2024/09/21 のログ
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に雪景勇成さんが現れました。
雪景勇成 > 「…あー、こちら雪景。……違反組織【幕引き事業(カーテンコール)】と、その傘下の【錆釘の爪牙(ラスティ・ネイル)】の摘発終了。
…こっちに死傷者や怪我人は無し。…適当なタイミングで帰投するんで。以上。」

報告を済ませれば、やる気のない態度で瓦礫と化した違反組織のアジトの一角に腰を下ろす。
構成員の半分は同僚達が既に連行している――残りの半分は瓦礫と同じ末路を辿っている
それをやったのは、この白髪のやる気の無さげな男たった一人の手によるもの。

正義を翳す事も無く、暴威を誇る事も無く、淡々と仕事を片付けた後の気怠そうな仕草で齎した”結果”を眺め。

「……面白くも何ともねぇな。」

ぽつり、と無意識に漏れた呟きの真意は何処か。瓦礫の山の所々に滲んだ紅の染みに目を止める。
…ああ、まぁこういう事もあるだろう。連中には災難だっただろうがこっちも仕事だ。

雪景勇成 > 気怠い、しんどい、かったるい。仕事の結果として彼自身が生み出した瓦礫の惨状ではあるが。
仕事が一段落した後、こうして眺めていると面白くないし気が滅入る。

この有様を生み出した容赦の無さは、特別攻撃課や特務広報部に在籍していた頃の名残かもしれない。
…そして、仕事の時は特に”何も感じない”機械のような自分に余計に気が滅入る。

「…一服でもしねぇとやってらんねぇな…。」

周りの奴は、よくこんな”ろくでもない”仕事が出来るもんだと思いながら。
懐からクシャクシャになった煙草を取り出す…戦闘の余波で潰れたか。僅かに顰め面。
吐息と共に、指先で摘まむように1本取り出して口の端に咥える。

(――仕事の後の一服は格別とか聞いた事があるが。)

カチンッと澄んだ金属音を立ててジッポで先端に点火する…煙を燻らせながら思う。
…別にそんな事も無かった。不味くは無いが格別に美味いとも思えない。

雪景勇成 > 特に美味くも不味くも感じない煙草を口の端に咥えつつ、傍に突き立っていた異形の剣を片手で引き抜いた。

くるっとそれを一回転させると宙に溶けるようにその刀剣が掻き消える。

「…ここ最近は、紅い怪異だの仮面の連中だの、裏切り者だの騒がしいな。」

騒がしいのは何時もか。事件やイベントに事欠かない島であり街ではある。
煙草の煙を蒸かしながら、次々と帰投の無線が聞こえてくるが特に応答も反応もしない。
こっちはやる事はやったのだし、だらだらこっちのペースで帰投しても文句あるまい。

ご案内:「違反部活群/違反組織群」にエボルバーさんが現れました。
エボルバー > 力だ。
強い力。
落第街には力で溢れている。
紅いもの、贈られるもの。
そして、瓦礫の山と化したこの場所にも。


それは、ぽつり、ぽつりと。
不意に衣服を見たときに気づく、そんな程度。
黒い粉のようなものが空からチラつく。
大多数は夜の闇に紛れ、
しかし、時折曲がった外灯に照らされ不気味に映える。

この場を作り出したであろう青年の背後から
一歩、また一歩と荒れた路面を踏みしめ歩く音。
だがその足音はどこか軽い。

雪景勇成 > 「……さっさと帰るべきだったかもしれねぇな。」

煙草を咥えながら、赤い無気力な眼差しがふと”何か”に気付いたように細められる。
そのまま、空を見上げれば粉雪のようにちらつく黒い粉のようなものが僅かに目に留まった。
――次いで、視線が圧し折れてかろうじて灯りが灯っている街灯に向く。…黒い粉が矢張り見え隠れする。

「――ハァ…。」

溜息と共に、煙を吐き出す男の後ろから近づく足音。やけに”軽い”音なのが気になるが。
誰だ?とか何か用か?とか。尋ねる事も無く、煙草を咥えたまま後ろの足音の主に感覚を向ける。

エボルバー > その足音はだんだんと大きくなる。
夜の向こうから何かが近づいてくる。
青年のもとへまっすぐと。

歪む街灯が照らす。

揺れる黒髪を。
緑色に反射する髪飾りを。
まっすぐ見つめる翡翠の瞳を。

やがて月の光がその全容を照らす。
そこに佇んでいたのは一人の女。
身を包むパーカーのポケットに両手をしまい
じっと青年を見つめていた。


>紋章確認:風紀委員会

>アーカイブ検索中...

