2024/07/27 のログ
ナナ > 「実験のおかげ、と言えば聞こえは良いけどそれが理由だよ。
こんな体じゃないと素手で逃げるなんて無理だからね。」

実験で得た力、これを最大限活用してここまでたどり着いた
途中何度も死を覚悟したし普通の体なら死んでいる

「何らかの、と言うより何でもかな。
私の異能があいつらの実験と上手い事嚙み合ったみたいでさ…これでも最高傑作らしいよ、私。」

穏やかに小さく笑う
完成された笑顔ではなく自然な笑顔

けれど、この顔だって自分の顔ではない
もう元の顔も正確に思い出すなんてできはしない

Dr.イーリス > 「……あなたが生き延びた事はよかった事ですが、それが実験による成果となると複雑なものですね。望む、望まずして今はあなたの力という事でもありますね」

ナナさんの発言から、逃亡の過酷さがある程度想像できる。
もしかしたら想像を絶するかもしれないが……。

「何でも……? 何でもと言える程に、あなたのその体にはあらゆるものが取り込まれているという事でしょうか……。最高傑作ならば、なおさら研究所はあなたを捕えようと必死になっているはずですね……」

落第街は訳ありの人達が集まっている。
そんな中で、研究施設の人達がナナさんを見つけ出すのはそれなりに困難かもしれない……。あるいは、研究施設の方々が結構有能な方で、すぐナナさんを見つけ出したりするのだろうか……。

「ナナさん、行く宛などはあるのでしょうか……?」

ナナ > 「まぁ貰ったモノとその過程を比べたら…うん、全然割に合わないかな。
あいつらぶっ殺せる手段としては便利だけど。

うん、多分なんでもじゃないかな?
私を逃がした奴等、消されればいいんだけどなぁ。」

責任を取らされて物理的に首が飛べば喜ばしい限りである
追うのを諦める…事は無いだろう
最高傑作であると同時に自分が存在していること自体が不都合にもなりえるのだから

「ん、無いよ。
とりあえず島から逃げたいけどそれはあいつらも警戒してるだろうし、暫くは落第街でやり過ごすつもり。
この辺りはそういう連中ばっかりらしいしね。」

あまり多くは無いこの島の知識
しかしそれ以外頼るモノは無い

Dr.イーリス > 「とても酷い目に遭ったのですね……。その分、追っ手には存分に振るってあげればいいと思いますよ」

ナナさんがどのような目に遭ったのかを考えると眉尻を下げてしまう。

「非道な事をする研究施設なのですから、ナナさんの苦痛なんてお構いなしに色々されたのですね……。そうですね、非道な実験を行う研究施設は然るべき報いを受けてもいいと思います」

研究区から逃げてきたばかりとなれば、やはり行く宛もない……。
イーリスは、ナナさんに右手を差し伸べる。

「なら、しばらく私の住んでいる所にきませんか? 落第街にありまして、知り合いと一緒に暮らしています。屋根のあるところの方が安全に、安心して過ごせるかと思います」

イーリスは今、エルピスさんの事務所で暮らしている。
そこにナナさんを招待しつつ、笑みを浮かべてみせた。

ナナ > 「言われなくても。」

元よりそのつもり
こちらが死ぬか相手が死ぬかの戦争なのだから

「イーリスの?それは……」

悩む、色々と考慮しなければならない事はある
恐らく目の前の少女は善意で手を差し伸べてくれている、それは間違いない

「良いね、ならお言葉に甘えようかな。
こんな所で野宿よりは確実にそっちの方がゆっくりできるし。」

選べる立場ではないのだ
使えるものは他人の善意でも使わせてもらう
使わざるをえないのだ

Dr.イーリス > 悩んでいるナナさんだが、イーリスは手を差しのべたままナナさんの返事を待つ。
研究所から逃げたばかりで、考えなければいけない事も多いのだろう……。
もしナナさんに追っ手が迫ったら……。
ナナさんがご迷惑でないなら、イーリスの出来る範囲にはなるけどそれでも手を貸してあげられればと思う……。

やがて、ナナさんは一緒に来てくれると言ってくれて、にこりと笑みを浮かべた。

「これからよろしくお願いします、ナナさん。私と一緒に暮らしている方、エルピスさんというのですけどとても優しくて、それでいて頼りになる方でございますね。私と同じように、機械の箇所がある方でもあるのですよ」

