落第街の大通りから裏路地までいたるところに存在している違反部活群。
違反部活とは校則で禁止されているような非合法な活動に手を染めている部活や組織の事である。
不健全な店、風俗店などの娼館めいたものや、違法薬物の売人、違反部活のために働かされる二級学生、違法なレートの賭博、異能/魔術犯罪組織などがひしめく魔界である。
風紀委員などの手入れが入ることもあるが、落第街そのもの全てを摘発することは困難を極めるため未だ違反部活などは存在したままである。
違反組織の拠点や住居などもここに多く存在している。
※フリー設定ルームなので、落第街に存在する違反部活にまつわる施設や活動などのロールに合わせて設定などご自由に御変更ください。
参加者(1):ROM(3)
Time:00:07:59 更新
■霞流 周 > ギフトというのは、授かった者が元々持つ力を強化したり、新たに力を得たりするものらしい…と聞いた。
お手軽そうな話だけど、何かしら裏もあるのかな…と、ぼんやり考える。
「…でも、私…みたいな未熟者に…返り討ちにされるようじゃ…ね。」
確かに、強化された異能や魔術、身体能力は驚異的だから油断は出来ないし危険な類の力も多いだろう。
――だったら、使われる前に斬り伏せてしまえばいい…実際、少女はそう対処した。
それ故の、この死屍累々といった有様だ…まぁ、別に殺してはいない。
どれだけ強い力を得ようが、使い手に隙があればその間隙を縫って斬ればお終い。
片手に刀を鞘ごと携えながら、服の汚れを無造作に叩き落とす。こういう連中が増えるととても困る。
おちおち、落第街とかをのんびり散策も出来ないではないか。
■霞流 周 > ―――――――残。
瞬く刹那に銀光が周囲の者たちを切り伏せ、地に沈めた。
緩やかな仕草で、少女は右手に携えた刀を鞘へと納める。
「―――ん……これで…最後…かな…?」
ぽつり、ぽつりとやや途切れがちに呟く声に感情や抑揚は無く。
茫洋とした双眸は己の周囲に倒れる老若男女を見下ろす。
…偶々、この付近をフラフラと散策していたらいきなり襲撃をされた。それだけ。
「……白と黒の…仮面…?」
倒れ伏した全員が、何やら独特の白と黒のデザインの仮面を顔に付けていた。
今は、どれもこれも少女の一刀で断ち切られて残骸が転がるばかりだ。
「……噂の…”ギフト”を貰ったっていう…人達、かな…。」
紅い怪異に続いて、今度は白と黒の仮面の者たち。次は青い何かでも来そうだ。
「……相変わらず…騒動や…事件に事欠かないね…。」
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に霞流 周さんが現れました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」からシアさんが去りました。
■シア > 「ん、じゃあ……また」
去っていくエルピスを見送った。
そして
「……ああ」
辺りを見回す。
うめき声を上げる影がいくつもあった。
「……ん」
放置されたヒトガタをどこかにまとめて、少女もその場を去った。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」からエルピス・シズメさんが去りました。
■エルピス・シズメ >
「ありがとう。……じゃあ、またね。シア。」
嬉しそうな声色で、挨拶を交わしてこの場を立ち去った。
……ヒトガタは、当然放置。
■シア > 「そう。よかったんだね、じゃあ」
頷く。
言葉によるやり取りは、やりづらい。
ただ少なくとも、今回はよかった……のだろう。
「いいんだと思う、エルピスには。
我儘も」
是非、ということは少女にはわからない。
けれど、心の平穏を保てるのなら、我儘もいいのだろう、と思う。
人それぞれ、だろうし。
「ん。手伝う、上手くいかないなら」
それこそ、今の話だ。
必要であれば、我儘を言えばいい。
それくらいは、してもいいのだろうと思うし。
「うん。平気、帰れる。
気をつけて、エルピスも」
■エルピス・シズメ >
「うん。……少なくとも、僕にとっては。」
受け取り方や想いにズレがあれど、
エルピスは、シアの言葉に希望を見出した。
エルピスが勝手に見出した側面もあるが、希望は希望。
こうして少しずつ、ピントが合っていくのかもしれない。
「あんまり我儘を出すことは、少なかったんだけどね。
……少し位は出しても、いいかなって。」
これまでは、伺うばかりで択ぶ事をしなかった。
心境の変化で我を出す様になったのは最近のこと。
「ありがとう。シア。
上手くいくつもりでやるけど……上手くいかなくても、頑張るよ。」
少なくとも、択べる内は大丈夫。
色々やってみて、考える事にする。
「僕はそろそろ行くけど、シアなら帰り道は……は大丈夫だよね。」
■シア > 「……そう?」
白か黒か。生か死か。
少女の世界は明瞭であり、だからこそ選べるものが少なかった。
言えることが、ほとんどない。
世間ズレしていることは流石にわかってきている。
その自分の考えで、相手を元気づけられたのであれば、それは実に珍しいことだ。
少しはピントが合ってきたのだろうか、と少し考えるが……油断は禁物であろう。
「ああ……なるほど」
仕事ではない。そう、エルピスはいう。
ただ、己の想いのために。
それなら、選べるのだろう。
「ん。交換した、連絡先。わかった、よろしく。
最近覚えたし、使い方も」
知り合った女子から色々学んだ。今ではそれなりに使える。
