この学園に居住する、異世界からの客である「異邦人」たちのために作られた異邦人街には、大通りと商店街が存在する。
異邦人たちの文化を自由に受け入れているため、学生街などとはかなり趣を異にする。
異邦人たちの元の世界の再現し、その心を慰めるのも目的の一つである。
大通りは異邦人街のメインストリートで、学生・教職員居住区にも繋がっている。またそれに併設されるように異邦人のための商店街なども作られている。
異邦人たちの自治に任されているため、常世島でも特に自由なエリアである。

加えて、住宅街も広がっている。
異邦人のために作られた住宅の並ぶ住宅街。
それぞれの文化を尊重して作られているため、様々な種類の家屋が建てられている。
異邦人が必ずこの住宅街に住まなければいけないというわけではない。逆にこの世界出身の住民が異邦人街に住んでも問題はない。

※フリー設定ルームとして設定しています。部屋説明に準拠する形で、異邦人街にある施設や住居などとして部屋を設定することができます。

●フリー設定ルームです。最初に入室する人が部屋の設定を自由に設定できます。
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参加者(0):ROM(1)
Time:01:08:44 更新


ご案内:「異邦人街」から緋月さんが去りました。 (10/18-23:26:59)
緋月 >  
『ありがとうございました、弦などのお買い換えの時はまたご利用下さいませ~!』

そんな明るい店員さんの言葉に送り出されて、書生服姿の少女は楽器店から出て来る。
その背中には、買った楽器を収めた丈夫そうなケース。
両手には必要な品々諸々が入った袋。

「………結構、大きな出費になりましたね…。」

呆然と呟く。楽器って高いんだなぁ。それを身を以て思い知った。

《良いではないか。気に入ったモノを買わずに何を買う。》
(あなたはあの彫刻が気に入っただけでしょう…。)

頭に響く友の声に少しばかり呆れながら、少しの間はバイトの数を増やさないとなぁ、とぼんやり思考。
とはいえ、気分が沈んでいる訳ではない。

(……面白かったのは、事実、ですし。)

あの感覚。音を出して、それが簡単な、曲といえる形になるのは…確かに、面白かった。
流石にそればかりに時間を費やす事は出来ないが、趣味にする位には悪くない、とは思う。

「……ご飯が終わったら、少し練習してみましょうか。」

そんな事を呟きながら、書生服姿の少女は大きな荷物を背負って帰路に就くのだった。
(10/18-23:26:40)
緋月 >  
『――いかがでしたか?』
「えっ……あ、はい、その…面白かった、です。」

気が付けば、結構な長時間を楽器を弾いて過ごしていたようだ。
思わず素直に口から出て来た感想に、店員さんが笑顔を見せる。

『中阮でしたら、他にもいくつか種類がございますよ。』
「はぁ…。」

説明を聞くと、どうも同じ造りで大きさが違う三種類があるらしい。
引かせて貰ったものは、ちょうど真ん中に位置するサイズだった。

『お気に召しましたら、幾らか取り扱いがございますよ。』

試し弾きの楽器を返すと、またも店員さんにご案内を受ける。
着いた先には、先程まで手にしていたものと同じ楽器が何種類か、スタンドに立てかけられている。
違いらしい違いは胴体部に飾り絵があったり、バイオリンのように空いている孔のデザインが違ったり、といった
細やかな装飾部分位だ。

(うーん…確かに、気になるといえば、気になるけれど……。)

スタンドに立てかけられている楽器の近くにある値札の数字と、現在の貯金の額を頭の中でやりくりする。
……値段を選べば、まあ、少し無理が出来ないお値段では、ないのだが。

《……盟友よ、我はあれが良いと思う。》
(何ですか、朔、突然…あれって、どれですか?)
《あれだ、あの奥に飾られている、あれだ。》

頭の中に響く声に少し困りながらも、指示された方向を見れば。

「………あ。」

ひとつの弦楽器に、目が留まる。
材質の違いか、胴体の横部やネックなどの色が黒に近い色だ。
そして、ヘッド…と言えば良いのか。先に施されていたのは…狼の顔らしい彫刻。
他の品は、大体蓮の花のような彫刻だったりするので、確かに目立つと言えば目立つ。

『そちらに興味がおありですか? お客様、楽器は初心者でしたね。
では、簡単な教本やケースにスタンド、手入れ用の器具などもお付けして……これ位で、いかがでしょうか?』
(10/18-23:19:32)
緋月 >  
しげしげと、展示されている楽器を眺めていると、不意に横合いから声が。

