2024/08/05 のログ
ご案内:「常世神社」に水仙 倫太郎さんが現れました。
水仙 倫太郎 >  
常世神社 某日夜。
所謂夏休み期間に入った昨今、此の付近では定期的に夏祭りが開かれている。
どこぞの委員会の催し物かは知らないが、各所においては書き入れ時だ。
神社境内付近、多数の屋台が立ち並び今日は絶好の満天の夜空。
星空の光に負けないくらい、灯籠と街灯の光が入り乱れる。

「……我ながら早く来すぎたな。」

そんな祭りの入口。立ち並ぶ屋台列の隅で佇む少年一人。
やっぱこういう夏こそ、イベントごとにおけるデートは欠かせない。
そんなわけで愛しの彼女とデートなわけですが、楽しみすぎて30分前には来た。
いや、ちょっと早く来すぎたな我ながら。ちょっと自分が気持ち悪い。
此れでも逸る気持ちを抑えたほうだ。何処となく落ち着かない感じで、彼女を待つ。

ご案内:「常世神社」に竜胆 襲さんが現れました。
竜胆 襲 >  
「…あれ」

白を貴重に、すみれ色のあしらわれた涼しげな浴衣姿。
そんな装いに身を包んで訪れた占星術部の部長こと竜胆襲。
少し早めについたかな、と思ったら既に待ち合わせ場所には彼の姿があり…

慌てて転ばないよう、少しだけ小走りに。

「倫太郎くん早いです。いつから待ってたんですか…」

目にかかった前髪を指で退かしながら、そう声をかけた。

水仙 倫太郎 >  
そうこうしていると待ち人の姿が現れた。
夏祭りらしい、白の基準にした浴衣姿。

「おっ、似合ってるじゃん。やっぱそういう衣装映えるよなぁ……。」

やっぱり美人は何来ても似合う。
涼しげで可憐な姿に思わず鼻の下伸びそうになった。
いや、俺は初めから可愛いってわかってたよ。
腕を組みながらうんうん頷く少年。ちょっと情緒おかしくなってない???

「えっ!?」

どきっ。

「あ、い、いや。オレもさっききたばかりだから、な。
 ちょっと早めに付いただけだって、うん。お互いバッチシだな!」

まさか30分前からいたなんて気持ち悪い事言えるはずもない。
若干声を上ずりながらも誤魔化し笑顔でそういう体で話を進める。
嘘を吐くのは比較的下手だね、そうだね。

竜胆 襲 >  
「似合ってる?…なら、良かったです」

じっと見られて、少しだけ恥ずかしげ。
普段の格好と違う服装、それだけでなんだか意識してしまうのは思春期故かもしれない。

「…? そう、ですか?」

なんだかしどろもどろ。
様子のおかしい彼に首を傾げる。
なんだか誤魔化す様な…。
でも、それを追求してもなんだかなのえ、ここまで。

「ちょうどよかったなら、安心しました。
 倫太郎くんがたくさん蚊に刺されてしまっても困ります」

なんだかよくわからないところを心配されている…。
普段の少女は、やや天然気質だ。

水仙 倫太郎 >  
「マジで似合ってる!目に入れても痛くないくらい。」

ちょっと使い方間違ってる気がするがまぁある意味あっている。
しかし、浴衣。浴衣自体は何処にでもあるが"サイズ"が合うのがあってちょっとよかった。
それでもちょっとやっぱり気になる、たわわな山。
何時も見ている(※)わけだけど此れは此れで趣がある。

「……おう。」

おう、じゃないが。何頷いてるんだ。
その意味に気づかれたらその場でビンタされても文句言えないぞ。

「ああ、そうだよ。そう。って、何だよそれ?
 オレそんな蚊にモテそうか?あ……。」

なんか良くわからない心配された矢先、ぷーんと倫太郎の方から何処かへ飛んでいく蚊。
やられた。絶対吸われたぞ、おのれ。
ぐっ、と悔しい気持ちを握り拳と抑えて深呼吸。
今日は夏祭りデートなんだ。そんな事はやめよう。
寧ろそう、これは幸せのおすそ分けということにしよう。

