2025/04/25 のログ
ご案内:「落第街」に海藤 宗次さんが現れました。
海藤 宗次 >  
「風紀の重要人物。南海巴…。この嬢ちゃんはな風紀委員でもあるし親が風紀委員に装備を提供している一つのスポンサーでもあるんや」

とあるビルの屋上。
海藤宗次はいつもの装備とはうって変わって重装備だ。
狙撃ライフルを構えており、隣には宗次の部下が狙撃手のサポートをする観測手として立っている。
宗次は相方に今回の暗殺作戦のおさらいをするように言葉を続けた。

「彼女は普段は厳格な人物で表に出ることはない。ましてやこう都合も良くピンポイントで狙撃ポイントには来おへん。」


本来狙撃とは数日も下手したら1か月も待ってやるものだ。
だが今日、彼女がここに通るという確証はあるのだ。


「ま、俺も風紀の側面もあってな?巴ちゃんに相談したらこの通りや。」

そう、風紀委員としての宗次の顔があり、それを利用して釣ったという訳だ。

「もうすぐや」

海藤 宗次 >  
「来たか。」

観測手から合図が送られる。トントントンと爪先で床を叩く音。
座標を告げられる。
告げられた座標の先には黒い車。
防弾仕様で並大抵の弾丸じゃ通用しない。

そして黒い車の窓越しにターゲット(南海巴)の姿を確認した。
彼女は確かに優れた風紀だ。実際剣士としても上澄みの中の上澄みだろう。


「だけどそもそもの話、剣抜かれへんかったら意味がなーい。
 今まで俺ら(違反部活)の事苦しめてきた罰でも食らえや」


引き金を引く。
彼女はまだ車から降りず…車も防弾仕様だから通らないはず。
だがその考えは甘い。
何故ならば宗次が引き金を引いたのは世界でも最大クラスの対物ライフルだからだ。

車は直後に爆発し炎上…ガソリンが引火したから中の人間は全員死亡…
即死といかなくてももう死んだも同然。

海藤 宗次 >  
「気持ち良い~」

車の中から絶叫が聞こえる。
いつも邪魔をしてくれたあの女の声だろう。
その最期は皮肉にも剣では戦わせてくれずにすら終わった。

そして宗次はというと上機嫌だ。
というのも昨日の武器の取り寄せは正解だったからだ。
今日は試し打ちがてらに暗殺任務を遂行したがなるほどこれは便利だ。


「つっても基本的に格闘がメインなんよなぁ…。いっつも狙撃銃担ぐわけにもいきまへん。
 作戦に応じて色々銃は切り替えていきまひょ」


狙撃の鉄則。
一撃必殺であることと、撃ったら即時撤退。
宗次は対物ライフルを隠す為のギターケースに収納し、狙撃ポイントから撤退する手筈を整える

ご案内:「落第街」に龍宮 鋼さんが現れました。
龍宮 鋼 >  
つい今しがた爆破炎上した車。
その轟音に負けず劣らずの派手な音を響かせ、屋上に続くドアがビルの内側から蹴り破られる。
吹き飛んだ鉄扉はこれまた派手な音を立てて屋上の床を不規則に跳ねながら転がり、落下していく。
暫くの静寂の後、はるか下方で響く轟音。

「おーおー、派手な花火ブチ上げてんじゃねぇか。
 まーだ花火の時期にははえーんじゃねぇの?」

その場に似付かわしくない――声から隠し切れない乱暴さはむしろ誰よりも似合っているかもしれない――のんきな言葉を吐き出しながら、ブーツをゴツゴツ鳴らしながら。

「で?
 物騒なオモチャ振り回して遊んでんのはどこのヤンチャ坊主だよ」

ポケットに手を突っ込んだまま、彼らの前に立ちふさがる女教師。

海藤 宗次 >  
「あちゃー、みつかちった…てへ」


さて、撤収と言ったところで思わぬ乱入者だ。
見た感じはこの落第街にあっていそうな人物だ。
つまりは風紀ではない、別の勢力か?

