2024/08/08 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に蘇芳 那由他さんが現れました。
蘇芳 那由他 > 「―――うん、これは困ったなぁ…。」

何時ものように迷った末、落第街をうろついていたら何か声を掛けられた。
…かと思えば、あっという間の手際で拉致されて現在、よく分からない内に何処かの建物の中で監禁中。
今は後ろ手に縛られ、何人かの子供達と一緒に狭い部屋に閉じ込められている有様だ。

(…人攫いの集団…かな?拉致されたのは僕以外はみんな子供…と、いうか格好からして…。)

スラムの子供達だろうか?前に一度迷い込んだ際に、見掛けた子供たちと服装や雰囲気が似てる気がする。
何やら向こうで色々と人攫いの連中が話しているようだが、生憎と地獄耳ではにので聞き取れない。

(…身寄りのない子供たちを拉致して売り飛ばすとかそういう感じなのかな?僕はついでなのかも。)

まぁ、覇気の無い全く強そうに見えない凡庸な少年がふらふら街を歩いていたら、そりゃいいカモだろう。

蘇芳 那由他 > 子供達はみんな表面上は気丈に振る舞っているが、まだ幼い子は泣いたり俯いたりしている。
少年が一番年長者という事になるが、その少年はといえば何時も通りだ…本当に何時も通り。

「…何とか子供達だけでも逃がせないかなぁ…うーん…。」

とはいえ、自分に出来る事なんてたかが知れている。
【槍】の力はあまり大っぴらにすべきではない…この前、釘を刺されたのもある。

(…いざとなったら使うしかないけど…誰か通報してくれ――てないだろうなぁ。)

拉致されたのが落第街、しかも連中の手際が良すぎたので目撃情報も少ないだろう。
さて、どうしたものかと。足りない頭で考えてみるが妙案は浮かばない。

何やら話し合いが纏まったのか、連中の一人が扉を乱暴に開け放つ。
恐怖に震える子供達――ただ一人、この凡庸な少年だけは何時も通りのまま

蘇芳 那由他 > どうやら子供たちの”売却先”が決まったようだ。何人か連れて行こうとする様子に、後ろ手を縛られたまま立ち上がり。

「…ちょっと待って下さい。まだこの子たちは――」

さりげなく、人攫いの組織の構成員と子供たちの間に割って入って抗議――した瞬間、思い切り殴られた。

「ガフッ…!?」

ただでさえ狭い部屋だ。思い切り遠慮なく顔面を殴り飛ばされた挙句、壁に叩き付けられる。
一瞬だが意識がトンだ……でも、ここで気絶したら子供たちが売り飛ばされてしまう。

(…いや…それは…駄目だと…思うんだよね…。)

壁に叩き付けられて、ズルズルと崩れ落ちそうになるがギリギリで踏みとどまる。
構成員の男は、面倒臭そうに舌打ちをして少年を睨んでいる…今ので気絶しなかったからだろう。

「……大の大人たちが…雁首揃えて…何やってるんですか。…子供達を解放…してやって…くださ――」

今度は顎を蹴り上げられた。脳天が揺れる――あ、本当に意識が飛びそう…。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」に蒼い影さんが現れました。
蒼い影 >  


    「はーいそこまでー、全員動くなー?」


 

蒼い影 > 蒼い影が降り立つ―――と、
組織の連中、みーんな動きが止まる。
ちょっとばかり面白い魔法を使っただけだけどね。
動けるって可能性を叩き壊す蒼檻を、演出するように1人1人に。

本当は今日授業の予定だったんだけどさ。
なんだろうね?

