2026/02/01 のログ
ご案内:「歓楽街」にカタストロアさんが現れました。
カタストロア >  
男たちで歓楽街を歩く男子生徒が三人。
それぞれの店舗の業績が良く、羽目を外しに…
歩き慣れない歓楽街を楽しんでいただけの。


そこに、サングラスをかけたスーツ姿の男。
路地の暗がりから現れて声を出す。

「アンタたちはちょっとツイてねェな」

立ちはだかる長身、低い声が響く。
そして近くのネオンが発光色を変えた時に男たちは気付く。
彼の皮膚が緑色で……楯鱗に覆われていることを。

「気持ちよぉく遊んでいる時に……オレと遭っちまうのは」

男の口がマズルのように延び、筋肉が肥大化。
帽子が落ち、何かが裂けるような音が響く。

そして街を騒がす災厄は、サングラスを投げ捨てた。
失われた時代(ロストエイジ)からの来訪者。凶悪なりしリザードマン。

───カタストロア。

カタストロア >  
「……どうした?」

呆然と巨大な爬虫人類を見上げる三人に声をかける。
この凶悪な歯列のどこから人間らしい声が出るのか。

「まだ一日にちょっとした不運が転がっただけだ」
「楽しもうじゃあないか……人生を」

「“今日という日は、残りの人生の最初の一日”だ」
「いつまでも命という果実が瑞々しく残るわけではない…」

先頭の男に手を伸ばす。

「オレは」

肩に緑の手を置く。
そのまま男を力任せに“折り畳んだ”のだ。

「どうあれ楽しむべきだと思うね…例えそれが」

周囲に悲鳴と怒号が響き渡る。
パニックが混沌を生み出していく。

「惨劇でも」

ご案内:「歓楽街」に青霧在さんが現れました。
青霧在 > 非番の休暇、知人の付き添いで歓楽街を連れまわされた帰り。
知人と別れ、(公共交通機関)へのアクセスを探ろうという時、何でもない様な後ろ姿が目に留まる。

男子生徒が三人、歓楽街では珍しくもない浮かれた姿。
即座に人込みに紛れて消えたその後ろ姿に、得も言われぬ不穏さを感じた。

今日は非番だろう、気にする必要はないと思いつつも、勝手に足が動いていた。

―――――


「風紀委員会だ!その手を離せ!今すぐにだ!」

今まさに折りたたまれた男子生徒を目撃しながら怪人に向けて叫ぶ。
腕章すらない一般生徒と相違ない装い。
武器も無ければ応援もまだ呼べていない。

(せめてもう少し早く追いつけば……!)

まだ開きのある距離を詰めながら、その辺の武器を探す。
無い、不幸にも小石程度しか見当たらない。
それでも無いよりはマシだと、異能で小石を持ち上げて怪人の頭部へ向けて高速で射出する。
牽制にはなるだろうか。

カタストロア >  
風紀委員と名乗る男が叫びながら駆けつける。
小石が頭部に迫ると大きく口を開き。


小石を齧るように喰らう。


そのまま異質な音を響かせながらそれを噛み砕き。

ベッと粘着質な唾液と共に破砕された石粒を吐き出した。

「ゲストか」

ハンドポケットのまま駆けつけた風紀──青霧在の元へ歩き出していく。
ゆっくりと、何にも阻まれない。
異形の歩み。

「楽しんでいくといい」

何も急がない。
何も慌てない。
ただ、喋るたびに濡れた牙が露わになる。

青霧在 > 「大人しく投降しろ」
「今ならば痛い目を見ずに済ませてやる」

投降を勧告しながら怯える男子生徒たちの様子を確認する。
折りたたまれた男子生徒はどう見ても重傷だ。早急に搬送する必要があるだろう。
他二人もパニックになっている。

