2024/10/07 のログ
■夜見河 劫 >
後ろ回し蹴りは、当たれば軽くとも受けた者が失神するレベルの技。
遠心力を使って放つ為に寸止めが効かず、危険な技として競技によっては「使えば反則」の禁止技となっている。
それはつまり、裏を返せば「実戦で決められれば有効打となる一撃」になり得るもの。
「がっ……!」
短い呻きと、クリーンヒットの感触。
使い慣れた者ならば、「極まった」と確信するレベルの感触。
――それで相手が落ちていれば、だが。
瞬間。
まるで反射反応のように、蹴りを放った足に「何か」ががしりと絡み付き、動かす事を封じにかかる。
何が絡み付いた? ――蔦もロープも持っていないなら、腕しかありえない。
ぎょろり、と、どす黒く燃え上がる瞳が、後ろ回し蹴りを放った男に向けられる。
……後ろ回し蹴りの強みは「決まれば威力が高い」事。
同時にそれは「決まらなければ背後を見せるリスク」を背負う。
獣じみた叫びを上げ、笑いながら、灰色の髪の男が動く。
相手の脚一本を捉えたまま――「此処を狙えば良い」という経験のみで放たれる、
背中側から肝臓を狙った一撃!
打たれれば激痛必至!
■海藤 宗次 >
「あん?」
手ごたえあり。
宗次は器用な方ではあるがフィジカルも十分。
170後半のガタイから繰り出される体重の乗った後ろ回し蹴りは少なくともパワー不足なんてことはない。
むしろ当たり所悪ければ即死クラスだ。
だが手ごたえはあったが…
「おいおいマジかよ…」
振り抜けない。
答えは相手が全体重を乗せて受けたからだろう。
カウンターのタイミングは完璧だった。万一にでも避けられることはあっても止められることは想定できない。
故に次に飛んでくる打突には対応は不可能。
「ゲバァッ…!」
背中から打突を受ければうつ伏せのまま吹っ飛ばされそれは大根卸の様に地面に身体を磨られるようにぶっ飛ばされる。
勿論、肝臓への打撃は深刻でぶっ飛ばされる途中で血を致死量レベルで吐きまくったので地面は汚れに汚れまくってる。
起き上がるが、顔面事地面に磨られたので原型がないほどまでに磨られた傷と吐血でぐちゃぐちゃの顔になっていた。
「俺はすり身のお肉ちゃうで…ごふ……いってえなぁ…そろそろマジでやったろうかな。お前さ、当然俺と一緒に死ぬ覚悟はできとるよな?」
最早、決め手は捨て身の一打しかないと判断した宗次は血まみれのまま立ち上がって右拳だけを相手に向けて構えた
■夜見河 劫 >
「カ、ハァァ―――。」
一撃を返した灰色の髪の男は、人と思えぬ呼吸音を立てながら吹っ飛ばされた男に目を向ける。
意識を刈り取るまではいかなかった、が、回し蹴りのダメージは確実に入っている。
回し蹴りを喰らった側頭部の皮膚が破れ、血が流れて包帯を汚している。
「思ったより飛んじまったな…色男形無しで悪ぃ事した。」
その言葉に、挑発や他意は全く籠っていない。単純な事実の羅列。
獣じみた笑い顔のせいで、完全に台無しだったが。
「死ぬ……死ぬ、ね。
良いぜ、殺しに来いよチンピラ。」
死ぬ事をまるで恐れないかの如き一言。
同時に、灰色の髪の男も構えを取る。
右腕一本に、総ての力を込めるかのような構え。
さもありなん、今しがた相手をぶっ飛ばした方の腕の動きが少しおかしい。
打撃を与えたというのに、少し痛めたような仕草。
最も、それを気にも留めてはいないようだが。
――次で、決まるか。例え、どんな形であったとしても。
■海藤 宗次 >
「………ほう、マジやんか。」
こちらも命を捨てる事など惜しくはない。
そしてそれは目の前にいる包帯男も同じ。
殺してやる、死んでも構わない
その言葉に嘘偽りはないだろう。
絶対に殺す、という確固たる意志を感じ取る。
「なかなかどうして精神も強いやんか。まさかマジの俺とここまでやれるとは思わへんかったわ。」
拳を下す。
後ろに下がる。
それと同時に身体から戦意と闘気が消えていく。
