2025/01/01 のログ
ご案内:「歓楽街」に桜 緋彩さんが現れました。
桜 緋彩 >  
元日でもいつも通りの賑わいを見せる歓楽街。
とは言え今日の「賑わい」はいつもと違う。
人々の喧騒の代わりに聞こえてくるのは悲鳴と轟音。
とある銀行の通りに面した壁は半分ぐらいが綺麗にぶち抜かれ、壁だった瓦礫が通りに散らばっている。
そこそこ広い通りは通行規制が掛けられ、その中心には全長三メートルぐらいのパワーローダーが腕を振り回して暴れまわっていた。
遠くからでも目立つその巨体が、地面や看板をなぎ倒す度に轟音が響き、遠巻きに見ている人の群れから悲鳴が起きる。
新年早々パワーローダーで銀行強盗などと言う馬鹿な真似をした男が、油圧シリンダーで動く鉄の腕を叩き付ける先には、

「遅いッ!」

生身で、しかも刀一本でその鉄腕を叩き切る一人の女。
パワーローダーが振り下ろした鉄の腕がこちらを叩き潰す前に振るった刀が幾条もの剣閃を放ち、鉄の腕だった破片が当たり一面に散らばる。

桜 緋彩 >  
驚愕の表情を浮かべた強盗犯は、しかしすぐに歯を食いしばり、残ったもう一方を真横からぶん回してくる。
それを地面にへばりつくほど低い姿勢でやりすごし、バランスを崩して片足を浮かせたパワーローダーへと肉薄。
砲弾のような速度で脚の間すり抜け、同時に剣を振れば、無数の斬撃音が連続して響き渡る。
鉄の巨体を支えていた唯一の脚を切り刻まれ、重い音と共に地面へ倒れ伏すパワーローダー。
その残った片腕片脚を刀の一振りでバラバラに「解体」して見せて、強盗犯へとその切っ先を突き付ける。

「まだ抵抗いたしますか?」

男は一瞬反抗の表情を浮かべて見せたものの、直後に「くそっ!」と叫びながらコンソールを拳で叩き、操縦席に身体を預けて投降の意思を見せた。
それを見た他の風紀委員――戦闘の被害に遭わないよう、少し離れた場所で成り行きを見守っていた――が駆け付け、男を操縦席から引きずり出して拘束。
それを確認してから刀を腰の鞘にしまい、

「――一件落着、ですかね」

ふう、と息を一つ履いて張り詰めていた気を解く。

ご案内:「歓楽街」に深見透悟さんが現れました。
深見透悟 > 「ワーオ、新年早々凄いもん見た。
 いやまあ、これが日常ったら日常みてえなトコあるけど、実際自分の目で見ると違うねー」

事態がひと段落付いたことから、遠巻きに眺めていたギャラリーたちも散っていく。
その中にぽつんと取り残される様に、テディベアが一体居た。
深見透悟、しがない幽霊inテディベアである。
冬休みも佳境に入り、暇を持て余したので歓楽街へと来てみたら何だか人だかりは出来てるし、何事かと様子を見ていた次第である。ようは野次熊だ。

「風紀委員ってのは正月もまともに休めないもんなんだなー
 まあ、元旦から桜センパイの雄姿が拝めたのは何か御利益ありそうだけど」

その場から離れる人群れに踏またり蹴られる事を回避するために、電柱にコアラよろしくしがみ付いているため、
遠目に見ても存在は分かるし、異様っちゃ異様ではある。

桜 緋彩 >  
強盗はしょっ引かれていき、自分は他の風紀委員とあれこれ事後処理やらなんやらの打ち合わせを軽く行う。
一通り自分の仕事は終わり、しかしまだ周囲は瓦礫やらなんやら危ないので、交通整理でもと思ったところで電柱にしがみ付くぬいぐるみを見付けた。
そちらに近付いて、

