2024/08/19 のログ
ご案内:「落第街大通り」に蒼い影さんが現れました。
蒼い影 > "なんか落第街喧しいからさ、やってる感出しといて"

って仕事。
何ていうか。
雑。

「まっ」
「恐怖を得る口実が出来たと思えばいっか」

蒼い影はのんびりと歩いて行く。
人を寄せ付けぬ妙な雰囲気を身に纏って。

歩いている場所は、
街の建造物の上、だけれど。

(要はゴミ掃除、っていっつもと変わんないなぁコレ)

非日常の喧騒 > 「ホラさっさといくぞオイ」
「今日はずいぶん稼げたなァ」
「これもギフトを得―――ッ」
「な―――ッ」
「動けねえ―――ッッ」

代り映えしない不良。
いつも通りのテンプレートな悪さの中に混じる、変化の気配。
新たな力に目覚めた者達の屯。
それが、急に止まる。

非日常の中の日常。
その中のちょっとした非日常。

蒼い影 > 指を鳴らす音。

「ごっめんねぇー」
「キミらに恨みはないんだけどさー」

「やってる感の演出の為に」

「ここで捕まっといてね」

屯するテンプレートに、
蒼色が降り立つ。

丁度、組織の連中が大通りの大きな根城から出てきたところだ。

「動けないよねー、何でだろね。」
「どんな力持ってたって動けないんじゃ使えないさ」

けらけらけらと笑いながら、一息。

(どうせ恐怖を煽って自己を顕示するなら)
(言葉に乗せるのもいいけれど、私ならこうするな)

思案。

蒼い影 > 「……怖いならお星さまに無事でも祈ってみたらどうだい?」

天から注ぐは、蒼炎を纏う星。

ただ一つの炎熱が、

その施設を、一瞬で焼き払い、破壊し尽くした。

抉れる大地、広がる火炎―――さりとて。

非日常の喧騒 > 「―――た、対魔術装甲230枚のビルだぞ?!」
「この間俺のパワーで新調した事務所が…一撃……?!」
「ふっざけんな―――!」
「テメェ……!!」
「……?!」

その場にいた生命は、誰一人として死ななかった。

蒼い影 > 「ああそうなんだ、私にゃ発泡スチロールと変わらん。」
「じゃ、悪いけど捕まってね。」

「精々今日見たことを、忘れないようにしてくれると、嬉しいな?」

何で生かしているかって?

その方が、ずっと恐れてくれるだろ?語ってくれるだろ?
その方が、不気味だろう?なんで傷つけなかったんだって?
その方が、面白いだろう?これから先、何が待っているかって。

その場に居た、全ての喧騒の種を―――

文字通り、指を鳴らすたびに消していく。

本当に消してるわけじゃない。
牢屋にストレートに叩き込む、強制転移。

(取り調べとか振り分けとか、裁判は私の管轄じゃないし―)

(適当にブチこむから後は適当にやっといてもーらお)

なんとも、ダメな大人である。

蒼い影 > 「さーてと。」
「やってる感出したし、後は野次馬としゃれこもっと。」
「それにしても、お星さまに願いをかー」

自分で流星を振らせておいて、ふと思案。

「やっぱり七夕の授業はするべきだったね。」

本当は8/8にするつもりだったんだけどなー。

「まっ。今からでも遅くないか。―――じゃあ、授業にいこーっと。」

蒼い影の姿が、まるで初めからなかったかのように




消えた。

蒼い影 > そこには、
まるでわざと染色したかのような、
真っ蒼な色合いの大陥没地(クレーター)が残った。

…これでちょっとでも、蒼い影の事を連想してくれたらってね!

ギフトって言葉で自己を顕示するなら、
私は蒼って色で自己を顕示するよ。

それだけの茶々入れ。

ご案内:「落第街大通り」から蒼い影さんが去りました。
ご案内:「落第街大通り」にエルピス・シズメさんが現れました。
エルピス・シズメ >   
 落第街大通り。
 今日の落第街は、何時にも増して騒がしく感じた。

 血の香り、魔力の流れ、異能の残滓、遺る激情、誰かの恐怖。
 
 性質上、彼はそういうものを感じ取り易い。

「噂は、嘘じゃなさそうだね。」

 大きな溜息。
 閉まっている店も多い。
 

エルピス・シズメ >   
 路傍に倒れている生徒を見る。
 生徒の傍らにある割れた白黒の仮面は、『ギフトを得た』証だろうか。
 
「ちょっと失礼。」

 倒れている生徒の懐を物色する。
 財布は開かずに置いておき、学生証を引っ張り出す。
 その後で、財布の中にも身分が分かりそうなものがあれば確認する。

「あたりまえだけど、知らない人。
 噂がデマで、力を持った人を集めた……って訳でもなさそうだね。」
 
 検証。
 噂が本当に正しいものなのか、念入りに確認している。
 倒されている『白黒の仮面』を漁ったものの、『共通点も特筆すべきもの』もない。
 
 分からない事が分かった。その程度だ。

(これだけだとさっぱり。……気が進まないけど、直接交戦してみるかな。)
 