瞬時に推察しながら宗次は舌を出しておどけてみせた。
自分の中では一番かわいげのある顔をしてるはず。


「あー、自分らちょっと火遊びしちゃった感じですわ。まー用は済んだんでこれ以上は何もしないで退散しますわ。だめ?」


ヘラヘラと媚へつらう顔で手もみをする。
その間に相方に合図を送ってスモークグレードを投擲し煙を焚く。
無害だが視界は悪くなる。いわば逃走用だ。
二手に分かれ、扉前に立ちふさがる相手の横からすり抜けるように通らん。
相方は相手から見て左、宗次は相手から見て右側からのすり抜けだ

龍宮 鋼 >  
何か返事をしようとした瞬間、視界を煙幕が覆う。

「やるじゃねぇか」

にい、と口を吊り上げ、笑う。
下手に抵抗せず、視界を奪った上で即逃走とは、なかなか潔い。
ゆるり、とした動きで右足を上げ、

「――ゥおらァア!!」

裂帛の気合と共に振り下ろす。
ドアを蹴破った時とは比較にならないほどの轟音と共に、屋上の床が消し飛んだ
一瞬で瓦礫と化した屋上の床だったものと共に、三人は一つ下の階へ落とされる。

「せっかく来たんだ、俺ともちょっくら遊んでけよォ!!」

吠え、ビルの最上階だった場所に着地した直後、共に落下しているはずの海藤へ、全力で右拳を叩き付ける。

海藤 宗次 >  
「先に行ってや」


なるほど、屋上ごと消し飛ばしたか。
盤面ごとぶっ飛ばす手段はやってはいないができない事じゃない。故に予測は出来た。
宗次の相方は身体能力が上澄みだろう。体にブレもなく着地し、相方の方は煙のようにスッと消えてしまった。恐らく逃げたのだろう。

「屋内戦かぁ。確かに対物ライフルでやるにゃ、難しいねんな。
 けど敢えてここはライフルでやったる!」


空中で対物ライフルを抜き、
地面目掛けて射撃。
凄まじい衝撃が空気を伝わる。
対物ライフルの反動で落下するスピードを調整し、相手の拳を空かす。

着地と同時にバク転で距離を取りながら二連射。
一つは相手の脳天へ。もう一つは近くの壁へ。
バク転中、しかも片手での対物ライフルの正確な二連射だ。

龍宮 鋼 >  
ライフルの反動で身体を浮かせて回避。
無茶苦茶やっているが、それはこちらも同じことか。

「オイオイオイオイ、ケンカすんなら――」

肉食獣の様に口を開き、狂暴な笑みを浮かべながら地面を蹴る。
額のど真ん中に向けられた銃口は全く意に介さず、放たれた銃弾は彼の狙い通り脳天を、

「ステゴロだろうがァ!!」

貫かなかった。
金属のような甲殻に覆われた拳で銃弾の横っ腹をブッ叩き、銃弾は火花を散らして弾かれる。
低い姿勢で砲弾の様に突撃し、今度はこちらが彼の顔面に拳を発射する。

