2024/11/18 のログ
ご案内:「落第街大通り」に御崎 眞さんが現れました。
■御崎 眞 >
こんな筈では無かった、人生に置いてそんな言葉が何度頭に過っただろうか。
数えた事は無いけれど、少なくとも両手で足りない程度なのは確かだ。
「…… はぁ」
身を縮こませるようにして『落第街』と言われる場所を歩く、本当に、こんな筈では無かった。
何で此処に居るんだっけ、そう、確か午前の授業が終わって、昼ご飯を食堂で食べる所だった筈だ。
食べるものを選ぼうとして… 今日のフェアとして売られていた『いくら丼』を見た途端、気分が悪くなったんだっけ。
多分あれだな『集合体恐怖症』、って奴だと思う、今日は運悪く『重かった』せいか、そのまま飛び出してしまったようだ。
「午後の講義……どうするかな」
既に始まっている頃合いだけれど、今から戻る気にもなれなかった、あぁ、本当に自堕落極まりないな?
まぁでも、この場所は聞いていたよりも悪くないかもしれない、陰気そうに俯きながら隅の方を歩いても、気にする人もいないようだから。
学生通りとは違う、ある種のじっとりした熱気を孕んだ大通り沿い、聞いたことも無いような商品が立ち並ぶ商店や。
明らかに許可を取っていなかったり、ドラッグストアで扱えないような医薬品を堂々と売っている店。
どうみてもキャッチにしか見えない呼び込み… 余りに非現実すぎて、逆に少しだけ安心する。
少なくとも此処に居る間は、クソみたいな自分自身の現状から目を逸らせそうで… 何て、考える時点で逃げられていないな?
「死ねばいいのに」
『あ?』
がしかし、自分自身への恨みがましい言葉は、どうも更に面倒を呼び込んだらしい、言った傍から……。
イラついた声に目を向ければ、丁度すれ違ったガラの悪そうな男の人が一人、此方にガンを付けていて。
「あ~… ごめんなさい、独り言です」
愛想笑いを浮かべながら彼を見る、体つきだけ見れば中々のものに見えるが、とにかく額に出来たしわを納めてもらいたい。
意図はなかったとはいえ、自分が悪いのは確かな訳なので、一先ず謝って許して貰おうと思ったのだけど。
相手はどうやら、こっちが下手に出たのを見逃すようなタマではなかったらしい。
『… そうかい、へぇ、ほぉん、此処らじゃ見ねえ顔だな、うん?迷子なら[案内センター]にでも連れてってやろうか?』
… 面倒くさい、実に面倒くさい、ついていったら間違いなくカツアゲとかされるだろ。
此方を弱者と判断したのか、下卑た顔になりつつあるそいつに速攻で元から無かった愛想を尽かせながらため息をついた。
■御崎 眞 >
「… 結構だ、帰り道くらい自分で見つけられる」
努めて冷静に、声を荒げずに、深呼吸をするようにしながら男を見上げる。
どうやら、相手は俺に怯えが見えない事に不快感を示しているようだった。
まぁそれもそうか、自分より弱い相手に誇示するのは楽しいもんな。
ただまぁ、そんな事をしていると足元をすくわれえるのは世の常というだけで。
こういう場所なら、その可能性は表よりも低いのか、高いのか…まぁどっちでもいいけれど。
まぁでも、安心するといいよ、君みたいな輩はどうせ持ってるんだろう?
『そういうなよ、さっきの迷惑料だと思ってよ… いい場所、連れてってやるぜ?』
案内センターは何処に行った。
十数秒前の自分の発言を忘れたかのような言葉と共に男の片手が伸び――反射的に、裏手でそれを弾いていた 仕方ないだろう、気持ち悪かったんだから!いきなり手を伸ばしてくるような奴に、ロクな奴はいないんだ。
「だから、いいって言ってるだろ。… 今のでお互い様って事で、此方としては之で終わりにしたいんだけど?
