2026/02/15 のログ
ご案内:「常世渋谷 常夜街」にカタストロアさんが現れました。
カタストロア >  
夜の街をサングラスをかけたリザードマンが歩く。
既に周囲はパニック状態だ。
逃げ惑う人々を見て辟易したとでも言わんばかりに肩を竦める。

「まだ……何もしてはいない」

上背にして230cmを超える巨体が。
触れたものをズタズタにしかねない楯鱗に覆われた尾が。

慌てて避難する人々とは対照的にゆったりとした足取りで街を征く。

「ここではな」

しかし常世渋谷に来たのは失敗だった。
騒ぎが大きくなりすぎた。
だからって裏で小さく動くのは面倒。

考えなければいけない。
次からは。

カタストロア >  
駐車してある赤い車。
歩道に半分ほどかかっている。
全く、迷惑駐車もいいところだ。

「車を運転するならマナーを守るべきだ……そうは思わないのか」

車を無造作に蹴り飛ばすと道路を転がり、柵を突き破って浅い川に転落。
爆発、炎上した。

「つまらん」

人が乗っていない車両を破壊しても退屈だ。
モノに当たっている子供となんら変わらない。

遠く悲鳴とサイレンが聞こえてくる。
学生たちの街というのも、悪くはないが……

こうも退屈ではな。
あの女のような美味そうな…
あの風紀委員のような、楽しめる……

高望みか。

ご案内:「常世渋谷 常夜街」に火倉 刹那さんが現れました。
火倉 刹那 >  
「標的を視認。他の風紀委員は狙撃ポイントより内側には入れないように。
 …避難は、勝手にすると思いますよ。この騒ぎなら」

淡々とした少女の言葉が、その凶悪犯の耳に入っていたかは定かではない。

なにせ、同時にリザードマンに降り注いで来たのは…小規模ながらも道路ごと破壊しかねない爆撃の雨であったから。
等身大の相手に向けるには明らかな超過火力───初手でそれを向けた女は2階建ての建物の屋上から標的を見下ろしていた。
炸裂音、あがる噴煙。黒煙が一時的にその空間から視野を殺す。

「…とりあえず爆撃はしましたけど。別に良かったんですよね?殺して」

事後確認をするかのように通信端末の先にいる同僚に言葉を向ける。
相手は強固なる表皮を持つらしいが、所詮は人の形をした怪物。
その先制攻撃でカタがついた、と少女は疑いもしない。

カタストロア >  
爆音。噴煙。回避の余地のない飽和爆撃。
死の概念が降り注いだかのような。
科学的に見れば火が圧力を生み出す、それだけのことで。

衝撃に街は身を捩る。


紅蓮の中で黒く焦げた人型の物体が体を起こす。
ボロボロになった服を摘むと欠伸をして。

サングラスに手を伸ばすとどこかに吹き飛んでしまっていた。

「男前が台無しだ」

手を入れるポケットがない、と嘆息するとそのまま歩いて通り過ぎようと。

火倉 刹那 >  
──眼下、黒煙から歩みだす巨躯の影が見える。

「……失礼。少々焼き加減が足りなかったようです。…殺して良いということで、通信終わり」

小さく嘆息する。
市街地ということで爆撃の威力を絞りすぎたか。
……どちらにしても人の形をした怪物であるという証明は出来た。

「そこまで。それなりに頑丈のようで何よりです。甲種不明犯、カタストロア」

建物の下、その歩みの前へと飛び降りる。
直接戦闘は領分ではないが、凶悪犯の移動を一先ずは阻害する。

「しかしこれ以上特別攻撃課の名を遊ばせるわけにも行きませんので」

そう立ちはだかる少女の背後には巨大な影が揺らめく。
その影は青白く、ゆっくりと形を変え……無骨な装甲に砲塔を備えた戦車へと姿を変え───。

「この場で処理させていただきます」

相手の問答を待つ隙すらもなく、その場でリザードマンに向けて砲撃が発射される───。

カタストロア >  
明日は楽しめそうなヤツが居れば良い。
なんなら風紀委員でディナーを済ませるか?
そんなことを考えながら歩いていた時に。

飛び降りてきたのは、女だった。

「さっきのはお前が?」

喋る時に黒煙が出るので格好がつかない。
アマトリチャーナのグアンチャーレ抜きでもこう不格好にはならないだろう。

新雪を紡績したかのような白い髪。
こちらを見るは紫水晶の瞳。
女性的というにも随分育ったボディライン。

着ているものは警戒色に等しき赤。
風紀委員の特別攻撃課。

「知らん、遊撃課にでも名前を───」

直後、女の背後に現れる巨影。戦車。戦車砲。
冗談だろう、その砲弾は6.2MJの

轟音。
両手を前に突き出して防御した。
初めてだ、こんなに必死にガードしたのは。

弾いた侵徹体が高架を崩した。
後方で様々な音が広がる。

「鉄火の支配者か……? いや、こいつは…」

痺れる腕、鉄火の支配者は確か男だったはず。
まぁいい。

───美味そうだ!!

