椎苗にあてがわれた一人部屋。キッチン、ユニットバスつき。
勉強机と小さなテーブル、本が詰まった本棚だけの、殺風景な部屋。
……だったのだが、いつの間にか部屋中にネコマニャンのぬいぐるみやグッズが配置されている。
大きなネコマニャンクッションは、人を駄目にするクッション性。
また、クローゼットの中には大量の衣服が詰め込まれており、右下の三段の引き出しの下二段は、見た者が言葉を失うという噂があるとかなんとか。
この日は、部屋中に甘い匂いが充満している。
また、勉強机の上には、スズランの花が鉢に植えられて大事そうに飾られているのだけが、やけに浮いて見えるかもしれない。
Time:01:39:08 更新
■蘇芳 那由他 > 頭、胴体、腕部分、両足…部位はなるべく考えないようにしつつ、一先ず味わう事に集中する。
何でチョコを食べるだけでここまで無駄に神経を研ぎ澄ませないといけないんだろうか!?
が、味は文句なしに美味しいので総括するとすごい複雑でもあったりする。
「…普段はあまり豪快には食べないんですけどね…。」
小食でもないし大食漢でもない、食べる量は普通で食べる速度も勢いも普通。
行儀作法はある程度、後見人の人に叩き込まれたり矯正されたのできちんとしている方だ。
が、今回のチョコは例外的に豪快に食べ進めていく…何か椎苗さんの声は満足気だが。
ちなみに、食べてる時はずっと目を閉じたままである。彼女から見ると味わってるように見える?かもしれない。
「――ご馳走様でした。…ええ、味は文句なく美味しいです。単純に甘すぎないのがいいですね。」
ちゃんとビター的な要素もしっかりあったので、配分が絶妙なのだろう。
飲み物に関しては、特に注文などはせず「じゃあお言葉に甘えてお願いします」と、頭を下げて。
そんな訳で、後には空っぽになった箱が鎮座している訳だ…考えたら食べるのに集中してたけど。
チョコとしては結構ボリュームがあったように思える…フィギュア一体分だと考えればさもありなん。
■神樹椎苗 >
「そうです、食べればいーんです」
根負けしたらしい少年に、勝ち誇ったような顔をしていた。
酷い話だった。
「いいですね、年頃の男子なら、それくらい思い切りがいい方が気分がいいです」
作った方としては、という感想のようですが。
本人以上に完全な美術品級のチョコを前にして言うにはどうかという言葉ですね。
というか、どこ視点の発言をしてるんでしょうか。
「――で、どうですか?
口には合いましたか?」
自信はあるものの、それはそれとして、少年の好みに合うかは気になるようす。
『飲み物も淹れますよ?』と言いつつ、食べる様子をハラハラと見守っていますね。
■蘇芳 那由他 > 「あ、ハイ……。」
そう怪訝そうに、さも当然だろうという感じで言われると少年としては何も言えないのである。
取り敢えず、それはそれとして椎苗チョコをじーっと眺めつつどうしよう、という表情。
「お菓子作りって奥が深いんですね…じゃなくて!!あぁ、もう…!じゃあ食べますよ!!」
何か自棄になってきた模様。普通のチョコレートで全然嬉しかったんだけどなぁ。
ただ、これはこれで貴重な経験になるだろう……かなり特殊過ぎる気もするけど!
あと、珍しく椎苗さんが前のめり気味に力説してるから、菓子と芸術と食事には並々ならぬ拘りがあるのだろう。
「そんな変態的な趣味とか無いですよ別に!!…じゃあ、えーと…頭から頂きます…。」
何か、我ながらこんなセリフ嫌だな…と、思いつつチョコを手に取り。
何故か目を閉じて――造詣が無駄に凝っているので、敢えて見ない方が精神衛生的に多分良い。
そして、頭から首の辺りまでガブリ、ポキッ…あ、口の中で首が圧し折れたかもしれない。椎苗チョコの。
(うわ、美味しい…美味しいんだけど、何かカニバリズムみたいな謎の禁忌感がある…!!)
