この学園に居住する、異世界からの客である「異邦人」たちのために作られた異邦人街には、大通りと商店街が存在する。
異邦人たちの文化を自由に受け入れているため、学生街などとはかなり趣を異にする。
異邦人たちの元の世界の再現し、その心を慰めるのも目的の一つである。
大通りは異邦人街のメインストリートで、学生・教職員居住区にも繋がっている。またそれに併設されるように異邦人のための商店街なども作られている。
異邦人たちの自治に任されているため、常世島でも特に自由なエリアである。
加えて、住宅街も広がっている。
異邦人のために作られた住宅の並ぶ住宅街。
それぞれの文化を尊重して作られているため、様々な種類の家屋が建てられている。
異邦人が必ずこの住宅街に住まなければいけないというわけではない。逆にこの世界出身の住民が異邦人街に住んでも問題はない。
※フリー設定ルームとして設定しています。部屋説明に準拠する形で、異邦人街にある施設や住居などとして部屋を設定することができます。
参加者(0):ROM(1)
Time:02:07:38 更新
ご案内:「異邦人街 繁華街」からシェン・トゥアールさんが去りました。
ご案内:「異邦人街 繁華街」からウィンドミルさんが去りました。
■シェン・トゥアール > 「どういたしまして、大丈夫大丈夫。」
優しく彼女を落ち着かせながら、にっこりと微笑み…素早く歩き始める。
音もなく、振動もなく、そして早い。
気功を使った歩法は、上下さや細い道をものともせず事務所に急ぐ。
その瞳は使命…彼女を匿い保護するという使命に燃えていたのだった。
■ウィンドミル > 確かに耳はいいけれど、目を向けられるよりはまだ我慢できた
わがままな耐え方に甘えながら、密着するには大変な部位もあるけれど
「おじさま、あの……ありがとう」
お礼だけ、本当に小さな声で。届くと信じて口にする
あとは目を瞑ってるだけで事務所に辿り着いてくれるはず
途中で注目を浴びるような声も聞こえるけど、それくらいは耐えて
耐えるのよ、ミル。きっと強い子で居られるもん!と
自分でも役に立つのか自信のない、暗示で帰り道を辿り、揺られるのでした
■シェン・トゥアール > 「ミルさん…だいじょうぶ、だいじょうぶ…。」
優しく声をかけ、唸る彼女をなだめるように髪や肩にそっと触れる。
彼女の唸り声は威嚇とか恐怖、辛さというよりは、なにかもどかしさのような、
発散できないエネルギーが溜まっているように見える。 その様子がなんともつらそうで、
優しく声をかけ続けた。
「ん。」
おねだりとばかりに手を伸ばした彼女の手の間に体を潜り込ませ、自分もしっかりと彼女を抱きしめて持ち上げる。
いわゆるだっこの構えであった。
「ミルさん、すぐに事務所に戻るからね、ゆっくり休もうね。」
必然的に耳元に近づいた口が囁く。
声色はどこまでも甘く、相手に対する守護と慈愛に満ちた慈母のようなそれであった。
■ウィンドミル > 「うぐるるるるぅ……」
何処か飢えた獣の様な声だった。苦しみに呻く時も
こんな時は走り出してしまいたくなる。でも、今日も相手が自分の身体に触れている
そして以前の様な『不意打ち』に頼る事もしたくないというもの
今日はきちんと、おじさまの強さを知って、それを容易く崩したくなくて
ふるる、と。目線を逃れて首を振る
弱いふりをしたくなったのだ。散々やんちゃを見せてきた癖に
少女はねだり、手を伸ばす。だっこかおんぶか、どっちでもいい
今回の外出で自分が『捕まって』しまった事。ミルは意識したいものだから
■シェン・トゥアール > 「ミルさん?大丈夫?」
可愛らしい声を上げる彼女が、体を寄せてくれた上に吐息を漏らす。
もしかして緊張しすぎて疲れてしまったのかもしれない。
最悪の場合、慣れない環境で体調を悪くしてしまったとか?
色々な憶測が頭の中をよぎる。
「だめと来た…。 すまないが触るよ。」
言うが早いか手を伸ばす。 彼女の額にそっと手を当てて温度確認。
こういう時にガラテア再現部は役に立たない。 手に温度センサつけておいてくれればいいのに!