牙を剥いて突進する。
左腕は手首辺りが粉砕骨折しているな。
まぁいい、右手でいただく!!

駆けて凶爪一閃!!
アペリティフだぜ、嬢ちゃん!!

火倉 刹那 >  
「…軽戦車とはいえ砲弾を生身で…?」

馬鹿げている。
耐久性の報告はあったものの、ここまでとは。

手が痺れた、などと。
その程度の被害を口にする怪物を見る視線が訝しげに細まる。

単純耐久性なのか。
何らかの異能が併用されているのか。
細かな分析と報告はまだ挙がっていない。

「鉄火の支配者をご存知で?…その名が全盛であったのは幾らか前の話。…最近島に来たわけではないようですね」

鋭い牙を剥き迫る巨体。
凶爪の一撃、まともに生身で受ければ襤褸屑のように引き裂かれるに違いない。
しかし少女は動かず、避ける素振りも見せない。…その様子に警戒感を抱かなければ、少女の目論見は成功。

爪を振り下ろせば発動するのは──指向性の爆発反応装甲(リアクティブ・アーマー)

少女は近接戦闘を得意とはしない。しかし何も対策を講じていないわけではない。
──故にこそ、深紅の制服を羽織っているのだ。

カタストロア >  
殺った!
爪が女の柔肌を貫かんと鈍く光り。

直後、反動。
相手からの反発する力?
いや、違う……これは…

ERAッ!!

閃熱。
後退して砕けた爪を見る。
制動しなければ右手もコナゴナだったな。

「有名人の従妹かな?」

再生が遅い左手首。
どうにも準備を重ねているのはいいとして。

戦車を創り出すとは規格外。

「鉄火の支配者といえば生きた伝説(リヴィングレジェンド)だよ」
「その辺の凶悪犯も裸足で逃げ出すくらいのな…」

愉快そうに破顔。

両手がどうにも良くない。
なら。

足蹴にさせてもらおう。

近くの雑居ビルを蹴り崩す。
基部が崩壊し、相手側に倒壊する。

グラインド・ウェポンだッ!!

火倉 刹那 >  
リアクティブ・アーマーの発動。
攻撃を直接防ぐものではない。
制服の胴部分が裂け、しかし同時に指向性の爆発が起こる。
規模こそは砲撃に劣るものの、防御を固めていないところへのカウンター。
赤い血、赤くない血が炸薬の音と共に飛び散った。

「……爪だけ。随分と頑強なようで」

浅手…ではないにも関わらず表情を歪めることもしていない。
その少女はまるで痛みそのものを感じていないようにすら見える。

「生きた伝説ですか。それには大いに同意しますが…」

「それならば、今からでも裸足で逃げ出したほうが良いかと存じます」

轟音。
蹴り砕かれたビルが倒壊する。

──中の人間は?既に避難が完了しているのか、それとも。

即座に現れた機影。
戦車だけでなく、現れた影は市街地の空を滑空する。
崩れた瓦礫に向け複数の機銃が向けられ、破砕してゆく。

──そんな中、悲鳴が聞こえた。
逃げ遅れた一般生徒か。崩れた瓦礫の中にその姿が見えた───見えてしまった。

機影が掃射をやめ、瓦礫の下に潜り込み…物理的に瓦礫を遮断する。
無論そんなことをすれば実際の機体であれ破損する。

「…早く逃げてください。とっとと、迅速に」

瓦礫を受け止め、消失してゆく機影の下、逃げ遅れた一般生徒の逃走経路を戦車の機影が作り出す。
その背を突き飛ばすようにして押して向き直る──そんな隙を、怪物へと与えてしまう。

