学園公営の女子寮。なお寮は公営私営含めて他にもいくつか存在している。
家賃がほぼ無料だが、最新の設備が用意されている。そのため人気も高い。
ロビー、食堂、大浴場などなど、まさに寮というような設備である。
部屋はキッチン、ユニットバスなどが備え付けられている。特に学園側から監査があるわけでもないので部屋を好きなように改造している生徒もいるという。
一人部屋から二人部屋、など部屋の種類は豊富。
参加者(0):ROM(1)
Time:21:04:16 更新
ご案内:「常世寮/女子寮 椎苗の部屋 部屋」から緋月さんが去りました。
ご案内:「常世寮/女子寮 椎苗の部屋 部屋」から神樹椎苗さんが去りました。
■緋月 >
「こ、コンサートは、まだまだ早い気がしますけど…!」
ちょっと思いを巡らせて、びし、と軽く固まってしまった。
ステージに立って、観客の前で楽器を演奏してみせる。
何と言うか、今の自分の実力ではおこがましいにも程がある光景だ。
早速先輩の策略に嵌ってしまっている。
「あ、はい。現地と、行き帰りで色々とありました。
まあ、最初は…飛行機というものが、あそこまで落ち着かないものだとは思わなかった、ですけど。」
真っ先に思い出したのは、海と国を超える為に乗った、未知の乗り物の落ち着かなさ。
演奏を終えた、狼の顔を掘り込まれた愛器の弦をそっと緩め、丁寧にケースにしまいこんであげる。
そこから先は、頬杖ついてオーダーを飛ばすお嬢様に、ぱたぱたと駆け回って用意をしたり
お話を聞かせたりと、忙しくも楽しいお茶会に興じる事になるのであった――。
■神樹椎苗 >
「単純に真面目なんですよ、お前は。
ま、そう言うお前にこそ、楽器は丁度いいかもしれませんね」
色んな曲や色んな音を聞いて、その自由さや音に込められる想いを感じ取る。
それは真面目過ぎる後輩には、きっといい刺激となるだろうと。
「まあよかったですよ。
馬鹿の一つ覚え見たいに、剣ばっかり振ってるわけじゃないみてーで。
いくらか弾けるようになったら、コンサートでも開いてやりましょうか」
広い舞台にぽん、と放り込まれて、ぷるぷる震えている後輩を想像して、くすくす笑う意地悪な小娘。
「ん、ん~~――はぁ」
そしてようやく、ゆっくりと体を伸ばして、一息。
「さて。
せっかくですしお茶にでもしますか。
島の外にも行ってきたんでしょう。
ケーキでもつつきながら、土産話の一つくらい、聞かせてもらいましょうか」
なんて。
ちゃぶ台の上に頬杖をついて。
なお、自分で動くつもりはないらしく。
愉快そうな表情は、はやく準備をしてこい、とばかりに楽し気だった。
■緋月 >
「あはは…いや、本当に最初の動機は…まあ、あのひとが楽器を演奏してる姿を見たのも
理由のひとつではありますけど、楽器に触って音を出すのが楽しかったから、なんですよ。」
ぽつぽつ、と、きっかけの出来事を明かす。
異邦人街で偶然見かけた、異国情緒に溢れる楽器店。
其処での試し弾きと、内なる友人がやたらと強く推して来た楽器の話。
「――それで、これを買ったんです。
楽器って高いんだなって、文字通り自分の身で痛感しました。」
と、言ってはいるが、声の方は楽しそう。
買った事を後悔など、まるでしていない調子である。
「どうも、肩に力が入ってしまうのがよくないんでしょうか。
肩肘張らず、気の赴くままに…まで、どれだけかかるやら。」
ぽろん、と、柔らかく、しかし今度は少し噛み締めるように、一つずつ弦を震わせる。
自分の楽しい音を模索するような、そんな調子。
■神樹椎苗 >
「ぷすっ」
小さな笑い声が漏れる。
本当に生真面目な後輩だ、と思うのだ。
「堅苦しいやつですねえ。
好き勝手やりゃあいいんですよ、趣味と遊びの内は。
ま、しぃみたいに仕事になっても好きかってやるヤツも、そこそこいますが」
どこぞの紅い女性なんかもそうだろう。
「――んふ、いいじゃねえですが。
今の音は、楽しそうに弾んでましたよ」
そう、戯れの音を、一番面白そうにほめるのでした。
■緋月 >
「音楽に、正解はない…。」
その言葉と、続く言葉――音を楽しむ趣味、という言葉聞いて、ふ、と。
不意に脳裏に思い出されたのは、初めて楽器に触れた、楽器店での出来事。
店員に誘われるまま、阮を手に取り、拙い指運びで途切れ途切れの簡単な曲を紡いだ時の事。
今振り返れば、腕前そのものは散々といって良かったが…あそこには、確かに「楽しさ」があった。
不格好ながらも、自分の手で「音」を「曲」という形に仕上げる、楽しさ。
天井を仰ぎ、ひとつ大きく息をついて。
寝転んだままの少女に向けた顔は、何処か吹っ切れたような微笑。
「椎苗さんの言う通りです、ね。
一番最初に、楽器に触った時の楽しさを…知らない内に、忘れてしまう所でした。」
