2024/07/01 のログ
ご案内:「堅磐寮 部屋」にマトさんが現れました。
ご案内:「堅磐寮 部屋」に風花 優希さんが現れました。
■マト >
ある梅雨の日の午後
本降りになりかけている雨音が外から響く中、慌ただしく部屋に入ってくる足音
「ふぅ…… 図書館を出た時にはあんまり降ってなかったんだけどな」
大きく息をついてから片手に持ったビニール袋を落す
「ごめんね、もうちょっとお天気持つかと思って寄り道しちゃって」
中身は食料品や飲み物のようで、どうやら買い物をした帰り道に雨脚が強まってきたため急いで帰宅したといった所が
「ほら上がって、ドライヤーとタオルくらいなら脱衣場にあるから……」
「僕は先に荷物仕舞うから、先に使ってて」
どうやら一人で帰ってきたわけでは無いらしい、続く人物にそう伝えながらマトは台所で購入品を仕舞うだろう
■風花 優希 >
「…ふぅ、がっつり降る前でよかったね」
しっとりと濡れた制服の襟を軽く摘まんで揺らし、一息つく。
後からついてくるように、部屋へと姿を現したのは蒼髪の少年の姿。
「大丈夫大丈夫、この時期の天気はそんなもんだしな。
折り畳み傘をボクも携帯してなかったし」
気にしなくていいと、一言入れた彼は室内へと上がり脱衣所へと。
それじゃあ借りるね、と言いながらタオルを借りて軽く身体の湿り気を拭う。
無論、自分のだけじゃなく、友人の分もタオルも片手に。
どうぞと、そのまま差し出した。
■マト >
「だね…」
座り込んで手早くビニール袋をしまい込んだマト
しっとりと濡れたワンピースの裾や髪から僅かに零れ落ちる水滴
「そう言ってくれると助かるよ、う~~ ありがと優希」
ぽち、とエアコンを『ドライ』に設定し、受け取ったタオルで頭をわしゃわしゃとする
勢いよくタオルに包まれて擦られる髪から、桜の香りが僅かに漂っていく
「はぁ、すっきりした、これがもう暫く続くんだっけ?中々辛い時期だね、本にもよくないし」
「…… ぁ”」
「折角手入れしたのに……まぁ仕方ないけどさ」
其処まで言った所で髪の状態に気づき、僅かに頬を赤らめると櫛を持ち出して漉きながら
冷蔵庫から二人分のお茶を用意してリビングへと戻る
「これでよし、と…… 本は家に置いたままでよかった、持っていってたらびしょびしょだったかも」
そしてテーブルの上にお茶と、今日の『勉強用』に用意した魔術の教科書などを用意するだろう
■風花 優希 >
「最近は梅雨入りが遅いからねぇ…。
雨は好きだけど、その辺りの手入れは流石に面倒だ」
此方は軽く塗れた髪や素肌を拭く程度。
肌に張り付いたシャツの感触に眉をしかめるが、流石にここで拭わけにもいかない。
まあ、除湿しているうちに乾くだろうと割り切って視線を横に。
鼻を擽る桜の香りに目を細め、透けた衣服をじっと無意識に眺めていた。
「……しかしまた、随分とオシャレになっちゃって」
手入れが無為になった事にボヤく彼女にそうポソリ。
「で、勉強会、このままやるってことでいいのかな?」
■マト >
「え、優希って雨好きなんだ?ちょっと意外だな……水と氷が近いからとか?」
「僕は… そうだね、雨に濡れる感覚自体は嫌いじゃないし、能力の触媒としても便利だけど……」
最後に何とも言えない顔になった理由はまぁ、先ほどの彼女の反応を見れば一目瞭然かもしれない
ともあれマトは自分の部屋という意識が強いのか、へそや脇といったワンピースの露出部分だけでなく
塗れた衣服が張り付いていたであろうスカート部分の中もぐいぐいと念入りに拭いていく
部屋が濡れたら後で掃除するのも自分だというのもあるのだろう
「?」
「うん、優希がよければお願いしたいかな」
「よろしくお願いします、優希先生♪」
呟いた言葉は良く聞こえなかったのか、不思議そうに小首を傾げて
勉強会、という言葉に嬉しそうに屈託のない笑みを浮かべるのである
■風花 優希 >
「水と氷は切って離せないってのは確かにあるけど…」