「今日は七夕の授業でもしようと思ってたんだけどな、まいっちゃうねほんっと。」

見つかったからゴミ掃除してこいとさ。
ウケる。

「どうせ恐怖するんなら私にしなよなー」

種族柄、恐怖にはちょーっと敏感なんだ。
…荒事あったみたいだなーこれ。誰か殴られてたか。

とりあえず適当に解放解放。
そんであとは野次馬だー。

蘇芳 那由他 > 「……ぁ…?」

誰か来た?風紀委員の人だろうか?それとも別の誰か?
今まさに顎に一発追加で貰って崩れ落ちそうになりつつも、明滅する視界が”ソレ”を見た。

10数人の構成員達は、誰も彼もが動きが止まる…だが時間が止まった、とかでもなさそうだ。

(―――っていうか、僕まだ意識保ててるの割と奇跡では…あと、めちゃくちゃ痛いんですけど。)

少年は多少喧嘩の心得があるくらいで、戦闘面は雑魚やモブみたいなものだ。
【槍】を除けば本当になーんにも戦闘能力が無い。ともあれ、壁に寄り掛かって、倒れるのだけは男の子の意地で堪えつつ。

「……一体…何方…です、か…?」

子供達も驚いたりビクビクしたりと様々な反応をしているし、構成員の男たちも何が何だかと驚愕と警戒の表情。

ただ一人、少年だけはちょっとズタボロながらも何時も通りの態度だ。

蒼い影 > おーおー、
嫌々渋々やったけど、やっぱり恐怖ってのは良いもんだ。

時間が止まる―――というわけではない。
動けるという概念がなくなったのだ。
正常に時間は流れる。

故に、動けぬ事には如何ほどか恐怖を抱こうが。

「肝座ってんなー」

蒼い影。
頭には清掃中のハチマキをつけた、何とも意地悪そうで優しそうなヤツ。
何とか踏ん張ってる少年を見ると、ちょっと思案。

「誰って、ただのゴミ処理係だよ。」
「いやあ。かっこいい名乗りとかしてみたいんだけどさ。」

…この子からだけ恐怖がなさそうだなー。
ちょっと照れくさそうに自分の所在をお伝えする。
救済の神ーとかそういうのガラじゃないよね私。

「なんでも人さらいに特化した異能使いがいるんだって?」
「ウケるね。」
「まぁ私にとっちゃそりゃどうでも良いんだけど。」

「私がやりましたーってやってる感は重要だからね。」

蘇芳 那由他 > 人攫いに特化した組織だからか戦闘面に優れた能力者も魔術師も用心棒も居ない。
だからこそ、尚の事、動き”だけ”止められる金縛りじみたそれに不可解と焦りを抱いている。
――子供たちは言うに及ばず、だ。既に泣きわめいている子供達も居る。

(…助け…なのか何とも言えないけど…一先ずは命拾いはしたのかな…?)

意識がちょっと朦朧としつつ、案外冷静に状況を確認する…最優先は子供たちの無事だ。
自分の事は一先ず後回し…こういう所は性分に近い。

「…ゴミ…処理…?」

壁に寄り掛かって、崩れ落ちるのを堪えながらも不思議そうに眼を瞬かせて。
…しかし、頭に【清掃中】のハチマキを身に付けた出で立ちといい、本当にゴミ処理…なのだろうか?

(……でも、ここにゴミは無いけど……いや、もしかして”そういう意味”…?)

”彼ら”のような連中を処分する為の…だろうか。それはそれでかなりやばい人だなぁ、と呑気に思う。
そして、彼女の見立て通りに少年に恐怖心というものは欠片も存在しない
――それは、記憶と共に完全に失われ欠落したものだからだ。

「…つまり…デモンストレーション…みたいな、もの…ですか。」

少年はそう捉えたらしい。そもそもゴミ処理係というものがよく分かっていなそうだが。

(人攫いの…異能使い?…あぁ、だからあっさり僕は拉致されたのか…)