同居人であるエルピスさんのご説明も少しして。

「それではご案内しますね。えっと、その前にこのメカニカル・サイキッカーをまた起動してよろしいでしょうか?」

先程停止させた漆黒のメカを指差して小首を傾げる。
ナナさんの指示で停止させたので、一応再起動していいか確認を取った。

ナナ > 「よろしくね、多分迷惑はかけても恩を返す機会は無いだろうからそこはよろしく。」

ここまでの善意に付け込むやり方が余り気乗りはしていない
だから最低限、これだけは伝えなくてはならない

「へぇ、他にもそういう人居るんだ。体に混ぜ物してる縁なのかな。

あぁ勿論、そのメカ…サイキッカーも起こしてあげて。」

敵対しない以上それを止める理由なんてない
寧ろこれからは四六時中稼働していてもらいたい

Dr.イーリス > 「そこは気になさらなくて大丈夫です。あなたの力になれれば、とは思いますが見返りを求めてというわけでもないですからね」

子供が望まずして実験体となった悲惨な境遇……。
そのような悪夢から抜け出したのなら、これから救いが待ち受けてもいいじゃないか……と願ってしまう。
そう願ってしまうのは善意の他に……この子と自分を重ね合わせてしまっているからだろうか……。
スラムで過ごした決して恵まれない日々……。直近の戦いで味わった悲劇……。少しぐらい……救いがあってもいいのではないか……と……。

「ふふ。不思議な縁もあったものです。ありがとうございます」

メカニカル・サイキッカーを起こしてもいい、という事で再び起動させた。
漆黒のアンドロイドが動き出す。

「これは、これからご案内する事務所の合鍵ですね。あと一緒に暮らすなら連絡手段もあった方がいいですよね。スマホをお持ちでないなら、これ使ってください。私お手製のスマホです。性能は最新機種にも劣りません」

エルピスさんの事務所の合鍵、そしてイーリスの連絡先が登録されたお手製スマホをナナさんに差し出す。

「それではご案内しますね。ついてきてください」

そうしてナナさんを、エルピスさんの事務所にご案内する事だろう。

ご案内:「落第街 路地裏」からナナさんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」からDr.イーリスさんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」に蒼い影さんが現れました。
蒼い影 > 路地裏。

"掃除中"のハチマキをつけた青髪ロングの蒼い影が、
ゆるっとした足取りで何かを目指して歩いている。

喧騒や不穏が付き纏う場所ながら、
何故かそれを寄せ付けない妙な雰囲気を纏って。

(……やってる感って大事だよねー、やってる感って。)

ただ、何とも言えないやる気のなさそうな足取り。

だって。
これからやる事って。



ゴミ処理だから。

蒼い影 > 「おっと?」

さて、ゆったりした、実に気怠そうな足取りが、止まる。
大体の者にとっては、何もない、或いは何でもないような虚空。

だけど、そこには。

(人除けとかの結界だねー、これ。)
(ご丁寧に、まあ。)
(隠蔽、遮断、忘却、空間繋ぎ―――一つや二つじゃあない。)

この路地裏が、
さも当然のように。

ここには何もないですよと隠匿するように。

張り巡らされた結界。
或いは空間だ。

ちょっと魔力だのに聡ければすぐ気付こう。
随分厳重に封鎖してるエリア。
こんな路地裏に。


(……最近のゴミは、隠れるのも上手いらしい)

蒼い影 > (ま、それは比較的で私にゃあんま関係ないんだけどさー)
(仮に。)


(ぜーんぶ割ったら、どうなるだろうね、これ?)
(中身のゴミ雪崩れ込んでくるかな。)

一目見れば、
何もないように見えて。
向こうに何かある。

こん、こんと指の背で、
虚空に浮かぶ"壁"を2,3叩く。

ご案内:「落第街 路地裏」にカエルムさんが現れました。
蒼い影 > (ん、まあ。)
(……割るか?)

最初っからそのつもりだったから。
ゴミが雪崩れ込んで来たら、綺麗に一掃すりゃいいさ。

(やってる感、大事だからさ。やってる感。)

なんとも、緩く適当な笑みを浮かべて。

「……はい、じゃあゴミ掃除の時間かね。」

カエルム > 少年が路地裏に駆け込んでくる。
落第街での仕事とそのついでに起きたいざこざからの遁走。
普通の人間程度なら負ける実力ではないが現代兵器相手には流石に分が悪い。というか面倒。
…というわけで撒くために入り組んだルートを利用し辿り着いた先がここだ。