「そこの二人!今すぐここを離れろ!」
「俺がこいつを制圧する!」

危険以上に足手まといになりかねない。

背中に回した手で携帯を操作し、風紀に接続開始。
次いで怪人を観察する。
するとすぐさま理解した。

「カタストロフィ・ロア……今はカタストロアだったか?」
「歓楽街にも現れるというのは本当だったんだな」

通信が繋がったことを確認し、通報がてら時間稼ぎしつつ言葉を交わす。
直接の遭遇は初めてだが、その存在は知っている。
有名な怪人だ。

此方からは距離を詰めず、周囲の武器を探す。
しかしながた、これといってない。
破壊を選択肢に入れるのであれば、パイプぐらいは確保出来る。
無手で相手するには少々骨が折れる相手だろう。少々苦しい。

カタストロア >  
逃げていくターゲットだった男二人。
フスッと鼻息を吹いて。

「イケないな……仲間を見捨てて逃げるのは」

避難が続く街、ネオンと自動放送が浮薄に音楽と灯りを漏らす。

歩く足を止める。

「徒手か」

無造作に壁に手を突っ込む。
コンクリートが麩のように見える剛腕、配管を引きちぎり。

相手の前に鉄パイプを投げた。
それは軽薄な音を立てて風紀の前に転がる。

それを持ってようやく自分と戦う資格があると。

「配管用炭素鋼鋼管」
「ガスを漏らすことのないよう剛性に優れる素材」

ベロリと長い舌でヨダレを拭う。舌なめずりだ。

「甲種不明犯の相手だ」
「殺す気で来ることだ」

青霧在 > 「……随分と自信があるようだな」

傲慢の体現者とでも呼ぶべきだろうか。
そんな発想が脳裏を過る。

しかしながら、これはありがたい申し出だ。
彼方から択を増やしてくれるとは思わなかった。

「しかし、爬虫類の分際で驕り昂り過ぎだな」
「貴様程度、徒手で十分だ」

異能と魔術こそあれど、物理的な性能は一般的な人類を逸脱しない。
そんな体で爬虫類の怪人と物理的に渡り合うには不利極まりない。
しかし、このパイプは択に過ぎないのだ。
今はその時ではない。

「風紀委員会特別攻撃課、青霧在」
「行くぞ、カタストロア」

位置情報は送信を続けていた筈だ。
名乗りに扮した位置情報の伝達を終え、携帯の電源を落とす。
それと同時に駆け出し、助走をつけた回し蹴りを怪人の腹部へ向けて放った。

カタストロア >  
相手が名乗ると同時に駆け出す男に。

「少し話をしよう」

と呟いて回し蹴りを胴体に受けた。
怯まない。
相手の足に分厚いゴムを蹴ったような衝撃が奔る。

「自信があるのはあっているが」
「オレは君が徒手で十分とは思わない」

無造作に拳を胴体に向けて放つ。

「そしてオレは爬虫類ではない……真人類だ」

カタストロアは。その破滅的な膂力で知られる。
拳で打たれれば、気まぐれな一撃で戦闘不能にされることも。

青霧在 > 蹴りは問題なく当たる。
そして、返って来た感触に内心眉を顰める。

「シン人類とは大きく出たな。野蛮な怪人め」

放たれた拳を余裕の動きで回避する。
蹴った足の反動を利用したように振舞いつつ、実際は異能による強引な回避だ。
その勢いで鉄パイプ辺りまで下がりつつ、会話に応じる。

「確かに、思っていたよりは硬かったな」
「お望み通り、これを使うとしよう」

足裏の感触に、今日がこれ以上ない私服であることを思い出す。
武装が何もない。
靴底にも何も入っていないのだ。
回避前提で動いたとはいえ、あの拳を万が一喰らっていれば、先ほどへし折られた男子生徒と同じ末路を辿っただろう。

爪先で鉄パイプを跳ね上げ、右手で握る。

「改めて、始めようか」

膂力ならば、負けていない。

地面を強く踏みしめるフリ。
右手に握った鉄パイプをレイピアのように怪人に向ける。
その構えのまま突進し、カタストロアに向けて突く。

全力であれば大型車両でも動かし得る異能の大出力を込め、見た目をはるかに上回る重みを込めた突きで先ほどと同じ腹部に一撃を狙う。

カタストロア >  
「そういう君は野蛮な言葉を使う」

空振りした拳から一拍遅れて破裂音。
僅かに空気と塵が焦げる匂い。

拳を下ろす。
そして再びハンドポケットに両手を納めた。

仮に。風紀委員会特別攻撃課の青霧在が。
槍の達人であるとする。
それで鋭く引き千切られた鉄でオレの腹部の楯鱗を貫くことができるだろうか?

