落第街の大通りから一筋外れた路地裏では学園都市の闇が燻っている。
事件が起きても闇から闇へ、よほど大規模なものでなければ判明することは難しいだろう。
路地裏は非常に危険な場所であり、危険な取引もここでなされる。健全な学生はまず近づくべきではない場所だ。
参加者(0):ROM(1) 
Time:01:02:16 更新
ご案内:「落第街 路地裏」から大神 璃士さんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」からサロゥさんが去りました。
■サロゥ > 「――――」
市販のものはどういうものがある?どういう仕組みで遠方とやり取りが出来るのか?
食い気味に口を開き、質問を投げかける。
強い興味を示し、教えられたあらゆることに興味を持っていくだろう。
認証とは、精密機器について学ぶ方法、電波の仕組み。
うんざりするほど色々聞こうとするだろうが、その前に車両が来てしまった。
すると今度は車両と、その中の機構などへと興味が移ろいでいく。
他の風紀委員の視線など意にも介さず、興味を満たそうと節操なく問いを投げかけ続けた。
このあと事情徴収や、一般常識の教育を担当する風紀委員はかなり苦労することになるだろう。
とはいえその尽力あって、サロゥが反秩序的な行動にはしらなかっただけ、その委員は報わるのかもしれない。
■大神 璃士 >
多少なり気を張りつつ、黒いジャケットの青年は女傭兵と異邦人とのやり取りを目にしている。
二人への警戒…も、多少はあるが、主に向けられているのは外――違反組織の人間やら犯罪者が
突然現れてこちらに向かってこないか、であった。
そんな警備体制の中、改めてかけられた異邦人からの言葉に多少の安心を感じた所で、
突然の質問の意志に少し驚く。
(今までで一番強い意志だ。知識欲が旺盛…だが、同時に危うくも感じるな。)
それを表に出さず、手にした携帯端末を示して説明。
「通信…離れた場所の相手と、機械的な手段で会話を行う為の機器だ。
これは組織の都合上、詳しく見せる訳にはいかないが、一般向けの機器も販売されている。」
簡単に通信端末と、市販されている携帯端末について説明を行う。
精密機器であり、認証などもある為、分解しての解析は推奨されない事もついでに。
(…販売されている端末でも、分解されてしまったら取り扱い先が大変だろうからな。)
そんな事を伝える間に、護送の為の車両が到着するだろう。
二人が乗り込んだのを確認すれば、青年も今回の件に当たった委員として同乗する事になる。
そのまま、問題がなければ落第街を後に、風紀委員会の本部へと向かっていくだろう。
■サロゥ > 「―――――」
サロゥで構わない、風紀委員と敵対しないように気を付けるという意志表明。
これらを男に伝える。
そして、男が別の誰かと意思疎通を行っている間、女傭兵へ報酬を渡すようだ。
ワームホールのような裂け目がサロゥの目の前に生じ、そこに掌を差し込めば、何かを取り出す。
それは、この世界の通貨である円の紙幣。十枚、いやもっと、関節や四肢に触れる対価としてはかなり高額な金額を手に、女傭兵に近づく。
口を小さく開き、紙幣を渡す。
女傭兵は恐る恐るながらそれらを受け取り、枚数を数えたりすることもなく、落ち着かない手つきで内ポケット辺りにしまい込んだ。
同意を得られたとはいえまだサロゥに恐怖を感じているのか、サロゥに向ける視線は落ち着かない。
そうしている間に男が連絡を終える。
サロゥは話しかけられていることを察知し、男の方を向く。
一通り聞き終えれば口を開く。
「――――――、――――」
ここがどのような場所と思われているか理解したこと、これからどうなるか理解したこと