目を閉じていれば、取り敢えず食べ進められる――が、リアル造形なので口の中に入れてもどの部分を齧ってるのかが分かってしまうのである。
味そのものは普通に高級チョコっぽいというか、かなり凝ってるのが分かるくらいに素直に美味しいが。
■神樹椎苗 >
「しぃは全裸が一番美しい造形をしてますし」
そんなの当然でしょう、と言わんばかりの怪訝な顔。
それだけ、幼い体とは言え自分に自信があるという事ですが。
「観賞に堪えないモノを食べてーんですか!?
そりゃあ、お菓子作りは芸術みてーなもんですから、そうなるに決まってるじゃねーですか!」
珍しく椎苗が前のめり。
お菓子という芸術と食には、それだけ強い拘りがあるようです。
「――んえ。
そんなの、好きな所から食べればいいじゃねーですか」
なんて言いながら、両手でへし折るようなジェスチャー。
本人的には完成した時点で、芸術としては満足しているらしい。
「それとも、舐めるように楽しみたい派ですか?」
なんて首を傾げつつ、少年の性癖に疑問を持ってしまったようです。
■蘇芳 那由他 > 「いやいやいやいや!!確かに造形は無駄に凄い凝ってますけど、何で全裸なんです!?と、いうか食べるよりも鑑賞レベルのアレですよねこれ!?」
これを食べるのは謎の罪悪感と背徳感があるんですが!?
こういうのに免疫だとか慣れが無いので、喜びどころかむしろ驚愕と困惑が強い。
とはいえ、彼女がわざわざ作ってくれた力作チョコを食べない訳にもいかない…悩ましい。
「…あの、これどう食べたらいいんでしょうか?」
まさか頭からガブリと行けと?折って食べるのも凄い何とも言えない罪悪感を感じる。
彼女の優れたお菓子作りの技術の高さが、ある意味で裏目に出てしまっている…!!
(…こういうの、フィギュア?とかそういうので普通に作ればいいと思うけどなぁ…勿論、服はきちんと着せて)
等と思いつつ、チョコをずっと眺めていたが…流れ的に第一目的がコレなので、食べない訳にもいかず。
しかし、どっからどう食べていいのか流石に分からん。普通のチョコかチョコケーキとか予想してたので。
■神樹椎苗 >
「そりゃあ、しぃの趣味筆頭ですからね。
お菓子作りは、趣味と実益を兼ねてますし――?」
おかしい。
と、椎苗は思ったらしいです。
なにせ、近年最高の出来である事は間違いないのですから。
「どうかしましたか?」
呆然とする少年の様子に、ますます不思議そうな顔。
なにせ全身全霊を込めた、傑作なのですから。
椎苗としては、歓声の一つも上がると思っていた、ようなのですが。
「――むしろなんで食わねーんですか!?」
珍しく椎苗が驚愕した顔を見せたのでした。
■蘇芳 那由他 > 「――と、いうかこれを食べろと?凄い何とも言えない感じがするんですが!?」
■蘇芳 那由他 > ちなみに、あの時に救護関係者から少年は一部変な目で見られたが、そこは変な”誤解”されないように必死だった模様。
「へぇ、椎苗さんってお菓子作りとかもしかして得意だったりしま――」
と、自信満々にふんぞり返る彼女に小さく笑いつつ、箱を持ち上げて中身が完全に見えてから――箱を持ち上げる手が固まった。
「…………???」
一瞬、それが何か理解出来なかったのか、目を点にして呆然と眺めていた。
1/7スケールの精巧な椎苗の全裸人形…を模したチョコレート。ややあって、少年は箱を一度戻した。
…軽く片手で眼を擦ってから、もう一度両手で箱を恐る恐る開けてみる。
…見間違いとか幻覚ではない。堂々と鎮座する椎苗さんフィギュア(チョコ)がそこに在った。
そして、一番問題なのは――普段あちこちに巻いている包帯やら衣服が皆無なので、キレイに全裸である。…綺麗に全裸である!