ざぁざぁと窓を叩く雨音に、耳を澄ませて。
「風情があるからね、雨には」
そう返しながら、彼女に向けて居た視線を外へと逸らす。
彼女がそのスカートの内側まで拭き始めたのを見て、ハッとしたかのように。
「おっけー。
まあとはいえ、実践的なやつは部屋の中でやるには限られるし、座学中心だけど」
そうして彼は、それを悟らせないようにと本が並ぶテーブルの前に腰を下ろす。
■マト >
「風情、かぁ……」
「うーん、僕にはまだ難しいかも、分かるような分からないような」
「優希くらい生きたら分かるようになるかな?」
とん、と拭き終わったタオルを横に置いて、耳を澄ませる彼の姿をじっと見つめる
その視線が顔から首筋、そして雨水が張り付いた制服へと移動して……そっと横に逸れた
「僕はどの方面でもまだまだ勉強不足だからね、一歩一歩覚えないと」
「座学、というか覚える事は好きだし、大歓迎さ」
彼と向き合ったままメモ用のノートとシャーペンを取り出し、勉強を受ける姿勢を整えるだろう
■風花 優希 >
「さてどうだろうか、長生きでも苦手なものに風情も何もないからな」
苦笑しながらそう言って、腰を下ろした彼は軽くお茶を一口。
少し妙な雰囲気になりそうなのを、誤魔化すように。
「ん…、ならばよし」
「とはいえ、どこから教えたものかな…ええと、借りてきた本はどれどれ?」
ともあれ、今は勉強会の方に意識を向けようと本を手に取る。
どんな本を借りていたのか、軽くタイトルくらいは確かめようと。
■マト >
「そういうものかな、知る機会が多ければ……でも、苦手なものはその分苦手になったりもするかもしれないか」
優希もそんなものがあるのだろうか、なんて考える彼女であったが
気を取り直し、本来の目的へと立ち直る
「えっと、まずは魔術学の授業の教科書と……」
『魔術学初級編』『基礎属性概論』『氷属性のススメ』『魔術の現在 日常生活における活用法編』『今日の料理ビギナーズ』
「あ、これは違う奴だった」
最後の場違いな『教本』を仕舞うが、凡そ初心者向け、及び氷属性についての見識を高めるための本のようだ
■風花 優希 >
「印象が上書きされちゃうからね、そういうの」
風情だと捉えようにも、拒否反応が出てしまえばそんなイメージは持てないだろうと。
そんな世間話染みたことを返しつつ、パラパラと本を軽く捲って。
「料理本…はさておいて」
彼女も一人暮らしだ、自炊を目指しているのかなと軽く思案しつつ。
「うーん、ザ・初心者向けの本って感じだな。
この中でボクが使えそうなのだと…やっぱこれになるかな」
『氷属性のススメ』と書かれた本を、手に取り掲げる。
「他の本はたぶん、普通の魔術科の先生辺りに解説聞いた方が為になるだろうしな」
■マト >
「そうだね、どうしても新しいイメージの方が頭の中に残るものだし……うん、それは分かるよ」
こくこく、と何度か頷くように返しながら座っている、ぺたんとした座り方がマトがリラックスしている事を教えていた
「勉強中には違いないんだけどね……っと、そうそう、取りあえず買ってみたんだけど
「まだ読み込んではいないし、色々教えてもらえると助かるよ」
「特に一番近いと思う水属性との扱いの違いとか……イメージできるようになると違いそうだし」
優希の言葉に同意しながら、自分なりに教えてほしい部分を伝える
こういった物事に関しては基本的に勉強熱心であり、友達であり、仮契約関係のあなたが教えてくれるというなら、猶更身が入るものなのだろう
■風花 優希 >
「まぁ、実のところ氷属性というか”ボクの魔法”はちと概念が違う部分だけども」
『風花の魔導書』をもう片手に、苦笑しながら彼はぽすりと解説本をテーブルに置いて。
ばさりと頁を開けば、彼女に見せるように向きを整える。
「氷というものは、水よりもイメージはしやすいものだ。
というのも、明確な形を氷は取るからね」
「この本にもそういった部分は分かりやすく書いてあるね。
