学生街にある24時間営業のファミレス。部活の一種で学生の経営だが、島外のファミレスと遜色はなんら存在しない。
「ニルヤカナヤ」とは琉球地方に伝わる他界観、ニライカナイの異称の一つから来ている。
ニライカナイは日本の「常世国」との関連性も折口信夫などによって指摘されており、海の彼方の神の世界である。
外装としてはごく一般的なファミレスである。名前の元が南国のもののため、多少南国風にされている。
店内は広めで、テーブル席、ソファー席などがある。
メニューも一般的なもので、昼にはランチなどもやっている。
ドリンクバーもあるので、一種の学生のたまり場であり、長時間いても特に何かを言われることはない。
テスト期間が近づけば自習などに来る学生の姿も散見される。
売りにしているのが、常世国からタヂマモリが持ち帰ったという「時じくの香の木の実」、いわゆる橘を用いたデザート類である。
食べれば不老不死になれるなどとメニューに書かれているがもちろん冗談である。
ただ橘は食用に適さないので実際に使われているのはみかんなど他の柑橘類である。
店員なども随時募集しているとのこと。
風紀委員など学園を警備する者たちの立寄所ともなっているため、特に安全性は高いという。
なお、学生街以外にも店舗があり、歓楽街、異邦人街や開拓村などにも出店中である。
※ここでは学生街の「ニルヤカナヤ」としてご利用ください。
参加者(0):ROM(1)
Time:00:10:32 更新
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から橘壱さんが去りました。
■橘壱 >
思い返せばそう、好意。好意か。
元々そういうのとは無縁だし、よくわかってない。
照れもするし、人並み程度の感情は持っている。
親愛だって、ある。けど、一人を好きになる事。
「(……、……いや……)」
そんな事考えたこともなかった。
好意を向けてる人はいる。
それが恐らく、愛情だということも。
けど、自分はそれに……。
いや、今は考えるのをやめておこう。
「ええ、行きましょうか」
会計を済ませ、帰路に付いた。
ご案内:「ファミレス「ニルヤカナヤ」」から伊都波 悠薇さんが去りました。
■伊都波 悠薇 >
(今日は言いたいことわりと、すらすらだったな。だんだん、慣れてきたかも)
ぐっと、ココロの中でガッツポーズ。
お会計を二人分済ませて外に。
本当、にはスルーして。
「では途中まで一緒に」
そうして、途中まで一緒に歩き。
別れた、いつもの帰り道。
■橘壱 >
口の中がヒリヒリする。
なんだかんだ飲み物だからある程度流れたが、
炭酸の刺激が後押しする。後で甘いものでも食べてリセットしよう。
「…………」
少年の性根は善性を重んじる一般的な良識。
同時に、その根っこには頂点を目指し、
闘争を確実の楽しむ自分がいる。どちらも本音。
人間性を改心したが故の、自己矛盾。
「(……言えないよなぁ、こんなの)」
誰かを頼れと言った優しい不死姫の言葉。
例え、眼の前の頼りになる先輩に言えるはずもない。
「えぇ~……本当なのにな……」
一体何がいけなかったのやら。
コミュニケーションはやっぱり難しい。
いっそ、環菜ちゃんみたいな感じが良いのか。
だが、"意中"という気持ちは薄い。付き合えたら嬉しいけど。
何とも言えない顔で頬を掻いた。
「ん、僕も行こうかな。途中まで送っていきますよ」
丁度コッチの分は食べ終えたし、食事としては充分だ。
■伊都波 悠薇 >
「どういたしまして」
よかったと、一息。
辛いの、やっぱりそんな得意じゃないのかなと思いながらも勧めてしまったことを反省しつつ。
「大丈夫ですよ」
大丈夫、そう言えるのは結果に結び付かない、つくことがないそれを知っているからで。
でも、それを言うつもりはなかった。
別に、そんなこと言わなくても分かっていると思うから。
「はい。この話はやめですやめ」
だめだこりゃ、当分、彼はその筋を辿るらしい。
気を付けないと、と、引き締めた。
「そろそろ、私は帰ろうと思いますけど橘さんは?」
時計を見て。
■橘壱 >
ひゅっ、すっ、ずぞぞぞぞぞ!