それらの風紀委員の行動に感謝すること、措置を理解出来ること
大神璃士という名前を覚えたこと。
これらを伝えた。相変わらず声も音も伴わない情報伝達だが、男の名前:大神璃士の発音ははっきり理解していると伝わる筈だ。
そして、もう一度口を開く。
「―――――」
待っている間に聞きたいことがある、その道具はどういうものなのかを知りたい。
その道具とは、大神の使用した通信端末のこと。
そして、知りたいという強い願望が情報として伝わっているだろう。
特に強引であったり、脅迫じみたものは含まれないが、これまでで最も強い意志だ。
■大神 璃士 >
(この世界の言語では発音が難しい言語だ。
異邦人と確定して、相違ないだろうな。)
そのままの発音は難しいが、何とか近い発音を口にする事は出来る。
個体名称が存在する位には「個性」と言えるモノがあるのだろう、と思いたい所であった。
ともあれ、双方で和解ないし同意が得られたのなら話は早い。
「個体名称を理解した。生憎、こちらの言語では正確な発音が難しい言語だ。
支障がなければ最も近い発音で、「サロゥ」と呼ばせて貰う。
併せて、この地の秩序を学ぶ意志がある事に感謝を述べさせて貰いたい。
――ようこそ、常世島へ。
秩序と風紀を学び、遵守する意志があるならば、風紀委員会は貴方の敵にはならないだろう。」
定型文めいた言葉を最後にかけると、黒いジャケットの青年は通信端末らしきものを取り出し、起動する。
「――こちら大神。落第街にて、異邦人と推定される存在が事件を引き起こしかけた所を確認。
会話にて鎮圧に成功した。当該存在は秩序学習の意志あり。
当該存在と、既に接触を行っていた人物の双方が任意同行と事情聴取に協力の意志を示している。
速やかに風紀委員会への護送人員を送って貰いたい。座標は――」
それから数度の会話で、通信は終了する。
通信を終えると、改めてジャケットの青年は二人に向き直る。
「護送の者が来るまで、もう暫く此処で待っていて貰いたい。
此処は犯罪者や違反組織等が多数存在する、危険地帯だ。
安全に風紀委員会の本部まで送り届けるまでの、必要措置だと理解して欲しい。」
主にサロゥと名乗った異邦人に向けての説明。
本来此処は危険地帯であり、滞在が事件に巻き込まれる火種になりかねなかった事。
理解が通じれば助かるのであるが。
「――風紀委員会所属、大神璃士だ。
以後、風紀委員会本部への到着まで、貴方がたの身柄は自分が一時預かる。」
堅苦しいが、護送の為の面子が到着するまでの護衛役、である。
■サロゥ > 男の発言はしっかりと女に伝わった。
「――――――」
指示と要請を受け、間を置かずに口を開く。
指示と要請を理解して承諾すること、人間の関節について理解したこと
秩序を学ぶ意志があること、女傭兵に報酬を支払いたいこと
事情聴取の際にこの場所や世界について聞きたいということ。
それらが順番に男に伝わるだろう。
次は女傭兵の方を向いて口を開くと、女傭兵は多少怯えながらも、小さく頷く。
和解か同意か、何らかの合意が得られた様子だ。
再び男の方を向き、口を開く。
「――――――、―――」
自分の個体名を伝える、個体識別のために必要だろう、◇◇◇◇。
日本語や英語といったこの世界の言語では発音が難しい名前だが、発音しやすく言い換えるのであればサロゥといったところだろう。
男に自己紹介をした。
■大神 璃士 >
「………成程。」
傭兵と思しい女の言葉に、自身の立てた推測が凡そ外れていなかった事を認識し、青年は一言を呟く。
想定よりも重大であったのは、異邦人と思しい女が恐らくは通常のヒト型生物とはかけ離れた
身体構造であろう、という事と、思考の面でもかけ離れている所があると思しい点。