そっちだって、俺みたいなやつを相手にするより、もっと有意義な時間の使い方があると思うんだけどな」
多少、むしゃくしゃもしていたんだろう、ふと財布の中に入れてある薬に意識が向いた。
そろそろ、切れる時間かな、だ何て考えていると、一瞬、視界がぐらりと揺れた。
体が後ろにのけぞり、たたらを踏むようにその場に踏みとどまるが、頬には鮮烈な刺激と、口内に拡がるよく知る味。
あぁ、殴られたのか、何て他人事のように考える、どうも『運が悪いな』だ何て思いながら目線を上げた。
「… 痛いなぁ」
多分、今の俺(というか話してある間ずっとだろうか?)は心底どうでも良さそうな顔をしているのだろう。
相手の感情を逆なでする、という意味では大分優れた行動をとれたんじゃないだろうか、報酬はこの痛みだが。
『どうやら人の好意って奴を素直に受け取れねえみたいだからな、こりゃちょっとお節介焼かせてもらうぜ?』
焼きをいれるの勘違いだろ、というか一応人が殴られたのに、多少の好機の視線が来るだけなのは流石と言うべきなのか。
まぁでも、之で正当防衛にはなるよな―― いや、こんな場所で正当防衛も何も無いか、何て思わず苦笑してしまった。
…之、相手から見ると、殴られてもぼーっとしてる上にいきなり笑いだす頭のおかしい奴だな。
■御崎 眞 >
身体能力にはそこそこ自信がある、竹刀を握れなくなっても、体力つくりだけはずっと行っていた。
正直、それどころじゃない時期はあったけれど、今でもそこら辺の不良程度には負けないつもりだ。
まぁ、逃げるだけならもっと楽だろうけれど… 此処で、何もしないで逃げるほど出来た人間でもないつもりだった。
周囲を見やる、数名の野次馬に、我関せずといった様子の大多数、多分、どっちが勝っても乗り込んでくる奴はいないだろう。
之はただの日常でしかなく、この場所はそれを許容する場所だという事だという事を今更ながらに実感していた。
軽く、こぶしを握る、うん、問題は無さそうだ。
後は軽く相手をすれば、勝手に自爆してくれるだろう。
「お節介を焼けるほど余裕がある顔には見えないな、まずは自分が帰ってからの事を考えたほうがいいと思うぞ
治療費何て払う気はないからな」
本当に、むしゃくしゃしていたんだ、だから、ちょっとくらいいいだろ?
あぁでも、血は嫌だな、他人の血は、勝手に出すならいいんだけど。
ピキッ、と血管が切れるような音がして、再度振りかぶられる拳を避け、腕を取る。
そのまま手を引くようにして体を浮かせ―― 力を籠め、肩越しに、 投げる!
授業でやったっきりの背負い投げはかなり不格好ではあったけど、どうやら一応の形にはなっていたらしい。
汚れた地面にたたきつけられた男から、『ぐぇっ』と小さく呻くような声が零れるのを見て、そのまま手を離す。
いや、このまま寝技とか決められたらいいんだが、俺は流石にそこまでは習ってないからなぁ。
「… それで、もう行ってもいいか?暇ではあるけど、潰し方くらいは自分で選びたいし」
大の字に倒れた相手の手首に、さっき手のひらに付けた俺の血が付着しているのを確認しながら背を向ける。
之で追ってこないならよし、そうでないなら……。
どうなるかな、なんて考えると、少しだけイライラした気持ちが楽になる、多分意識を嫌なものに向けないで済んでいるからだろう。
… そんな思考に入っている自分自身は、正直嫌いだけれど、かといって改善したいと思う程の情熱も今は無かった。
ご案内:「落第街大通り」に柊庵さんが現れました。
■柊庵 >
ものの見事に地面へと投げられた男。
いきなり投げられたとは言えこの落第街の荒くれ者だ。
無駄にタフネスばかりはあったらしい。意識はまだ残っている。
更には不格好な一撃とその捨て台詞が癪に障ったらしい。
地面から飛び起き、気を荒げて血管浮き出るその姿は怒りに満ちていた。
こういう連中は無駄にプライドが高い。背を向けた眞に向かって、
"舐めるんじゃねぇ!"と飛びかかる寸前だった。
ビーーーーーーーーーーーーッ!!
耳をつんざく特大のクラクション。
野次馬の向こう側にあるのは、銀のコンテナを運ぶ大型トラック。
こういう事が日常茶飯事な連中もこの鶴の一声には注目が行く。
クラクションが鳴り止めば、トラックの運転席から顔を出す少女。
「……邪魔なんだけど。
轢き殺されたくないなら、さっさと解散してくれる?」
ドスの利いたうんざりした声音。一旦の脅しだ。
このクラクションと声にに水をさされたらしい。
野次馬はガヤガヤと蜘蛛の子を散らし、
眞に投げられた男も舌打ちをして人混みと一緒に消えていった。
騒がしい一瞬の喧騒が消えたと思えば、運転席の金と眞の黄色が交わった。
「この辺じゃみない顔。
"落第"でもした?なんだか顔色悪いよ?」
先ほどと打って変わって優しげな視線と声音。
落第街にはよく出入りしているが、彼の姿は見たこと無い。
じぃ、と運転席から彼のことを凝視していた。
■御崎 眞 >
――こういった手合いは、直ぐに『刃物』が出るものだよね、何て考えていたのだけれど。
その思考を遮るように、耳をつんざくような音がして、思わず
「―――――― っっっ!!!!?」
その場にしゃがみ込んで両手で耳を塞いでいた、煩いなぁ!?