自分もまだまだ、型に嵌りやすいな、と、小さく頬を掻く。
「気持ちのいい音を優先して、ですか。
戒めなんて堅苦しいものではないですが、忘れないように気を付けておきます。」
ぽろん、と、軽く弦を弾く。
特に意味もなく、戯れに、自分の「気持ちいい」と思う音を弾いてみた、という響き。
■神樹椎苗 >
「いい演奏でしたよ。
センスもいいですし、なにより聞いてて不快じゃねーです」
そうやって後輩を褒めつつも。
少しだけ、どう言葉にしようか考えるように一拍置いて。
「まず一つですが。
音楽に正解はねーです。
それこそ、楽譜通りに演奏するのが点数になるコンクールなら別ですが」
と、前置きしながら。
「音楽は、音を楽しむ趣味です。
あの紅いやつはともかく――いえ、あの紅いやつも好き勝手やってるみてーですが。
仕事じゃねーんですから、自分が気持ちよくなるように弾きゃあいいんですよ。
それが新しい音色を作って、面白くなる、ことも、ありますからね」
とはいえ、当然基礎が出来てからの話ではある。
例えば、料理を始めたばかりのヒトが、アレンジをして失敗する、というのと通じるか。
「今はまだ譜面通りに弾く、でいいと思いますが。
譜面を見ないでも弾けるようになったら、自分の気持ちのいい音を優先して演奏するのもまた一興ですよ。
しぃなんかは、もう原曲とかしったこっちゃねーって気持ちで弾いてますしね」
そう言いながらバイオリンの方をちらと見る。
元は接待の関係でいやいや演奏した楽器だったが、今では辛うじて趣味と言えるものになっていた。
でなければ、わざわざ気に入った物を買ったりまではしなかっただろう。
仕事先が用意した物を使っていればよかったのだから。
■緋月 >
曲の始まりは、震わせるような弦の響き。
そして、雨粒が落ちるような小さな音の連なり。
それらが重なり、旋律になる。
それがやがて、少しずつ激しさを増していき。
あるタイミングで、激しく全ての絃がかき鳴らされる。
そこからはまるで場面が切り替わったかのように。
剣と剣がぶつかり合うかのように。
時に静かに、時に激しく。
反する要素が入り混じり合う。
一拍の間を置き、再び静かな連なり。
決着の間の、膠着を思わせるような。
そして、最後の決着が着くような激しさで弦が弾かれ、旋律が紡がれる。
総ての弦が、それを弾く指に呼応するように烈しく、切れ味鋭い音色を響かせ。
最後に、あっけなくも必然のように訪れる決着のように。
独奏曲は、終幕を迎える。
「……ふぅ。」
他者に披露する緊張もあるが、やはりこの曲はひどく集中力を使う。
曲が終われば大きく息を吐き出し、額に軽く浮かんだ汗を拭う。
「……やっぱり、そう聞こえてしまいますか。」
先輩からの指摘には、少しばかりの苦笑の声。
見透かされているな、と、自分でも思ってしまう。
「楽譜頼みで弾いてるから…というのもあるかとは、思ってます。
後は――どうも、好きに弾こうとすると、地が出るというか、滅茶苦茶になってしまいそうで。」
先程まで激しく弦を震わせていた右の手で、軽く中阮のボディを撫ぜる。
独力で学んでいる関係で付いて回る、自分の変な癖を抑えようとしてしまう、軽い無意識である。
■神樹椎苗 >
「うわぁ、ってなんですか、うわぁって。
これでも経験人数なら三桁あるんですが?
ソンケーされてもいいと思うんですが?」
とんでもねえことをあっさりというのだった。
「ほう、独奏曲ですか」
言いながらのっそりと起き上がる。
一応、代えたばかりの包帯類なので、消毒と薬の匂いしかしないが。
ところどころには、赤い色や水気が滲んでいた。
「――へえ」
そして曲を聞き始めれば、面白そうに、にやにやと後輩を眺める。
やはり想像以上にセンスがある。
ただ少し気になる事があるとすれば。
「――お前、完璧に弾こうとしてますね?」
一通り演奏が終わってからの感想は、まず、その一言だった。
■緋月 >
「うわぁ…………。」
先程に輪をかけてとんでもない事情が、返事となって返ってきた。
色んな意味で自由奔放である。
あっさり言い切った辺りに逆に嘘の響きが感じられない。
見た目が幼女にしか見えない先輩の餌食になった人数は、果たしてどれ程になるのやら。
(ちょっと、怖くて聞けませんね…。)
思わずそんな思考が巡ってしまう。
顔に出すのは必死になって堪えたが。
それにしても、世の中は様々であると実感せざるを得ないお言葉であった。
(価値観は人それぞれ、と言いますからね。)
ほんのコミュニケーション的なノリで、そういった行為に及ぶ事も、現代では珍しくないのだろうか、などと
思いつつ、改めて姿勢を正し、阮を持ち直す。
「これ一つで充分な…独奏曲、というんですか?
