2024/08/24 のログ
ご案内:「常世寮/女子寮 相部屋」に久能 やえさんが現れました。
ご案内:「常世寮/女子寮 相部屋」に廿楽 紫音さんが現れました。
久能 やえ > ぱたぱたと部屋を片付け中。
相部屋の人達には事前に今日人が来ることをいってあるのでおかしなものは片付けてもらってある。

自分は、干していた下着やらを急遽お片付け。
部屋の隅に落ちていた自分のも発見し、洗濯槽にホールインワンしつつ。

まぁ、うん。こんなもんだろうと。

廿楽 紫音 > ぴんぽーん

チャイムの鳴る音。きっと貴方の誘った人物のもの。

「(なんかバタバタしてんね)」

片付け中?どっちにしろ自分は招き人が許可するまで待つだけだけど。
一応手土産代わりのお菓子とドリンク…
カロリーを気にするかもしれないから、お茶とジュースのボトルが入った袋をぷらぷらしながら、反応を待っておくか。

久能 やえ > はぁどっこいしょとイスに座って少しだけ休憩しようとすれば、ぴんぽーんと例の音。
あらやだもうそんな時間!?

「は~い、いまあけまーす」

パタタ、と走って玄関へ向かえば

「いらっしゃ~い先生。
おまちしてました~」

とメイド服でお出迎え。

廿楽 紫音 > 「あれ」

メイド服姿にきょとんとするのは、無造作に整えられた銀髪と、虹のような光彩を持つ長身の……男。
女子寮の前にいるのは色々言われそうな…チャラそうな…しかしてれっきとした”教師”。

少しだけ不思議で嵌ると危険そうな香りを纏わせながら、にこっと笑って。

「今日は家でもバイトな感じ?」

この間は私服でだらだらできるから~って言っていた気がした。

久能 やえ > 「ほんとは私服にしようと思ってたんだけどね~」

と、目の前のチャラ男先生に苦悩の表情をみせる。

「実は夕方ぐらいからちょっと急でバイトに入ってほしいって言われちゃって。
ならもうこの服でいよっかなーって」

女子寮の、部屋前で立ち話をさせるわけにもいかないので入って入ってと手招きをしつつそんな事情。

廿楽 紫音 > 「そういうこと」

なるほどね。得したようなそうでないような。
ま、私服もその内見れるでしょうし、別にいっか。

「んじゃ、あんま長居できないわけだ。
 あ、これ飲み物とお菓子ね。お茶とジュースどっちがいい?」

おじゃましますよっと言いながら、ちら…と部屋を見れば。
甘いような鼻をくすぐるような、いかにも女の子が生活する空間、というような香り。
ここまで女の匂いしかしないのはあんまないかも、と思いつつ。

「確か部屋をシェアしてるんだっけ?
 他の子は今は?」

久能 やえ > 「そ~、だから今日はちょっとしたら勉強会終了かも。
まぁ初日ってことで……あ、お茶がいいな」

紙コップ取ってくるね~、と台所の方へ。
市販の、普通のお安い紙コップを棚から出しつつ

「今日はお出かけ中だねみんな。
多分夜には帰ってくると思うけど~…その頃には先生も帰ってるし、照会はまた今度かなぁ」

紙コップを持って戻ってきたら勉強道具を置いたローテーブルの方へ彼をご案内する。

廿楽 紫音 > 「あらあらお手間をおかけします。

 んじゃ、今日は軽い講習にしとこうかな」

そういいつつ、もう一方に持っていた袋の中身をローテーブルにいくつか置いていく。
出されたそれはシャーレ…いわゆる実験に使われるガラス皿。
封をしてあるが中がはっきりと見える状態になっていて、中には透明な液体が薄く入っている。

「どんな子がいるかの楽しみは次回に置いといて…
 たしかやえちゃんは異能関連の勉強で悩んでるんだって?
 