「まぁ……とりあえず行こうぜ?
 とりあえず屋台巡っていくのは鉄板だからな!」

ニィ、と明るい笑顔を向け手を差し出す。
エスコートは男の基本だ。

竜胆 襲 >  
「そ、それは褒めすぎです…」

目を伏せ、頬を染めて恥ずかしがる様子は普通の年頃の少女と変わらない。
サイズ…そう、サイズは、リースしてくれるお店で結構難儀した。
浴衣が比較的ゆったりと着付けられる服装で良かったと思う。

「いえ、そうでなく神社の境内なんかはやっぱり蚊などの虫も多いかと思って…」

少し心配する点が違ったかな、とそれで漸く自覚しつつ……

「…ええ、行きましょう。賑やかですね」

差し出された手を自然にとって、思わずにこりと微笑みも溢れる。
こうやって遊びに連れ出してくれるのはいつだって彼から。
自覚として、普段は大人しめの性格…だと思っているから、とてもありがたいこと。

水仙 倫太郎 >  
「いーや!褒めすぎなんてことはない!
 いいか、良く聞け襲。お前は美人なんだから……、……。」

もうちょっと自信持ったっていいんだぞ、と言おうと思ったがはっと過る。
でもちょっとこういうところは独占したいなぁってしょうもない独占欲。
いやいや、とはいえ彼女にはある程度日常的にな自信は持って欲しいジレンマ。
だからそう、こう言い換える。

「も~~~ちょっとオレの前ではかわいこぶっ立っていい!」

キリッ。語彙力の終わり具合が拍車を掛ける。
アホである。まぁもっと自信を持つべきだと言う事らしい。

「実際今刺されたしな…クソッ。」

許すまじ。やはりケチらず虫除けスプレーすべきだった。

「おう。そりゃあ祭りだしな。
 本土(アッチ)でもちょいちょい行ったけど、結構毛色が違うなぁ……。」

特にこの島は時代の最先端だ。
日本文化だけでなく、他所の国どころか別世界のものだってある。
なんだか良くわからない異邦の屋台だったり、随分と物騒な射的屋もある。
銃が本物っぽいぞ。一体何を撃たせる気なんだ。
へぇ~、と余りにも珍しい夏祭りの光景に思わず右往左往目移りだ。

こういうのに興味ばかり惹かれるけど、しれっと気遣いは忘れない。
何時も握っている温かでガッチリとした男の手は強すぎず弱すぎない程よいホールド。
歩調だってしっかりと彼女に合わせるし、着慣れない衣服を見越してややゆっくり。
男倫太郎。こう見えて事前にこういう事は勉強してる。

「せっかくだしなんか買い食いするかぁ。
 アイスとかかき氷、焼きそば……屋台ラーメンとかあるのか?あったわ。」

あるらしい。

竜胆 襲 >  
「は、はい」

よく聞け、と言われて姿勢を正す。真面目か。
…ちょっとどきどきしながら、続きの言葉を待つ。
かわいこ…かわいこぶる…?

「ええと…具体的にはどういう感じに…。
 倫太郎くんは、どういう風にするのが…ええと、可愛く見えるんです、か‥?」

言葉の意味は理解るけれど、実際にどう振る舞えばそう見えるのかがわからない。
わからないことは、聞こう。
とてもわかりやすい思考回路である。

そんな会話を交わしながら縁日の路を歩く。
歩幅や歩く速度を合わせてくれているのが、隣にいるとよく分かる。
昔から彼はこうだっただろうか?いや、多分違う。
少年として、少女として、そういうとこrにも少し成長を感じる…。

「そうですね。今日くらいは羽目を外して、色々買い食いしちゃいましょう」

にっこり笑って提案に賛成。
お祭りの屋台といえばある程度は方向性も限られてくるけれど、この島でのお祭りは初めてだ。
王道的にりんご飴なんていうのも良いかもしれない。浴衣に一番似合う食べ物。