恐らく、女傭兵に接触したのはより「人らしく」形を整える為の「参考」にするものだったのだろう、と結論する。
(……恐らくは相互の認識の行き違い、と言う所もある、か。)
揉め事になったのはその辺りだろうか、とも推測する。
流石にこれ以上を路上での事情聴取で調べるのは限界がある。
「双方とも、言い分は凡そ理解した。」
先ずは、異邦人と思しい女へ。
「…関節可動域調査の過程で負荷をかけ過ぎると、人体は重篤なダメージを受けかねない。
その場合、敵性存在として風紀委員会…この島における警察機関に指名手配される危険性が存在した。
貴殿が如何なる場所から来訪し、如何なる価値観を持つかは分からないが、
この世界にはこの世界の「秩序」が存在する。
侵略意図等が無いのであれば、それに従って貰いたい。」
其処までを言葉にしてから、先ずは大きく呼吸。
今度は双方に言葉をかける。
「――此処で発生した問題は、認識の齟齬にある所が大きいと思われる。
申し訳ないが、風紀委員会への任意同行と詳細な事情聴取への協力を要請したい。
要請を受け容れて貰えれば、風紀委員会としても助かるのだが。」
あまりやりたくはない事ではあるが、言葉の裏に僅かながら脅しを入れて置く。
つまり、此処で任意同行に応じなければ厄介な事になってしまうぞ、という「危機感」の、僅かな提示である。
(……気が進まないが、出来るだけ丸く収めるには仕方がない、か。)
内心密かに自嘲しながら、黒いジャケットの青年は二人の女に鋭い視線を向ける。
■サロゥ > 「――――――」
再び口を開き、男に情報を伝える。
理解した、言語の習得と口を用いた情報伝達の会得を優先する。
そう男に伝わるだろう。
これも女傭兵には伝わっていない。
男に尋ねられた女傭兵が今度は口を開く。
声を伴う情報伝達により、男に向けて何があったかを語る。
「突然契約を持ち掛けられた」「関節や四肢を触らせたら報酬を支払うと言われて同意した」
「女は化物だ」「タコみたいな関節だったのにグロテスクに形を変えていた」
そして最後に、「関節の可動域を調べさせろと言われて拒否したら、迫って来た」と説明を締めくくる。
多少ヒステリック気味な語り口で一気にしゃべりきった。
ヒステリックになるあまり呼吸が疎かになっていたのか、落ち着こうと大きく深呼吸を始める。
「―――――――」
その様子を確認した女が口を開く。
終わったかの確認、間違っていないだろうと確信を含む問いかけ。
それらを男だけに伝える。
どうやら、女には女傭兵の発言は聞こえていないらしい。
■大神 璃士 >
「……。」
奇妙な行為である。口を開いただけ。音も無ければ声もない。
然しながら、女の伝えんとする事は、黒いジャケットの青年へと確かに伝わる。
軽く眉を顰め、その「意志」を黒いジャケットの青年は鋭く分析する。
(言語を用いない意思疎通……そういった「機能」がないのか、単純に「使わない」だけなのか。)
いずれにしろ、尋常な人間ではあるまい。
身に着けている戦闘用と思しい服から見て――
(異邦人、か。)
そう推測するのに、時間は大して必要でもなかった。
先ずは、女の方に改めて声をかける。
「伝えたい事は理解した。だが、この世界においてその意思疎通手段は「一般的」ではない。
即時に改めろ、とは言わない。だが、一般の者に向ける事は不必要な不安を煽る。自重して貰いたい。」
先ずはそう釘を刺して置く。
改まって、今度は傭兵と思しい女の方へ。
「――この「異邦人」と思しい存在は、「契約に基づいた行動」をしていた、と伝えて来た。
どのような約束を行ったのか、出来る限り簡潔・正確に供述を願う。」
もう一方からの事情聴取も大事である。
最も、この時点で「この場で解決出来る」範囲を既に超えているだろう、と青年は凡そ目星をつけてはいた。