否。

ポケットに入れた手に力を入れる。


直後。
腹部を鉄パイプが貫いた。
ライムグリーンの血が流れた。

一切の反応をせずに靭尾を振るう。
骨を砕く威力の横薙ぎ超撃。

青霧在 > 所謂初見殺し。
一般的な人類相手には決して放てない必殺の類。
見た目も技量も関係ない。
単純な異能の力による暴力が強靭な鱗を貫いた。

しかしながら、それだけの出力を一点集中すれば当然他が疎かになる。
その反動は回避に影響を及ぼした。

反撃は当然想定していた。
しかしながら、それを完全に回避出来るかどうかは全くの別問題だ。

俺は目がいい。
だから、脚部でダメージを受けることが選択出来た。

突きの直後ソニックブームすら巻き起こす膂力による横薙ぎを躱す。
パイプから手を放し、高く跳ね肉体の制御に全神経を集中させる。
直後、左足のひざ下に直撃した薙ぎを目撃し、身体を回転させた。
衝撃を逃がす方向への回転が始まったのは、左足の骨をほぼ完全に断絶させたのち。
筋肉や神経へのダメージも甚大な状況ながら、右足へのダメージは何とか回避に成功した。

「言葉より暴力の方が得意だろう?無理をするな」

その回転のまま、先ほどより更に離れた場所に着地する。
追撃を警戒しながら何事も無かったように直立の姿勢を見せる。

無論、左足へのダメージは甚大だ。
アドレナリンが出ているのだろうが、それでも激痛と大ダメージへの警鐘が脳裏で響く。

だが、まだ動ける。

額に滲む脂汗の感触を意識の外へ追いやり、改めて手刀で突きの姿勢をとった。

カタストロア >  
尾撃。この距離で防ぐ人間は初めてだ。
胴体にパイプを刺したまま両手を広げる。
足元にビリベルジンを含み緑の血が滴り、染める。

「言葉も暴力も同じだ」
「相手に届かなければ意味を持たない」

「そして体制の正義が思想と防衛を掲げる以上」

「風紀委員の“武”は甲種不明犯の暴力や暴言に屈してはならない」


その時、駆けつけた風紀委員たちの放つゴム弾が体に突き刺さる。
暴動鎮圧のために開発され一撃で意識を奪い昏倒させるだけの威力を持った弾頭が。
撃ち込まれていく。

「そして」

テーザーガンを搭載したドローンがカタストロアに導体を突き刺す。
テーザーガンの射程の短さを克服するために作られたそれは。
秒間57パルスの電撃を楯鱗に守られぬ体内へ流す。

尻尾で無造作にドローンを刺し貫き、破壊する。

「そして反体制の暴力は“武”を上回ることで完成するッ!!」
「異能を超える力、魔術を上回る生命ッ!!」

体に刺さったテーザーガンの発射体を引き抜き、放り捨てる。

「運命とは流れであり、理不尽で偶発的なものッ!」
「多くは法則性を見出そうとする凡夫の必然を捻じ曲げるだけの破壊!!」


遠くで銃身を握ったままの風紀委員と青霧在を前に宣言する。

「感謝する……オレは確信した」
「オレの肉体は異能を凌駕した……と」

縦に裂けた瞳孔が月光を反射した。

青霧在 > 痛みのせいだろう。
応援の到着に全く気付いていなかった。
追撃の構えを解き、直立の姿勢に戻る。
姿勢の維持にも異能を用いている。
粉砕した左足では、流石に直立もままならない。