カタストロア >  
「頑丈さだけは卵の中にいた頃から評判だったよ」

嘯くも攻めあぐねる。
覚悟次第で人は痛みに鈍感になれる。
だが眼の前の存在はそういうレベルを超えている。

痛みで怯みも鈍りもしない異能者。
なかなかどうして強敵だ。


ビルが倒壊する。
中に人がいようがいまいが知ったことではない。
眼の前の女を潰すための礎になってもらう。

そして女は致命的な隙を晒した。

女が振り返ると眼の前にはオレのマズル。
チークダンスでもするかい、淑女(レディ)

「そのまま雑居ビルを粉砕する火力をオレに叩き込めば良かっただろう」

お互いの息がかかるようなゼロ距離(キルゾーン)

「教えてくれないか……」
「何故、お前ら風紀委員は守る時に命すら惜しまないのか」

「なに、交換条件さ……代わりにオレは」

大きく口を開いて。

「お前の血の感想を教えてやるつもりだ」

噛みつきにかかる。
肩口。太い動脈もある。

()まれば五分で止血しないと昏倒する。
そして。


ロースは味がいいもんさ。

火倉 刹那 >  
──命を惜しまず守る理由?

「風紀委員は、"守る"立場ですから」

異能犯罪者を掃滅するのも。
凶悪犯を鎮圧するのも。
全ては風紀を守るため。
そして風紀とは、生徒を守る為に在る。

対峙する巨顎。

「(この距離では逃げるのも難しい、ですね)」

回避…するにも女の運動能力は人並み。
鋭い牙はその肩口へと喰らいつき、動脈を喰い破る。
紅く、暖かな血液が溢れ──カタストロアの喉を潤す。

「……っ、……そのような、悪趣味な感想はご遠慮しておきます」

ピ───。
そんな電子音がカタストロアの耳へと届く。
自身の周囲に浮遊する、複数の小さな丸い機影が浮かび上がる。
直前までは、確実に不可視であった。

「私のような貧弱な異能者が…」

「簡単に貴方のような凶悪犯の接近を許すには…備えが一つとは限りませんよ」

それはステルス型の浮遊機雷。
しっかりとその位置は、少女に喰らいつくカタストロア自身の身体が盾となるように配置されていた。

次の瞬間、閃光が視界と聴覚を灼き──幾度目かの爆炎が噴き上がった。

カタストロア >  
甘い。
オレを道端のゴミ同然とでもいいたげな目つきで見る女も。
血は温かいのか。

電子音。
悠長に味わっている場合ではない、防御、間に合、遅、

機雷が爆発し、感覚器官が麻痺する。
視覚は……イったか。
耳もイマイチだ。

“第三の目”は辛うじて機能する。
サーマルカメラのように周囲を見る。

ダメだな、機雷が爆発した後で真っ白だ。
やれやれ。

時間をかけすぎたし、派手にやりすぎだ。

方向感覚すらまともでないのにここで深追いしたら風紀に囲まれるな。


最後に意思表示くらいしておくか。
ベロリと口元を拭い、口の端を歪めて笑う。

“美味かったぜ”と示すと。
歩いてきた方向へ駆け出していった。


見えなくても獣性だけで逃げ切れる。
オレはそう確信していた。
そんな夜だ。

火倉 刹那 >  
「っ…追撃───」

まだ消えずに残っていた戦車の機影。
砲塔を逃げゆくその背へと向け───。

「──…!」

視界が霞む。
痛みも苦しみも、痛覚神経の死んでいるこの身体には影響しない。
しかし、失血…、それが身体と意識を支える力を奪う。

戦車の機影は消え、そして少女はその場に倒れ伏す。

「…報告。しくじりましたので、支援を」

空爆、砲撃、指向性爆破、機雷による包囲爆発。
それだけを与えてなお、逃走を阻止することが出来ないとは。

「……しばらく、机仕事…ですね」

報告すべきことが多く得られた。
──風紀委員は甘くはない。情報は確実に、次へと繋げる。

要請を確認した風紀委員がその包囲網から離れ駆けつける。
そんな足音を聞きながら、ゆっくりと意識は手放されてゆく。

──ひとまず一人、犠牲となることは避けられましたか。

薄れゆく意識に一つ、そんなことを考えながら。

カタストロア >  
──風紀委員の避難誘導は十全だった。
雑居ビルは無人。
捜査の手は緩むことなく。

被害者はいても、犠牲者はいなかった。

だが、悪は生きている。

この島のどこかに息づいている。

ご案内:「常世渋谷 常夜街」から火倉 刹那さんが去りました。
ご案内:「常世渋谷 常夜街」からカタストロアさんが去りました。