周囲を見ればトラックを運転している女性と目が合って。
「ぁ…… 」
逃げるように去っていく男の背中、どうやら『助けてくれた』らしい。
「―― まぁいいか」 「… ありがとう、後まぁ、この顔は元からだ」
何にせよ助かったのは事実なので、トラックの運転手に礼を言う。
顔色についてはまぁ、少し前からの日常ではあるのだけれど、生憎改善できるかは『日による』としか言いようが無かった
「… 邪魔だった、な、こっちも事を荒げるつもりはなかったんだけど、この辺りに詳しくはない、し
というか、来るのも初めてだ、今から帰る処ではあったが」
しっかりと見てくれる人は嫌いじゃない、でも見られすぎるのは嫌いだ、嫌いだけど、嫌いじゃない、好きとは言えないけど。
ありがとう、助かったなぁ、こんな場所でも、やっぱり十人十色と言う訳だ。
「トラック?運転中なら之から行くところがあるんじゃないか、俺みたいなのに手間をかけさせて悪いな」
少し思考が、意識が、高揚しているのが分かる、脳内の言葉に無駄が増え、言葉が少し沸き立つように明るくなっていく。
■柊庵 >
重苦しいエンジン音を鳴らすトラックのエンジンを切った。
トラックのキーに付いたストラップをくるくる回しながら、
軽快に扉を開けて降りてくる。何処無く小綺麗な少女の姿。
血のように紅い髪を軽くかき分け、ふぅ、と一息入れて眞へと近寄る。
「どういたしまして。落第街じゃよくあることだけど、
なんだか"慣れてない感じ"だったから。余計なことしてないなら良かった」
半分山勘でもあった。
人によっては、寧ろこの喧騒を求める連中だっている。
何処となく迷惑そうな雰囲気は感じていたが、間違いではないらしい。
ふふ、とほんのりと微笑みを浮かべれば少女は眞を見上げる。
「ふぅん、元からか。いいじゃん、影があって。
本当に邪魔だったら、全員構わずぶっ飛ばしてたから大丈夫」
しれっと言ってのけた。
場馴れしているからこその発言かもしれない。
「まぁ、そうだね。
普通の人は、理由なく来るような場所じゃないよ。
帰るのは正解……かな。ただ、歩くと遠いし乗ってく?」
「もう仕事終わった後で、アタシも帰りだったし」
ある意味タイミングが良かったかも。
どうする?と親指で背後のトラックを指さした。
■御崎 眞 >
赤か、血じゃないけれど、鮮やかな色だな、染めてるんだろうか。
あぁでも、異世界とかだとこういう自毛の人もいたりするのかもしれない。
曲がりかけの猫背を少し伸ばして、彼女の容姿をゆっくりと眺めるようにしながら、口を開いた。
「そう?まぁ、嫌じゃないならそれに越した事は無いが、正直あんまり好かれるとは思わないな」
俺自身、余りいい"顔"をしてない事くらいわかってるが、目の前の彼女が本気で褒めているのかは分からなかった。
まぁ、それこそ十人十色と言う事にしておく、少なくとも先ほどの男よりは話していて不快感は覚えないだろう。
「なるほど、流石に慣れてないと、こんな場所に車何て走らせられないか…
ん、そう、だな、折角だからお願いしようか、でもいいのか?別に出来るお礼も無いが」
俺が言うのもなんだけれど、悪い奴には見え無さそうだった、お節介を焼かれるのは正直不安も感じるが。
此処まで来てしまったのだから、このまま流れるままにするのもいいだろうと思ったのだ。
今日は多分、そういう気分だったのだ。
「… 御崎眞だ、一応名乗っておくよ、世話になるし」
肩を竦めながら今一度トラックを眺める、一体何処に、何を届けるんだろう、先ほどから見えてた商店たちにも配達したりしているんだろうか。
■柊庵 >
じ、と見上げる金の瞳に映るのは影のある男の子。
ただ、思ったよりも売られた喧嘩を返すくらいに気概はあるらしい。
気弱そうには見えるけど、案外我は強いのかな。
その服の裏側は、時分が思うよりも鍛えられてそうだ。