「深見どの、電柱に上るのは危ないので降りて来てください」

呆れた顔をして話しかける。
他の野次馬もそうだが、あまり集まらないで欲しいとは思う。
充分離れてはいるが、危ないことに変わりはないのだから。

深見透悟 > 「あ、見つかった。ヤベ。
 ……いや実際何もヤバく無いんだけど、つい言っちゃうよねこういう時って」

だって人混み怖いんだもん、と言い訳をしながらも素直に電柱から降りていく。
テディベアの身体でどう昇り降りしているのか、というと企業秘密だ。誰も気にはしないと思うが。

「ヤッホーセンパイ、あけおめことよろ、お仕事お疲れサマー」

冬だけど。
改めまして、と地面に降り立ったテディベアは気軽に片腕を振りながら御挨拶。
例によって『何アレ?』『ロボットか何か?』という周囲の視線も何のその、本年もゴーイングマイウェイである。

桜 緋彩 >  
するすると降りてくるクマのぬいぐるみ。
どうやって登ってるんだろうアレ。
ものを掴む機能とか着いてないだろうに。

「はい、あけましておめでとうございます。
 毎年そうと言うわけではないのですが、今年は新年早々派手にやってくれたみたいですね」

ぴしりと一礼。
せっかくお餅を焼いていたのに、急に呼び出されたので今ではすっかり固まってしまっているだろう。
尚銀行は正月休みで無人だったので、人的被害はゼロである。

深見透悟 > 極々普通のどこにでもあるテディベアハンドである。
しかし物は掴めるしスマホも操作出来る。便利な万能ハンドである。
深く考えてはいけないのかもしれない。きっと当の本人も深く考えずに行っているだろうから。

「ねー、強化外骨格で金庫破りとか出身ロスサントスかよって感じ。
 いやまあそれよりもセンパイの活躍が凄かったわー、ズバーンって、ズババババって。
 鉄ってあんな風に斬れるもんなんだなーって」

身振り手振りを交えて興奮を伝えるテディベア。
遠くからでもパワーローダー相手の大立ち回りは問題無く見えていた。
が、それでも彼女の動き自体は目で追うのがやっとであり、
魔術一辺倒の透悟は斬られたパワーローダーから、その剣の腕を窺い知る事しか出来なかった。

「まあ、新年一発目の警告にはちょうど良かったんでない?
 これだけ派手な捕り物やったら、少なくとも正月中は悪さしようと思う奴は出て来ないでしょ!」

桜 緋彩 >  
「よくあることですよ
 こんな街ですからね、パワーローダーなどまだマシな方です」

異能犯罪に比べればまだまだましな方だ。
なんせ物理法則が通じるのだから。
斬れば斬れるし斬ってしまえば無効化できる。
斬っても斬れなかったり斬ったところで元気に動き回ったりする異能の方がもっと厄介だ。

「どうでしょう、それで大人しくなるなら犯罪はとっくになくなっていますよ」

まぁ多少は抑止力にはなるかもしれないが。

深見透悟 > 「そういうもんかあ……。
 いや、実際物理無効(幽霊)の俺が感心するのも変な話なんだけどもね!
 まあ餅は餅屋って言うじゃない、島で起こる犯罪全部にセンパイが出張らなきゃならんわけじゃないんでしょう?
 みんな年末年始で実家帰ってるとかで人も少ないし、少しは落ち着けたら良いねえ」

とは言え異能犯罪よりも一般犯罪の方が多そうではあるな、とテディベア腕組み。
まあ何はともあれ、日頃島内の和を保つために頑張ってくれている風紀委員には感謝しかない。
ありがたやありがたや、と拝んでおくことにしよう。

「少しは落ち着いた正月を過ごせますよーに、と。
 冬休みも終わりが近付いて、島に人が戻ってくりゃ比例してセンパイたちのお仕事も増えるんだし、今くらいは、ねえ?」

拝んだついでに願掛けもしておこう。
いや、それは休んで欲しい本人に向けてする事ではないかもしれないが。

桜 緋彩 >  
「まぁ、そう言った犯罪にはそれ専門のチームがいますからね。
 人が少ない、と言う意味では風紀も生徒も等しく里帰りしている人はいますので……」

凶悪犯罪には特攻課、霊的存在には霊的予防係と言ったように、専門のチームが存在する。
逆に言えばそれら以外の対処は一般委員の管轄と言うことになる。
人が少ないと言う話で言えば、風紀委員も一般生徒も同じである。
むしろ街の広さは変わらない上にそもそも人員が不足しがちな風紀の方が一人当たりの負担が増えてキツイ、と思ったり。

