2024/10/10 のログ
ご案内:「常世渋谷 黒街(ブラック・ストリート)」に霞流 周さんが現れました。
■霞流 周 > 流れる霞の如く、行き着く先は何処とも知れず、気の向くままに進む足先。
――気が付いたらそこは常世渋谷…その影、裏側、落第街との境界とも言える黒い街。
「…ここ……何処だっけ…?」
血生臭さは落第街に比べたら薄いが、それでも暴力などの気配はそれとなく空気に混じる。
茫洋とした、曖昧な光の無い視線は覇気なく周囲を緩慢に見渡して。
右手に携えるは数打ちの刀。手入れはされていれど、目を惹く特異性は無し。
少女の背後、如何にも質の悪そうな連中がジリジリと近寄る――、刹那。
『……ヒィっ…!?』
連中の衣服や携えていた武器など、全てが一瞬で細切れになった…涼やかな鍔鳴り一つ。
「………?」
少女は自身の行いにも拘わらず、不思議そうに茫洋とした視線を連中に向けた。
敵意や殺気、悪意などに敏感であり…同時に全自動的に反応するソレ。
(…あぁ…また勝手に反応したんだ…。)
何処か他人事のように思いながら、ほぼ全裸に近い醜態を晒す羽目になった彼らに小さく会釈。
「ごめんなさい…わざとでは…無いんだけど…。」
だけど、これ以上やるなら…命の保証は出来ない。暗に無言でそう伝えておく。
■霞流 周 > 何やら捨て台詞を吐き捨てて去っていく連中をぼんやりと見送る…全裸だと滑稽に見えるものだ。
(まぁ、意識して斬った訳じゃないから…ね。)
全自動的な防衛反応に、そんな加減や配慮が介在する余地はなく、むしろ体ごとバラバラにしなかっただけマシ。
…ただでさえ、少女は二級学生の身分。あまり騒ぎや事件を起こして下手に目を付けられるのも困る。
一先ず、小さく吐息を零しながら再び緩やかに歩き出す。
ここがどういう場所なのかは何となく分かった。
少女の認識としては、落第街”もどき”…中途半端な灰色の街だ。決して黒とは思わない。
「…そういえば…朝から何も食べて無かったかも…。」
ふと、己の腹部を軽く左手で擦りながら今しがた思い出した、そんな様子の呟き。
空腹が苦にならないのか、それとも反応が鈍いのか…今の今まであまり意識してなかった。
「…この辺りで…美味しいお店は…流石に期待は無理、かな…。」
■霞流 周 > まぁ、行き倒れたらその時はその時という事にする。
人生何が起こるか分からない…だから先の事はあまり考えない。
「…そもそも…お金の持ち合わせに…そこまで余裕…無いし。」
二級学生なんて多かれ少なかれそんなものだろう。
ゆらゆらと、頼りない足取りで黒街を歩く…初めての場所は矢張り歩いて確かめるのが一番。
時々、ガラの悪い者たちと視線が合うが…先ほどのアレを見ていたのか、遠巻きに眺めているだけ。
少女としても、仕掛けてこなければ自動的に反応する事も無く、ただ茫洋と周囲を尻目に歩く。
時々、ひそひそと『何だアレ、化物か?』とか。『凄腕の剣士なのか?』とか聞こえるけど…どっちもハズレだ。
少女は普通に人間であり、ただ刀を使ってるだけで別に剣士とかそんなものじゃない…つもり。
剣士が持つ矜持も理念も目指す頂きも無く、求道も無く、ただただ自動的で霞のように不確かなだけ。
故に、剣士の人達に失礼だと少女は思っていて。だから剣士とは決して名乗らないようにしている。
■霞流 周 > 「……うん、今日はこのくらいで…いいかな…。」
ある程度歩き回って満足したのか、唐突にそう呟く。
そのまま、異邦人街の方角へと向かって方向転換…そもそも、方角は合っているのかどうか。
流れる霞は不確かで曖昧で、捉え所が無い。気ままな散策を適当に終えて、少女は住居へと戻るだろう。
ご案内:「常世渋谷 黒街(ブラック・ストリート)」から霞流 周さんが去りました。