■サロゥ > 突如現れた男の指示した通り、状況が静止する。
女はその足を止め、現れた男の方を向く。
女傭兵は晴れやかな表情を浮かべて男の方を見つめる。
女傭兵にとっても風紀委員は好ましくない存在の筈だが、全く気にならないらしい。
先程までの悲痛な様子はどこへやら、どことなく乙女な表情で男を見上げている。
涙と鼻水が出ていなければもう少し華があったことだろう。
「――――――」
最初に口を開いたのは女だった。
口を開いただけで、音も声もない。
それでも、伝えようとしていることは確かに男に伝わるだろう。
挨拶、誤解を訂正しようとする弁明、契約に基づいた行動をしていたという状況説明。
これらの情報は、男だけに伝わる。
女が今言葉を伝えようとしているのは、男だけだ。
一歩前に出していた足を引っ込め、両手を垂らしたままの半端な直立姿勢で、男の方を見続けていた。
■大神 璃士 >
此処は落第街。公的には「存在しない区画」として扱われる場所。
違反部活や違反組織、あるいはその構成員は数あれども、助けに入るヒーローなど、存在はしない。
此処は、そういう「場所」である。
「――其処までだ。双方、その場で静止しろ。」
劫、と風を伴いながら、鋭い制止の声が響く。
落第街に「ヒーロー」は現れない。
しかし、「治安維持を目的とする組織」の手の者は、存在した。
二人から10m程離れた所に立っていたのは、黒いジャケットに特徴的な制服を着た、シルバーメッシュの髪の男。
珍しく着けている腕章には、「風紀委員会」の文字。
黒みを帯びた深い青の双眸が、両者に油断なく向けられる。
「風紀委員だ。事情聴取を行う。双方、そのままの姿勢で待機しろ。」
かけられる声は、強い圧を感じさせる。
黒いジャケットの男も、只事ではないと判断する空気を感じたようだ。
ご案内:「落第街 路地裏」に大神 璃士さんが現れました。
■サロゥ > 女傭兵は後ずさりながら助けを呼んでいる。
助けを求める悲痛な悲鳴が路地裏に響くが、ここは落第街。
女との距離も、もう数秒もすれば無くなるだろう。
女が女傭兵を止めようとする様子はない。
女傭兵が奮える手で刃物を女に向けても、その足は止まらない。
落第街にヒーローは現れるのだろうか。
■サロゥ > 女の関節が膨らんで萎むを10回ほど繰り返したころ。
調子を確認するかのように大きく関節を動かす。
肩を回し、腰を捻り、腕を折りたたみ、屈伸してみせる。
するとどうだろうか、女の肩、腰、腕、そして膝は、しっかりと人のように動いてみせたのだ。
可動域がやや不自然なことに目を瞑れば、人と遜色ない動きだ。
それらの動作を繰り返したのち、女が女傭兵に向かって口を動かす。
ただの口パク、音も声も発していないのに、女傭兵には伝わっているらしい。
女傭兵は激しくうなずきながら、悲鳴にも似た肯定の言葉を返す。
女が再び口を少し動かす。
すると女傭兵が短く悲鳴を挙げ、すぐに訂正を口にする。
関節の可動域が広いと言いたいらしいが、まともな発音ができていない。
しかしながら女には伝わったらしい。
再び膝や肩を動かしてみてから、しばし沈黙する。
そして再び、女傭兵に向けて口を動かす。
女傭兵は耐えかねたように悲鳴交じりの非難を浴びせ始めた。
「契約は果たした」「これ以上は無理だ」「化物め」「人になって何をする気だ」。
もはや罵倒交じりの悲鳴にも動じず、女は少しだけ口を動かし、女傭兵に歩み寄る。
女傭兵は逃げようとする。しかしながらまともに立てない。
女が何かしている訳ではない。この場には何も作用していない。
異能も魔術も結界も何もない。
女傭兵は、ただただ女に恐怖しているだけだ。
そんなことはお構いなしに、女は一歩ずつ女傭兵との距離を詰めていく。