納得した。まぁそれを差し引いても少年が無防備過ぎたのもあるが。

蒼い影 > 「安心しな。」
「キミらはゴミじゃないよ。」
「いや流石につかまってるだけの子供ゴミ扱いするほど腐ってないって。」

子供らに向けてほんのり緩い眼差しを向けると。

「あー……」

何か違和感があるほど恐怖心を持たれていない。
…そういうやつか?
破壊神(わたし)にとってソレは…無味無臭のガムみたいだ。

恐怖が一番の美味だけど、それ以外もあるんだけどさ。
畏敬、承認、願望―――兎角、想いがあれば良い。

「キミらはこれから外に出たら蒼い邪神様に助けられたーって言えば良い。OK?」

ゴミ処理係名乗るよりそっちの方が良いか。

「デモンストレーション。嫌いじゃない言葉だ。」

「ただ。」
「折角だから」

「主犯格の情報を聞いてみよっか。ね。」

「キミは"どうやって"捕まった?」
「捕まった"状況"を覚えている?」

どっちかというとそれは。
好奇心で。
野次馬根性丸出しで。
少年に問いかけた。

蘇芳 那由他 > むしろ、子供たちをゴミ扱いされたら普通に軽蔑するけれども。
少年は特定の感情が無いだけで、基本的にそれ以外は凡人というかそこらに居る少年並だ。

「……?」

何だろう?彼女の態度に違和感を覚えるが、肝心の少年がそもそも自覚に乏しいので首を傾げるのみ。
何せ、少年にとって、”何かを怖がる・恐れる”というのは最初から存在しないものだから。

――そして、こういう状況でもむしろ少年の精神は不自然なほどに安定している。
それがこの少年の異常性でもあり、凡人非ざる欠けた人間性でもある。

「……邪神ですか……スケールが大きすぎてピンと来ないんですけど…。」

足がぷるぷる震えてる程度に崩れ落ちる寸前、だというのに頑張ってる少年。
肉体的には本当に並の学生…よりも下手したら弱い疑惑がある。
ただ、男の子の意地と根性は持ち合わせているので、倒れるのだけは何とか耐えている。

「……?…事情聴取…みたいなものでしょうか?」

朦朧としていた意識も若干ハッキリしてきた。やっと彼女の姿をきちんと見るが…うん、見覚えない人だ。

「……迷って落第街の大通りを歩いていたら、何時の間にか気絶させられて運ばれた感じ…でしょうか?
…直前まで意識ははっきりしていたので、多分昏睡させる薬か能力?もしくは魔術の不意打ちでも背後から食らったのかなぁ…と。」

少し考えるような間を置きつつ、淡々と落ち着いた声で一先ず推測交じりにそう説明を。

まだ、怯えている子供達の頭を軽く撫でてあげたりするがやっぱり足はぷるぷる震えていた。
ちなみに、これは恐怖ではなく今にも倒れそうなのを瘦せ我慢しているだけである。

蒼い影 > 「スケールが大きすぎてピンと来ない。……うん、理解出来てるじゃん?」

にや、と笑った。
つまり、良く分からんだろう、良く分からんのが邪神の神秘性だからね。

「事情聴取なんてそんな畏まったもんじゃない。雑談のタネだと思ってくれたらいい。」
「いやー、悪いね。私回復魔法は"専門外"なんだ。」

そりゃあ、破壊神だから。
大分辛そうにしているのはわかるけど、
癒そうったってそういうのが出来るタチじゃないんだ。

「覚えているってことは、」
「少なくとも記憶を弄る手段は持ってないと考えられる」
「そして何かしら気絶させられるまでを覚えてるなら、多分空間系でもないか」
「取った手段は……超常犯罪者とは言い難い。」
「…え、じゃあ…これ私の仕事じゃなくね?」

なんでこっちに。
いや、まあたまにあるんだけど。

「危険度はそこまでデカくはないかも。末端だね、こいつら。」
「よし」

軽く檻へ捉えた連中を眺めて。

「お掃除ー。」

指を鳴らすたびに、一人ずつ、消していく。

消してるったって完全消滅させているわけじゃない。
ちょっと"牢屋へ飛ばしているだけ"なのを"物騒に演出"しているだけ。

蘇芳 那由他 > 「…まぁ、そりゃ僕は”凡人”なので…神様とか言われてもですね…。」

いや、身近な知り合いに死神の関係者さんとか居ますけど、それはそれです。
しかし、死神とか邪神とか僕が知り合う神様方面の関係者はそっち側の人が多いんだろうか?
どのみち、少年にはスケールが大きすぎて理解不能、というのは本心だ。