水仙 倫太郎 >  
「…………。」

具体的にはどう?実際ご尤もなご意見である。
ぽくぽくぽく。思考を巡らす。どういうのがいいか。
脳内彼女(ガチ)が様々なモデリングポーズをしてくれる。
いかん、思わず顔がにやけかけた。落ちつけ、平常心平常心……!
うーん、どれも可愛くて甲乙つけがたいが結局は……。

「……すまん、何時も通りが一番可愛いかもしれねぇ……!」

やっぱり着飾らないほうが可愛いもんだ。
此れは自分がアホ行ったからちゃんと謝っておく。
そう、そういう所に惚れたのだ。そういうのが一番だ。
……でもちょっと急にキャピキャピする重ねは見てみたい。
一旦此の思いは胸の中にしまっておこう、うん。

「お、そうこなくちゃな!んじゃあ、先ずは何処から食べるよ?
 あそこの焼きそばとかよくね?……うどんも売ってるのか。マジであるぞラーメン。」

「……なんか麺類屋台多いな???」

よっしゃ!とぐっとガッツポーズして見せる。
こういつのは楽しんだもん勝ちだ。さぁて、と歩いてると立ち並ぶ数々の屋台。
焼きそばは定番だ。なぜかうどんもある。ラーメンまで。ちゃんぽんもある。
なんだこの麺類コーナーは。実際麺類コーナーっぽい感じがする。
その合間合間に林檎飴やかき氷もあるが、お好み焼き屋にたこ焼きと粉ものパレードだってある。

「なんだか出てる屋台が全般的にヘヴィだな……。」

これは滅茶苦茶腹に溜まりそうだ。

竜胆 襲 >  
じっ、と聞く構え。
似合ってる、可愛い、と褒めてくれる彼が、もっとしてほしいことがあるなら。
できるかはわからないけど、とりあえず聞いてみようかなと思ったのだけど…帰ってきた答えは。

「なんですか、それ」

くすりと笑う。
結局いつも通りがいい、なんて結論づける彼。

「もう、お祭りだからって、気持ちが浮ついてるんじゃないですか?」

そう言ってつん、と軽く肘でその脇腹をつついてみたり。

さて、並ぶ屋台と見れば倫太郎の言うとおりお腹にたまりそうなものも沢山である。
でもそこは大丈夫。
何が大丈夫かって?

「育ち盛りの倫太郎くんがいますから、少しくらい多くても食べてくれますよね」

にっこり。
すごく無垢な笑顔。

水仙 倫太郎 >  
「いやだって、ずっと可愛いじゃんお前。
 なんていうか、"守ってやりたい"っつーか……おとなしめっつーか……。」

「お淑やかな?見た目も美人だし、充分可愛いってさ。」

それこそ出来た女性だとは思う。
そう、ヘンに気取らないのが一番。何時も通り。
……だからこそ、"夜"の彼女がちょっと気になる。
いや、今は遊んでる最中なんだ。今はその事は忘れよう。
脳裏によぎったあの目の姿を振り払うように、軽く首を振った。

「う、ウルセーな。そーゆー襲はどうなんだよ?」

図星である。
バツが悪そうに唇を尖らせるも無垢な笑顔にえっ。
思わず素っ頓狂な声が漏れる。

「……お、おう!任せとけって!オレを誰だと思ってやがる!!」

こう見えて育ち盛りなのは確かだからそこはバッチシ。
でも限度はある。逆に無垢な笑顔が怖い。
だが後には引けない…男だから…!
引きつった笑顔でしっかりハッタリは保っておかねばならない…!

「と、とりあえず何処から行くよ、おぉ?」

なんか気合入れすぎて変な声漏れたぞ。
頼む、ちょっと加減してくれ……!

