2024/12/31 のログ
ご案内:「万妖邸 管理人室」に紫陽花 剱菊さんが現れました。
■紫陽花 剱菊 >
師走忘れの年の瀬な。
篝火陽炎、室内にて、一人坐禅と帳簿に向き合う。
つらつらと、書かれる文字一つ一つは入居者の真名。
連なりしは、彼等の生きよう、在りよう。
「…………」
何くれど、耳を傾ければ耳朶に染みる談話の音。
年の瀬なに集まりし、談話室の住居者々。
「……二年、三年……」
異邦の身来たりて、数年と経った。
■紫陽花 剱菊 >
幾許の時を許されようか。
乱世無き泰平の世に未だ馴染めぬものか。
未だ死臭に甘んじるのは、此の地ではお門違い。
「…………」
無論、努力せずではない。
良き塩梅も見定められずとも、馴染む努力はしよう。
然るに、同時に民草に降りかかる脅威も見過ごせまい。
幾久しく、惑い無く筆は進む。
「……気の緩みと咎める事は出来ようが……」
はてさて。
■紫陽花 剱菊 >
壁一枚。乱世の武人にはいみじくも厚く、遠きもの。
彼方にて、和気藹々と喋る者々を一瞥する虚の僅かな羨望。
「……果たして、血染めの諸手を差し出して良いべきか……」
自らの咎を肯んずる。
然るに此れは必定。
然れど、許されるのであれば……───────。
ことりと筆は、畳と転がる。
「……来年は私も、本腰を入れてみようか……」
混迷、涅槃を受け入れる此の時代なればこそ。
手解きを受けるのも、また一興。
何時ぞや、自らの手で壊す事に成り得たとしても……。
■紫陽花 剱菊 > ふぅ、と篝火はすがらと消える。明かり無き室内に、影も残らず。
ご案内:「万妖邸 管理人室」から紫陽花 剱菊さんが去りました。