継戦の意志はない。
本当は刀も銃も使えるが武器を使ったら戦況は有利という訳ではない。
むしろ素手同士でぶつからなければいけない。
武器を使えばかえって不利になる。
つまりは強く、宗次も認めざる得ない実力だ。
「今日は花を持たせときまひょか。俺の名前は覇伝洲の海藤宗次や。名乗りな色男。…殴り合った仲やし今度一緒飯でも行くか?」
今日は相手の覚悟で退く気になった。
面白いからまた今度やりあうのもありだし、思い切って飯にも誘う。
殺意100%からの急な飯の誘い。
全く意味不明だが海藤宗次と言うのはそういう男。
■夜見河 劫 >
「…………。」
相手の戦意が無くなった事を知れば、激しく燃え上がる劫火のような
どす黒い瞳と気配が、急速に萎んでいく。
その雰囲気は、失望――というよりは、残念、といった気配が強かった。
「……やめにするんだ。つまんね。
暫くぶりに燃え尽きられると思ったのに。」
ふぅ、と息を吐き、右腕の力を解き、同時に少しぎこちない調子で左腕を振る。
少し観察眼があれば、右腕の力を解いた時にその掌から血が流れて落ちたのが分かるだろう。
爪が皮膚を破る、そんなレベルまで握り込まれた右腕。
その一撃が振るわれていたら、果たしてどうなったか。
結果はもはや分からないが、打たれていれば、打った方も明らかにタダでは済まされなかっただろう。
「……飯はいい。ただでさえ風紀に目、つけられてるし、うるさくなったらかなわない。
喧嘩なら、退屈してる時にいつでも。」
その発言で、まず一つ目の素性が明らかになる。
つまり――「風紀委員の監視対象」。
そして、続く発言で海藤と名乗った男とその配下以外の半グレ、それといつの間にか
野次馬に現れていた幾人かのチンピラに少なからぬ衝撃が走る事になる。
「海藤、ね――覚えとく。
……劫。
夜見河、劫。」
それを別れの挨拶代わりに、右腕で血で汚れた包帯を引き千切りつつ、半グレやチンピラ共を押しのけて、
ブレザー姿の男はこの場から立ち去っていく。
垣間見えた素顔は、端正な…二枚目の部類だが、どす黒く燃え上がる瞳がそれを台無しにしていた。
■チンピラ共 >
――そして、次の瞬間。
『…狂狼。』
ぼそり、と誰かが呟いた言葉に、覇伝洲以外の半グレ・チンピラ連中に動揺が走る。
『夜見河って…聞いた事あるぞ…普通の学生の癖に風紀の監視喰らってる、喧嘩野郎の名前だ!』
『集団で襲った連中が全員再起不能にされたって話か!?』
『いや、不良集団に毛が生えた程度だが、違反部活がひとつあいつに潰されたって…!』
『『――逃げろ!
「不死身の狂狼」は、「殴っていい相手」なら見境なしに喧嘩売る狂人だ!
潰されないうちにこっから逃げとけ…!!』』
大騒ぎしながら、有象無象はあっという間にブレザー姿の男とは反対方向に逃げ去っていく。
情けない連中である。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」から夜見河 劫さんが去りました。
■海藤 宗次 >
「燃え尽きるにゃ舞台が整っておらへんがな。今日は味見、メインディッシュは後でもええやろ。俺、美味しいもんは最後にとっておくねん。」
明らかに相手もとんでもない一撃を用意してたはずだ。
こちらもふさわしい一撃もあった。
だが決着するにはここは地味だ。
もっとド派手な舞台が欲しい
「いや、俺も組織の幹部やし二人おればいくら風紀といえど手出しは簡単にはいかへんて」
だから飯食いにいきまひょ、と誘おうとしたがその前に去ってしまったか。
今度誘えばいい。
「夜見河劫……ああ、通りで強いわけや」
この辺のエリアは情報屋で一通り洗った。
その中にこの人物がリストにあった。
それにしても不死身の男か…
中々どうして悪くない奴だった。
また戦いたい。
否…
その前に飯を一緒に食ってからやな
ご案内:「違反部活群/違反組織群」から海藤 宗次さんが去りました。