『そちらに興味がおありですか?』
「ふぁっ!?」

思わず振り向くと、これまた異国情緒漂う服を着た、店員さんらしき女性。
驚いた声にも、スマイルを欠かさない見事な営業精神を感じる。

『もしよろしければ、弾いてみてもよろしいですよ?』
「え…その、いいんですか? それでは…。」

ついお話に乗ってしまい、こちらですと案内する店員の後についていく。
少し開けたスペースにちょこんと置かれた椅子。座って待ってて下さいという言葉に従って暫し待機。

『こちらになります。弾き方は、簡単にですがお教えしますので。』
「あ、はい、どうも…。」

持ち方と姿勢、簡単な音の出し方を教えて貰い、書生服姿の少女は拙いながらもそっと弦を弾いてみる。
少し押さえ方がよろしくなかったのか、震えるような音。

(……似ている、けど、何処か違った音だ…。)

店員さんの教え方が上手かったのか、少々途切れ途切れになりながらも、順繰りに、形になる音を
続けて出していく事が出来る。
血の色の髪のひとが時々聴かせてくれる、ギターの演奏とは何もかも違っていた。
勿論、其処は楽器の素人。演奏の腕前が及ばないのは仕方がない。
それを差し置いても、耳に馴染んだギターの音と似通っていて、しかし何処か異なった響きは――

(……何だろう、何処か……面白い……。)

苦労しながら、音を出して、不格好ながらも、それが形らしい形になるのが――何処か、面白い。
(10/18-23:01:20)
緋月 >  
ショーウィンドウに飾られていた楽器が気になって、つい立ち入ってしまった楽器店。
異邦人街に概ね言える事だが、商店街とは随分と雰囲気が異なる。
その気持ちは、店内に入ってみてより強くなった。

(見た事のない楽器だらけだ……。)

一部に見事な彫刻のされた琴らしき楽器。
詩のような漢文が記された笛。
所々に穴の開いた、卵のような形の……

(……これも、笛、でしょうか?)

多分、息を吹いて音を鳴らす楽器、だとは思う。

他にも、やたらネック部分が長い琵琶のような弦楽器。
学園の音楽室にあったシンバル…を、小さくしたような楽器。
小さなピアノ…みたいな形の楽器。
鼓のような、しかし形や色が随分と異なる打楽器らしいもの。
多数の弦が張られた、見事な竪琴らしい楽器。

(全然知らない楽器ばかりだ…。)

店内に飾られている、様々な楽器を眺めながら、書生服姿の少女は先程の記憶を頼りに店内を捜し歩く。
暫く歩いた所で…ようやく先程目にした楽器が見つかった。

「……げん、でいいのでしょうか?」

丸い胴体にギターのようなネック、頭の部分は三味線にも見える楽器。
細かいデザインは違うが、先程ショーウィンドウに飾られていたものとほぼ同じだ。
(10/18-22:47:58)
緋月 >  
気が付けば、もう10月も半ばを超えた、そんな時期。
夕方手前の異邦人街を、書生服姿の少女がブーツの足音鳴らしながら歩みを進める。

「すっかり、日が落ちるのも早くなってきましたね…。」

空を見上げて、思わずそんな事を呟く。
少し前まで夏だと思っていた筈が、何時の間にやら秋の日に。
季節の移り変わりは随分と突然だと思わざるを得ない。

「今日の晩御飯は、何にしましょうか――――と。」

帰りに何かを買って行こうか、それとも冷蔵庫に残ってる分で何とかやりくりしようか、と、特に意識もせず視線を
ふらりと彷徨わせた所に、目に留まったものがひとつ。

「あれ……。」

思わず、足をそちらに向けてしまう。
ブーツが音を立てる感覚が長くなり、止まったその先にあるのは、ショーウィンドウ。
ガラス一枚隔てた先に飾られていたのは――

「ギター…じゃ、ないですね…形や、弦の数も違う。」

確かネックと呼ばれていた部位だった筈だが…其処は、よく似ている。
だが、それ以外は随分と違っていた。弦は4本、ボディは丸い。
どちらかと言うと、三味線に似ている所もある。

ふと見上げた先にあった店名は「楽器店・広寒宮」。
随分と異国情緒漂う店の名前だ。
(10/18-22:30:10)
ご案内:「異邦人街」に緋月さんが現れました。 (10/18-22:19:25)
ご案内:「異邦人街」から大神 璃士さんが去りました。 (09/20-23:42:47)
大神 璃士 >  
十数分後。
駆けつけた応援の委員達に、フードの男は連行されていく。
それを眺める黒いジャケットの青年の耳に、届くのは控えめな謝礼の声。
振り向けば、ボブカットのヘアスタイルに、エルフのような長い耳を持つ少女が頭を下げている。
先程少しだけ見えた、フードの男を追いかけていた人物と同じ服装。
という事は、この少女が被害者か。