「……うまくいくと、いい」
■エルピス・シズメ >
「そうだね。……うん、今日はシアにとても元気付けられた。
上手くいかなくても、出来ることを……やれるところまで、頑張らなきゃ。」
エルピスにとっては、激励と映ったらしい。
上手くいかなくても頑張る。思い通りにならないことが当然。
そう激励してくれるものは少なく、
そう言っていられる状況はもっと少なかった。
でも、今は違う。
思い通りにならなくても危機にはならないし、
試行し続けられるだけの余裕はある。
平静と余裕を取り戻すには、十分な言葉だった。
「探偵さんや警察さん、あるいはヒーローのお仕事だけど、これは僕の我儘だからね。
……残念ながら、お仕事じゃない、かな。」
苦笑い。
誰かの為ではなく、自分の為のささやかな復讐。
だから探偵や警察とは違うかな、と、思っての言葉。
「たしか、連絡先も交換していたよね。
一応、あとでちゃんとした似顔絵と画像データも送るよ。シア。」
襤褸紙に血で描いた資料では少し心許ない。
なので、後でデータを送ると伝えた。
■シア > 「……ん」
そう考えれば、生かしたことはただの慈悲、ともいえないかもしれない。
けれど、その善悪、などということを論じることも、考えることもない。
それは、そういうものなのだ、と少女は受け止める。
「多くあるはず、上手くいかないことも。
やるだけ、できることを。後悔の果てでも」
やるだけやって、ダメだったらそれまで。
選んでみて、ダメだったらそれまで。
思い通りにならないことなど、無数に味わってきた。
無限のそれまで、の中で精一杯やるしかない。そう、少女は考える。
「ああ……一杯いるね、こういうの。
面倒そう、確かに」
実際、たまたま追い回されたこともある。
相手にはしなかったけれど、相手取るなら面倒くさそうではある。
「……痕跡、動機……そういうの。
探偵の仕事と記憶してた、警察じゃなければ。
違った……」
どうやら、どこかで学んだらしい単語を口にしたようである。
「……えっと……うん。探すね、これ」
ともあれ、ギフター、なるものの似顔絵を指してみせた
■エルピス・シズメ >
「痛くもないし、苦しくもない。
罪を贖い続ける必要もないし、奴隷にもならなくていい。
困難なそのあとに悩まなくていい。だから……救い。」
故に、エルピスは殺す事よりも生かす事を選ぶ。
当然、そうできないことも、ないと言えば嘘になる。
(……一線を超えない為の誤魔化しかもしれない、けど。)
「そうだね。選択の連続なのかも。
……後悔しない様に、しなきゃね。」
自己嫌悪を超えて、取返しの付かない後悔だけは避けよう。
内心でそう決意する。
「うん。もしかしたら外している可能性もあるけど、だいたいこう。
そうだね……無力化できたら、それがベストかな。出来そうならお願い。
信徒が多かったりした時は、様子を見た方が良いのかな……。」
思案を変えて、無力化にも頷く。
集団の頭であることを踏まえて、多勢で在る時は無理しない様にも伝えた。
「探偵……ううん?
この辺で、数ある事務所は経営しているけど……」
記憶を探るが、紐づくものを思い出せなかったらしい。
不思議そうに首を傾げた。
■シア > 「死んだら救われる…… あるんだ、そういう考えも。」
しかし、考えてみれば死は終点。
行き着くところまで行ってしまったとするならーーそれはよいことなのかもしれない。
なるほど
「難しそう、いろんなことがあるし。
決めるしかないんじゃないかな、その都度に」
はっきりしないこと、その時になってみないと気づかないこと、わからないこと。
定まらないことは、気持ち悪い。それに……なんともむずかゆいし、どうしていいか困る。
よくわかる。わかるので、わかることから固めていくしかない、のだと思っている。
固めきった先に残るものは……その時に考えるしかない。
「……ああ。仮面なんだね、ボスも。
いらない、無力化は? するよそれくらいなら。無理だけど、殺すのは。」
見かけた場所を、何をしていたかを知りたい。
それだけで、本当にいいのだろうか。
捕まえるなり、なんなりしたほうが効率的ではないのだろうか。
「ん。逃げるよ、危なければ」
無理をするつもりはない。死は、避けなければいけない。
必要な時まで。
「あ。探偵……だっけ?」
ふと、なにかの言葉を思い出した
■エルピス・シズメ >
「ありがとう。大好きな人が、生きたから、よかった。」
頷く。エルピスの死生観もほんの少しずれているが、
それでも祝いやねぎらいは素直に喜ばしい。
「こだわり……。
……うん、生かした。死んだら救われちゃうから、生かした。
でも、殺さなくて良かったとも、思う。自分で決めたものって、曖昧。」
エルピス自身にも、そこが最後の一線かどうかはあやふやだ。
己の敷いた矩だからこその曖昧さはあれど、この場に於いては安堵の材料足り得た。
「うん。大事にしたいものがある。
ありがとう。協力してくれるなら……そうだね。
もしも顔を見掛けたら、後で教えてくれるぐらいで大丈夫。」
「後は見掛けた時、どんなことをしていたか、ぐらいかな……
ギフターだって生き物で人間だから、『動機』があるって、僕は思ってる。」
協力を提案されると、嬉しそうに頷く。
遭遇地点の連絡と『何をしていたか』が知りたいらしい。
その辺の棚から紙を取り出して、強く握った時に出た血を使って器用にギフターの似顔絵を描く。
「痕跡と動機が見えれば、追いやすくはなると思うから。……でも、危なくなったら逃げてね。」