竜胆 襲 >  
「そんなことを言うなんて、倫太郎くんも随分立派な男の子になったものです」

眼の前ではっきりそんな言葉を言えるなんて。
ほんのり頬を朱に染めて、くすりくすりと笑みが溢れる。

「子供の頃からお互いを知っていると少し今の関係も不思議に感じますね」

思えば子供の頃から手を引いてくれたのは彼。
色々な事情で心を閉ざしていた時期もあったけれど、今はこうしてあの頃はまた違う関係になっている。

「私、私ですか?」

「浮ついてなかったら、こんなこと聞きませんよ?」

きゅ、と少しだけ強めに彼の手に握り返して。

──彼は自信満々だ。流石男の子。

「それじゃあ、まずは定番のたこ焼きから参りましょうか♪」

主導権をこちらに渡してくれる彼に遠慮をするのも失礼な話。
一つ一つ露店を回って美味しそうだと思ったら、買うの1人分。
それを二人でシェアして、お店を巡っていく。

あちこち目移り、そうやって買い食いを続けながら歩いていくと…やがては神社の境内へ。

「大丈夫ですか?倫太郎くん」

襲の繋いでいないほうの手には林檎飴。
ヨーヨー釣りやボール釣りで吊った色とりどりが細い手首にかけられ、浴衣によく映える。
さて、そうやって声をかける倫太郎くんと言えば…?
たこ焼き、お好み焼き、かき氷にフランクフルト、串焼きにトルネードポテト…。
一部の食べ物に関しては至って普通に間接キスでは?な食べ方になるが襲はそんなことお構いなしだった。
小さい頃からお互いを知ってると、案外その程度は氣にしないものなのかもしれないが…。

水仙 倫太郎 >  
「い、いやいや!オレだって言うってそれくらい!
 ったく、何時までも子どもじゃねーんだからさ……。」

子どもの頃なら照れているのもいざしらず、此の歳なら流石に此のくらいどうってことない。
何より可愛いもんは可愛いし、それを公言して何が悪いのか。
否、何も悪いことはない。だから自信を持っていう。

「……懐かしいな。今でも昨日みてーに思い出せるよ。」

ハッキリ言ってしまえば、こうなるとは微塵も思っていなかった。
家に急に預けられた、他所の家の子ども。
根暗そうで、なんだか関わりづらい気もしていた。
そこを気にせず打ち解け合うために手を差し伸べ、気づけばこうして握り合っている。
今では此の、柔らかな手はとても愛おしく。

「はっ……お、おう……。」

すっかり弱い所になってしまった。
軽く握り返されただけのはずなのに、酷く強く感じてしまう。
思わず、どきまぎとしてしまった。
心臓の早鐘を落ち着かせるように、静かに深呼吸。

「(いやー、晩飯抜いてきて正解だったな……。)」

「そう、だな。とりあえず一緒に……え?それも買うのか???」

いくら二人でシェアをするからって結構遠慮なく買ってくなこの子。
意外と食い意地張っているのか???そう思いながら二つ返事しか出来ない弱い所。
もうそれは片手にたこ焼きやらお好み焼きやらフランクに串焼き、ポテトにうどんにとてんこ盛り。
それはもう食べるわ食べるわ。どんどんかっこむ。
うん、こういう場所の飯は大体美味い。というより、此の島の飯のレベルが高い。
高い、のだが美味い分腹にたまるのだ。
それはもう彼女の手前、キリッと"余裕"の雰囲気を出して全部入れてやった。

「……み、見ての通りだぜ……!」

親指を立てて、サムズアップ。
ふ、と実に余裕……なのは雰囲気だけ。
腹の中はたっぷたぷだし正直キツい。吐きそう。
ぶっちゃけちょっと足がプルプルしているが、彼女の前で痩せ我慢するのが男という生物である。

神社境内は屋台列と違って少し違った雰囲気をしていた。
灯籠のぼんやりとした明かりに屋台とは違う喧騒の中。
祭り囃子の太鼓の音が響いている。式典委員会の一部の催し物らしい。

「あー……地元でもやってたかも……ああいうの。」

懐かしさと腹の重さのダブルパンチ。
笑え倫太郎。辛いときこそ笑顔だぜ…!