 じゃ、軽い基礎からはなそ。
 異能っていうものは、ざっくりとどんなものの総称かを説明してみてちょうだいよ」

久能 やえ > 「えーと、異能ですね。
異能は~、ざっくり個人で発動させる超常現象を総称したもの?
魔術とかと違って勉強した結果使えるものじゃなくて、勝手に、急に使えるようになった力?」

何か微妙に語尾を上げて『そんな認識ですよ』の体を醸し出す。
魔術も例に挙げているが、そっちの勉強は全くしていないためにまた曖昧な発言だが。

廿楽 紫音 > 「ま、そんな感じ。
 じゃあ何が異能にあたるのか、についてを今回のテーマにしとこっか」

一つのシャーレを手前に出す。
その中の液体は澄んでいて透明。
何の変哲もない、ただの無色透明の液体だろう。

「21世紀初頭まで、異能って存在は極めて珍しい存在だったらしいね。こっちでは。
 このシャーレが世界、水は人だって感じで。

 これが2000年代初頭の世界。
 色んな細菌が中にはいるけど、特別なものは殆ど存在しない。だから透明でなにもないように見える訳」

微細な病原菌等はいるだろうけど、それも微々たるもの。
きっとこの水を飲んだ所で病気を発症する可能性は極めて低い。

「ちなみにこの水の中にはちょっとした細工がしてあって、まぁ……簡単に言えば”異常な個体”が出るとそれが青く染まるようになっててね。
 今も実はほんの少しだけど青く染まってる。
 けど数が少ないからこの通り、殆ど透明に見える感じ」

そう言いながら、今度はもう一つ…何かのしみ込んだガーゼが密封されたシャーレを取り出す。
ガーゼは真っ青に染まっている。

「これは別の世界。
 異能、ってこっちで言われてるものがそこかしこに存在する場所だと思って。
 この中にいるのは、所謂こっちの世界には殆ど存在しない異能者たち。

 それが”大変容”って事件のせいで…」

ピンセットでガーゼを取り出して。
透明な液体の入ったシャーレの蓋を開けて、そしてその中に入れて、再び封をする。

「別の世界とのつながりが出来て、流入した訳。
 こうして入った事で、”本来そこに殆どいなかった特殊な個体”が、”至る所で発現するようになった。

 理由は…シャーレん中見てけば大体わかるよ」

青いガーゼが液体に触れ、青が、広がっていく。
どんどんと広がって、広がって…
そして、青が満ちていく。

液体の中に、青い糸がいくつも、這って行く。

久能 やえ > 「お~……」

増える。
みちる。
無色だったところに青が広がっていくのはなかなか面白く見えている。
勿論、それはただの色だからそう見えるだけだが。

「んーと、あれですね。
病気とかそういうのが増えていく感じ。
感染源の穴が大きく開いちゃったから、こっちにもどばーって感染者がふえちゃったみたいな…。
……パンデミック的な?」

早急に隔離が必要だったが、今はもう遅いかもしれない。

廿楽 紫音 > 「そ、パンデミック。
 そういう説があるって聞きかじったくらいの知識だけどね」

この男は当事者でもなければこの土地の人間でもないから。
そういう説、をテキストで見聞きして、信憑性があると判断して一つの学説として支持してるだけだ。

「でまぁ、ここからがこれに菌を入れた理由。
 ふつうにしみ込んで増えるだけなら、色付きの水でいい訳だけど。
 ここに菌が入って、それが感染爆発を起こして増殖したって形にしたのは…

 それが一番”君ら”の発生に似てるからね」

顔を少し、のぞき込んで。

「その髪って、地毛?
 名前は日本系って感じだけど。先祖に白人系が混ざってる?

 そうじゃなきゃそれも、やえちゃんの持ってる”異能”も、何等かの理由で通常から外れて生まれた”突然変異”(ミュータント)って事になる訳。

 そ、俺ややえちゃんは本来ならありえない”突然変異による能力を得た者”
 略して、異能者な訳。」

久能 やえ > 突然変異、と言われるとなかなかに考えさせられるところがあるが。
だがそれが現状しっくりくるとは自分でも思う。
真っ白な地毛をちょっと触りつつ考えながら