海藤 宗次 >  
「いやー喧嘩も好きなんですがすんまへんなぁ…俺、今あんまし乗る気やないのよ。それに」


戦車すら貫く弾丸がいともたやすくはたき落とされた。
これは正真正銘の化け物で貧乏くじを引いたかもしれない。

「この銃高いねん。そう簡単に捨てられまへんのよ」

相手が突っ込んでくる。
搦手は無し、非常に分かりやすい。
避けるか?いや、ここはリスクも承知で一つ策を切ろう。

「がほっ……」

相手の拳が宗次の顔に叩き込まれ、顔が変形する程だ。
確かな手ごたえと共に原型こそ残ってるもののふらりとその身体が後ろに倒れかけて……

「サプライズ」

何かが外れる音と共に足元に落ちた。
これは手榴弾だ!
しかも距離的に二人を巻き込む位置に転がしてきた。

龍宮 鋼 >  
「そんな高ェオモチャなら、家に大事にしまっとくんだな」

こちらの拳が顔面にクリーンヒットし、大男がよろめく。
さらなる追撃のためにさらに一歩足を、

「――」

踏み出そうとした瞬間聞こえる僅かな――手榴弾が転がる音。
ほんの一瞬視界の端にそれを認め、

「――ォおらァ!!!」

躊躇なく手榴弾ごと踏み抜く。
サプライズプレゼントは足の裏で炸裂し、しかしその爆発は二人どころか自分の足を拭き飛ばしたりはしない。
爆破の衝撃を脚から背中、肩を通して拳に伝え、自分の膂力に爆破の威力の一部を乗せて、彼の顔面へ叩き込む。
勿論こちらもただでは済まない。
ズボンの右膝から下、ジャケットの左袖ははじけ飛び、派手に血が噴き出ている。
ジャケットこそ無事ではあるが、右腰と左肩を繋ぐラインも同じように出血しているだろう。

海藤 宗次 >  
「ちぃ、仕事道具やねん!」

一応手榴弾も食らう予定にあったが相手が無理やり踏み抜くのには驚きを隠せない。
攻撃の為に手を緩めずに常に最短距離で叩き壊しに行く。
正直接近戦では宗次がライフル装備なのと屋内という事もあり不利。

この状況のままでは次第に相手に主導権が移りつつある。
故にリスクだが仕留める必要がある。

「体が頑丈なのな。俺もやけど!」

よろめいた体に拳が叩き込まれる。
それをサマーソルトに移行して拳の方向性を変えて攻撃を逸らす。
その際に使った脚はかなりしびれが来たが…問題はない。

近距離だがさらに距離を瞬時に詰めて対物ライフルの銃口を相手の顔へと
非常に近い!

「最後の一発!ゼロ距離じゃ!」

丁度装填した弾も撃ち尽くす頃合いだ。これでゼロ距離で決める。

龍宮 鋼 >  
目の前に突き出される銃口。
それでも尚、その視線は彼の顔を真っ直ぐに狂暴に貫いている。
左拳を弾かれるも、その勢いを利用しさらに一歩踏み込み、吠える。

「おおぉァーー!!」

その咆哮をかき消すような銃声。
轟音と共に放たれた弾丸は狙い違わず顔面に着弾し、後ろに大きくのけ反った。

「――ってェなコノヤロウ!!」

しかし、頭ははじけ飛んではいない。
確かに弾丸は大きく開いた口へ飛び込んだ。
その瞬間、弾丸にかみついたのだ。
勿論いくら半竜人とは言え、生身ではそんな芸当が出来るわけはない。
顔の左半分――銃弾が着弾した側――は鋼の鱗と甲殻に覆われ、まさに龍と呼ぶに相応しい形に変貌している。
それでも尚、頬はズタズタに引き裂かれ、ぼたぼたと血が零れ落ちているが。

「あァくそ、いてェしうるせェし、ガクセーが使うようなオモチャじゃねェだろそれ……」

視界がぐわんぐわん揺れる。
彼から見ても明らかに平衡感覚が狂っているのがわかるだろう。
しかしそれでも尚、赤く爛々と光る眼は戦意を喪失していない。

海藤 宗次 >  
「こないな…おいおい、冗談かいな」

感覚でいえば捉えた。
だがあろうことか弾丸を口で噛み、防いだ。
その代償に頬を割けたが…対物ライフルでこの戦果はハッキリ言ってないようなものだ
顔を苦くしつつ弾切れのライフルを床に棄てた