竜胆 襲 >  
「ついつい、雰囲気というか…で買ってしまいますね。
 やっぱり、私も浮ついちゃってるのかもしれません」

よゆーだぜ、とサムズアップしてみせる彼。
本当は、少しつらそうに見える。
でも男の子だからと、きっと頑張ってくれたのである。

「少し歩いて、屋台のものを食べただけなのに、とても楽しいです。
 やっぱり、隣に倫太郎くんがいてくれるから、でしょうか……」

少しだけもじもじとした言い方。
横に並べば、少しだけ目線は上向きに見上げることになる。

「…この辺りまで来ると少しだけ人波からは外れますね」

丁度催しものがはじまったのか、人の波はそちらに向く。
喧騒から少し離れた夜の境内の外れ、ひんやりと心地よい夜風が吹く。

「お腹、少しつらそうです。少し休みませんか?」

お誂え向けに、朱塗りのベンチがある。

水仙 倫太郎 >  
「ま、まぁ、雰囲気に流されるってのあるよな……。
 いいんじゃねえか?せっかくだし、祭りに浮かれても許されるって。」

勿論ある程度節度は持つべきなんだろうけど、せっかくの祭りなんだ。
こういうときこそ羽目をはずすべきだ。無礼講って言葉もある。
楽しむときに楽しんでこその人生ってやつだ。

「そ、そうか?へへっ……ま、襲がそういうなら全部オッケーだ。」

実際結構お腹に来たが、そう言われるなら最高の報酬だ。
こころなしか、辛いお腹もスッキリした(※本当に気分だけ)
辛かった表情も、その可愛い上目遣いの前にはへにゃっと笑顔だ。

「皆アッチに行ってるし、人によっちゃ屋台歩いて帰っちまうしなぁ。
 ……こんなに騒がしいのに、ちょっと違う世界みてーだ。」

直ぐ目の前ではお祭り騒ぎだって言うのに、静かでひんやりとした別世界だ。
思えば、夜の活動中は実質別世界と言っていいほど殺伐としているんだ。
たまにはこういう、騒がしても平和な別世界にいたっていいだろう。
ちょっと休憩と言われるとちょうどおあつらえ向きのベンチがある。

「そうだな。ちょっと座ろうぜ。」

そのまま彼女を誘導する形で、隣り合わせに席についた。
付き合ってそれなりにだが、やっぱりちょっとそわそわしてしまう。

「意外と色々あったなぁ、屋台。前行った時は……何時だっけ?
 ガキの頃も地元の祭りに連れて行った時迷子に成りかけたこともあったっけか?」

竜胆 襲 >  
「倫太郎くんのおかげですね。
 こうして誘われなければ夜にお祭りになんて、きっと来ないでしょうから」

夏季休暇と言えど、否…夏季休暇だからこそ、夜にはやることが沢山ある。
自分一人ではこうやって遊びに出る…なんてことは、浮かばない。
…こうして、彼が自分を表の世界に繋ぎ止めてくれていることを実感する。

夜風に髪を攫われながら、お祭りの熱気にあてられた身体の火照りが冷えていく。
口元でぱきっ、と軽い音を立てて甘露な味と心地よい酸味を口の中に広げてくれる林檎飴も、子供の頃を思い出す。

…奇遇というかなんというか、彼も子供の頃を思い返していた様で。

「そうですね。子供の頃のお祭りは、もっと規模も小さかったような気がします。
 まだ、今みたいに私も色々と割り切れていない時期でしたから…倫太郎くんには本当に感謝しています」

彼のおかげで、人間でいられた気がする。
それくらい、昏い心に苛まれていたと自覚していたから。

「でも、こんな関係になるとまでは思っていなかったんですよ?
 お世話になった水仙の家から出て、この島に来て…まさか追いかけてくるなんて」

びっくりしました。と、笑う。