2024/11/21 のログ
風花 優希 >  
「人前でもそこまで遠慮なさそうだけど」

くつくつと笑いながら、台所まで数度往復。
手伝うように優希も食器や鍋を運んでいく。

「こういうのは個人個人の好みが結構出るしね。
 目玉焼きに何つけるか…みたいな」

そうして今日もまた、いつものように湯舟が用意されていく様子を見つつ一旦は腰を下ろす。
食器洗いは彼女に任せて、机の上を軽く拭く作業に。
食事の後片付けも、こうして二人でやればあっと言う間に終わってしまうだろう。

「それは別腹というかなんというか…、用意がいいな、相変わらず」

マト >   
「そう思うなら試してみるかい?何てね」

それは単なるデートになるだけでは、という考えが過るなら、それは恐らく間違いではないだろう。
軽口をたたきながら、手際よく食器洗いを済ませていく、二人分故、鍋とはいえそれほど時間もかからず終わるはずだ。

「目玉焼きも結構分かれそうではあるね、ケチャップ、しょうゆ、塩コショウ?ボクは醤油がいいかな」

一つ頷き、風呂焚きがまだ終わってないのを確認すると、戻ってきて当然のように優希の横に座る。
そのままぽすん、と肩を預けるように体を傾けた所で、ちいさくけふん、と声を漏らし…。

「…… うんまぁ、好きな人は何時も万全で迎えたいしね?」

少し気が抜けたせいで漏れてしまったらしい。
先ほどよりも別の意味で顔を赤らめつつ、口を手のひらで抑える姿を見せるのだった。

風花 優希 >  
「いつも通りのデートじゃないかい?」

過った思考をそのまま敢えて口にする。体のいい理由付けになりそうだが、それはそれ。
悪い気はしないのだから、その気持ちを誤魔化す理由も無いだろう。

「ボクも醤油が一番馴染みがあるかなぁ~、こだわりって程じゃないけど」

ともあれ相槌を打ちながら、隣に戻ってきて肩を預けるマトの身体をそのまま支える。
腰にそっと手を回して、そのまま、ぽすんと肩にもたれかかれるように。

「……まったく、そういうところなんだけどな」

そう零された言葉にボヤキながらも、拒否する気もないのだからお互い様なのだけれど。

「お風呂入ってからしよっか、勉強とかそういう話は」

マト >   
「次は一緒に服でも買いに行くかい?或いは…
あ、そうだ、『こたつ』って奴も欲しかったんだよね」

寒くなるから色々揃えたくってさ、何て呟きながら、腰に回される手にくすぐったそうに。
少し力を入れれば折れてしまいそうな程細い腰に添えられた手には、じんわりと熱を感じる事だろう。
鍋の暖かさ、お酒のアルコール、そして程よく暖まった室内… 少し気を抜くと眠ってしまいそうだ。

「そうだね、沸いたらすぐ入っちゃおう、このままだと…
うん、我慢できなくなりそうだ」

そういって上目遣いに優希を見る目は少しとろんとしていて、多分、眠気のせいではあるのだろうが。
食べていたものが食べていたものと言う訳で、別の意味も見いだせかねないのが悩みどころかもしれない。

ともあれ、どうあれ――あなたに身を委ねながら、安心しきったように微笑みを浮かべているのは間違いない。
そうやって暫くのんびりとしていえれば、お風呂も焚けることだろう。

風花 優希 >  
「どっちも買いに行けばいいさ。
 こたつを買うならどのみち輸送してもらわないとだし」

服と一緒に買いに行けるだろうと、そんな提案をしながら互いの体温を重ね合う。
鍋とお酒と暖房と、そこに人肌の温もりと。
冬の寒さを乗り切るには、十分過ぎる環境が整っていくのだった。

「……うん、早く入っちゃおうね」

果たしてそれがどういう意味なのか、それを思案しようとしたが棄却する。
あまり考えすぎても藪から蛇が出てきそうだと。

「ほらお風呂、湧いたみたいだし」

そうして、そのまま彼女の肩を揺すって、軽く意識を呼び戻し。
名残惜しいがその小さな身体を一度離す。
そうでもしないとマトは離れようともしないだろうし。
何より、そのままお風呂に入る前にどうにかなってしまいそうな気がするから。

マト >   
「そうだね… 」

こくん、と小さく頷くマトは、確かに放っておけばそのまま優希に持たれかかりながら寝てしまいそうだ。
御風呂が沸いた、と言われて少し揺らせば、ぱちぱち、と何度か目を瞬かせて、頬を摩るような動き。

「んっ、じゃあ入ろっか、さっき温泉の素は買っておいたからね、柚子の香りの奴」

くすくす、と少し眠たげな眼で笑いながら、それでも楽し気にとたとたと風呂へと歩いていく。
はやくきてねー?何て脱衣所に入る前にくるんと顔を向けながら無邪気に言い放って。

ふわり、換気扇の風に乗って、桜の匂いが僅かに香った。

風花 優希 >  
「ん、わかった、今行くよ」

優希もそれに頷いて返すと、自身もまた彼女を追うように。
湯気の向こうに消えてゆく姿を見ながら、これからの時間を想うのだった――。

ご案内:「堅磐寮 マトの部屋」からマトさんが去りました。
ご案内:「堅磐寮 マトの部屋」から風花 優希さんが去りました。