2024/09/01 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」にリョーガ・パレコルタさんが現れました。
リョーガ・パレコルタ > 『…ふぅむ』

そう声を潜め、朝から独りドラム缶の物陰で張り込みをしている図書委員の姿が。

視線の先には違法感漂う寂れた古本屋の姿。

匿名から、禁書相応の古書の取引が行われると”タレコミ”があった。
リョーガはその真偽を確かめるべく張り込みをしていた。

───が、そんな様子はなく…。

『…こりゃやられたかねい。
イタズラか或いは…。』

勘づかれて撤退したか。
どちらにせよもう少し張り込みを。
リョーガはそう考えながら。

リョーガ・パレコルタ > 『(…そもそもあのタレコミは誰からだったんだろうねい。
こんな場所のタレコミなんてよっぽどの物好きか…或いは…)』

首を微かに横に振りながら。
───今それを考えても仕方はない。
何か動きかあればその場を速やかに離れたい。
───だってここは”そういう区域”なのだから。

リョーガ・パレコルタ > 『(…とにかく15分後に帰る連絡入れとくかねい。
顧問の先生とかずさんに…)』

その場でスマホをチラ見、影を細い指のようにして入力しながら。
自身はまだ辺りの様子を見て。

リョーガ・パレコルタ > 『…そろそろ撤退かい。
変なタレコミに振り回されるのは勘弁だねい…』

やれやれと小さく声を零し。
辺りの人物に怪しまれぬように、痕跡を消して立ち去っていった。

それはまるで影のように。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」からリョーガ・パレコルタさんが去りました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」にエリザベトさんが現れました。
エリザベト >  
 名も知られぬ、あるいは名を付けぬ違反部活の一室。
 青いドレスの女性が真正面から自動小銃片手に突撃し、殺戮を始める。

「私の妹は、私が守らないと……」 

 うわごとのように呟きながら、自動小銃を撃ち付ける。
 妙な事に、弾丸が途切れない
 

ご案内:「違反部活群/違反組織群」に九耀 湧梧さんが現れました。
エリザベト >  さりとて此処は違反部活。
 
 怒声と悲鳴と共に、熱線や氷弾、そして実銃による斉射で彼女を迎え撃つ。

「痛い……けれど、妹はもっと痛い思いを……」

 肌を焼き、肩を斬り、心臓を貫く。
 だというのに、彼女が命を落とす様子はない。
 
 ドレスの少女の傷はたちまち癒え、怒声も暴力も意に介さず射撃を続ける。

 ──ギフターの手によって、『無尽』の資源と生命を持つ少女。
 その異様さから、各種データベースでは『不死姫』と呼ばれている。
 

九耀 湧梧 >  
――ゆらり、と、気配。
違反部活の中からではなく、外から。

騒音を聞きつけ、現れた、影がひとつ。

普通であれば、神経を疑われる事だろう。
違反部活のメンバーであれば、命惜しさを疑われる事だろう。

然して、其処に現れたのは、

「………落第街(此処)も随分と五月蠅くなったな。
噂に聞いた"自称"魔法少女の大量殺人犯……にしては、少し規模が小さい気もするが。」

――未だ、その噂は落第街を彷徨い続ける。

己の力にそぐわぬ魔剣は持たぬ事。さもなくば、それを奪いに黒い男が現れる。

その商売は随分前に廃業したが、尚も噂が残り続ける、刀剣狩り(ブレイドイーター)の異名の男。
 

エリザベト >   
 ドレスの少女は振り向いた。
 既に、事が済んだ後だ。

「まあ、貴方は妹を知っているの?」

 魔法少女のワードに反応してを弾ませ、手を叩く。妄想の中の勘違い。
 そして、そのものが誰であるか、この不死姫は知る由もない。
 エリザベトとなったものは、何も知らない。

「こんばんわ、私はエリザベト。妹につく悪い虫は、死んで!」 

 故に──狂気に満ちた瞳で刀剣狩りの男に自動小銃を向け、躊躇いなく引き金を引く。

 銃の扱いは、素人と言う訳ではなさそうだ。元々は委員か傭兵だったのだろうか。

 いずれにせよ、途切れる事の無い銃撃が刀剣狩りを襲う。
 

九耀 湧梧 >  
「――話の聴かなさじゃ、こっちも同じようなものか!」

襲い掛かる銃撃をのこのこと受ける程、黒いコートの男も間抜けではない。
素早い動きで壁を蹴り、天井を蹴り、照準をつける時間を与えず、その合間にコートの中から
取り出したるは、一振りの刀。

刀が自動小銃に勝てるのか?
常識で考えれば、答えは否である。
だが、ドレスの少女を常識で測ってはならないように、この男を常識で測る事もまた、行ってはならない事。

「疾――ッ!」

素早く引き抜いた刀を構え――如何なる理屈でか、手元から離して高速回転させ、
盾のように構えて銃弾を弾きにかかる!

