2025/02/06 のログ
ご案内:「違反組織『名も無き黎明』拠点跡地」に青霧 在さんが現れました。
青霧 在 > 違反組織『名も無き黎明』は、どうしようもない違反組織だ。
つい先週頃、異世界から迷い込んだ龍王を名乗る竜人の異邦人が立ち上げた組織である。
主な活動内容は、暴行、スリ、強盗、破壊活動。
その活動範囲は落第街に収まらず、むしろ歓楽街での活動が殆どであった。
龍王を名乗るだけあってその身体能力や扱う術は強力、そして悪知恵も随分と働いたようだった。
その力に魅入られた半グレや不良が従う事で小さな組織と呼べるだけの頭数をそろえ、大層な名前を掲げて活動を開始した。

「丈夫な事がいい事とは限らないようだな、自称龍王」

しかし、その龍王は今や見るも無残な姿となり果てた。
四肢は完全に砕け、右腕に至っては千切れているのではないかという程。
いつぞや見た程ではないが、顔面は晴れ上がり眼球は片方潰れていた。
息こそあるが通常の人間であればとうに命を落としていてもおかしくはない。
完全に意識を失いその表情は怒りと絶望に塗られていた。

ここまでの暴力を加えた張本人である青霧は、呼吸を整えながら竜人を見下ろしていた。
目立った負傷こそないものの、随分と苦戦した事が見て取れた。

特別攻撃課の女委員 > 「こちらは制圧完了しました。大物の鎮圧お疲れ様です」
「既に後方の部隊には連絡済みです。じき来ます」

青霧が竜人の相手をしている間に他の構成員の相手をしていた委員が青霧に状況を伝える。
次いで青霧の前で横たわる竜人に視線を向けた。

「…それ、生きてるんですか?死んでるようにしか見えないけど」

青霧が非情な制圧をするのは同じ委員ではよく知られている事だ。
だが、ここまで徹底的に暴行を加える事は稀である。
女委員も少しばかしの驚きと苦笑を隠し切れないようだった。

青霧 在 > 「助かる。漏れや怪我人はいないか?」

女委員と共有を行いながらも足元の竜人からは目を逸らさない。
あれだけしぶとかったのだ、また目覚める可能性は否めない。

「生きてはいる……筈だ」
「随分しぶとくてな。ここまでしてようやく気を失った……随分と骨が折れた」

女委員が『折れたのはそいつの骨ですけどね(笑)』と肩を竦める。
同情や動揺の類はない。流石に特別攻撃課、この状況で冗談を言えるだけの胆力が備わっている。

そんな雑談をしているうちに呼吸を整え、腰を下ろしながら適当な瓦礫を引き寄せて腰を降ろす。
『私にもくださいよいい感じの』と口にする女委員の背後にも適当な瓦礫を回してやる。
中質量が背後に突然迫った事に素っ頓狂な悲鳴をあげた為一言「すまん」と謝っておいた。

特別攻撃課の女委員 > 「それにしても、バカな異邦人もいますよねー」
「大人しくしてれば周りと同じ扱いしてもらえるってのに、あんなにイキリ散らしちゃって」
「本当に出来ると思ったのかな?」

任務が終わった事で気が抜けたのか、瓦礫に深々と腰かけて青霧へと畳み掛ける。

「他の連中も、あんなやつに感化されちゃって」
「本当に新しい支配者になれるなんて信じちゃうなんてバカすぎ!」

随分と、違反組織の連中を見下しているようだ。

青霧 在 > 「…………そうだな」

そんな女委員に一度だけ相槌を打ち、足元の竜人を見下す。
ラーと名乗り龍王を自称したこの竜人は、世界征服を打ち出していた。
自分は王族である、力を持つ者に従うのが道理、手始めにこの島から……etc
それはもう大言壮語で、大半の人間が本気にこそしなかったものの、多数の通報は入っていた。
故に違反行為の動機は、大凡推測通りであろうとされている。

「風紀の威厳もまだまだだな」
「凶行そのものを抑止出来る組織でなければならないというのに」

深刻でないにしろ、真面目に呟く青霧に、女委員は自信過剰気味な笑顔を向ける。

特別攻撃課の女委員 > 「バカは門から無限湧きするんだからそんなの無理ですよ無理」
「私たちが全部叩きのめせばいいんですよ!そしたら結果的に抑制にもつながりますし~」