ある意味で、氷っていうのは水属性の汎用性を捨てて、特化させたものなんだよ」
つまりは、氷そのものは水の一部に過ぎないと、彼は語る。
■マト >
「概念が違う、かその辺りも詳しく習っていきたい所だね、お互い上手く"使う"ためにもさ」
風花の魔導書、彼の本体であるそれを見ながら興味深そうに姿勢を正すも、広げられた本に目を向ける
「成程それこそ……最初に会った時の荒魂なんかの話も彷彿とさせるねそれは」
「水という膨大な全てではなく、その一部を取り出して限定的に扱い、それに応じたメリットを得る……って事かな」
カリカリ、と丸みの帯びた文字がメモに記されていく
■風花 優希 >
「ま、その辺は一旦後で…話にちゃんと出すつもりだし」
本題からそれてしまうので、後回しだと。
”自ら”のほうは、一旦しまい込んでおく。
「あはは、やってる手法としては確かに、似たようなものかな。
限定的な概念に特化することで、より明確で強固な運用を計っているわけだし」
「もちろん、水の汎用性が失われるし、付随する欠点なんかもあるわけだけど…。
それでも氷は、拡張性がまだ失われてないからね」
パラリと、更に頁を捲る。
いくらかの代表的な氷の魔術が記された頁だ。
「たとえばだ、一口に氷と言っても色々なものがある。
雪だって小さな氷の粒だし、大きな氷もその形を様々に変えられる」
■マト >
「うん、その時はお願いするよ?優希の事、もっとよく知りたいから」
しまい込まれる本を見ながら目を細めて
「様々に……尖らせれば武器になるし、分厚くすれば盾にもなる、それは分かりやすいな、僕の能力にも近い所があるし」
「雪かぁ、確か雪が沢山積もったら、それで達磨何かを作るらしいね?四季というものを習った時にみたけれど」
「成程成程、確かに氷の拡張性に関しては納得がいく気がするよ」
代表的なものならば、氷の槍の魔術や氷壁の魔術、吹雪を起こす魔術……などが記載されているのだろう
それらを興味深げにじっ、と見つめながらメモを取っている
■風花 優希 >
「そう、分かりやすく明確な『形』を持たせられるのがやっぱり一番の利点だね」
本に書かれた氷槍のお魔術や、氷壁の魔術をなぞりつつ。
「大きさの大小だって好きに弄れるからな。
まあ材質が氷だって一点が、ちょっとした欠点ではあるんだけども」
お世辞にも金属などと比べれば堅いとは言えない。
何より氷そのものの融点の低さは如何ともしがたい部分がある。
無論、サイズや”氷の性質”にもよるし、その利用法や裏技もあるのだが。
「で、細やかな応用性になってくると、その雪の方で色々やる事になるね。
雪達磨っていうのも結構広く一般的なイメージがあるっていうのが強みだし…。
幻覚みたいなのもそれでやれるんだけど……ああ、そういえば雪は見た事ないよねマトは」
■マト >
「材質の問題か、確か氷の温度が0度でそれより高いと溶け始めるんだったね」
「となると、特性上氷の魔術は他の魔術よりも持続力は低い……という事になるのかな、基本的には」
自分なりに優希の言葉に返しながら、熱心に利点や欠点を書き連ねているようだ
「さらさらしている氷……うん、写真なら教科書とかにあったけれど」
「実際に体験した事はないね、だから冬は結構楽しみだったりするよ?」
そういって微笑みながら唇に指をあてて、思いを馳せるようにしつつ授業を聞くだろう
■風花 優希 >
「うん、少なくとも永続するものとは言えないかな、環境にもよるけどね」
勿論、周囲が常日頃から凍てつく大地であればまた別だが。
それは火を扱うなら火山地帯が有利だと言ってるようなものである。
「まぁ、マトの扱う奴はある程度、その辺りを魔術的な手法で解決してはいるけど…
それでも高い熱量には持久負けしちゃうからね」
そして、雪に想いを馳せる顔を見て、ふと思いついたように。
「んー、それなら…ここで実物を体感してもらった方が良いかな?