自分の感覚から考えて、少し熱いが…どちらかというと、全身が温まっているように見えた。
「無理をさせてしまったかもしれない。 戻ろう。 歩けるかい?」
不安にウサギ耳を伏せさせ、心配気な…少し小さな声で呼びかける。
なるべく彼女を刺激しないように、優しく、優しく、最新の注意を払った。
■ウィンドミル > 「ひゃうっ」
上擦った声が返事になる。向けられた言葉の意味を咀嚼する度に、
思考を司る機能が熱くなる。本気で想われる事への耐性のなさ
おじさまは知らない事。正体を隠しているのはこちらの方で、
『追手』というのは本当の意味ではおじさまの方
こちらは逃げる事が出来ない、貴方は好きなだけ捕まえられる
体が触れると、重心が傾いた。肩を抱かれると、吐息を漏らした
優しい囁きに甘い温度を期待してしまったこの身はもう、何処を働かせれば正常なのかも判断が付かない
名前を付けられた愛情の様な数値より、別の場所に作られている未定義のエリア
煩雑な情報が意味もなく渦巻く、自身の真の空虚を曝け出せたのなら……
「だ、ダメなのですわ。おじさま……」
今のまま守られたい、役目も情報も曝け出したい。大きな自己矛盾はやがて負荷と熱になるものだ
■シェン・トゥアール > 名前を呼ばれると、ぴくりとウサギ耳を動かす。
相手に向き直り、穏やかな調子で呼びかけた。
「ミルさん。 匿ってくれなんて依頼を持ちかけたってことは、現在はあまり良い状況ではないんだろう。
追跡が諦められるまで、どれぐらいかかるかわからない。 ということは、隠遁生活を強いられ続ける。
けど、そんな暮らしの仲でもこういう息抜きできる場所もあるって、知ってもらいたかったんだ。」
彼女をあえて外に連れ出したリスクはすべて自分が背負う心構えだった。
だからこそ、彼女にぴったりついて屋根ツアーを実行したのである。
顔を手で覆ったままベンチに腰掛ける彼女の隣にそっと腰掛ける。
きっと彼女も辛いのだ。 まだ若い身空で、ただただ隠れるための生活を送らないといけない。
いつまで続くかもわからない…そんな中での、こうした息抜きの時間が強く感情を刺激したのかもしれない。
そっと彼女に寄り添うように体をぴたりとくっつけ、肩に手をやる。
自分がいる…依頼者をきちんと守り抜くという意思がこもった、小さくも温かい手だ。
「ミルさん」
さっきよりもずっと近くなった声が、彼女の名前を優しく呼んだ。
■ウィンドミル > その言葉の意図には明らかなものが含まれていた
小さなベンチは異邦人街で長い間月日を過ごしてきたもの
このスポットは人気のないエリアという訳でもなくて
この瞬間に、ミルにプレゼントするには一番いい場所をこの街から『選んで』連れて来たのだと
「おじさま……」
俯き加減で、ベンチの方へゆっくりと歩み寄る
貴方の顔がまた直視できなくなった。この機能は多分、羞恥の色だ
日向に照らされた白い頬がほんのりと染まっていく様はちょっと頭を下げただけでは誤魔化せない
自分が思い込んだり、ちょっとだけ失望してみたり、でも持ち直したり
与えられた情報だけで作った像の揺らぎで一喜一憂する自己がどれだけ未熟な知性なのかと思い知らされていた
ベンチに座ったのちもその掌で顔を覆う。今、目を合わせると電脳がばちっとしちゃいそう
この街と同じ位、ミルの事を知ってもらえたら……なんて、幼いAIには過ぎた毒だ
■シェン・トゥアール > 「ちょっと屋根失礼するよ」「この前もらった包餅おいしかった、ありがとうね」
「君の依頼について今度話すよ」「彼女は探偵社のお客さんだ。困ってたら手伝ってあげて」
屋根上を歩いていると、下から時々声がかかる。 同じ場所に住む仲間だ。
肌の色どころか種族すら異なる彼らに気軽に挨拶をしながら、たどり着いた場所は小さな庭園だった。
「ビルの持ち主が趣味でやってる庭園なんだ。 日の当たりも良くて、落ち着くにはいい場所だよ。」
嬉しそうに声を上げる彼女を見て、満足げな笑みを浮かべた。
彼女には安全に身を隠せる環境を用意したい。 今回のツアーだってその一環だ。