柄頭を中心点に、円盤状に高速回転する刀の刀身は迫る銃弾を悉く弾き飛ばしていく。
発砲を続けるドレスの少女に、跳弾で向かっていく弾丸も数発程度はあるかも知れない。

(――銃の容量に比べて、銃弾が多すぎる。
考えられる可能性は銃弾の取り寄せ(アポート)、あるいは生成…もしくは銃そのものが普通ではない、か。)

その合間に素早く、しかし冷静に相手の戦力を判断にかかる。
明らかに多すぎる銃弾の容量は、恐らくこのうちのどれかだろうとは思うが、さて。

エリザベト >  
「とっても……お上手ね! でも妹が怖がっちゃうわ!」

 荒げるような喜ぶような怒るような楽しむような、狂った声。
 銃弾を弾き切った刀剣狩りの業を認め、銃を変える。

 どこからともなく出てきた銃は、擲弾発射器(グレネードランチャー)
 道具を取り換えることは当たり前だと言わんばかりに取り出した重火器を乱射する。

 当然、再装填(リロード)は無い。
 再装填の枷が外れた異常な速度で、榴弾が乱射される。

 自身や周囲の事など厭う様子もなく、彼女が熱や爆発で自爆する様子はない。
 弾かれた銃弾の幾つかが頬を切っても、瞬く間に再生される。
  

九耀 湧梧 >  
(――――妹、ね。)

その言葉に、軽く苦い顔をする。
だがそれは昔の話、今の自分には関りの無い事。

「…っと、手癖の悪いお嬢さんだ!」

グレネードランチャーまで持ち出し、連射を始めた。
此処までくれば「銃が特別」という可能性は外してもいい。
アポート能力にしても、インターバルが見えなさすぎる。
十中八九、「無限に弾薬かそれに準ずるものを生成出来る」能力者!

「はっ、人を怖がらせているのは誰だかね!
ジャンジャンバリバリ、好き放題に銃をぶっ放す!

知っているのか? 銃弾に当たれば人はあっけなく死ぬんだぜ?
ご執心の可愛い妹さんはおたくが知らずに撃ち殺したんじゃないのか?」

連発されるグレネードに対し、迎え撃つはどこか禍々しい赤紫色の光で出来た剣。
まるで魔術か何かのように、多数の剣を円状に、何層にも重ねて、グレネードに対する盾にする。
一射の直撃を防ぐだけで硝子のように砕け散る盾だが、その度ごとに張り直せば済む事。

その合間に、「言葉」を使って揺さぶりにかかる。
こちらの言葉が理解できないレベルで錯乱しているか正気が飛んでいるかを測る意味も兼ねて。
 

エリザベト >  
 
 榴弾は防壁で遮られる。
 跳ね返った爆風を一身に受けても、平然と笑っている。

「あなたを怖がらせるのは、私よ!
 ふふ──私が怖いの? とんだ嘘つきね!」

 爆撃は防壁で防がれる。
 疲労すら見えず撃ち続けていた彼女だが、戦火の中で告げられた言葉で動きを止める。
 
「……そんな訳ないわ。私の弾はザミエルではないもの!
 話しかけても何も言ってくれない、ただの道具!」

 声を荒げる。わずかばかりの動揺は見られる。
 今の所、攻めてくる様子はない。

 後方ではドローンらしき何かが不気味に揺れている。
 

九耀 湧梧 >  
(――隙!
少なくとも、聞く耳持たないレベルで正気が飛んでる訳じゃあない……ならば!)

決断は早い。
後方のドローンが何を仕掛けるか、其処が不安要素。

盾代わりにされ、残っていた赤紫色の光の剣が切っ先を一斉に向け、投射される。
狙いは言わずもがな、後方のドローン!