「はぁ。流石に撒けたかな」

と、顔を上げたタイミングで人が居ることに気付いた。

「げ」

あいつらの仲間…ではないか。服装綺麗そうだし。

「そこのヒト、何やってんの」

とりあえず声を掛ける。仮に敵だった場合の逃走ルートを頭にえがきつつ。

蒼い影 > 「あん?」

これからゴミ掃除しようってのに。
ああなるほど、やっぱ誰かしらに、見つかるよねー。
ま、見つかったほうが良い事もあるんだけど。
呼びかけた声に振り向いた。
多分、その服装はこの街に似つかわしくないほど異様に綺麗だろうか。

「私はちょっとゴミ掃除の準備中。ほれ、そういう役目なんだよ。」

掃除中のハチマキをちょっと指さして、
ほんのり怪しく笑う。
赤い眼鏡の奥には優しそうだけど意地悪そうな顔が見えよう。

「キミも一個答えたから一個答えようか?何してんのさ。」
「走ってきたところを見るに。」

「厄介ごとに絡まれたってところだろうけれど?」

とりあえず、話は通じる。敵意はない。
近寄ることも離れることもしないで、見ている。

カエルム > 振り向いた顔になんとなく見覚えがある気がした。
表のどこか…学校だったろうか。まぁ、思い出す労力を割く気もないが。

「風紀サマか公安サマってトコか」

掃除中のハチマキと環境から推察した結果を呟いた。

「…ま、そんなトコ。」

両手を軽く上げて無罪をアピール。長い耳が片方ぱたりと傾く。
…うん。追いかけてくる気配は無い、と。

「で? ソレ割る気?」

目の前にある結界を指して問う。
魔術の行使は得手ではない。が、罠の探知などを生業としていてこれが見破れないほどの素人でもない。

蒼い影 > 「そんなとこ。末端だし、ぶっちゃけ適当な部署だから
そんな大層なもんじゃないけどねー。」

ゴミ処理係なんて名前、知る由もないだろう。
濁したような笑い声を重ねながら。

「分かるんだこれ。」
「あーうん。割るかーって思ったところに、キミが来たわけだ。」
「どうも、この中に見せたくないもんが詰まってるようだよ。」
「随分丁寧に、頑強に作ってるみたいだから」
「よっぽど見られたくないもんが入ってるのかなーってね」

一見すれば何もない
路地裏のただの通路。
見過ごしていればそこは虚空でしかない。

だけど
そこには
封じ込められた空間がある。

「問題は割った後だ。割りました、はいそうですか、で終わらんでしょ。」
「不運な事にキミはそこに居合わせちゃったわけ。どうしようねコレ?」

カエルム > 「へえ」

空返事。あまり興味はない。目を付けられたら面倒だな、くらい。

「流石にちゃんとは見えないケドね。魔法の類はあんまり得意じゃないし」

他人への(嫌味を込めた)魔術のアドバイスなんかはむしろ得意なのだが自身で使うとなるとからっきしだ。
とはいえ罠の類は本領である。結界もジャンルとしては少し近い。
故にある程度の感知くらいならできる。

「…あ。いや」

待てよ。マトモに使える数少ない魔法のうちの一つ。あれがあったか。
扱いのあまり得意ではない魔力を眼に回す、幻術の類ならこれで破れるはずだ。

「あー…うん。見えた」

結界の姿がはっきり視認できる。…だから何だと言われるとそれまでなんだが。
流石に中を覗くまではいかないらしい。

「不運か。でもま、ボクは元々鍵開けが仕事でね。隠されたら知りたくなるのがヒトのサガ、ってやつ?」
「ってコトで自分の身くらい自分で守れるよ、あんまり得意じゃないケドね」

肩をすくめて首を振る。壊すならどうぞ、ということらしい。

蒼い影 > 「そりゃあわかる気がするなあ。……中身はわかってるし、ゴミしかないけどねー。」
「ああ、割って良いんだ?それじゃあ、遠慮なく。」

隠された中身ってのは気になるもんだろう。
それに、割っても良いようだ。
だめって言われても割るつもりだったから、良いんだけど。

ついでに恐怖していってもらおうってのは、ちょっと虫が良すぎるかな。
ちょっと指の背を空間へ向けて

空間断絶(エリアブレイク)

こん、と叩く。

(大層に作ってたけど、私には無意味だよコレ)