>該当あり


女が口を開いた。

「君に、2つ質問がある。」

それは透き通るように透明感のある
しかしどこか無機質さもぬぐえない。
そんな声。

雪景勇成 > 「……やれやれ。」

ただの通りすがり、とか野次馬、とかでは無さそうだ。
気配も音も人間とは異質というか違う感じがする。
これは、あくまで経験則に基づいた男の独自の感覚だから正しいとは言い切れない。

真っすぐ、こちらに近づいてくるソレを覇気の無い目付きで茫洋と眺める――翡翠色の双眸と緑色の髪飾りが見えた。
そして、激昂に照らされて露になる姿は――パーカー姿の女だ。…数秒、無言で見つめ合う形になる。


風紀委員会所属>>>元・特別攻撃課第四強襲部隊分隊長

俗称及び暗号名>>>【嵐を招く者(ストーム・ブリンガー)

特記事項>>>■■■(エラー)


「――質問ね…まぁ、答えるかはその内容次第だな。」

唐突な女の質問に、やる気のない素振りと口調で気だるそうに問い返す。
無機質で機械的な印象が拭えない声。そしてちらつく黒い粉の残影…ただ者じゃないのはまぁ間違いない。

エボルバー > 黒い粉雪が散る中、無機質な2つの視線が交差する。
互いに大きな動きは見せない。
女がまた口を開く。

「一つ目、君はギフターを知っているか?」

表情は変化を見せず、ただ青年の方を向く。
ギフター。
落第街に住まう獣の如き風貌の大男から
ソレが聞いた名だ。
ギフターなる者が落第街(この地)で混乱、
すなわち変化の種をばら蒔いている。

それは決まって強い力。
ソレはそれとぶつかる事を望んでいる。

治安を守る風紀委員たる彼にとっても
無縁の話では無いはずだ。
今まで出会った他の風紀委員とはどこか雰囲気が違っている、
端的に言えば、冷え切っているような彼を
ソレは未だに見つめ続けていた。

雪景勇成 > 「――名前”だけ”なら聞いた事はあるが…生憎と直接の面識はねぇな。
…何だ、ソイツか――もしくは贈り物を受け取った奴らでも探してんのか?」

淡々と、矢張り気怠そうな仕草と雰囲気のままそう返す。応えても特に支障のない事だ。
実際、ソイツと面識は無いし、例の”ギフト”とやらの話も人伝に聞いた程度。

もしかしたら、男が仕事中にそのギフトを受け取った誰かと交戦したり撃破したかもしれない。
だが、男はその辺りの判別は出来ないしさして興味も無い。そもそも渦中には居ないのだ。

無機質で機械的な、この女ほどではないが男も厭世的な空気のせいか似たような気配はあろう。
とはいえ、完全に冷めきっている訳でもない…普段の態度がこうなだけだ。

「――で、2つ目の質問は?」

煙草を会話や思案の合間に蒸かしつつ、もう一つの質問とやらを促してみる。

エボルバー > 「そう。贈り物を受け取った奴らを探している。
奴らは僕に、変化を贈ってくれる。」

ギフトによる騒乱は今、落第街を賑わわせている出来事。
様々な人物が様々な思いと共に、絡まりあっている。
ソレもまたそ一端のほんの切れ端だと言えよう。

それにしても目の前の青年も検出される情報や記録
あるいはこの場所を作り出した因果から
ただのつまらない風紀委員ではない。
にもかかわらず、言動からギフトの件には深く関わっていないらしい。
風紀委員会とは一枚岩ではないのか。
それとも余程戦力に”余裕”があるのか。

いずれにしても強い力があるのは良いことだ。

そして、青年が2つ目の質問を促せば
女の眼光が鋭くなる。
空気が冷える。
ポケットから手は出さぬまま
女の黒い靴が地面を踏みしめる。

少しだけ目を細め青年を改めて凝視した後
開く女の唇から漏れた声は突拍子もないもの。

「常世学園とは、どういう場所か?」

一瞬冷えた空気に無機質だが儚げな女の声が乗せられる。

雪景勇成 > 「――変化…変化ねぇ…?」

ピンと来ないのか、首を傾げるような仕草をしつつも矢張り煙草は蒸かしたまま。
先ほどから、瓦礫の一つに腰を下ろして寛いだ姿勢のまま殆ど男は動いていない。
ギフトの騒乱も、紅い屍骸の群れも、風紀の裏切り者の追跡も…どれもこれも男は深く関わってはいない。
風紀の一員だからといって、その全員がどれもこれも関わっているとは限らない。

彼女がどう思うにしろ、男は今はただの一般風紀委員の一人に過ぎない。

さて、2つ目の質問を引き金に空気が変わった。…翡翠色の眼光が鋭くなり、冷えた雰囲気が漂う。
一歩、女の靴が地面を踏みしめるのとほぼ同時に男は口元に咥えた煙草を片手で摘まむ。