そして其処を衝く形で、

「――だが、お前さんは撃ち過ぎた! まともに周りを見ずに!
その血溜まりの中に、探してる者が沈んでいないと、どうして言い切れる!?」

更に言葉で圧しながら、刀を抜き、一挙に斬りかかる。
狙いはドレスの少女、然して裂くのはドレスの少女の肉体に非ず。

刀剣狩りの仇名に隠れ、殆ど語られぬ、この男のもうひとつの異名。
只人が斬れぬモノを斬ろうとした技、それを修めた、埒外の剣技の習得者。

故に、《魔剣士》。
 

九耀 湧梧 >  

「――妄念ヲ断ツ(不視斬り)!!」


故にその刃が断つは命に非ず、正気惑わす妄念也。

 

エリザベト >  
 狂気の中にある。
 妄執の中にある。
 だけれど、会話にが出来るほどには理知的だ。

 赤紫に輝く光の剣が、ドローンを貫く。
 精確に射抜かれたドローンは瓦解し、爆発した。

「そっちを壊すなんて、怖がり屋さんなのね。
 それにあなたの言葉って、悪魔の証明じゃない!」

 理知がある故に、それを戯言だと認識し動揺から戻る。
 故に圧し切れず、彼女に対応の猶予を与える。

「……何でかしら、その剣、とても怖いわ。」

 何かのスイッチを押す仕草。軍用爆弾。
 魔剣の業を受ける前に、自分の身体を爆散させた。

 直前で留まれど、遠間で察すれど、彼女は自爆を選ぶ。
  

九耀 湧梧 >  
「――――っ!」

爆散の音。結果、白刃は空を斬る。
飛び散る肉体に、しかし魔剣士が怯む事はなし。

人の凄惨な死にざまなど、既に随分と目にしてきた。
今更こんな事で怯んだりしていては身が持たない。

「……ただ自爆した、訳じゃないだろうな…。」

刀を収めることをせず、周囲を警戒し続ける。
――あれだけの妄執の持ち主が、容易く自爆して自ら命を断つなど、考え辛い。

「………あるいは、不死者の類か。」

死への一切の躊躇いがなかったからこそ、そう判断する事は難しくはない。
人間、命は一つきり。余程窮まった者でない限り、容易く命を放り出す事は出来ない。
其処には必ず、「躊躇」が生まれる。
それに頓着せず、自身の一刀を避ける為だけに「自爆した」のならば…それを行っても
「問題がない」という判断がなければ、到底出来る真似ではない。

「…気は進まないが、通報位はしておいた方がいいだろうな…。」

警戒を解かず、注意を重ねる。
――此処で甦って来る心配がないと判断すれば、違反部活の部屋のある建物から離脱するだろう。
 

エリザベト >  
 爆発の跡を見ると、血が浮いている
 血の先を辿れば、肉片一つ一つがこびり付いている。

 物理法則ではあり得ぬ、怪奇現象。
 どこからともなく、声が響く。

「……動揺を誘いながら斬り掛かるなんて、ずるいお方。
 私が貴方の妹だったら、泣いちゃうわ。そう……」

 言葉と共に、身体が再形成される。
 魔剣は空を斬れど、肉を斬るものでない、妄執を断つ剣であるのなら──。

「切られて串■■にされて、泣いちゃうわ。
 あなたも、そうする為に言葉でだまして、斬ろうとしたのかしら?」

 十全ではないが、妄執に届く。 
 最大級の警戒を見せているが、彼女の戦意が落ちている。

 具体的な言葉と、彼我を認める微かな理性が伺える。
 
 無尽による不死性と、有効打
 空を斬った不視斬りの剣が、刀剣狩りに情報を(手応え )与えた。

九耀 湧梧 >  
「――――。」

再形成される肉体を見れば、やはりか、と確信。
理屈までは分からないが、この女は「尋常の手段では殺しても死なない」。
あるいは、あの弾切れのない銃器の連発も、この不死性と何らかの関連を持つものか――。

(…と、考えるのは、穿ち過ぎかな。)

可能性の一つとして検討しておくに留める。
だが、少なくとも「妄念」を斬る為に放った一撃は、文字通り命を捨ててでも避けようとした。
其処に、突破口があるのは間違いないだろう。

「――弁明の機会も与えずに蜂の巣にするよりは、遥かに優しいやり方だと思うがね。
そもそも、命の取り合いに綺麗だの狡いだの、そんな理屈を持ち出してくるのはお門違いだろう。」

これが仕合なら兎も角、命の奪い合いであれば相手の無力化に詭弁を弄するのも立派な一手。
釣られて隙を見せた方が迂闊なのだ。

「――妹を血眼になって探すより、お前さんはまず自分を顧みるべきだと思うがね。

妹の名前は?
どうして探している?
何処に行ったのか心当たりもないのか?