「能力かなんかは知らんがどんだけ硬いねん。…けどなるほどな。強くて硬い。単純だがそれだけに破られ辛くなって、半端な小細工も効かへんってやつか」

耐久力が常人のそれではないのはその露出した鋼の鱗に起因するものなのだろう、と推察。
あの傷は通常であれば深手のはずだが…こと目の前の相手にそんな常識が通用するものだろうか


「学生が使うようなオモチャやない…か。それ、俺やなくて風紀の連中に言ったらどうや?公安でもええで。」


少なくとも風紀が使ってくるならばこちらも武装を強くする必要がある。
そんな理屈を吐きつつも、突然、外で鳴るバイクのエンジン音で構えを解く。
一瞬、中華拳法のような構えを取ろうとしたがそれを解いてこちらはもうすでに戦意が無くなっており外をチラっと注視する。
そろそろ迎えが来てもいい頃合いか…

龍宮 鋼 >  
「オイオイ、大事なオモチャじゃねェのかい?」

あっさり捨てられたライフル。
それをからかう様に笑って見せて。

「生憎と、半分龍が混ざってるもんでね。
 ガキの頃ァ随分振り回されたよ」

クックック、と笑いながら。
とは言え今は振り回されないわけでもないのだけれど。

「俺から言わせりゃどっちも同じだよ。
 力持ったガキが自分は特別なんだって勘違いしてオモチャ振り回してんのと一緒だ」

バイクの音を聞きつけて、こちらもポケットから煙草を取り出し火を付ける。
手榴弾の衝撃を通した右足から左腕はボタボタ血が零れ落ちているし、顔は骨が見えるほどにぐちゃぐちゃ。
それでも尚平然とした様子で煙草を咥え、煙を吐き出す。

「ケンカ売るならちゃんと売れよ、ボウズ。
 それとも何か?
 『ボクを殴ってきたやつにはかなわないから、ボクは勝てるやつにしかケンカうれないんだよぉー』ってか?」

海藤 宗次 >  
「出費は痛いけど弾無くなっちまえばただの荷物やしなぁ…。」

少しの間唸ったが判断の末にここに棄てて逃げた方が身軽だと判断。
つまりは全力逃走を選択。
ライフルを捨てて距離を置く

「龍の血か…羨ましいなぁ。俺みたいななんの特別な力持たへん人間は武器に頼るしかないねん」

情けなく声を上げる。
まるで自分が弱者であり被害者であるかのように大げさに

「そら、俺の方が偉いやろ。沢山殺してるし。キルスコアなら負けへんて」

更に下がる。バイクの方へ。
先ほどライフルで壁に穴をあけた方へ抜ける。

「売ってるつもりはあらへんのやけど…まあ、概ねあんさんの言ってる通りや。
 俺はビジネスマンや。戦って手ごわかったら身を引く。
 ほんでムカついたら真正面から戦わへん。超遠距離から四六時中チクチク攻撃したるからな。覚悟しきぃ~。
 これが漢の戦いや」

飛び降りる。
その先にはバイク。多分ツレが持ってきた奴だ。
結局今夜は手痛い出費と手痛い怪我を負ってしまった。
しかしながら暗殺は成功したためまずまずと言える。

ご案内:「落第街」から海藤 宗次さんが去りました。
龍宮 鋼 >  
「ッハ。
 戦争でもねェのに、偉そうに」

去っていく男を見送りながら、冷めた笑顔を浮かべる。
ぐちゃぐちゃボロボロのまま煙草を投げ捨て、靴で踏み付けて消す。

「――あーあー、穴ァ開いちまってんじゃねぇか」

足の裏に変な感覚がしてブーツの裏を見てみれば、ガッツリ穴が開いてしまっていた。
なんなら素足の裏にも穴が開いている。
骨までは見えてはいないが、大怪我だ。

「っと、風紀の連中が来る前に俺もトンズラしますかね」

遠くに赤い制服の姿が小さく見える。
面倒なことになる前に逃げますか、と小走りで階段を下りていく――

ご案内:「落第街」から龍宮 鋼さんが去りました。