2024/06/18 のログ
マト >   
「でもそういう名前の麦茶がこの前売ってたよ?これからの時期欲しくなるんだろうね」

くすくす、とマトも十分落ち着いたのか笑い返す

「ふぅ」

マトも同じように、ぐびぐび、ぷはーっ、と
少しわざとらしいほどに一気に飲み干して、ぱぁっ、と笑みを浮かべる

「じゃ、僕も聞きたい事は聞いたし… どうしよっか、何か遊ぶ?」
「最も本と……トランプくらいしかないな、備え付けの奴」

風花 優希 >  
「それはそういう売り文句ってやつだよ」

まあ、人に寄ってはがぶ飲みするだろうが。
少なくともそこまでするほど、汗を書いてるわけでも無し。
小さく笑い返しながら、軽口を叩く。

「トランプを二人で遊ぶってのもなぁ。
 結構やること限られるし…」

「あぁ、どんな本があるのかでも確かめようかな?」

マト >   
「そういうものか、まぁ確かに、本のタイトルにしろ、キャッチ―さ?というのは大事らしいからね」

さもありなん、といった風に顎に手を当てて見せて

「だろうね……次は何か用意しておくよ」
「二人で遊べるものとなると…… うん?」

「……あぁ、本だね、大体優希も読んだことがあるものだと思うけど」

勿論普通の本の事だと思ったマトは、当たり前のように本棚の方に優希を誘う
そして初級魔術教本やら、某頭が菓子のヒーローの絵本やらが揃った本棚を見せようとするだろうか

風花 優希 >  
「キャッチーだと、その分手に取ってもらえるからな」

そういう部分は商売なのだと。
そんな軽いやり取りをしつつ少し動いて本棚へと。


……当然、優希本人も普通の本のつもりでそう告げた。
初級魔術本やら、情緒教育の為にでも借りたらしい本やらが並ぶそこは、何もおかしなことはない。
ただそう、今もその傍には”あの本”があるわけで…

「あー……まあ、うん、こっちのやつはそうだね」

微妙に視界の端に入ってしまう。
いや、無視だ無視…としようとしても、それだけ異質だから気になってしまうのだ。

マト >   
「そうだね、僕も図書館で本を探すときに、思わず手に取ってしまうものもあったし……」

ゴーレムである自分でそうなら、人にとってはなおさらだろう、と

「優希にすすめられた本も混ざってるしね、氷の魔術関連のとか……」
「…… えーっと、浩平曰く、『お宝』……が沢山あるみたいだけど」

その様子に、流石にマトも気づくだろう、そして、今度は優希ではなく、彼女が次の言葉をつげるのだ

「確認だけ、してみる?あー、その……僕も全部は見てないんだけど、ストーリーは結構面白いのが多かったし?」

言外に、既にマト自身は幾つか読んだという事を伝えながら、ぱさり、とタオルを剥がす

「何だっけこういうの、ほら……毒を食らわば皿まで?」

一度氷とお茶が入っているため、先ほどと比べて落ち着いてはいるが
落ち着いているからこそ、冷静に……そう、遺恨を残さないよう気を配ってしまうのだ

風花 優希 >  
「基礎教本的な感じではないしね、ボクも。
 そういうのを教える機能も在るにはある…けど…」

ああ、また何か空気が変わった気がした。
折角さわやかな感じだったそれが、どこか違う何かになっていく。

それも、少し前のそれともまた微妙に違う。

「お宝……ね」

どこか悪いことをしているかのような。
或いは、何かが重なって来たかのような。

「確かにそういう言い方するもんだけど……
 ……というか、やっぱり読んだのか」

恐ろしい程に、今は周囲の音が静かに感じられた。

「まあうん……確認するくらいなら…?」

マト >   
「それでも十分助かってるよ、お陰で氷属性については初歩は割と使いこなせるようになったし」
「さっき言った戦いでも役に立ったしね」

あれを役に立った、と言えるかは微妙かもしれないが、兎も角感謝しているのは確かだ

「まぁ、調べたし、浩平とオファニムとの…絆?みたいなものでもあるからね」
「読まずにそのまま置いておかれる……それはさ」
「本にとって使命(オーダー)を全うできないことに等しいのかもしれないと思って」
「危険で読む事が出来ない、なら仕方ないかもしれないけれど」

エロ本はそういうものではない、読まれるために生まれたものだ
だから、読まないという選択肢は無かった、彼女にとっては
……最も、それだけが理由なのかは正直怪しいが

「……なら、一緒に、見てみよっか、僕も気になってたし」

エアコンが効いているはずの、静まり返った部屋の中
ごくり、と、小さく息をのむ音がした気がした

風花 優希 >  
「これが絆の証かぁ……」

はじめての青春的なそれがコレなのはどうなのだろうか。
素直にそう思わなくもないが、そういうものなら仕方ないという想いもあり…

何より、『読まれない本はその使命を果たせない』と
その言葉を聞いてしまえば、逃げられなかった。

「まぁ…少なくとも危険な本ではない、しな」

それは読んでもらうために存在する本。
いや、それだけでは本来は足りないだろう。

読んだ上で、その先の理由がある本だ。

「……何だかんだ、興味津々なんだね」

息を呑む音に、少しうるさく感じる胸の高鳴り。
そんな中で紡がれたその呆れ混ざりのその声は、きっといつもの彼のそれではなかっただろう。

マト >   
「あはは、ちょっとずるかったかな?」

マトも優希が逃げられないような言い回しをした自覚はあるらしい、ぺろ、と舌を出した

「まぁ、うん、知らない世界だし」
「……優希だって、完全に視線、いってたじゃないか」
「お互い様、って事で」

悪戯っぽく、言葉を紡げていただろうか、緊張で震えてはいなかっただろうか
そんな事をきっと頭の片隅で考えながら、手に入れた戦利品の一つに手を伸ばして―――
梅雨らしいイベント、二人の読書会が始まるのだろう

ご案内:「堅磐寮 部屋」から風花 優希さんが去りました。
ご案内:「堅磐寮 部屋」からマトさんが去りました。