「雑談する余裕あんまし無いんですけど…あと、子供たちを先に開放して頂けると有り難いんですが…。」

ちらり、とスラムの子供達を一瞥する。解放してもまた別の人攫いに拉致されたり、もっとひどい目に遭うかもしれない。”それでも”…だ。
表側に保護してあげて欲しいが、それも色々と難しそうなのは少年も理解しており。

(――まぁ、回復は期待してなかったけど…)

じゃあ引き続きなけなしの痩せ我慢で何とかするしかない。
途中で気絶しても、そこは大目に見て貰うしかない。

「――いえ、僕に言われましても…結果的にこちらは助かったので素直に有難いですが。」

僕はともかく子供たちの無事が一応は確保出来ただけでも十分助かる。
しかし、目の前で次々と男たちが消えていく光景をじーっと眺めて。

「…もしかして物理的に消したりしてませんか?それとも転移みたいな感じです?」

どっちか判別が付かないのでそう尋ねてみる少年。何せ魔術とか異能が無いので知識的にも浅い。

蒼い影 > ―――恐怖は無理みたいだけど。
別のセンはいけるんじゃないだろうか?
例えばそう、承認、だとか。

「……そうだね。」
「はい、どうぞ?」

連中を綺麗に消し終わってから、
蒼色のカーペットが避難経路を描く。
まるで、道を作るように遮蔽物を壊し尽くして。
子供ら助けるのは予定外だけど、まぁいいか。サービス。
そこ歩いてるうちだけは、無事は保証してあげよう。

「そりゃそうだ。キミに言われたって困るよな~」
「面倒だけど、一番すぐ片つくと思ってきたんだよ。」

案の定、すぐ終わりそうだ。

「んー、……どっちだと思う?」

魔術の知識があっても、多分判別なんかつかないだろう。
やっているのは破壊を核とした魔法なんだから。
消しているのか、転移なのか。

折角だから聞いてみよう。印象調査ってやつだ。

蘇芳 那由他 > ちなみに、恐怖以外は普通に感情に欠落やら異常性は無い。
あくまで特定の感情が記憶と共に欠落しているだけ、である。

それはそれとして、構成員の男たちが全員片っ端から”お掃除”されてしまったのだけど…物理的に。
彼女は邪神?らしいので、気紛れに僕や子供達も消されたりしないだろうか?と、いう懸念はある。

そして、青色のカーペットという斬新な避難経路。子供達に声を掛けて安心させてから、一人一人を送りだしておく。
彼・彼女たちが無事にスラムの馴染みの光景まで戻れればいいのだけど。
残念ながら、少年はどう足掻いても子供たちを手助け出来そうにない。
出来た事は、邪神さんが来るまでの”時間稼ぎ”くらいだ。…結果的に、とはいえ。

「…何というか…うーん…?」

そもそも魔術知識は人並かそれ以下だ。何せ彼自身は魔力が無いので魔術なんて使えない。
更に、異能も無いので不可思議な現象に対して、最適解を導き出す知識が乏しすぎる。

「―――単純に考えれば一瞬で塵も残さず消し飛ばしてる…とかに思えますけど。
…同時に何か違う気もするんですよね…もしかして、分解してどっかで再構成させてるとか…。」

いや、それはそれで手間というか面倒な手段そうだし高度だな無駄に。
ややあってから、先ほどの光景を思い出す。青い檻、一瞬で消失する男たち。

「――もしかして、演出が混じってますか?

蒼い影 > 「あ、バレた?鋭いなぁ!」

そう、演出。
"余計な手間かけてそれっぽさを出してる"んだ。

「そうしたほうが、なんていうか……面白くて、美しいじゃん?」
「こういう装飾や演出っていうのは最高のお遊びだよ。」

「ふふ。一瞬でチリも残さず消し飛ばすってのも、悪くないんだけどー。」
「やったのは距離と空間概念の崩壊。」

「実は連中には一切危害を加えちゃいないのさ。分かりやすく言えば…」
「牢屋へつながる穴に落としただけ。」

「今頃は"本物の事情聴取"でも受けてるんじゃなーい?」
「私は知らんけど。」

あまりにも無責任だが、
末端のゴミ処理係には丁度いい責任感だと思う。

「っていうか私の仕事じゃないし、もう帰って良いかなこれ。」
「あー……」

「そうか、キミを送らないといけないね、倒れそうだし。」
「どう?」


「キミもさっきの試してみる?」

蘇芳 那由他 > 「…え、当てずっぽうだったんですけど正解だったんですか…?」

勿論、少年なりに多少考えた末の結論だったけど。
彼女の態度、言動などから”芝居掛かった”ものを感じていたのだ。
ならば、ただ消すのではなく”それっぽい演出”をしてみせて周りの反応を見る、なんて事もやりそうだと。

