2024/09/11 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に海藤 宗次さんが現れました。
海藤 宗次 >  
とある傘下の半グレのヤサの跡地にて

「なるほろな。」

既にホトケさんは海に還した。
きれいさっぱりになった倉庫にてつぶやく。
その辺に落ちてた木箱に腰をかける。

ここは覇伝洲の傘下にある人身売買を主とした半グレの本拠地…だった場所
確かにここの連中はウチら(覇伝洲)に比べて戦力は落ちる。特に幹部連中の圧倒的なモノがない。
とはいえ暴力で生きてる人間だし武器もそれなりに揃っている
にも拘わらず一晩で全員が挽肉になったときたもんだ

海藤 宗次 >  
「ナナっちゅう、果敢な嬢ちゃんの仕業かと思うたけど」

灯りの近くで写真を取り出して確認する。
その写真はどれもがグロテスクな遺体写真だ。
だがこの遺体写真を観察していけば見えてくるものがあるのだ。

「これはちゃうな。彼女やない。彼女ならこんな傷は出来へん。もっと原始的に引きちぎるはずや…それにこの弾痕…」

宗次は何人も殺し、仲間を殺されという人生を送っている。
だからかその死体の違和感には人一倍敏感だ。

写真をよく見れば地面やら壁に流れ弾らしき弾痕が確認できる。
銃なんぞますます彼女が使う代物ではない。となると彼女ではなくて…

「痕跡から見るにぎょうさんぶち込んだ跡があるなぁ…こりゃ散弾か?いくら雑魚の構成員だからといってこんなぶち込められるか、リロードが必要になるねんな。それに散弾のリロードはクソ遅いからしとる暇ないやで」

散弾銃のリロードはちまちまと弾を込めるのが主流だ。
そんなすっとろいリロード、いくら烏合の衆と言えどもその暇を許してくれるだろうか?答えは否。
宗次自身もリロードに手間のかかるリボルバーを所持しているがあれはスピードローダーを使ったり思い切って回転弾倉(シリンダー)ごと取り換えるという手段が取れるがショットガンはそうはいかない。

「とすれば…得物はAA12か…或いは」

AA12。それはショットガンには珍しくマガジンが付いているタイプである。
なるほど、これならば確かに弾切れ起こしても瞬時にリロードできるだろう。
だが宗次の頭は別の可能性も考えていた。

海藤 宗次 >  
「まさかとは思うが…ギフト騒動で話題の不死身女の方か…?」

可能性は低いが現場の状態から察するに無いとも言い切れない。
たしか何もかもが無尽蔵で、代名詞そのものみたいなもんだと聞いている。
もし彼女だと仮定するなら…なるほど弾も尽きず撃ちまくりで弾痕が大量についてるのも納得がいく。
だが一つ解せない点がある。

それは動機。
いや…これマジで分からん。
なんで?解せん…なんか気に障ることしたか?
いや、なんならギフト騒動からちょっと距離置いて通常業務(ガキ攫い)してただけやんけ!

「もし、奴さんだとして…なんで俺ら襲うんや?俺ら、なんも悪い事やってないやんけ!!!ただガキを10人程度攫っただけやんけ!!!無価値なガキ共に価値を見出して利用してやってんのに…なんでや。こんなん、ただの善行やんけ。善行しただけで襲われたっちゅんかぁ?」

理不尽な仕打ちだと言わんばかりに宗次は誰もいない倉庫で一人叫ぶ。
まるでこちらが哀れで可哀そうな被害者だと言わんばかりに。
この世界で一番可哀そうなのは自分だって本気で信じながら叫んだ。

海藤 宗次 >  
「おーん…酷い酷すぎるでぇ神さん…俺らに対してこんな仕打ち…あんまりではあらへんかぁ?」

叫びすぎてなんか感極まったのかその絶叫は次第に涙ぐんできた。
涙ぐむもそれは死んでいった部下達に対する哀悼の意ではない。
自分の稼ぎがおじゃんになったことに対する理不尽に対して。

結局は自分の事。
どうして俺だけこんなエライ目に逢うのか?
どうして不遇になるのか?
どうしてボーナス日のはずが損害になるのか?
どうして稼いだお金で豪遊するはずが後始末に追われているのか?

考えれば考えるほど涙がちょちょぎれてきた…

海藤 宗次 > 「しゃあない。まずは明日の定例会議で相談しまひょ」

倉庫外を出る。
出る際には壊滅した傘下の半グレ達が持っていた遺品を使えるものだけ回収した。
回収した物は外に止めてあったバイクの荷台に詰め込む。
ヘルメットを被り、バイクに跨る。

「さて、とちょっくら飛ばすで」

バイクのエンジンを付ける。
威勢の良い音と、気持ちちょっと沈んでるせいか少しだけ哀愁を含んでたようにも聞こえた。
今夜もひとっ走り付き合ってもらうで相棒

ご案内:「違反部活群/違反組織群」から海藤 宗次さんが去りました。