無自覚な差別の乗った発言。
自身が優れており、被差別を自覚した事のないこの委員は異邦人に対して配慮や敬意が欠ける部分がある。
青霧の足元で尚転がっている竜人が街頭で叫んでいた事も差別的な内容だったのだが、この委員はよく分かっていないかもしれない。
人間を劣等種と呼ぶ事は彼女の内では差別に含まれないのか、それとも知らないだけなのか。

青霧 在 > 「…北小路、言葉選びには気を付けた方がいいぞ」
「内容には概ね賛同するが……流石に目に余る。風紀委員会として多少の配慮は覚えた方がいい」

北小路と呼ばれた女委員は、特別攻撃課としては大変優秀とされている。
符呪術や道術を用いた呪縛の類を使いこなす上、魔術に武術も収めた前線にも後方にも出れる優秀な戦力だ。
一方で、風紀委員会としては問題児と呼ばれている。
己の能力や境遇に胡坐を掻き、謙虚のけの字も知らない彼女に最低限の業務に臨む姿勢を覚えさせた委員はさぞかし胃を痛めた事だろう。

「それだといつまで経っても祭祀局には戻れないぞ」

北小路は祭祀局から半ば追い出される形で風紀委員に転属した過去を持つ。
故に彼女はそれを気にしている。
青霧がわざわざそれを持ち出したのは、性格が悪いからでも配慮に欠けるからでもなく、ズレた北小路の認識を正すためである。
故に、北小路がこの後見せるであろう態度を憂うように額を揉んだ。

北小路 > 青霧の説教ともとれる苦言に「気を付けます~」と軽薄な態度を貫く北小路。
しかし、青霧の予想した通り、祭祀局との過去について言及されればあからさまに機嫌が悪くなる。

「それを持ち出すのはルール違反っすよ」
「そもそもアレはあっちが悪いんすよ?あんなしょうもない事でぐちぐち言われたらムカつくじゃないですか!」

逆上ともとれる態度と発言。
しかし、青霧との力量差などを感じているのか青霧に対しては強く出れないらしい。
その為かここに居ない他の者についてうだうだと文句を口にする。
足をぶらつかせ、指先を手のひらでこねくり回す。
大層機嫌が悪そうだ。

青霧 在 > 「その様子だと当分は受け入れられないだろうな」

そんな北小路の様子に溜息を零しそうになるのを堪える。
青霧の発言により一層機嫌を悪くした北小路は完全に膨れた様子でこちらを睨んでいる。
一度模擬戦で圧倒した為か、比較的従順な筈なのだが…それでもこれだ。
組まされる他の委員が気の毒だ。
この現場に青霧が来ているのも、青霧が北小路に対して比較的強く出れる為にお守りを押し付けたのではないかと考えてしまう。
その程度で異を唱える青霧ではないが、少しばかし納得出来ないぐらいは許されるだろう。

北小路は優秀な道術士だ。
あれだけのトラブルを起こしたというのに、機会さえあれば祭祀局に連れ戻そうと考えているようで度々様子を尋ねられているらしい。
それが彼女の慢心にも拍車をかけているのだろう。皮肉な話だ。
故に、勿体ないとも感じる。
残念なやつだ。

なんて、溜息の代わりに瞼を閉じた時だった。

足元の竜人が動いた。

自称『龍王』 > 悪知恵が働く。青霧の評価は誤りではなかったようだ。
竜人は僅かな隙を伺っていた。
青霧との戦いの中で、その異能を一部見破り、その効果が及ばないタイミングを探していたのだ。
それが正に、瞼を閉じた瞬間であった。

砕けた筈の四肢で地面を蹴り、勢いよく駆け出す。
向かう先は青霧ではなく、北小路。
先ほどの戦いで、青霧には勝てないと判断したのだろう。
であれば、狙うのは当然女であり隙だらけで油断している北小路…道理に適った行動である。

北小路も慌てて符を取り出そうとするが、距離、油断、姿勢が合わさりその前に竜人のとびかかりを受けて伸し掛かられ、地面に叩きつけられた。

「この女の…命が惜しければ……!俺様を逃がせ……!」

北小路を下半身で地面に押さえつけたまま、青霧の方を向き恐喝する。
その表情は怒りと必死さに塗れ、到底冷静な思考など出来ていないように見える。
北小路の首に添えられた左手すら情けなく震え、まともな力が入っている様には見えない。
それでもやはり龍王などと自称するだけあってそれなりの力はあるようで、藻掻く北小路はその状況を脱せずにいた。