(…まぁ、でも邪神云々は本当かもしれないけど。)

神様とか普通に居るからこの島…世界は広いのか狭いのか。
彼女の”種明かし”に、成程…と頷く。距離と空間概念の崩壊?チートでは…いや、神様だから良いのか?

「――うん、一応把握は出来ました。でも凡人からするとそれでもスケール大きすぎて…。」

いや、本当に僕の周囲はとんでもない人ばかりだなぁ、としみじみ思う。
本物の事情聴取――風紀委員?と、なると…。

「あー…もしかして、ゴミ処理係っていうのは風紀の管轄だったりしますか?」

そうじゃなければ、わざわざそっちに送る必要も無い。ただの嫌がらせとかでなければ。
そして、送って頂けるなら是非そうしてほしい。今にもダウンしそうなので。

「――死なない保証があるなら、じゃあお願いします。」

軽く頭を下げつつ。子供達の方が気がかりだったが、そこはもう自分がどうこう心配してもしょうがない。

そして、あっさりと彼女の提案に乗った。恐怖心が無いので物怖じもしないのだ。危機感も無いが。

蒼い影 > 「うーん、あのね。いや、もういいよ……」

恐怖心もないのはまあいい。危機感もなさすぎる。
そのうち死にそうだなこの子。
流石にちょっと呆れたような口ぶりだ。
本当に私が消してたらどうするつもりなんだこの子。
ツッコもうとおもったけどツッコミすら出なかった。

「一応ね、ゴミ処理係は風紀の管轄。末端の末端部署。
多分風紀で一番やる気ないんじゃない?」

案件達成率、3割未満の緩い部署。
名前すらも知られてないだろう。

「―――で、どこ行きたい?病院で良い?」

真っ蒼な穴が一つ。
空間を破り壊したような、実に歪なモノが出来上がっている。

「破壊神様ばんざ~いって叫びながら飛び込んでみて。」
「大丈夫、恐怖はしなくても。―――尊崇する相手に、悪いようにはしないからさ。」

けらけらけらと、からかうようだけど、
何となく優しさも滲ませた笑み。

蘇芳 那由他 > 実際、少年の欠けている部分は割と命の危機に直結する所がある…つまり普通の人より”死にやすい”。
運良く、状況や誰かの助けのお陰でまだこうして生きているが、一歩間違えたらあっさり死ぬ
邪神ですら呆れる程度には、少年の欠けた部分の問題点が地味に大きかった。

「――やる気のない割には、貴女のようなとんでもな人が所属してるのはどういう事なんですかね…。」

もしかして、他のメンバーさんもアクが強かったりとんでもない人ばかりなんだろうか?と、邪推したくなる。

「…あぁ、いえ。このくらいならまぁ、応急手当は自分でするので男子寮の前で大丈夫です。」

病院にこの前お世話になったばかりなので。その時の傷跡は両腕にしっかり残ってるけど。

そして、目の前に広がる真っ青な穴に目を丸くして。驚きという感情は普通にあるようだ。

「…いや、邪神どころか破壊神とかスケールがどうのじゃないですよ…。…まぁ、はい。」

溜息と共に、怯む事も一切なく淡々と穴に飛び込んだ。全く恐怖も躊躇も無い。
まるで安全ブレーキが壊れた乗り物みたいだ。暴走はしていないが止まらない。

「破壊神様――ありがとう。貴女の破壊のお陰で僕たちは助かりました。」

飛び込む直前、素直に感謝と尊敬の念を口にしていただろう。