速い。よほど口の中が燃えていたらしい。
だが残念。これは炭酸水。吸い上げた炭酸が更に刺激を加える。
「ぶへ……っ!?うお、お、おぉ……ど、どうも……」
でも文句言わないのが男だ。
震える体を起こしてお礼だけ言っておいた。
ちょっとばかし顔色も悪い。
「……よく知ってるよ。努力ばかりは重ねてるから」
あの声真似一つ取ったってそうだ。
別にいきなりあの領域にいた訳じゃない。
少年の"出来ること"は、全て裏に積み重ねたものがある。
この神秘性が当たり前になった社会では、
非異能者の限界点はたかが知れている。
だからこそ、厳しい現実を知っているから、苦い顔しか出来なかった。
「けど、結びつけるようにはしてる……つもり。
最近は……あんまり手応えを感じないけど、いつか……」
目指す世界が高いのは知っている。
確実に近づいてるのも、実感している。
今は至福のときだと、言い聞かせている。
同時にそれが、今の自己矛盾として苦しめてるとのは、黙っておいた。
「え、あ、い、いや!ご、ごめん。そういうんじゃないんだって!
ただ、悠薇先輩と付き合えるなら僕は嬉しいから、そういう意味で……」
嘘ではない。本当だ。
■伊都波 悠薇 >
「はい。でも決して頼りにならないわけではありませんし。
……結果に結び付く努力は無駄になりません」
彼のホンのした隙間に触れた、ような気がしている自分は。
結果に結び付けばいい、と思っているのは内緒だ。言う必要がないから。
「別に、いいって、それはそれで割りと失礼な物言いでもあると思いますが」
くすり、笑った。なんとも素直。衣着せない。
あぁ、良い人とめぐりあったらいいなと思う。
「大丈夫ですか? 飲み物飲みます? 炭酸ですが……」
自分が飲んでいたコップ、強炭酸水をストローを抜いて差し出す。
善意、かつ。これなら間接キスの心配もない。完璧なフォロー。
■橘壱 >
それもそうだ。
例の天秤云々をおいておいても、
あんな頼れる人物が身近にいたら、わからないでもない。
「いや、気持ちはわかるよ。確かに彼女は、
姉妹という事をおいておいても、頼れる人だと思う。
……一人っ子の僕が言うんだから、そうなるのも仕方ないさ」
現に自分も頼りにしている。
あれの代わりに成れるはずもないと思う一方、
何時かあれも夢の超えなければならない。
鳴りを潜めていた獣の心を、息と一緒に呑み込んだ。
「……そうだといいけどね」
違う誰かであったなら。
非異能者の自分にとっては、よく響く。
思わず苦い笑みを浮かべながら、小さく頷いた。
「そ、そういうところって言われてもなぁ……、……うーん。
……付き合いたいって思ってれば別にいいって言う意味なら満たしてるとは思うけど」
異性として興味の範囲だ。
好き、好意の範囲ではやや欠ける。
うーん、と困り顔だが、ことん、と差し出された赤みを見下ろす。
「まぁ、そう言うなら……頂きます」
ぺこり。チキンを手に取り、ちょっと齧る。
「……!?」
ドンッ。思わず机に突っ伏しかけた。
なんだ、今何を食べた。爆薬でも食ったか?
あの激辛ラーメンとはまた違った刺激、辛みが襲ってくる。
口の中が絶賛燃えている。助けて生活委員。
そう言わんばかりにぷるぷると顔を伏せたまま震えていた。
■伊都波 悠薇 >
「姉、ですからね。引き合いにしたのは申し訳ないですが、それでも、その存在がある、というのは頼もしく思うものです。姉が全部を見れるわけでもないですし。そも、比べる意味もありません。
風紀委員の戦力として換算されている時点で、『ちがう誰かであったなら』。そんなことは、ないものですから」
そう、戦力として換算されて、いれば。
「そういうとこですよ。そういうとこ」
自覚がなさそう。最近の異世界転生ハーレムを客観的に見る脇役が主人公である作品を読んでなければ炎上していたとかろだ、危ない。
「そういうのはすき……いえ、意中であり、付き合いたいと思っている人にいうべきです。先に言っておきますが、橘さんのことが嫌いなわけではないですけれど、大事な後輩、と思っています。
だから、それ以上はNG 、です」
仲が良いも礼儀という。
だからせんびきはだいじ。いつもならどもったりするが、なぜか、彼との会話はスムーズに出きる。
「気になさらず。それなりのカロリーですから」
どうぞ? と皿ごと差し出した。
■橘壱 >
「あの人はもうなんか別次元と言うかなんというか……」
AFの機動力に追いつく超人。
流石に引き合いに出されるとどうしようもない。
表情も少し引きつるというものだ。
「まぁ流石に凛霞先輩程じゃないですけどね。
……にしても、そうか。彼がそうなんだ。
やっぱり不思議ですね、常世学園。色んな人が集まっている」
時代の最先端、或る意味流石だ。
かくいうと、彼に少し興味が出てきた。
もし出たのなら、聞きたいことも。
「……つまり、此の場合はNG、と……」
人間褒めるの難しすぎないか。
オタク、コミュニケーションの難しさを痛感。
額を指先で抑えながら首を振った。
「そうですかね……僕はそういう悠薇先輩も見てみたいですけど……えっ」
なんとくれるらしい。
この、明らかに赤いやばめ(直球)のチキン。
しかも最後の一個だぞ。真っ赤なチキンと彼女の顔を交互に見やる。
「最後の一個ですけど、いいんですか?