パリン、パリンパリンパリンパリンパリン――――――

一つや二つじゃあない、丹念に丹念に作られた障壁が、
ガラス細工のように崩れて剥がれ落ちる。

そんなにまでして隠したかったものが何か。

それは、



この街の他のそれらと何ら変わらない違反部活の群。



ただ。
紙屑が嫌と言うほど空間の中を舞っている。
紙屑から次々と。工場のように人型が生み出されては、向かってくる。
押し込められていたゴミが雪崩れ込むように。

結界を破いたモノへの、報復行為。
そのどれもがこの街の雑魚い、言わばやられ役。
相手にする価値もないゴミ。数だけが多いゴミ。

「ほい、裏取りその1、完了ーっと。」

その主犯格の蒼色は、たんッ、と

空間の中の作られたビルの頂上へひとっとびした。

(こいつらはアイツに引きつけといてもらおうかなー、
なんて思ったけどそれでくたばられたらちょっとだけ目覚めも悪いしー。)

「手ぇ貸そうかー?」

自分が押し付けておいて、にやにや笑ってこの言い種。
傲慢で、破壊的な物言い。

カエルム > 何かいいモノでもあればついでにくすねてしまおう、なんて下心もなくはなかった。
…思ったよりも金目の物が無いかもしれない。困った。
ついでに結界を割った張本人は早々に宣戦離脱。なんで?

「いや今自分で押し付けたよね????」

手を貸そうか、という物理的にも上からの声に思わず素でツッコミを入れた。
屑の猛攻をするりと躱しつつ舞う紙屑を一枚奪いちらりとと眼を通す。
…文章の中身も無いときた。これで面白いことでも書いてあれば多少の価値もあったろうに。

「はぁ。どうせなら面白いハナシでも書いてて欲しかった、なっ、っと!」

手の中にあった紙をくしゃりと丸めてぽいと人型に向かって投げた。
頭に位置するであろう場所にこつん、と当たると同時に投げたナイフが突き刺さる。
次いで雷撃を纏わせた鞭や足、投げナイフが宙を舞い踊る。
多数戦となると火力不足を実感してしまう。自分の身を護るくらいは出来る。二言はない。

ない…が。

「数が多い!!!!!!」

文句を言わないとは言っていない。

蒼い影 > 「ねー、数多いよね。」

なんと、他人事である。

「OK、押し付けた代わりに面白い話をしよう」

ビルの天辺でけらけら笑いながら、文句に答える。
多分手は貸さなくても良いらしい。
湧いてくるゴミは、雑魚。
振れて見つめた紙は、まさにゴミでしかない。

剣、銃、槍、魔法―――使うものは様々だが、いずれにも言えるのは雑魚。
雷撃を纏う攻撃で、いずれも焼き果てては潰える程の雑魚。

野次馬根性丸出しで、戦うそぶりを見つめている。

「あれ、見てみな。余裕があれば。」

そっと、指さした方向にあるのは。
紙屑が滝のように流れて一個の形を作り上げる光景。
その紙屑が、どこにでもあるようなビルとなり、
そこから更にどこにでもいるような人型が湧き出す。

「どうして、こんなにしてまで隠してたかっつーと。」
「これを見られたくなかったんだろうね。」
「路地裏のちょっとした面白い非日常。」

「紙屑から違反部活を作り、操ってる存在がいるってわけ。」
「普通なら、人々が見過ごしていたようなエリアにね。」

「デカい紙ごみだよねえー。」
「私はやってる感出すための敵情視察(やじうま)に来ただけで」
「掃除する気はなかったからさ。」

「後片付け、頼むよー。」

ひらっと手を振って、けらけらと笑う主犯格。
あろうことか、携帯端末を手にのんびり報告書なんて書き出す始末。
でも何だかんだ危なくなったら手を出すつもりではいる。
お前のせいで怪我したなんて言われるのはごめんだからね。

カエルム > 雑魚、と表現する以外に言葉が見つからない紙束を薙ぎ倒しながら空を飛ぶ目玉を召喚。
視界の共有は脳が疲れるからあまりしたくはないがよそ見をする暇は流石にないので仕方がない。

「はぁ? そんなコトして何が…」

面白いんだ、だとか得があるんだ、だとか言いたいことは沢山ある。
が、無くてもやる人間が居ることは沢山知っている。
つまり、聞いたところでムダなのだ。だから聞きかけたところでやめた。

「別にソレは構わないケドさ」

身構えていたよりは数が多いだけでそこまで労は無い。範囲攻撃が少ないのが痛いが。

「流石に!!!報酬!!!寄越して!!!」

心と腹の底からの叫び。
こんなに少年が声を張っている姿を見ると驚く人間が多分いくらかいる。