 

ご案内:「落第街大通り」に緋月さんが現れました。
緋月 >  
落第街。普段であれば、まず足を向けない場所。
暗い赤の外套(マント)を纏った書生服姿の少女は、ゆらりゆらりと、その大通りを歩いている。

「――――。」

此処最近で起こった色々な事。
正直に言って、まだ消化し切れてはおらず、どう動くべきかも、まだ分からない。

そんな調子で、只何処へ向かうでもなく、ひたすら歩き続けた結果、行き付いた先が此処だった。

「……騒がしいですね…。」

憂鬱そうに呟きつつ、大通りの目立たぬ場所を歩き続ける。
気配は出来るだけ殺している為、余程鋭い手合いでも無い限り、気に留めることもされなかったのだろう。

…それでも、随分と目立つ服装ではある。
遅かれ早かれ、何かしらの因縁はつけられてしまいそうなものだが。

エルピス・シズメ >  
 エルピスが白黒の仮面と、ギフトについて調べている理由。
 自衛のために勢力の把握と、同居人が危険に晒されないための安全圏の確保。
 
 物色した生徒の持ち物は要らないので、元に戻す。

(ナナもイーリスも、大分無茶するから。)

 そんな気持ちで慎重に調査を進めていた所、
 ふと、目立たぬ場所を歩く書生服に赤マントの女性が視界に入る。

 歩き方こそ気を付けているが、
 この落第街においては少々目立つ格好のように思えた。

(いきなり襲ってくる悪い人、には見えないけど……)
 
「……ううん。」

 声を掛けるべきかどうか悩み、書生服に赤マントの女性を遠くから観察する。
 気配の類は、わざと隠していない。
 

緋月 >  
多腕の義手の少年が懸念した事は、少ししてから的中した。
気配は上手く殺しても、やはり服装が目立っていたのか。
4人ほどの、敢えて表現するなら「チャラい」連中が、書生服姿の少女に絡みにかかっている。
チャラいとはいっても場所が場所。
――白黒の仮面をつけてはいないようだが。

少し耳を澄ませば、凡そテンプレートな「お遊びの誘い」の様子。
勿論少女に耳を貸すようなつもりはさらさら無いようで、無視して歩いているのを4人が絡み続けているような形だ。

――やがて、痺れを切らしたのか、一人が少女の肩を強引に掴み、一人が何やら言いながら
少女の外套の中に手を伸ばそうとする。
その拍子に外套が捲れ、手を伸ばそうとする男の目的が少女の腰の刀袋だと分かった、その次の瞬間。

どん、と、やけに響く音と共に、手を伸ばしていた男が十数メートル程、吹っ飛ばされた。


――やったのは、肩を掴まれていた少女。
肩を掴んでいた相手を振り切り、刀袋を手にしての一突き。

最早、男どもどころか、離れて観察している少年にも分かるレベルの怒りの気が、陽炎のように揺らいでいる。
 

緋月 > 「――私の月白に汚い手で触るな。」
エルピス・シズメ >  
 ことエルピスは、気を張らざるを得ない非日常に於いてはそれなりに聡い。
 何かが在る事によって生ずる"流れ"を、多面的に理解することによって"流れを追う"。

 観察の最中、手を伸ばした男が吹き飛ばされ、こちらにやってきた。

 懸念通りのトラブルが生じた。
 その先に起こる出来事も、半分予想外で半分予想内。
 
(……うん。そうだよね。)
(歩き方も"慣れているそれ"だし、今、すごく怒った。)

 ただ問題が起こってしまえば、見ていられなくなり、トラブルの渦中に駆け寄る。
 必要のない行為かもしれないが、そうせずには居られない。 

 その辺の標識をへし折って、割って入り。

「お兄さんたち、何かあったの?」

 怒るる女性には一端触れず、チャラい連中へと向き直す。
 右腕の義手で捥いだ標識を切っ先のように向け、事情は訊けど男の味方でない事は主張する。
 

チャラい男 >  
「ひいっ、あ、新手か!?」
「畜生、何も知らなそうだし、上玉だったから上手く言いくるめられれば――!」
「馬鹿野郎、今の見なかったのか! 異能なのか何なのか知らねぇが、下手すりゃ殺されるぞ…!」

――まあ凡そ、予想通りだろう。
何も知らない女の子を言葉なり腕力なりで連れてって、後はお楽しみか売り飛ばして臨時収入か。

最も、今回は相手が悪かったとしか言いようがない。
袋に入ったままの長物の一突きで、大の男を吹っ飛ばせる人間である。
オマケに、見た目子供っぽくても、標識をへし折って持ってくるような相手が事情聴取に来た。
となれば、自然、取る選択は決まったようなもの。

