2024/10/30 のログ
ご案内:「歓楽街」に海藤 宗次さんが現れました。
海藤 宗次 >  
学生・教職員居住区より程なく近い場所。
もしかすればギリギリ居住区に位置するかもしれない。
そんなちょっと治安の悪い居住区辺りにて男は腕時計を気にして待ってた。

「時間は夜の21時…そろそろやと思うけどなぁ~」

場所的に目立たない位置。
時間を気にして夜の特に目立たない場所、これは注意深い人が見れば待ち合わせだというのが分かる。
そしてこんな場所での待ち合わせだ。どう考えても合法の取引ではない。

「まあ、100%成功するとは思わへんし30分気長に待っとこ」

気温はちょっと肌寒い。
待つにしてもなんか暖かい物でも飲むかと考えてた矢先

海藤 宗次 >  
バタバタバタと慌ただしい足音が前方から聞こえる。
その音に注意を向けて目視で確認すれば宗次は明るい表情を浮かべた。

「なんや~初めての割にそこそこできるやん~。どやどや?中々ええもん盗めたんか?」

宗次は複数の若者を向かい入れる。
彼らは顔つきからしてどうもあんまり悪さをしてるようには見えない。
ただ、大きなバッグから金や貴重品がジャラジャラと出てくる辺りこれは…

「ほほう、上々も上々や。いや~ほんまアンタら期待の星や~。ええところ押し込んだんやんか」

宗次はその貴重品に手を付ける。
状況を整理するにこの一連の流れは闇バイトだ。
宗次が言葉巧みにこの若者達を騙し、西側にある居住区から盗みに入るように指示したのだろう。
若者は実行犯、そしてこの半グレ幹部海藤宗次は指示役といった配役だろう。

海藤 宗次 >  
「あ、分かってるとは思うけど押し込んだ時に住民いたら支給されたチャカ()で処分しとけよ。……まあ、匂い的に撃ってへんっぽいな」

宗次は実行役をさせた若者たちの成果を勘定している。
指輪に腕時計、財布…盗んだものを自分の懐を肥やすために計算している。

「ほな、俺の取り分はこれな。指示っていう重大な仕事にお前らに美味しい仕事を紹介した分を引かせて貰うで」

取り分は宗次が6割、その他複数の若者達で4割というどう考えても不平等な配分だ。
しばらくは罪悪感も躊躇もない宗次の態度に圧されてた若者達だったが不満を吐露するために口を開いた。

『ふ、ふざけないでくださいよ!!ぼ、僕達はそもそも良い条件のバイトがあるって…それに合法だって……これ、盗まれた人困りますよね。やっぱ今のうちに自首した方が…』

『取り分だっておかしい!どうして足を運んだ俺達が4割でアンタ一人で6割なんだ!』

『もう抜ける……だ、だってこんなの犯罪だし…あ、あなたは罪悪感とか感じないんですか?僕は、こんなの耐えられませんよ!』

と口々にまとまりがなくなる。
宗次は勿論こんな替えの利く体の良い手駒を捨てるわけにはいかないし
儲けも減るから取り分も譲歩する気はない。

「アホか?全部却下や。取り分そのまま自首したら殺すし辞められへんで。」

海藤 宗次 >  
そんなそっけない宗次の言葉にキレたのか一人が銃を抜く。
支給された銃だが素人にも扱いやすい代物で先に抜かれた方は勝ち目はないだろう。

「あ~ん?なんのつもりやぁ?」

だというのに宗次は緊張感も無くまるで小蠅がうるさいとでもいう様に面倒臭そうな視線を向けた。
距離にして槍すら届かない中距離…しかして拳銃からすれば命中と威力を存分に発揮しやすい距離ではある。

『お、お、お前さえ殺せば……へへへ、知ってるぞ海藤宗次!お前は風紀にも目をつけられているロクデナシだ!…こ、ここで殺したって…お前の事なんか「御託はええからとっととかかって来なはれや」

若者の銃口はとっくに宗次の頭を狙ってる。
宗次は暢気に煙草を吸い始めた。
場が沈黙する。
宗次の煙草の煙が天に登る。
誰かが息を呑む。
風が吹き落ち葉が舞う。
捨てられてた空き缶がカランと音を立てて転がった。
瞬間銃声が鳴り響く。

海藤 宗次 >  
だが宗次に当たることなく宗次は煙草をふかしてた。
わざと外した?
違う、そんなはずはない。
そんなはずはないんだと若者は銃を乱射する。

『うわああああああ!この化け物ぉお!』

狂乱する若者の銃。
狙いは頭だったが次第に狙いやすい胴体を乱射してくる軌道だ。
まあ、回避しなければ当たるわな。

「なんやそれ、明後日の方向に花火でも撃ってんの?おかげで全然回避しやすいわ。おおきに」

宗次は片手で煙草をふかしつつその場から動かず長ドスのみで銃弾を全て弾き落とした。
あまりにも眠たくなる攻撃に煙草をふかしながら欠伸をかますという離れ業すらする。
そして今度はこっちの番と言わんばかりに静止状態から一気に時速100㎞までギアを上げる。
そしてそのまま跳び膝蹴りが突き刺さる。若者はあばらがバラバラに折れて心臓や肺に複雑に突き刺さって即死。

「まってな~~」

吹き飛ぶ若者を追いかけ、追いつく。
大きく拳を振り上げて

「トドメいくで~」

溜めを作ったテレフォンパンチを炸裂させる。
それに突き刺さった若者は肉体の方が耐えきれず、ドパンと赤色の水風船が割れたかのように辺りに飛び散った。
原型もなく文字通りの粉々

海藤 宗次 >  
「さて、と…」

返り血を浴びに浴びまくった宗次は残りの若者達(手駒達)に振り向く。
宗次は笑みを絶やさなければ危害も加えない。
それはそうだ。根絶やしは意味ないしなんなら彼らは銃は抜いていない。
正当防衛が成り立たないしかといってつけあがるのも癪だから一人殺して恐怖を植え付ける。
絶対に逆らってはいけないという恐怖だ。

「君らはやらへんよな?…うん、よかったわ。ほな今後もよろしくなぁ~」

宗次はちゃっかり一人殺した分を引いて7割の取り分を持って夜へと消えていった。

「案外闇バイト使えるなぁ…今度、宝石店とか時計店で押し込み強盗させたろ!」

ご案内:「歓楽街」から海藤 宗次さんが去りました。