい返事。元気だねえ黒羽さんは」

いかにも転入生、新入生ですという感じで好感が持てる。
これまでに知り合った女性と言えば大抵は落ち着いた物腰の年上タイプか、
どこかほんわかした感じの不思議系タイプの女性が多かったから新鮮だ。
別段先輩風を吹かそうとしなくとも、圧倒的後輩力で助かるなあなんて考えつつ

「時々幾分にはいい気分転換になるんだけどなー神社も。
 おん?今?……まあ、そだねえ。考え事っちゃ考え事なんだけど、最近ちょっと人体について勉強してて」

学校の授業とはまた別件で、と少し困った様に笑みを返し。
圧倒的な光の後輩力に、ちょっと不埒な事を考えていましたなんて正直に言える筈もなく。
不埒といえど目的は至って真面目で、言葉の通り人体について学んでる最中なのだが、
男女差についてはいまいち分らないなーこまるなーと思春期の下心の混ざった悩みを抱えているだけなのだが。

黒羽 瑠音 >   
「元気と立ち直りの良さにはちょっとだけ自信がありますから」  
「ふふ、自慢じゃないですけど地元じゃ明朗快活の品行方正で通ってたんですよ」

ちょっとだけ自慢げに胸を張る、こういう所で謙遜するのは育ててくれた人たちに悪いもんね?

「そうですね、家族で初もうでとか言った時はすっごい引き締まる思いがしたりしますし」
「こう、新年の抱負をいった直後はやるぞーって気持ちになるんですよね!」

まぁ、それが三日坊主になる事も少なくないんですが、と照れ笑いする
そして続く言葉に……ごくりと唾をのんだ

「授業とは別件で、人体について……そ、それってもしかして、異能とか魔術に関係してる感じですか?」

もしかして深見さんの持つ能力に関係してる内容なんだろうか
そういって思わずちょっと憧れのこもった眼で見上げてしまう

「私、自分の異能を役立てるようにしたり、魔術を覚えてみたくて常世学園に来たんです」
「ただ、まだ来たばかりだから本格的なのはこれからで……」
「その前に学園のいろんなところを見て回って覚えている途中なんです」

そういった意味でも目の前にいる深見さんは間違いなく先輩だ
出来ればもうちょっと詳しく聞きたいなぁ、なんて思いながら自身の事情もちょっと話してみる

深見透悟 > 「へえ、明朗快活の品行方正ねえ……普通のように思えて中々人からは得られない評価じゃん、やるじゃん」

品行方正からは縁遠い自分が関わって良いものかと内心冷や汗が零れる透悟である。
天からの日差しよりもある意味目の前の少女の健全な後輩力が眩し過ぎて困る、非常に困る。

「え?ああ、うん……人体の魔術回路についてちょっと色々と
 あ、魔術回路って分かる?あんまり馴染み無い言葉かも……東洋風に言えば経絡とか、気の流れとか……まあ色々呼び名はあるんだけど」

まあ、それはおいといて。
続く少女の言葉には、ああやっぱり異能や魔術にはまだ馴染みがそんなにないかあ、と納得する。

「そっか、そういう経緯で常世島に……
 なるほどなるほど、それならこれからいろいろと学んでいけるかもなあ、楽しみでしょ、すっごく。
 けどまあ、最初は場所を覚えるってのは正解だと思う、しばらく暮らすんだし、お気に入りの場所とかは作っときたいよねえ」

うんうん、と頷きながらもチラリと相手を窺い見る。
何だか凄い憧れとか尊敬とかそういう眼差しが大変に眩しい。そんな目でヨゴレ上等の俺を見ないでッ、と言いたくなるのをグッと堪える幽霊。

黒羽 瑠音 >   
「えへへ……」

更に褒めてもらえると、思わず此方も照れてしまう、おっと、変な子になってしまいそうだ
ぶんぶんと首を振って、新しい話題に気持ちを向ける

「魔術回路……ま、漫画とかでなら、後、ちょっとだけ地元の方でも出回ってた本にもあったかも……」
「血管みたいにその魔術回路……ってやつも体を巡ってるとかでしたっけ?」

ものすごーくうろ覚えなので流石にちょっと自信なく答える
異能も魔術も身近とは言いづらい出身の自分にとって漫画や場末の情報誌何てのは重要な情報源だった

「はい、寮ではルームメイトの子たちとパーティして、先日は学生通りで風紀委員の人にラーメン屋さんを教えてもらって」
「あ、レモンラーメンのお店なんですけど、店主さんが異能でレモンを切ってくれるんですよ!」

もし知らないなら後でよければ教えましょうか?なんて提案しながら、深見さんの言葉を改めて考える

「お気に入りの場所……素敵な響きだなぁ、うん、見つけてみたいな」
「そして、何時か友達とか……大事な人とか、そういった人を誘ってみたり……」

にまにまと想像の世界にちょっとだけ浸ってしまう自分、おい、会話中だぞ

「ふふぅ……はっ、ごめんなさいちょっとわくわくしすぎました」

ぶるぶると再度首を振ってから照れ隠しに舌を出す、流石にちょっとあざといかも?