「じゃあ、そのうち異能は全員使えるようになったりするんでしょうか?
近い未来なのか、まだ遠く先の話なのかは分からないけれど」

自分の両親に異能はない。
先祖にいたわけでもない。
本当に突然変異で生まれた存在なのを考えると、きっと異能が当たり前の世界がくるのかなぁと。

廿楽 紫音 > 「そうなったら、変異じゃなくて常識になるんじゃない?」

くすっ、と笑って。

「でも興味はあるかもね。
 異常、が常になる世界。
 
 その世界じゃどんなものも”個性”って扱いになる訳。
 どんな社会になるか、この島はまだ残ってんのかとか…
 俺は法律系がメインだから、そういう事考えちゃうんだよね」

じぃ、っと貴方の瞳を見ながら。
ちょっとだけ悪戯心。

シャーレの蓋を開けて…中の菌を外へと解放する。
ちょっとだけ、『命令』与えて。

近くにいる相手を、探ってみろ、なんて。

久能 やえ > 「きっと大きく法律変わるのかな~。
……って思ったけどそんなこともない…のかな?
規制のための法律とかはできそうだけど…」

大きく、は変わらないのかなぁと。
むしろ技術方面で異能を抑制したり、なんだかんだというのが発展していくのではないかと考える。
勿論、素人の想像でしかないが。

そしてそれはともかく。
目の前の人が自分の目をみながら菌を放出しているのを見る。
今度は何をしているのか、とその様子をじっとみて。

廿楽 紫音 > 「逆に、大変容以上に滅茶苦茶になるかも」

菌たちが貴方の方へ、空気を漂いながら進んでゆく。
霧散した青い菌たちは空に溶けて、もうどこにいるか肉眼でもわからない。
けど、男だけがはっきりとその場所が分かる。

貴方の体質や異能の情報を探る。
何があって、何が原因で異能を得たか。
そこに理由があるかはわからないし、情報として何かがわかるかも不明だけれど。

「でも、そうだな。
 
 やえちゃんはそういう風に考えるって事はさ。
 自分が異常とかって言われるの、あんまり好きじゃないんじゃない?」

だってほら。
それってつまり、マイノリティ(少数派)であるって指さされる事。
只の女子高生にとっては、気にする事。

「俺はいいと思うけど。
 だって、誰が何もってようとさ、そんなのは”当たり前”なんだから」

他人と自分が違うのは”当たり前”だ。
他人の異常性を、男は肯定するし。
自分の異常性も、男は肯定する。

「ここはやえちゃんの考え次第な訳だ。
 でも、まぁ……悩むんなら。

 他人と違う方向に舵切るのも、面白いと思うけど?」

久能 やえ > 菌が体に入ってこようと、彼女の免疫機能はそれを排除はしない。
いやたとえ排除されてもその前に――。

「私の考え次第……んぅ…」

少数派が好きな人なんてそんなにはいないだろう。
勿論一人になりたいときだってあるにはあるが、居心地がよいのならば多数派でいたい。
自分に不利益がない限りは。

――やえに異能が出たのは3歳の時。
異能発現の前触れはなく、遺伝子情報に変質はなく、前日までの環境に相違はなく。
元々白かった髪の毛を親に愛されて育つ日々の中で急にそれを起こした。
大好きなお菓子を食べすぎということで取り上げられた際に癇癪を起した結果
親の叫びと一緒に、手元に赤いドーナツを呼び寄せる。
それが一番最初、やえの体に記録された最初の異能の記録。

廿楽 紫音 > 「俺はいいと思うけどね」

頬杖をつきながら、指先で机を軽く、撫でる。
その動作には意味がない。ただの、男にとっての落ち着く動作なだけ。

「でも、もしも気にしてるなら。
 俺だけいいよって言ったげる。

 別にそんなの、気にすることないってさ。
 俺は言ったげる。

 そういうのが一人いると、気持ち楽にならない?」

にこり、と笑って。
見えた記憶をもう少し探ってみる。
真っ赤なドーナツ、それが手元に急にあらわれて。

空間の転移?叫びはただの驚愕?

どうだろう、もしかしたら。
ドーナツ以外にも呼び寄せたものがあったとか?

「やえちゃんの異能について聞いてなかったな。
 どんなものなの?とか聞いていい感じ?」