脳内にじんわりとした感覚が広まりつつあるが、カタストロアを直視し続ける。
テザーガンもゴム弾も通用しないように見える怪人の様を観察し、新たな追撃の最適解を探る。

「抜かせ……!」

これ以上ブラフをかける必要もないだろう。

鉄パイプは怪人から俺が使うように言われたものだ。
つまり、今は俺の武器だ。

鉄パイプを異能で操作する。
回避も迎撃も考える必要のない状況だ。全出力を以て鉄パイプを背中へと引き抜き、そのまま叩きつけようとするだろう。
まずは脚部、左足の膝下粉砕を試み、そのまま右足へと振り抜こうとするだろう。
行動さえ止めてしまえば、この数だ。応援も待って鎮圧・捕縛が可能だ。
とにかく、行動を止めないといけない。

カタストロア >  
「通報し、仲間を呼ぶ」
「相手を逆上させ、その場に残すように時間を稼ぎながら戦い」

「異能とブラフを駆使し初撃を浴びせる」

鉄パイプが背中側に貫通する。
不可視の力、それが彼の異能の正体。

「理想的だ」

左足の膝下を振り抜くように叩く。
大凡、人間のフォームでは不可能な位置へのフルスイング。

そしてそれは右足の脛を打ち据え、骨が砕けるクラック音を響かせる。

「理想的であるが故に」

直後。
腹部の貫通した穴が塞がる。
足がバキバキと音を立てながら平常そうであった形に戻り。

「予想を超えない」

立ち上がる。
「次があるなら」
「殺す気で来るべきだな」

そのまま走り出す。
怪我などなかったかのように。
超パワーが200kgを超える剛重身を放つ。

青霧在へ向かう砲弾のようなタックルだった。

青霧在 > ――傷口が再生した。

理想的な連撃が怪人にダメージを与えた。
腹部の傷口を抉り大量出血を狙い、更に脚部へのダメージで移動を阻害。

そこまで見届け、意識が緩んでいた。
言い訳をするならば、既にこの時限界だったのだ。
まともな武装も無い状況、防具どころかまともに使えそうな武器すらない。
その結果、左足への甚大なダメージ。

役割を果たしたと思っていた。
被害者を抑え、危険度の高い怪人をその場に留めながら時間を稼ぐ。
行動阻害に十分なダメージを与え、あとは他の委員に任せられる。

普段なら決してしないような油断と甘え。
だから、怪人の傷口が再生した時の衝撃はとてつもなかった。

鉄パイプは既に異能の操作を離れ、意識の外へと放逐。
出し切った出力は霧散し、力を籠める気力もどこへやら。

慌てて次の対策を講じようとするも、ダメージと油断のせいで考えがまとまらない。

立ち上がり、死を直感させるタックルに対して立ちすくむ。
割って入ろうとするシールド持ちの委員からシールドを異能で奪い取り、目の前に立てる。
異能の出力はまだ戻り切っていない。
地面に突き立てるように構えたシールドとタックルが衝突し、刹那の拮抗の後打ち破られる。

―――シールドごとのタックルが直撃する。
目前に迫るシールドと、覗き穴から見えるカタストロフの双眸。

それが意識を手放す直前の光景だった。

カタストロア >  
シールドが拉げる。
理外の力を、上回る力で破壊する快感。
それこそ人が暴力を手放せぬ論理。

牙を露わにし、その場にいる。
風紀に。
噛み。


つこうとした瞬間、頭部が横にガクッと弾けるように衝撃を受けた。
狙撃。
それも殺意をここまで隠した。

怪人以外の何も、誰も殺めない。
流れ弾などあろうはずもない集中する射撃。

風紀委員の援護射撃。

「くっ……うおおおおおおおおおおおおおおおおおあああぁぁ!!」

破滅の咆哮(カタストロフィ・ロア)

身を捩り続く狙撃から逃れる。

「組織の力……というものを」
「侮っていた……風紀委員…」

「青霧在」

言葉の間にリザードマンの片目を狙撃弾が貫いた。

「また会おう」

マンホールを蹴り潰し。
その中に身を折りたたむように入り込むと。


歓楽街から脅威は去るのだった。

ご案内:「歓楽街」から青霧在さんが去りました。
ご案内:「歓楽街」からカタストロアさんが去りました。