深見透悟 > 本当に素直で良い子だなあ、としみじみと思ってしまう。
別に他の知り合いが捻くれてるとか、そういう事ではないのだが、黒羽の様なタイプはやっぱり新鮮に映って。

「そうそう、細かい仕組みとかは違うと思うけど、
 噛み砕いていえば『魔術師が魔術を使えるようになるための身体の器官』ってとこだな
 この魔術回路によって使える魔術が左右されたりするってワケ」

魔術に馴染みのない出自なら、ほとんど知識が無くとも不思議でも何でもない。
しかし、半ば感覚的にその存在を受け入れ、肺で呼吸をする様に魔術回路を扱っている透悟からすれば、伝わる様に説明するとなるとこれが大変難しい。
まあ、黒羽自身が魔術に興味があるというのだから、いずれ学園の授業で知る事もあるだろうけれど。

「そっかあ、転入して早々に楽しい思い出がどんどん作ってんだねえ、良い事だ良い事だ。
 レモンラーメン……? そういうのが、あるんだ?」

わざわざ異能を使ってレモンを切る意味とは?と思わず背景に宇宙を背負いながら言葉の意味を反芻する。

「ははっ、友達とか大事な人とか、これからじゃんじゃか作れると良いねえ!」

幽霊である透悟ですら友人と呼べる関係は作れたのだから、明るく快活な黒羽であれば容易いだろう。
既にルームメイトとは上手くやれている様だから、心配するのも烏滸がましい事だろうか。
あざとく照れ隠しの仕草を見せる黒羽に対し、透悟は愉快な子だなあ、と完全に自身を棚上げにした感想を抱いた。

黒羽 瑠音 >   
「ふんふん……じゃあ、私も魔術を覚えたいなら何れ魔術回路、ってやつについて調べて貰ったりする必要があるんですね」
「うぅ~ドキドキするなぁ、魔術は全然ダメです!って言われたら結構ショックかも」

不安半分、期待半分といった気持ちを隠さず額をとんとんと叩く
とはいえ元々触れる機会の無かった世界の話、何かできれば儲けものだ

「深見さんは、どんな魔術が使えるんですか?」

そして一先ずは目の前の先輩に、そのまま素朴な疑問をぶつけてみつつ

「はい、しかも熱々スープの上をぎっしりレモンが乗っていて、ふわっとした湯気にレモンが香りつつ、慣れると醤油スープの匂いが顔を出してきて……」
「あ、でも熱々レモンの匂いは思いのほかきつくなくって、そこらへんは店主さんの工夫を感じましたね」

レモンラーメンへの疑問には一度頷きつつ抑揚をつけながら答える
自分なりのレビューに酸っぱさの記憶が口内の涎を分泌しだして
思わず持っていたスポーツドリンクを取り出してごくごくと飲みこんだ

「ぷはっ、はい、それで……」
「友人、っていうなら、深見さんとも、之で友達だって思ってもいいですか?」

魔術に対して造詣が深そうな先輩だ、今後悩んだ時に相談もできるかもしれない
それにこうした日々の縁というものはきっと大事にするべきもので
こんなに楽しく話せた相手にこの提案はせずにはいられないのだ

深見透悟 > 「まあこればっかりは個性というか、個人差が出ちゃうものだからなー。
 生まれ持っての才能に近い物があるね、まあ努力である程度どうにかなる事もある……らしいけど」

血の滲む様な鍛錬を経て微かな回路を得たという話も無いわけではない。
とはいえ、そういう格差をどうにかしたいと思うのもまた事実で、だからこそ今の個人的な勉強に繋がるのだが。

「俺?……俺はもうそりゃあ色々と使えるよ? なんせ天っっっっっ才魔術師だから」

そういや今日はまだこのフレーズ一度も口にしてなかった、と思い出したかのようにタメをちょっと多めに含んだ自称天才。

「へえ……そうなんだ
 あんまり学食以外で外食ってしないんだけど、ラーメン食べたくなったら行ってみようかねー」

そもそもあんまり食事を必要としない身体なのだが、そんな事知る由もない相手に言っても仕方ない。
機会があれば、と前向きな見当をしつつスポーツドリンクを飲み始める黒羽を和やかに見守る。

「ん?ああ、俺は別に全然構わないけど……もうちょっと友達は慎重に選んだ方が良くないか……?
 楽しく話して油断させておいて……なんて悪いやつも居ないとも限らないんだからねっ!」