「………。」
なまじチョコだからか、流石に露骨に恥ずかしがる様子は無かったが、思わず半眼になりチョコ人形を凝視しつつ。
何でこんな所に技術とか凝り性を発揮しているのだこの人は…!!
■神樹椎苗 >
――と、少年の危惧する通り、このまま外を歩けば痴女間違いなし。
まあ流石に服、それもスカートやパニエに拘りのある椎苗が、外で下着を視られるような機会は――。
先日、某所の救護室で助けられた際には、ばっちり救護チームに見られていたようですが。
「ふふん、自信作ですからね。
見た目も、味も、専門店にだって負けませんよ」
そう言った椎苗は、エプロンのまま腕組をして自信満々にふんぞり返ってますね。
「ええ、さっさと開けて美味しく平らげるといいです」
そして、少年が箱を開けて出てくるのは――。
――1/7スケールの精巧な椎苗の全裸人形。
と、見間違うばかりの、色も形も細部まで完璧に仕上げられたチョコレートだった。
勿論、少年にはなお不憫な事に。
包帯やケガのない裸体で作られているため、モロに隅々まで見えてしまうという、無駄に再現度の高い無駄に完成された無駄に技術が詰め込まれた、とんでもないチョコレートでした。
■蘇芳 那由他 > 頭を撫でたのは、何度かやった事もあるからか自然と出来た気がする。
まぁ、タラシ疑惑を払拭出来ていないのだけど、少年はそんなつもりは全く無い訳で。
(な、何とかこの場はやり過ごせた……かな…?)
椎苗さん、撫でられたり抱擁される方が案外好きなのかな?と、何度かやった事があるのもありぼんやり思いつつ。
あと、投げやりに言ってるけどこれた照れ隠しだ…少年にも流石に分かる。
(…まぁ、そこを指摘するとチョコが貰えなくなりそうなのとカウンターが怖いので言わないけど。)
賢明な判断(?)である。そして、彼女が背中を向けるのだが――…
「―――!?」
いや、背中も…いや背中側の方が色々あかんですよねこれ!?
さっきお邪魔した時にもおそらく見ていた気はするが、下着エプロンの初手インパクトが強烈過ぎて意識してなかった。
…これ、部屋だからいいけど一歩でも外に出たら痴女にしかならんのでは…??
「おーー…あ、何か思ったより大きい?」
何か20cm前後の高さがあるラッピングされた箱を持ってくる彼女を見てそんな感想。
…あと、箱のリボンが何で椎苗さんの下着のリボンとお揃いなんですかね…!?
よく見ると、リボンを解いたりしなくても持ち上げるだけで箱が外れる仕様らしい。
「えーと、じゃあ開けますね?」
どんなチョコだろう?この大きさだと…ケーキもあるのかな?と、思いつつ。
取り敢えず両手でそっと箱の左右を持ってゆっくり持ち上げて中身を露にしようと。
■神樹椎苗 >
「――むぅ」
頭を撫でられると、どことなく不満そうな顔をしつつも大人しく撫でられます。
少年を揶揄ったり誘惑するよりも、こうして撫でられる方が嬉しいのだから仕方ないのでした。
「ほんとに、その言動、気をつけねーと修羅場ってもしらねーですからね。
あー、はいはい、チョコでしたね、チョコ」
そう珍しく照れ隠しのように投げやりに言うと、少年の手を離して、くるりと背中を向けます。
その背中は、首元から小さなでん部まで包帯で覆われてますが、その小さなお尻は、薄くて透けた小さなレースの三角だけが紐で繋がってるという。
ほとんど丸出し、隠せてないような有様でした。
「――ん、と。
ちゃんと本題通り、モノは用意してますよ」
それからキッチンに戻って、20cmほどの高さのラッピンクされた箱を持って来ます。
ただまぁ、その箱は、椎苗の下着と同じ色のレースのリボンで飾られていますが。
少年には幸いか、解かずとも持ち上げるだけで底面以外が外れるようになっているようでした。
■蘇芳 那由他 > 「そう言われましても――…ひぇぅっ!?」
あ、我ながら物凄い変な声が洩れた気がする!