それを自主的な目標にしながら、練習をしてまして。」
こほん、と小さく咳払いをして、弦へと手を添える。
最初に始まるのは、やけに通る弦を弾く音。
ゆっくりとした、その繰り返しから、独奏曲は幕を開ける――。
■神樹椎苗 >
「いくらでもなまなましー話は事欠かねえですよ。
ま、仕事ですからね、政治ですよ政治」
へっ、と鼻で笑うと、顎で、ドレスの山を示した。
「ん?
しぃですか?
わりとヤってますよ」
あっさりと。
「というか、接待でも好みのヤツがいれば、男でも女でも、しぃから誘いますし。
学園でもまあ、寄ってくる奴らの半分くらいは食ってますから、結構楽しんでますよ。
お前もフリーなら手を出してもいーんですけどね。
流石に他人の女まで食おうとは思わねーですし」
むちゃくちゃ言ってる、駄幼女だった。
「お、練習曲。
面白そーじゃねーですか。
なにやってんです?」
もぞもぞ。
動きだした飼い主に、白猫が『ぷぅ』と鳴き声を上げながら、ベッドの上へと飛び移った。
■緋月 >
「わーっ! わーーっ!!」
先輩の口から無造作に吐き出される、恐ろしく生々しい事情。
思わず遮るように大声を出してしまう位には、まだまだお子ちゃまな和服姿の少女だった。
「……調べられた分事情は知ってるとは言え、それ以外を直接聞かされると生々しさが半端ないです。」
ちょっと顔色を青くしながらも、調律をする手の動きは全く変わらず。
此処で阮を放り出すような扱いはしなかった。
随分とお気に入りの模様。
「……私が言うのも何ですが、椎苗さんは…その、何というか、双方合意のある…そういう営みとか、
そういうのは、ないんですか?
いや、人の色事に口出しするのは烏滸がましいといえばそうなんでしょうけど。」
やはり事に及ぶなら気を許せる相手――というのが和服姿の少女の思う所。
そう言う所も含めてまだまだお子様である。
「――よし。
曲の方は…私の自主課題曲でもいいですか?」
調律の具合は充分。弦も、前に変えてから然程も経っていないので調子良し。
消耗品の交換にお金をケチることをしない、という事を覚えた為、愛器の機嫌は今日も良い。
■神樹椎苗 >
「生娘でもなくなったくせに、なーにが黙秘権ですか。
しぃなんざ、脂ぎったおっさんから、化粧くせぇババアまで、接待接待、また接待ってクソルーティーンですよ。
好きな相手といちゃこらできるだけ、よっぽどお幸せじゃねーですかー」
どうやら、こうしてぐったりしており、部屋の掃除も、人を呼んで片付ける事もしてないのは、そう言った『おつとめ』的な事情があるようで。
使い捨てたドレスの山も、恐らくは同じドレスを着るわけにいかないから投げ捨てているのだろうと、言った所だろうか。
「まー、お前は比較されて簡単に挫けるやつじゃねーですしねー。
とはいえ、不器用そうですし、ちゃんと音楽が出来るのか――」
整えられていく音階。
そして、音の鳴り方。
どうやら、後輩は音楽に関しても悪くないセンスがあるようだ。
「――なんかムカつきますね」
一曲弾いて凹ませてやろうか、なんてちょっと思う、理不尽な先輩である。
これでも耳の肥えた貴賓様方に、無茶振りであれこれと披露させられているのだった。
部屋に置いてあるバイオリンも、そうした切っ掛けで触り始めたものの一つだったりする。
■緋月 >
「ん゛んっ!!!」
思わず変な咳き込むような声。
そっちの話題を振られるとあまり強くはなかったりする。
そういう意味ではまだまだお子様であった。
「の、ノーコメントで! 黙秘権を行使します!」
そんな事を言いつつ、更に続く先輩の言葉に対しては、返事の代わりにケースへと手を伸ばし。
「身近な知り合いの腕前がとんでもないですから、相対的にまだまだ児戯に聞こえてしまいます。
まあ、それで挫けるほど情けない性根ではない、と自分では思ってますけど。」
ぱたん、と開かれたケースの中に納まっていたのは、黒檀の色合いが美しい琴杆と側板が特徴的な中阮。
琴頭には、見事な狼の顔の彫刻が施されている。
そうして取り出した中阮を手に、手近な場所に腰を下ろすと、軽く弦を弾きながら琴軸を軽く弄り弄り。
調律の作業も手慣れたもので、緩めていた弦はたちまち適切な音階に整っていく。