楽しくお話しをしたから友達!は流石に危機感が薄過ぎるというか、年の近い同性同士であればそれでも良いのだろうけれど。
と、柄にもなく真面目な心配をしてしまう深見先輩である。

黒羽 瑠音 >   
「才能かぁ……こればっかりは運になっちゃうか、しょうがないけど」
「異能だってまさにそんな感じみたいですよね、私もいつの間にか使えるようになってた、って感じですし」

うんうん、と腕組みして神妙に頷いてみる
実際そこまで分かっている訳ではないのだが、一応ある種の才能?に選ばれている身ではあるのだ

「天才……深見さんは天才だったんですね!!」

自分で天才と自信満々にいう目の前の先輩からオーラを勝手に感じながら
凄いなぁとあほっぽい感想が浮かぶ、実際の所は分からないんだけど
こういう時にどうするべきかは知っている

「そんな天才にこんな公園で偶々会える何てとってもラッキー!」
「魔術で困ったときは相談させていただきます!」

そういってちょっと大げさにサムズアップと笑顔をお返しする

「あはは、自分からそんな事を言って来る【悪い人】何てそうそういませんよ~」
「それに、私之でも相手は選んでるつもりです」
「だって、深見さん、私から突然話しかけたのに、困ってはいても嫌そうな顔はしてませんでしたもん」

一応、自分なりに相手というものは選んでいるつもりである
まぁ、かなりひいき目に見たり、楽観視している節はあったりするかもしれないけど

「それに、やばそうになったら大声で人を呼びますから」

えへん、と堂々と虎の威を借る宣言をする、全く自慢できることではないぞ

深見透悟 > 「まあよっぽど運が悪くなければ、大抵の人には魔術回路は備わってるもんだし、
 仮に魔術回路が使い物にならないってなってても、それを補助する魔道具とかがあるからなー、そこが異能とは一線を画するトコかな」

異能に関してはそれこそがっつり個性の範疇だろう。
所持の有無から始まり、種類も人それぞれだ。
透悟自身は自分に異能があるのかないのかすら興味が無いため、一応異能は無いという事にしているが。

「ふっふっふーん、隠してるつもりは無かったけど実は天っっっっ才なのである!
 魔術の扱いに関しては学校の先生にだって引けを取らないと思ってるし、何なら魔術回路の有無くらいなら視ることだって……ンッ、ンンッ!
 ……ともかく、魔術に関して何かあればいつでも相談に乗るよ。
 まあ、基本は黒羽さん自身が自分で勉強して考えて悩んだ末の最終手段として、の方がキミの為になるとは思うけど。」

得意げに胸を張り、上体を逸らして誇らしげ。
うっかり要らん事口走った気もするが、咳払いで誤魔化そうとし。
相談には応じるが、それはある程度彼女なりに一つ結論を出してから、と条件を付けるのは透悟自身が努力型の天才だからだろう。

「そりゃあ女の子から声を掛けられて嫌そうにする男子はそうそう居ないでしょ。
 まったくもー、一応忠告はしたかんね?悪い男にコロっと引っ掛かっても知らないぞー」

まあ、彼女であれば何やかんやで上手くやれそうな気がするが。
今後の黒羽の人間関係が良いものであることを密かに願わずにはいられない透悟だった。

黒羽 瑠音 >   
「補助する魔道具、杖とか魔術書とかそういう……!」

それこそある意味憧れのアイテムでもある、ローブに身を包み杖を振るう
そんなテンプレ魔法使いの恰好をした自分をちょっと想像してみた、意外といけるのでは?

「成程、確かに学校で先生にも言われました、先ずは自分で考えてみるのが大事なんだ」
「結果だけに目をやって過程を疎かにするとさぼり癖がついちゃうぞ、って」

そう考えると本当に先生みたいだなぁ、と何となく思う、先日会った黒條先輩とはまた違う
之も先輩の姿なんだなぁ、なんて考えたりしつつ

「うん、でもその時になったら遠慮なく相談させてもらいますね♪」

少し気になる内容もあったけれど、今此処で『視てみてください』っていう勇気(無謀?)は無いのである

「じゃあOKって事ですね?やったー!」
「ふふふ、実家の友達に魔術の天才の友達が出来たと言ったら絶対羨ましがりますよ」

何て冗談めかしながらよいしょ、と立ち上がり伸びをする
座っている間に歩き詰めの体もすっかり回復していた

「いっちにー、さん、しっ、よし、体力充填完了!」
「じゃあ私、先ずはこの公園を一通り回ってみる事にします」

そのまま深見さんの前に立って、少し小首を傾げ
『深見さんは之からどうします?』という意味合いを込めた言葉を紡ぐ