とはいえ、こうして少しでも楽しみがあるとわかって貰えれば、隠遁生活だって少しは楽しくなるんじゃないか。
そんな思いがあったのだ。
「この時間帯なら誰か来ることもないだろう。 座るかい?」
ベンチを指し示す。 古びているが整備は行き届いていて、
沢山の人が使ったことがわかる、年季の入った代物だ。
■ウィンドミル > 始めは存在しない追手という『もしも』から始まった話
貴方の言葉は聞くけれど、その内容は聞き流すような態度だったけれど
次第にその中身に興味を持つ。貴方の矜持は決して言葉に収まるものではない
この無秩序という体裁が似合う異邦人街の通りの中で、あらゆる特徴を把握するような
どのお店に対しても、『生きた交流』という形で人々との出会いを教えてくれる
たまに、こちらに気付いた相手も居たのだろう。その殆どが馴染みだとでも言うように、おじさまと挨拶を交わしていく
探偵というのは影のお仕事だけじゃない。この地域の日常の中に、確かに彼は住んでいた
「……わぁ」
そして、誘い込まれていた。いつの間にか人々の賑やかさから遠ざかったそのエリア
入り組んだ建物の形の死角を埋めるようなそこに、立っていたのは2人だけ
輝かせた瞳と、胸の前で組まれた掌。彼女の感動の表現だった
■シェン・トゥアール > 「「だ、大丈夫…じゃあ、説明をつづけよう…。」自分のウサギ耳を何度か揉んで、気持ちを落ち着かせてから再度ツアーを再開。
ウサギの本能的な部分が勝手にそうさせたのだ。
決して本能が狼に負けてしまったわけではない。探偵は狼なんて怖がったりしない。たぶん。
上昇、下降、左、右…縦横無尽に屋根を移動しながら説明を続ける。
ここは早くに閉まるので夜には向かないとか、ここの連中は人がいいので
困っていたら助けてくれるとか、このままだと行き止まりだからこっちに逃げ込むのは悪手とか。
そういった話をある程度したころには、すっかり調子が戻ってきていた。
「エネルギー効率ももちろん大事だ。 特に今回の目的…時間稼ぎや防御って意味では、
効率が最重視されるだろう。 でも、ほとんどの生き物はご飯を一緒に食べることで、
顔を覚え、人となりを覚えることができるんだ。 ここじゃ特にそれが役に立つんだよ。」
様々な種族が集う、よく言えば色とりどりな異邦人街には、”共通”した文化圏は少ない。
そんな面々が共有し、気持ちを一つにできるのは音楽や食事などの生物に共通する要素なのだ。
そう説明しながら、少しだけ開けたところへと移動する。
屋上庭園のような場所であり、小さなベンチが備え付けてあった。
■ウィンドミル > 「うるる……」
好きだから唸った、分かりやすいね
それでも邪念を遠くに追いやったような道案内
こうした目的の為に思考をすぐに切り替えられる人
確かに探偵っぽいのかも……彼女は腕を組んで頷く、話半分に
仮に自分に追手が存在したとして、追いかけっこなら負けるつもりありません
ナチュラルボーンに世界を舐めているのかもしれない
「でも、余りエネルギー効率の悪い食事だけで満足してはダメなのですわよ」
■シェン・トゥアール > 「それはそうだし、仕事柄記憶はきちんとしているはずなのだが…。
どうにも昨日の夜だけおかしくて…。」
ミルさんに知ったされるも、すっかり耳を伏せてしょんぼり。
その姿はいかにも”弱い子ウサギ”といった印象であり、
そういったものが好きな人なら唸ってしまうものであった。
ぺたぺたと一緒に屋根を歩きながら、彼女の提案にはっと顔を上げ、
そうだ、俺にはまだいっぱい説明しないといけないことがある。
ウサギの耳がぴんと天に向かって立ち上がり、瞳に輝きが戻った。
「ああ、そうだな…。ありがとう、ミルさん。
ちゃんと説明をしていこう。 今下にあるのが肉屋で…。
その隣が料理屋だ。 叉焼飯が美味しいんだよ。
それに、包丁だ麺棒だと使える得物も多い。
もし追手に対抗するなら、ここに寄るのはありだ。」
屋根の上を歩きながら、その下にある建物について話す。
彼女gあ少しでも負ってを退けられるようにという気持ちでいっぱいだった。