「――盗られたのは、このバッグで、合っていますか?」

フードの男から取り戻したバッグを見せると、長耳の少女は目を見開いて何度も頷く。
どうやら、被害者で間違いないらしい。
黒いジャケットの青年はそっとバッグを返しながら、言葉を選びつつ話しかける。

「…監視カメラなどの映像から、状況確認は可能だと思われるが、当事者の証言も可能ならば欲しい。
すみませんが、最寄の風紀委員会詰所まで、ご同行願えませんか?」

その言葉に、長耳の少女は数回首肯を返す。
自分の証言でよければ、いくらでも、と。

大事そうにバッグを抱える少女を連れて、黒いジャケットの青年は風紀委員会の詰所へと足を向ける。
今日は、思ったよりも業務が長引きそうだ、と、日が落ち始め、色が変わり出した空を眺めながら。
(09/20-23:42:32)
大神 璃士 >  
突然、大通りから悲鳴が聞こえて来る。
その悲鳴を耳にした瞬間、黒いジャケットの青年は一息に走り始める。
走る合間に更に同じ声の叫び声。「泥棒」という声だった。
それらの言葉から、走りながら状況を推測する。

(叫び声は、突然上がった。聞こえてくる声は、今のところ一人のものだけ。
――恐らく、引ったくりの類か。)

短い思考と同時に大通りへと出ると、声を上げながら走る女性らしき姿と、その先を走る
フードに黒いパーカーの人物。体格からして、男か。

小さな呼吸と共にギアを上げ、スピードを上げる。
人混みに紛れて逃げようとしているようだが――

(――そうは、させない。)

殆どスピードを落とさぬまま、人混みの間の僅かな隙間を潜り抜け、黒いジャケットの青年は
フードを被った逃走者へと迫り――

『……ぐえっ!?』
「――大人しくしろ。風紀委員だ。窃盗の容疑で連行する。」

フードの逃走者が抱えていたバッグを潰さないように気を払いながら、逃走者を掴み、
地面に叩きつけて動きを封じ込める。
耳につけていた通信機を起動させ、連行の為の応援を呼び寄せる。
(09/20-23:33:34)
大神 璃士 >  
異邦人街、昼といえる時間を過ぎ、夕方に近くなり始めた頃。
独り、道を行く、風紀委員の制服に黒いジャケットの青年の影がひとつ。

「……異常、なし、と。」

視線を動かしながら、小さく口の中で呟く。
単独での巡回任務である。今日の担当は異邦人街の一区画。

意外と人出もあり、道は賑わっている。
もう暫くすれば夜にもなり、恐らくは夕食を取る者たちが食堂やレストランのある通りに繰り出し、
更に人出は増えるのだろうな、などと考える。

「健全な賑わいなら、良い事だ。」

軽く息をついて、そんな言葉を口の中に。
――比較的、という言葉が頭に付くが、異邦人街(此処)は、学生街よりは居心地がいい。

同族意識というもの、ではない。だが、何処となくだが、居心地の良さを感じられる。
人間ばかりの他の街や施設で、引き締めていないといけない精神を、多少だが緩める事が出来る、気がする。

勿論、それで巡回に支障を出す訳にはいかない。
油断だけはしないように、異変などがないか、気を張り巡らせながら、それでも道行く人々を警戒させぬように。
黒いジャケットの青年は、独り静かに巡回を続ける。
(09/20-21:50:02)
ご案内:「異邦人街」に大神 璃士さんが現れました。 (09/20-21:36:59)
ご案内:「異邦人街」から武知一実さんが去りました。 (04/19-02:07:40)
ご案内:「異邦人街」からクリヴィア・筌崎さんが去りました。 (04/19-02:07:00)
クリヴィア・筌崎 >  
「ええ、母が日本へ旅行した際に出逢ったのだとか。
 私は親元を離れ、此方の学生寮でお世話になっております」

というのも、異能を発現したのは家族の中で彼女だけらしい。
待遇を鑑みて両親が常世学園に入学させることを判断したそうだ。

「そうでしたか、ではそのように。
 私のこともクリヴィアで構いませんよ、カズミン先輩」

そう言って笑いながら前を往き、共に買い物を済ませるのだった。
なお、道中で植物系の亜人が出していた珍しい茶葉を購入してご機嫌だったとか。
(04/19-02:02:58)