造り物だけど、やはりイメージの有無は重要だからね」
ぱちりと、指を鳴らす。
詠唱することもなく、彼は魔力を巡らし魔術を扱う。
『雪行路』。ただ、周囲に雪を降らせるだけの魔術だ。
■マト >
「環境か… 寒い所なら持続力も高まりそうだけど、そういった所だと"相手"もそもそも寒さに強かったりしそうだね」
その辺りは二律背反と言った所かもしれない、とちょっと難しい言葉を使ってみている
「そうだね、或いは……ええと、単純な氷より、溶けづらい氷にするとかが対処法になるのかな?」
「料理本に塩水はただの水より冷たくなる、とか書いてあったし、そんな感じに混ぜるとか」
「あ、でも魔術で作る場合、どのタイミングでどうやって混ぜるかが問題になるのか……」
うむむ、と少し唸りながら悩みつつ髪と体をゆらゆら揺らす
「え、此処で?」
「わ……」
反応する間もなく行使される魔術、空、もとい天井からゆっくりと落ちてくる雪へと視線が映るだろうか
「綺麗…… ――」
「…って、大丈夫、本、濡れない?」
天井の明かりに照らされて光る雪に一瞬目を瞬かせて小さく呟く
だが、場所が場所だけに、遅れて我に返り本等の心配をするだろうか
■風花 優希 >
「そういう事になるね。
あとは純粋に質量を増やしてやれば、熱を逃がして案外と熱には強かったりするんだけど…」
ある意味で力技だが、もっとも単純な回答がそれである。
大気に熱を気化させ逃がしてしまう事で、溶かし切らせないことが出来るのだと。
「ただ、強度に関してはたぶん、如何にかするのは得意だと思うよ。
永久凍土とか、小豆バーみたいな感じで…と、それは一旦さておいてだ」
今はひらひらと周囲に舞う雪に、視線を向ける。
それらは床に落ちれば、ふっと直ぐに消えてしまうほどに淡い雪。
「これが雪だよ。
……ま、大丈夫だよ今の気温じゃ、すぐに気化しちゃうし、詠唱もしてないしね」
■マト >
「質量を高めるのは火力や耐久にもつながるし、シンプルでいいね、その分消耗も大きそうだけど」
「その辺りの使いどころを見極めるのも使い手の腕……になるのかな」
何にせよ分かりやすくていい、と頷いて
「永久凍土は兎も角、小豆バー……?コンビニで売ってたアイスにそんなのがあったような……」
「本当だ、なんというか、触れてもちょっとだけひやっとした感じ」
「それに、ひらひらしてて」
「何だろうな、こういうの……」
手のひらで直ぐ消えてしまう雪に対して何か言葉を紡ごうとするが
中々うまい言葉が見つからなかったのか、少しだけ間をおいて、ゆっくりと言葉を吐き出していく
「綺麗で、少し寂しくて……だけど何だか惹きつけられるような」
「これが雪かぁ、雨とは違うのは分かってたけど、こうしてみると」
「うん、嫌いじゃないかも」
降り落ちる雪の前に両手をお椀の様にして添えて、手のひらで消えていくそれをじっ、と見つめてから
「之も氷の一つの形態なんだね、冬がもっと楽しみになったかも」
ぱぁ、と開いた笑顔で優希に向けて微笑みかけるだろうか
■風花 優希 >
「周囲の水気…元手があればその辺りのコストが安く済むってのもいいとこだよ」
逆に言えば、周囲に水分が少ないとコストが高くなるという事でもあるのだが。
「アレ、滅茶苦茶堅いアイスだからねぇ~」
気が向いたら買ってみるといいよ、などと挟みつつ。
「……ふふ、なるほどね、マトはそっちのほうに風情を感じるタイプなんだろうな」
彼女が言葉を探して、それに何処か心を揺らすさまをそう語る。
儚く消える、美しくもふわふわとしたそれに、見惚れるのならそうなのだろうと。
「ともあれ、お気に召してくれたのならなによりだ」
■マト >
「そういう意味でも場所の影響は受けやすそうだね」
そういう意味ではこの時期は割と氷の魔術は使いやすかったりするのかな、と未だに降り続く雨に目をやる
室外は雨、室内は雪という不思議な情景は、中々目にする機会がないものだろう
「ん、わかった今度買ってみる」
なお、実際に買って勢いよく齧りついたところ、本当に硬くて少し涙目になったマトがいるかもしれない
「そう、なのかな?うん、そうなんだね、きっと」
「僕、ゆきが好きみたいだ」
「何だか嬉しいな、好きなものが増えたからかな?それとも……」
小さく、何かを呟いて
「勿論、僕もこういうの、早く使えるようになりたいな、そのために勉強も頑張らないとね?」
そういって、雪が最後の一片まで消えるまで、名残惜しそうに眺めているだろうか
そして
■風花 優希 >
堅いとは言ったので、流石にいきなり齧りついたりはしないだろう。
と、密やかに思っていた優希は、その後の経緯を聞いた際にはきっと苦笑を浮かべた事だろう。
「たぶんそうだよ。
……ちょっとそう言われると、何かくすぐったいけどね」
口にする上では同じ文字で、同じ響き。
違うものを意味しているのは分かっているが、それでも。
小さく呟かれた言葉には、きっと気が付かなかった事だろう。
「簡単な魔法だから、直ぐに扱えるさ。
ボクを持っていれば、詠唱無しでも使えるくらいのだしね」
「と、この辺りにしておくかな、一旦勉強は…時間もそれなりだし」