「好きな人は好きだと思うよ。
……っていうのもありきたりな言い方だけどね。
常世学園で普通に学生やってる人?」
なんて聞きながらよ、とトラックに乗り上げる。
扉を開け、再び運転席に付けば重苦しいエンジン音が周囲に響き始める。
大変容の型落ち品だ。吐き出す排気ガスは、世代によっては珍しく感じるかもしれない。
「トラックで色々と運ぶ仕事してるからさ。
と言っても、悪い奴らとは付き合ってないよ?落第街に暮らしてる人、とか。
後は異邦人街の方とかさ。"ワケあって"委員会にも頼れない人の助けをしてる感じ」
だから、もう慣れっこと微笑んだ。
「アタシは柊。柊庵。眞くん……で、いい?」
「さ、早く乗った乗った。
さっきのが仲間を連れてこないとも限らないよ?」
ほら、ハリーハリー。
と、運転席から腕を振って急かす。
■御崎 眞 >
気が強い、或いは快活そう、というイメージが正しいのだろうか。
白いカッターシャツを着こなす姿は、ある意味この場所に似つかわしくない清潔感すら漂わせていた。
多分、腕っぷしもいいんだろう、或いは異能や… 魔法とか、そういった方面の強さかもしれないが。
「… 」
質問に対しては小さく頷く、この場所がどういう場所か知っているため、余りひけらかすように言うのはやめておいた。
どういった立場を取るのが一番いいのかは、状況次第で変わるものだから。
鼻先を掠める匂いに、思わず眉を顰める、ツン、とするような、肺にいれるとくすぶってきそうな、余りいい匂いとは言えないものだ。
唸る様に音を上げるトラックの助手席では、体全体が少し揺れるような感覚に襲われて、物珍しさにまた思考がずれそうになる。
「運び屋… っていうとちょっと通りが悪いか、個人事業って所?
委員会は…まぁ、この学校の委員会の性質を考えると、頼みづらい奴がいるのは分かるが」
ようは警察や公安を頼りづらい立場の人、と考えれば色々想像は出来るもの、どれだけ上が頑張っても、取り落とすものはあるもので。
なら、拾う神もいる、彼女もそういった事を生業にしている… のだろうか?
「イオリか、 …ん、それでいい、別に呼び捨てでもいいけど、好きにしてくれ」
深く座り直すようにしてから、ちょっとシートを後ろにずらす、天井に目を向ければ、頭に上っていた血がすぅ…と下がっていくように思えた。
■柊庵 >
頷くのをみるとやっぱり、と呟いた。
こと"迷子"においては、珍しいものじゃない。
「シートベルトは締めてね。表に出た時面倒だから」
じゃあ、行くよとゆるくアクセルを駆け、進み始める。
大昔の車だ。丁寧に運転士ても、揺れや振動はよく伝わる。
あんまり酔わないタイプじゃなければいいけど、と思いながら横目でチラリ。
「じゃあ、眞。いいよ、運転席じゃ二人っきりだし。
後、私もちゃんと学生やってるんだよね。勿論運び屋は内緒だけど」
「免許持ってないしね。未成年だし」
その性質上、大まかな仕事は委員会と被るし、何より"無免許"。
当然免許を取得できるような年齢ではないで当たり前だが、
乗った後に言う辺りが大分だが、そうでなきゃこんな事はしてない。
ただ、運転にはかなり慣れている感じがある。
無免許でも仕事を続けられるだけの腕前はあるらしい。
「運び屋でいいよ。私自身がそう名乗ってるんだし。
……いっそ救われてくれたら楽だけどさ、そう簡単にいかないしね。
表で簡単に暮らしていけない人とかさ。いるんだよね、結構」
誰もが好きで"落第"してるワケじゃない。
素行不良。元が荒くれ者とか色々いるけど、
"普通"じゃ生きられない人だっている。
事実、それに助けられる人物は多いらしい。
助手席の窓ガラスに映る落第街の住民の視線は、何処となく織田やk差を感じる。
「……にしても、いきなり絡まれるなんてアンラッキーだね。ちょっとは落ち着いた?」