「いえまぁ、我々は良いのですよ。
 むしろ深見どののような一般生徒が心穏やかに暮らせるようにするのが我々風紀委員の仕事ですから」

お気になさらず、と、彼の願掛けに掌を向けて。
その心だけ受け取っておこう。

深見透悟 > 「いやいやいやいや、むしろ我々が心穏やかに過ごすためにも休むときはしっかり休んで欲しいって。
 結局のところ、風紀委員が暇してるのが一番平和って事だし」

有事の際に迅速に対応出来る事をアピールする為にも、休みの時は休んで欲しい。
まあ風紀委員全体が丸っと休暇に入るなんてことはあり得ないのは承知だが、せめて分割して……と考えたところで既に風紀でも里帰りしてる委員が出ているという話を思い出す。

「っと、そういやセンパイは里帰りとかしないの?
 異邦人ってわけでも無いんでしょう? 盆と正月くらいは帰省したりしないわけ?」

それともこれから帰る組なのかしらん、と頭を傾げる。
ちなみに透悟自身は帰る手段が無い。手段があっても帰ろうとも思わないが。

桜 緋彩 >  
「確かに理想を言えばそうですが、そうもいかないのが現実ですから。
 御心配には及ばず、ちゃんと持ち回りで休んでおりますので」

流石に全員が全員備えているわけではない。
あまりにあまりな事態が起きれば全員駆り出されるが、ちゃんとシフトを決めて全員非番を取れるようにしてはいる。

「私ですか?
 風紀の仕事もありますし、道場の方も私がいなくなるわけには行かないので」

所謂居残り組である。
と言っても別に勘当されたとかどうとかと言うわけではない。
単純に自身の責任感の強さ故だ。

深見透悟 > 「んもー、知ってたけど真面目ちゃんなんだからセンパイは~
 まあ外野がとやかく口出す事でも無いし、本人がちゃんと休んでると言うならヨシとしましょかね」

不真面目な幽霊が言える事なんて、無理しないようにね程度のものでしかない。
そもそも言われずとも休むべき時には休んで……る、のかな?と疑わしい部分はあるけれど。
まあ、先の戦闘の様子を見ても心身共に問題は無いようでもあるし、いっか、とテディベアは頷いた。

「ほーんと真面目ねえ、まあそんなセンパイもステキよ?
 ……じゃなくて、家族仲が悪いとかじゃないんなら、元気な姿を見せとくのも大事だからねえ」

どの口が言うかって話だけど、とケラケラ笑うテディベア。
ただしケラケラ笑っているのは言葉のみで、表情はスンッと真顔である。そろそろ表情変える機能も会得したい。

桜 緋彩 >  
「確かに、昔から空いた時間には身体を動かしていたものですから、どうものんびりすると言うのは落ち着かないところはありますが」

勿論ちゃんと身体を休める時間は作っている。
その上で、それ以外の時に動かない、と言うのはどうにも性に合わない。

「家族仲は良いですよ。
 年度末には流石に一度帰ってはいますし」

等と話していれば、一人の風紀委員が近寄ってきた。
何らかの書類を差し出され、それにサインを。
そこで髪をまとめ忘れていたのに気付き、腰のポシェットから簪を取り出してさっくり髪をポニーテールにして留める。

深見透悟 > 「うーん、本の虫だった俺とは真逆な性質だな。
 ま!そーゆー事ならセンパイが一番楽な様に出来るのが一番って事で良んじゃない?」

彼女なりに休めているならそれで良い。そういう事にしよう。
よく考えてみれば自分もその気になれば数日徹して魔導書読み漁ったりするし、と向いてる方向は違えど同じ様なものと納得した。