北小路 > 「離せ!亜人のくせに!このっ、ノータリン!ゴミ!バカ!傲慢!トカゲ脳!」

必死に藻掻きながら思いつく限りの罵詈雑言を浴びせる様はどちらかというとそちらの方がトカゲの様に見えるが、それはさておき。
無力に藻掻きながらもなんとか抜け出そうと策を講じている様子だ。

青霧 在 > 「……」

竜人がまだ動ける可能性は十分考慮していた。
しかし、北小路の態度に気を取られすぎていたとはいえ、まさかここまで俊敏に動けるとは考えていなかった。
亜人の身体能力やしぶとさは侮れない物だ。
しかし、青霧に焦りはなかった。
視線は竜人の方に向けられ、そちらをじっと見つめて。

「離した方がいいぞ」
「さもなくば、先はないだろうな」

青霧から何かする訳ではない。
下手に刺激すれば北小路を傷つける結果になりかねない。
あちらも自分の唯一の道筋であろう北小路を容易に殺すような事はしない筈だ。
それだけの知識はあるというのは分かっている。

そして、青霧から手を出す必要は既に一切ない。

「もう一度言うが…今すぐそいつを放して今すぐ投降しろ」
「さもなくば死ぬぞ」

呆れ気味に肩を竦めて最終勧告を出す。
青霧が見ているのは、目の前の竜人ではない。

自称『龍王』 > 「ぬかすなああああああああああああ!」

青霧の勧告に激昂する竜人。
侮られたと、劣等種に見下されたと勘違いしたのだろう。
青霧が何もしないと見るや、本気である事を示すためにも左手に力を込めた…その時だった。

鋭い銃声 > バジュッ
青霧 在 > 「だから言っただろう」

竜人の頭を貫いた銃弾は地に埋まり小さな穴を残す。
脳天を撃ち抜かれれば流石の龍王様も耐えられなかった様で、ぐらりと傾き地に伏す。
今度は先ほどの様に起き上がる事はないだろう。

青霧が見ていたのは、風紀委員会の狙撃手。
屈折した視線の先に見える見知った顔がダブルピースを向けて来る。
呆れを感じながらも今度こそ目の前に視線を向け、『いたた…』と腰を摩る北小路に手を差し伸べる。

「油断した。危険に晒して申し訳ない」

頭を下げて詫びる。
鎮圧した自分が目を離して暴走を許したというのは、とんでもない失態だ。
もし竜人が自暴自棄になり真っ先に北小路の命を狙っていたら、命を落としていた可能性も十分考えられる。
狙撃手(新宮)が居てくれたおかげだ。後で感謝を伝えなければ。

北小路 > 「死ぬんじゃないかって思ったよ…」

少しばかし上の空だが、青霧の手を掴んで立ち上がる。
目立った怪我はないようで、腰を打ち付けた程度か。
首筋にも妙な痕は残っていない。

「油断ー…したらダメですねー…」

なんて、自嘲気味に苦笑いを見せて。

青霧 在 > 「そうだな、驕りも厳禁だ」

意図したものではなかったのだが、北小路にとっては良い学びになったかもしれない。
これで態度が改善されれば助かるのだが……

そうしている間に、後方部隊と狙撃手(新宮)が到着した。
北小路が拘束した構成員達を拘束したり、竜人の遺体を袋に入れて搬送準備を始める。
薬品による感染症予防や現場検証の準備も併せて進む。

新宮 > 「驕らない事も大事だが俺には何か奢ってくれないのか?在」

そんな軽口を叩くのは狙撃手(新宮)
したり顔で青霧の方を見つめている。本気で言っているのか、冗談なのか判断がつかない曖昧な物言いである。

青霧 在 > 「……昼か夜でも1食奢る」
「お前のお陰で危機を回避できた。それぐらいなら安い」

(同僚)の命や円滑な任務遂行と比べれば1食程度奢る程度、安いものだ。
普段から何かと世話になっている。蛇々苑でも回らない寿司でも何でも奢ってやろう。
どうせラーメン辺りで手打ちにするのだろう。そういう所は謙虚なのだ。