何せ、呆れた様子で近付いてきた椎苗さんが何気なくこちらの手を取り――
…うん、凄くナチュラルな仕草でレースのリボンに触れさせてきたのだ。…え、ちょっ、えええ!?
「そもそも、刺されるのも嫉妬されるのも嫌ですよ!?あと、傷物とかそういうのは別に気にしてないです!!」
と、焦りとパニックか顔を赤くしつつもちゃんと言う事はきちんと言う少年であった。
おかしい…チョコレート頂いて一泊するだけの筈が初手からフルスロットルみたいなこの流れ…!!
「と、兎に角!それはそれとして、今日の目的の第一はチョコですよチョコ!何か僕もお手伝いしましょうか?」
挑発するように見上げて来る少女を、空いてる方の手で軽く頭を撫でつつ今は諫めようと。
余裕ありそうだがぶっちゃけ余裕は全く無いっ!!痩せ我慢とか総動員してるだけです。
■神樹椎苗 >
「まったく、その無自覚さに呆れてるってんです。
まあ――」
呆れつつ少年に近づいて、何気なくその手を摑まえると。
軽い調子で、そのレースのリボンに触れさせます。
「その点、しぃはお前を刺したり、嫉妬したりもしませんから。
安心安全なイイ女ですよ。
まー、傷物ではありますが?」
そんな風に言いながら、挑発するような表情で少年を見上げるのですから、年頃の男の子には酷な話ですね。
■蘇芳 那由他 > 何ですかね?この無言の圧は?真正面から相対する度胸は生憎と無いので、目を逸らす少年である。
無限とも思える程の長い時間、ひたすら目を逸らして無言の圧力と目線から逃れていたが。
「――何か呆れられてる!?あと天然タラシとか何ですかそれ!?」
え、僕の何処をどう見れば天然タラシという事に!?全く理解できないのか目を白黒。
少年的には、誰かを殊更に特別視するという事がほぼ無いのもあって、そういう風になってしまうのだろう
「っていうか、刺されたくないですし修羅場とか御免ですよ!!そもそも恋愛とか僕にはまだ早いですから!!」
そもそも、まずは交友関係を増やしたいし、学業も神器の扱いもと色々課題もある。
恋愛やそっち方面んのあれこれに人並みの興味はあれど、余裕があるかと言えばそうでもなく。
少年の中の【槍】からすごーーーく、呆れた気配を感じるがそれは無視しておこう。
少なくとも、少女や神器が呆れる程度には無自覚だったりガードが固い部分があるようで。
■神樹椎苗 >
「――――――――――」
無言。
無言で、じーっと、目を逸らした少年を見上げる。
圧、圧、圧。
無言の圧力。
「――はぁ」
と、それもほどほどの時間で、呆れたため息に。
おそらくこれは、アレなのだ、少年は本当に無自覚なのだ。
まあ少なくとも今夜に限っては、ある種の可能性と感じては居たようなので、椎苗的にはまあよし、と言った所。
「お前、しぃ以外の女子にも分け隔てなくソレだと、天然タラシの道を邁進する事になりますよ。
その上、気を持たせておいてそんなつもりはなかったんです――刺されたいんですか?」
半歩下がって、腕を組んで大きな大きなため息一つ。
流石の椎苗も、少し痛い目に遭わせてやろうか、なんて内心思ってしまったのが呆れた表情に現れてました。
仕方ないですね?