「そうなのね。家族仲が良いんなら大事にしなね~
 つってもまあ、これもまた俺が言えた道理じゃねえんだけど、実家(ウチ)とか最悪の部類だし」

生きてても帰る気にはならんかったろうな~と思い返しては遠い目。
と、そんな最中に別の風紀委員とのやり取りが入って、テディベアはお仕事の邪魔にならない様にスンと待機。
そして桜が髪を纏めれば、おう、いつもの(髪型)。と声を上げた。

桜 緋彩 >  
「しかしご心配して頂きありがとうございます。
 休みの日はちゃんと休んでいますので、大丈夫ですよ」

ショッピングしたり料理したり。
日課のジョギング(ほぼマラソンの距離だが)以外はちゃんと休日を満喫している。

「それは――なんとお答えしていいのやら」

ちょっと困った顔で笑って。
恐らく彼なりのジョークなのだろうが。
確かにいつもの髪型ではあるが、いつもはゴムで止めているだけのところ、今日は簪だ。
白い桜があしらわれた、緋色の簪。

深見透悟 > 「はっはっは、ごめんごめんご、気にしないで。ちょっと思い出したってだけだから。
 家族仲がいいなら家族は大事にね、ってだけよ。
 ほら、生きてる内しか孝行出来ないんだからねーっていう。年一回顔合わせるとして、そのペースだとあと60回くらいしか顔合わせらんないんだから!」

こっちの事情は関係無いわな、と謝罪をしつつ。
その後は軽い調子でジョークを重ねる。

「そっちの方がセンパイっぽいやね。
 ――と、その髪留め?新しいやつ?」

簪というものを透悟は知らない。日本名を名乗ってはいるものの、元居た世界では西洋文化圏の育ちだ。
その上で魔術の研鑽に人生の大半の時間を費やしてきたから、初めて見る簪にゆるく首を傾げる。

桜 緋彩 >  
「深見どののような能力があれば、死んだ後でも親孝行出来そうなものですが」

魂になっても活動できるのだから。
親に会いに行ったり、マッサージチェアを「入れ物」にすれば肩だって揉めるし。
くすりと笑いながらジョークに乗る。

「ええ、簪と言います。
 こうやってまとめた髪に差して、巻いて使うんです」

一度簪を抜いて髪をほどき、今度は後ろを向いて見えやすい形でやって見せる。

深見透悟 > 「こう見えて色々制約が多いんだよ幽霊ってのも」

当初は色々出来ると自分でもテンション爆上げだったことは否定しない。
しかし、魂のみの存在と言うのは便利ではあっても万能ではなく、むしろ肉体という殻が無い分非常に脆いという事も思い知った。
挙句に透悟自身は魂の身になってしまえば霊視を以てしても視得ない仕様なのだから性質が悪い。

「へえ、カンザシ。
 なるほど、ジャパニーズ トラディショナル バレッタ、デスネー」

ほうほう、と関心深く桜が髪を纏める工程を見る。
特に魔術/呪術的な効果があるのではない、と知れば、ほむん、と納得したように首を振り。

「けど、そういう使い方ならもうちょっと髪をボリューミーにまとめて使う方が適してるんじゃない?
 あの……何だ、アップルパイみたいな髪型とか」

※アップルパイみたいな髪型=シニヨン

桜 緋彩 >  
「なるほど、物理法則に縛られないからこそ、それなりに制約がある、ということですか」

一見何でもありの様に思えるが、あくまで一般常識からするとそうだと言うだけなのだろう。
霊体は霊体で色々出来ないことが多いと言うことか。

「ええ、簪です。
 アップル……いえ、まぁ、確かにそうではあるのですが、結構面倒なんですよ、あれ」

アップルパイ、という言葉にちょっと脱力。
とは言え言いたいことはわかる。
と言うか割とそう言う使い方をする方が多かったりするが、

「あと私の場合そうするには髪が長い、と言う理由もありまして」

深見透悟 > 「そゆこと。いや、俺も幽霊になるまでは知らんかったけどもね!」

あとは精神体とも呼ばれる様に、当人や周囲の気の持ちよう、精神状態にも左右される事だってある。
実際に体感して貰った方が楽な程度には様々な縛りが課せられていたりもする。
ただ、それが幽霊全てに言える事なのか、透悟個人の問題なのかは、今のところは知る由もないが。

