2024/11/16 のログ
ご案内:「常世渋谷 底下通り」に霞流 周さんが現れました。
霞流 周 > 常世渋谷の『底下通り』…常世渋谷のセンター街とはまた違った活気や趣の或る一角。
高架橋の下に立ち並ぶ飲み屋や屋台、露店などが立ち並び…地下街も擁している。
この辺りは異邦人の商売人達も進出しているらしく、明らかに人とは違う見た目の者たちも少なくない。
ある意味で、異邦人街と普通の街をハイブリッドにしたような…そんな印象。

「……この辺りは…あまり来た事が無い…けど…。」

そんな底下通りを、白黒の頭髪と出で立ちに身を包み、右手に刀を手持ちで提げた少女が一人散策している。
特にこれといった目的地や物も無く…本当にただの散策だ。少女の習慣であり趣味でもある。

霞流 周 > 何か面白そうなもの…あるいは珍しいもの。そういうものがあれば緩く足を止めて見物はすれど。
そこまで金銭的に余裕がある訳ではなく、冷やかしやウインドウショッピングの類に落ち着いてしまう。

バイトも一応はしているが、二級学生は体よく扱き使われる事が多いし賃金も安い。
それでも、衣食住は確保できていて何とか日々暮らせるだけ遥かにマシなのだろう。

「……ん…。」

ちらり、と露店の一角を見遣る。どうやら刃物を扱う露店らしい。
また、風紀委員に見つかったら摘発されそうな売り物だが…あちらも心得ているのだろう。
明らかに”場慣れ”した所作が店主から感じられるし、風紀の手入れを察知したら直ぐに逃げだせそうだ。
何となく、やや遠目から売り物を眺めるが…どれも値段的に少女では到底手が出ない刃物ばかり。

(……手頃な価格の…掘り出し物があれば良かったけど…まぁ…早々無いよね…。)

今持ち歩いている数打ちの刀も、そろそろ細かい刃毀れなどが目立ってきている。
きちんと手入れはしているのだが、矢張り使い続けている以上はどうしても限界が来る。

霞流 周 > 結局、自分が手を出せそうな売り物は無さそうなので再び緩やかに歩を進めて。
今度は古着屋を見つければ、再び歩みを止めて…自分の服装を見下ろす。そろそろ冬服も欲しいが…。

「……古着は…まぁ…高いのばかりな気がする…し…。」

これも金銭的な理由で断念して、再度歩き出す。何も買えなくてもこういう散策は好きだから。
ただ、もう少しお金は欲しい所だ――かといって、面倒そうな仕事や犯罪関係に手を染める気は無い。

まとも――と、いうより煩わしいゴタゴタが目に見えているし、ただでさえ肩身が狭い立場だから。

霞流 周 > そのまま、今度は地下街の方へと足を運んでみる。
こちらは地下街だからか、地上側よりも色々怪しい売り物もちらほら見掛ける。
勿論、どのみち金銭的に足りないので手を出す気は無い。

「……異邦人の…人達も…店を出してるから…見慣れない物も…多いなぁ…。」

時々、足を止めては少し遠めから見遣り、また歩き出しては足を止める。それの繰り返し。
もうちょっと懐に余裕があれば何かしらは購入していったかもしれないが。

(けれど…地下か…色々な意味で懐かしい…かな…。)

良い思い出、なんて何一つないけれど。ぽそり、と心中で少女は呟く。