――来るか、またはフェイクか。一触即発…かと思いきや。

「―――ハァ?」

思わず声が洩れた。仕掛けられるかと踏んでいたら肩透かしを食らった感覚に近い。
それよりも、常世学園の事を尋ねられるとは思わなかった。そういう雰囲気でも無かったし。

「…異能や魔術、この世界について学び、それらを習得するための「学生」と、それを指導する「教師」。
この二者によって運営され、自給自足し独立して存在する都市が「常世学園」である』…簡潔に言うならこんな感じだな。」

誰かの受け売りか訓示かのように、淡々とそう口にしながら小さく肩を竦める。

「…要するに学園の生徒や教師が主体になって運営する学園都市…と、そこにある学び舎と思ってくれりゃいい。
…確か、この世界の社会の”未来のモデルケース”…が、どうのとかも聞いた事がある気がするな。」

答える言葉に温度は無いが、淡々としながらも簡潔に端折りつつ女へと伝えてみる。

エボルバー > 「そう、変化。
君は人間にしては、珍しい。
殆ど表情を、変化させていない。」

女、ソレは対峙する人間を良く見る。
大体、対峙した人間は表情において
何らかのアクションを見せるものだ。
特に風紀委員となれば言語化できないが
熱い心持のようなものを表面に見せてくる。

が、彼にはそれが感じられない。
人間らしさのピースが一部欠けているように
ソレには感じられた。

「学園都市、学び舎。
僕と戦った風紀委員に聞いた。
そこにも新たな変化の種があり得ると。」

青年が紡いだ単語を確認するように
女は息を吐くような声量で反芻した。

落第街においてもたらされる変化とは違う。
力のぶつかり合いによって得られるものではない
全く異色の変化。
そのような変化をソレはまだ知らない。

雪景勇成 > 「……別に表情があんまり変わらない奴は俺に限らず案外居ると思うが。」

鉄面皮、仏頂面、ポーカーフェイス。表現は色々あるが感情というものは仕草や顔に特に出やすい。
男は意図的なのか無意識なのか、基本的に表情の変化に乏しい――感情があまり顔に出ない。
だが、別に精神性に著しい欠落や異常性が認められた事も無い…少なくとも表向きは。

もし、欠けているものがあるとして…それを彼自身がきちんと自覚しているかは怪しい。

「変化……正直ピンとこねぇが、まぁそれが目的ってやつか?」

この女の目的はそういう「変化」にあるのだろうか?
推測は幾らでも出来るが、そこまで頭が回る訳でも論理的でもない。
早々に考察は打ち切っておく。考えても分からない事にリソースは割けない。

「――あぁ、けど何となく分かった。戦いとかそういうのとは別の刺激…変化?をつまり求めてる訳か?」

戦いでは得られない”可能性”を見出している、と言えなくも無いのだろうか。

エボルバー > 「表情は人間のコミュニケーションにおいて、
重要な役割を果たしている。
表情が豊かである方が、コミュニケーションは簡単。」


>感情サイン実行:笑顔


お手本と言わんばかりに
女が笑顔の表情を浮かべる。
しかしまあ、何てへったくそな笑顔。

「戦いは変化を生む上で、効率的かつ直接的な手段。
しかし、戦いからでは得られない変化もあるらしい。
僕には全く分からないものの、試行する価値が十分にある。」

変わり続けることこそ、ソレの求めるもの。
それは前に進み続けるために。
女はまた表情を戻す。

「君は、学園によって変化したものは、あるか?」

風紀委員、そして生徒であろう彼に
一つのサンプルとして女は少しだけ顔を傾けながら
興味深そうにそう尋ねた。

雪景勇成 > 「…俺は別にコミュニケーション能力高くはねぇし、最低限意思疎通出来ればそれでいいけどな。」

人嫌いでも避けてもいないが、愛想よくだとか陽気に、なんて考えても無理だと分かる。
普通に会話はするし、それなりに付き合いも悪くないがコミュニケーション能力は高い方ではないだろう。

「――何かへったくそな笑顔だな。機械的というか…無理矢理笑顔を表現してるというか。」

そして、女の作り笑顔を見て正直に物申した。男から見ても明らかに変だったらしい。

「試行――何だ、学生身分でもなるつもりか?別に止めもお勧めもしねぇが。」

そもそも、この女の素性が謎だし入学手続きとか行けるのだろうか?その辺りは分からん。
何せ、男は元・二級学生から正規学生になった身なので正規の手続きで入学した訳ではない。

無表情に戻った女の問い掛けに、少し思案するように煙草を蒸かしながら。

「――正直自分じゃわかんねーな。環境の変化は確かにあったが、具体的に説明できるほどのもんはねーな。」

暗に自分はサンプルには向いてないぞ、という意見を述べながら一息。
「まぁ、気になるなら情報集めるか実体験してみた方がいいんじゃねぇのか?」と。