「お、覚えてやがれ…!」

吹っ飛ばされた仲間を見捨てて、まだ無事だった3人は逃げ出していった。
吹っ飛ばされた上見捨てられた一人は、泡を吹いて白目を剥いている。
 

緋月 >  
「――――。」

コォォ、と、書生服姿の少女から奇妙な呼吸音が漏れる。
すい、と赤い瞳が、標識を手にした少年に向き、

「……今しがたの無礼者連中の仲間では…ないようですね。」

す、と、刀袋を腰に戻し、手を離す。
まだ収まりきってはいないようだが、怒りの気はかなり静まったようだ。
 

エルピス・シズメ >  
 獲物を置く。
 
「ええと……ごめん、つい飛び出ちゃって。
 僕はエルピス。この辺にはよく来るんだ。」

 謝罪と名乗りを行い、空気の弛緩を試みる。

 未だに収まらぬ怒りは感じ取れている。
 怒りに対する、仄かな不安と共に、緊張を強めながらも声を発する。

「……なんか、調子悪そうだったけど、なにかあった、の?」

 目の前の彼女の気を荒立てぬ様、
 言葉を選び、気配を潜めて刺激を減らし、慮るように訊ねる。

 怒りもだが、先ほどの憂いのある素振りも気に掛かる。
 お節介と言えばお節介だし、拒絶されればそれまで。

 それでも、気に掛けている事だけは示したい。
 そのような意思の下、会話を試みた。
 

   

緋月 >  
「――あなたは。」

直前まで気が立っていた影響で、気付くのが遅れた。
よく見たら、見覚えのある顔だった。
確か――

「……暫く前に、氷割りの催しに参加していた方、でしたね。」

ひどく堅い氷に一撃でヒビを入れ、その一点を掘り進めるように正確に短刀で掘り進めたのを覚えている。

「…すみません、ここ最近、精神が乱れる事が多くて。
一時よりは、マシになったのですが……気を落ち着けようと歩いていたら、こんな所まで。」

ふ、と小さく息を吐く。
完全に怒りの気は消え去ったが、今度はどうにも暗い雰囲気が出て来る。
それでも、人の言葉に受け答え出来る程度にはマシなようだが。
 

エルピス・シズメ >  
「あっ、そうだ。あの時の刀のお姉さん。
 お久しぶり、だね。」
 
 記憶を辿って思い返す。軽く笑ってみせた。
 緊張と警戒があったため、記憶を紐づけることに時間が掛かったらしい。

 『音と数が合わない』熟達の太刀捌きの使い手。
 その印象を、再び紐づけて。

「そっか。色々あったんだね。
 気を紛らわすために歩き続けてこんな所まで……って、相当だよね。」

 怒りが静まりと、先程の暗い印象を改めて認める。
 氷割りの人物と同じに見えない位には、暗い雰囲気を覚えた。

「話せる悩みがあったら、聞きたいな。お姉さん、暗くて辛そうだから、心配で。
 解決は出来ないと思うし、聞くだけだけど。……勿論、誰にも言わないから。」

 少しでも楽になる何かがあれば、
 吐き出すだけでも整理が付けられれば。
 そんな気持ちで、彼女の憂いに一歩踏み込んだ。
 

緋月 >  
「…ええ、お久しぶり、です。
すみません、見苦しい所をお見せして…。」

ともあれ、一度だけであっても知った顔に遭遇したお陰か、少しばかり雰囲気が和らぐ。
それを加味した所で、普段であればとても話す事は出来ない事だが――

(……ここは、悪く言ってしまえば、半ば無法地帯。
此処から…学園の側に漏れる事は、考えなくてもいいかも知れません…。)

そんな打算と、「誰にも言わない」という約束に、少し重たそうに口を開く。

「……そう、ですね。
どう言ったらいいのか……私も、正直難しいのですが…。」

そして、その一言が語られる。
 

緋月 >  
「――例えば、例えばです。

何度も顔を合わせて、遊びに行った友人が――すでに死んでいる人間だ、と、信用できる方から
告げられたとしたら――えっと、エルピスさん、でしたね…あなただったら、どう、しますか…?」
 

エルピス・シズメ >  
「…………っ。」

 すでに死んでいる人間。

 その言葉を聞いた途端、彼に強い動揺が走る。
 目を見開き、口を押えた。

(だってそれは、僕にも該当した。)

「奇遇なことに、僕も似た経験をしたことがあるんだ。」
「何度も顔を合わせて、そんなに苦しくなるぐらい……考えちゃう人なんだよね。」

 "自分が告げた"時は、反応は様々だが、受け容れられた。
 だが、それは自分の話で、直接自分から告げたからだ。
 
 少しばかり視点が違うかもしれない。
 それでも、既に死んでいたものとしての視点から、想いを告げる。

「……苦しいかもしれないけど、まず、自分の想いを固める。」
「それから、その何度も顔を合わせて遊びに行く位大事なお友達に、想いを告げてから、理由を訊く。」

 目を伏せたくなる気持ちを堪え、正面を向く。
 少しでも目の前の彼女に伝わるように、と。
 
 ここからは答えの理由が語られる。
 彼自身が体験した感情と経験が、ゆっくりと語られる。

「……エルピスが死んだものであることを受け容れてくれた人たちは、
 みんなそれぞれの形で、僕を強く想ってくれていた。」

「だから、想いを固めて正面から向き合ってくれるのが、
 エルピスは……『僕の場合は』、一番嬉しかった。」