「カンザシ……簪……トーゴは簪を覚えた。テテーン。
 ああ、そうなのねえ?その辺りの苦労は無縁だったからなあ……幽霊じゃ髪も伸びないし」

ほうほう、と本日何度目かの関心を示し。

「なるほど、人にやって貰う分には良いけど、自分でやるのは面倒だし大変って感じっぽいもんね!
 まあでも今のでも良いんじゃない、可愛いし似合ってると思う!」

桜 緋彩 >  
「ふむ。
 となると、やり方によっては、霊的な存在も刀で斬れるかもしれませんね……」

顎に手をやって考える。
現状物理的な攻撃が通じない相手には手も足も出ないのだが、それが通るとなると話は変わってくる。
通す手段は考えなければいけないが、上手いことやれば通せるかもしれない。
良いヒントを貰った、と頷く。

「着物を着る時などはちゃんとまとめるのですが、そうでないなら特段拘る必要もありませんからね。
 かっ――、あ、ありがとう、ございます」

急に褒められて、一気に顔が赤くなる。
いつもの毅然とした態度はどこへやら、急にもじもじして小さくなりながら礼を言う。

深見透悟 > 「それは……どうなんだろう。
 まあ斬れたところでダメージになるかも確証は無いけど……」

既に死んでるからね!と胸を張る。
仮に斬れてダメージが通るとしても、あまり応援したい気持ちにはなれない透悟であった。斬られたくないしね!
とはいえ霊感さえあれば視ることは出来なくとも触れられる存在は居るわけだし、手段が無いわけでは無い、とは思うのだが。

「まあ、その辺りは正装というか、普段とは違う装いだからって感じで整えるのは男女共通よね。生死共通では無いケド。
 どういたしましてぇ……なぁに照れちゃってもう、センパイかーわいいー」

うりうり、と肘で小突きたいところだがテディベア、当然肘なんて届くはずもなく。
奇妙なダンスめいた動きをするだけに留めた。ちなみに先の可愛いの対象は桜個人ではなく簪への感想なのは秘密だ。

桜 緋彩 >  
「あ、あまり風紀委員をからかうもんじゃありません。
 まったく……」

こほん、と咳払い。
他の風紀委員の目が気になるので、比較的すぐに立ち直った。

「ただ斬るだけならばそうでしょう。
 しかしそう言ったものを相手にする人たちは、そう言うものにダメージを通す術を知っていますから。
 斬れないものを斬って手傷を負わせる、と言う方法はあるかもしれません」

あるかもしれないしないかもしれない。
しかし「かもしれない」と言うのは大事だ。
可能性があるなら、そちらに一歩足を踏み出すことは大事だと、新たな技を習得した時に学んだ。

深見透悟 > 「俺は風紀委員じゃなくてセンパイ個人をからかっている。
 ふっふっふ、新年早々幸先イイですなあ」

今年も懲りぬ退かぬ省みぬの三原則を大事にしようと思った幽霊だった。
けれどやり過ぎない様には注意したい。斬られたくないからね。

「ま、それは?確かに?
 よく考えてみりゃ幽霊側から触れられる事もあるんだから、生者側からも物理的に干渉する術があって然るべきだし。
 とは言え、単に『斬れない』っていう現象も理由が一つとは限らないから落とし穴に気を付けて……って考えるのが魔術師なんだよなあ」

けれど、いま会話している風紀委員は魔術師ではない。
だとしたらアプローチが異なっていても無理は無いし、どちらかのみが成立するという道理も無い。
せめて幽霊として助言するくらいしか出来ぬ……でも斬られたくはないなあ、と肩を落とすテディベア。