「…さて、これで任務の方は終わりで良かったか?」
「返ってシャワーを浴びたい」

俊敏なやつを相手するのは疲れる。お陰で汗が気持ち悪い。
しかも冬だ。身体が冷えてきた。
いえばカイロ辺りならもらえるだろうが、それよりもシャワー辺りで一気に温まりたいものだ。
『大丈夫だ。お疲れさん』との返答に「お疲れ様。後は任せた」と返し、帰路についた。



結局、車両に乗せてもらった。この寒空の下、凍えながら歩くには落第街はあまりにも広すぎたのだ。

ご案内:「違反組織『名も無き黎明』拠点跡地」から青霧 在さんが去りました。
ご案内:「違反部活群/違反組織群」に海藤 宗次さんが現れました。
海藤 宗次 >  
最低限の動き、最低限の消費、最低限の時間。
時には効率性を重視する事も大事だ。
今日はそんな最効率を追求した作戦だ。

「お~さっむ…さっさと帰ってチキン食いたいねんな」

半グレ幹部海藤宗次。
彼は今とある建物の屋上にいる。
装備しているのはロケットランチャーと普段のシンプルな装備とはうって変わる
ロケットランチャーの弾は既に装填してありあとは引き金を引くだけ。
宗次は屋上でいつでもロケットランチャーが撃てる状態で待ち構える。

海藤 宗次 >  
勿論こうして待ち構えるには理由がある。
簡単に言ってしまえば敵対組織への攻撃、排除だ。
だが考えもなしに突撃をしてしまえば手痛い反撃は免れないだろう。
そこで"エサ"を撒いた。

連中は今、手薄で重要拠点を奪うチャンである。

たったこれだけの情報を流すだけで釣れる。
少なくとも覇伝洲を嫌ってる連中は排除しにかかるだろう。
現に偽の情報を撒いた所に20人程が集まった。
離れていても分かる。殺気だ。
連中の装備もライフル、刀、ハルバード、ボウガン…様々だが協力だ。
覇伝洲を滅ぼさんと本気で考えその為ならばどんな犠牲も厭わないそんな連中だ。

だからというべきか

「甘いなぁ…そんなに固まっては撃ってくださいいうてるもんやろ」

当然の事ながらそこの建物に宗次はいない。
宗次は別の建物の屋上から彼らを補足しロケットランチャーの狙いを定めた。

海藤 宗次 >  
「はいな、ドカーンとな」

連中が突入する。
だがそこはもぬけの殻。
奴らがしまった、と思うにはもう既に遅すぎた。

そこにはロケットランチャーの弾が迫り、建物ごと吹っ飛ばす!
宗次もこれで全滅させたとは思っていない。

「おまけのパイナップルでもどうぞ~」

続いて手榴弾2個を投擲。
更に爆発が立て続けに二回おこる。

「ダメ押しのちゃ~!」

更にその隙にロケットランチャーの弾を高速リロード。
もう一度ランチャーを構えてぶっ放す。
4発目の爆発で敵対組織20人の人間はおろか、そこにあった建物ごと跡形もなくこの世から消えた。
一連の流れはまるで戦争のような光景だ。

海藤 宗次 >  
「さて、手っ取り早くぶっ殺したしさっさと帰ってチキン食いたいねん」

その4発の爆発は確実に組織の連中を皆殺しにした。
だが無論、ここは一種の居住区でもあるので巻き添えになった人間も少なからずいる。
破片が飛んで通行人の腹を貫いたりだとか建物がドミノ倒しに倒壊して中にいた人間が圧死したか生き埋めになったか。

ぶっちゃけ宗次は些細な事だと思ってるし何よりさっさと寒い所とおさらばしてお家でぬくぬくと暖かいものを食べることを優先したかった。

ロケットランチャーは弾切れだが本体はそこそこ高い値段なので背負う。
使ったものを片すように撤収の準備。

「ほな、死体漁りは他の班に任せるで~」

あとは死体を漁って金品を売る。
これが覇伝洲のシノギの一つでもあるのだが
こういうのは部下に任せて宗次はさっさと帰ってしまうだろう

ご案内:「違反部活群/違反組織群」から海藤 宗次さんが去りました。