せめて、このアメリカンサンドと交換とかにしません?」
気にするのまぁ一番そこ。
最後の一個って特別感あるし、ちょっと気が引ける。
■伊都波 悠薇 >
「やれることが多いのはすごいことですよ。姉を見てください」
そこで、引き合いに出すのは姉だ。
なんでもできる。
「はい。その人です」
要注意と聞くとあの人が? とも思うけど、もしそうなら、なにか理由があるのかもと思ってしまうくらいには良い後輩だった。
「はい。少なくとも悪い人には見えませんでしたよ。なので、こちらが最初から普通にしていれば大丈夫なのかも」
構えたら向こうも構える、そういう人が多い気がするから。
「食べます? 1個」
辛みチキン辛みMAX。
結構辛い。辛いものが得意なら、まぁ、たべれなくも、くらい。
辛みMAXの特徴は2度揚げ。
普通の辛みチキンを、唐辛子やハバネロの粉末を混ぜた衣に纏わせもう一度揚げるという工程があるからだ。
「時と場合によります」
首を横に振り。
「遠慮しておきます。その、恥ずかしいので」
■橘壱 >
「いや、そんなに褒めるようなものでも……」
といいつつ嬉しそうにしている。
ちょろいぞオタク。
「武知……?……武知一実?ああ、いや、合ってるかはわからないけれど、
確か要注意人物のリストには乗っていた……かな。喧嘩しててよく注意受けてるって」
少年は職務に真面目なので、
資料には一通り目を通している。
タブレット端末を取り出させばす、と画面をスライド。
液晶画面に出てくるのは、"武知一実"の生徒情報。
お互い風紀委員だから、此処で見る分には問題ない。
机の真ん中において、お互い見えるような形に。
「多分、此の人?僕も直接あったことはないけど、
喧嘩ばかりしてるって話だっけど、成る程……人は見かけによらないんだな」
確か、喧嘩以外の素行は悪くないって話だった。
だとすれば何故、喧嘩なんかしてるんだろうか。
もしかして趣味なのか。……ある意味、共感出来る部分はある。
レンズの向こう側で、辛味チキンはもうすぐ無くなろうとしていた。
「相変わらず辛いのがお好きなんですね。
……や、まぁ、はい。そう言えば言われてたけども……」
「褒められるのが嫌いだったりします?」
そういう問題じゃないよオタクくん。
ちょっと罰が悪そうにしながらも、予定がない、と言われたら……。
「じゃあ、今度一緒におしゃれする予定とか服買います?」
するっと提案してきた。
■伊都波 悠薇 >
ぱちぱち、まだ拍手している。
「はい。武知さん、というそうで。一年と言ってました。橘さん、知ってます?」
どうだろ、と思いながら辛みチキンをもぐもぐ。
あと1個。
「事実だとしても、全部口に出すのが良しとなるかは別です。おしゃれの予定は……ないというか。そんな機会がないので」
■橘壱 >
「まぁ役に立つかはさておき、
こう見えて色々出来るもので……因みに先輩の声も出せます」
飽くまで人間の出来る範疇に収まるが、
秀才橘壱、やろうと思うことは大体出来る。
オタクくんはちょろいので褒められると割と調子に乗る。
照れ臭そうに笑みを浮かべる辺り、顕著。
「へぇ、そんな人が……優しい人じゃないですか。
腹話術のバイトって事は……大道芸とかそういう?」
大体そんなイメージ。
喉に流し込むコーラは程よく冷えてて美味い。
「まさか。でも事実ですし。……や、僕が言えた立場じゃないけど、
結構オシャレとかしたりはしないんですか?きっと映えますよ」
この前言われたばかりなのにこれである。
自分がモテるはずもない前提かつ普通に褒めるような男なのだ。