そもそも――お前さんが名乗った名前は「本当に自分の名前」か?

周りが見えなくなった人間ほど、思い込みという落とし穴に簡単に落ちやすくなる。
これは詭弁じゃなく、人生経験からの忠告だ。」

刀を一度収めながら、そう言葉を向ける。
刀を収めたのは相手の戦意が落ちた事に合わせての事。
 

エリザベト >   
「……ああ、そうだったわ。命の取り合いをしていたのね。
 なら、貴方の言葉に耳を貸したくないわ。それは言葉じゃなくて暴力よ。」

 ぷいっ、と頬を膨らます。
 命のやり取りであると告げた以上、それは彼女と取って言葉ではない。
 精神の動揺を誘う一手としか、見做さない。
 
「私を省みても、妹は見つからないわ。
 貴方の忠告は耳に痛いけれど、騙して斬ろうとする殿方の言う事なんて聞きたくないもの。」

 会話には応じるし、攻撃もしない。だが、動揺は少ない。
 この会話さえ命のやり取りであることを、理解してしまっている。

「でも……そうね。貴方が妹を見つけて助けてくれるなら、
 その時は自主(自省)でもしてみようかしら。それとも自害が良いかしら?」

 エリザベトを名乗るものの妹は既に居ない。
 妹と誤認している魔法少女は居る。
 このものが示すのは、前者でもあり後者でもある。

「ま、そんな一銭の得にもならないことをしないわよね。
 ……だから、私が妹を守らないと。」

 妄執の源が口から出れば、再び瞳に狂気が宿り始める。
 彼女が再び妄執に身を沈めるまで、あとわずか。

「ひとまず、帰ってくれないかしら?
 でないと……とんでもない手が出ちゃいそう。」

九耀 湧梧 >  
「そうかい、それじゃ俺はこれで失礼させて貰う。」

これ以上のやり取りは不毛と判断。
ならば手を引くに限る。

たん、と、一歩の跳躍で、普通の人間のそれを上回る距離を稼ぎ、

「――妹と自分が可愛いなら、無暗な騒ぎは控える事だな。
次に遇う奴が、優しい相手だとは限らない。」

自分より強く、それ以上に残忍な相手など、ざらにいるのだと。
そんな手合いを刺激すれば、ただでは済まないのだと。
そう一言、釘を刺して、黒いコートと赤いマフラーを靡かせて、黒い男はその姿を消す。

もしもその姿を目で追おうとしたなら、建物の間をまるで武侠映画さながらの動きで跳躍し、
去っていく黒い影が見えた事だろう。
 

エリザベト >  
「騒いだわ。でも、妹どころか、鼠一匹も出てこなかった。
 …………だから、もっと騒がないと。」

 その言葉は、狂気か、過去の記憶か。
 どちらとも取れる、混濁した言葉。

「ご忠告だけは、感謝するわ。でも生憎、知ってるからこうしてるの。
 ……貴方が優しかったけど、いじわるね。だから手が止まっちゃったのかしら。」

 距離が離れた事を認めれば、理知で返す。
 元々、育ちが良かったのかもしれない。

 残忍であればやり易かった。
 そのようにも聞こえる言葉。

「さよなら。優しくて、いじわるなお方。」

ご案内:「違反部活群/違反組織群」から九耀 湧梧さんが去りました。
エリザベト >  
 魔剣の男が去った事を認め、息を吐く。
 頭を抑え、銃を無尽の彼方に仕舞った。

「私が……妹を、守らないと。」

 再三言い聞かせた。
 妄執と狂気の中に身を委ねたが──。

「……なんだか気が乗らないわ。
 大切な妹の筈なのに……毒でも仕込まれたのかしら。」

 余計な思考が混ざる。
 
「体力すら、無尽の筈なのに。
 ……ここは怖い所。妹を、守らないと……」

 うわごとのように呟きながら、暗闇に去っていった。 

ご案内:「違反部活群/違反組織群」からエリザベトさんが去りました。