2024/08/20 のログ
ナナ > 「その自称仕事がただの害悪行為で、後は単純に私が気に入らないから。」

理由を聞かれればそれだけ
気に入らない、だから攻撃する
落第街ではむしろ一般的かもしれない

「勇者様とか、薄汚い盗人くらいが関の山かな。と、こんな物まで。」

複眼が珍しいものを捉える
手榴弾、意外と小銃や刃物寄りで回らないレア物
至近距離ならかなりの破壊力を有するそれが文字通りの至近距離で爆ぜる
周囲に響く爆発音と土煙

「ごほっ、けほっ……武器庫みたいな奴だなぁ。
それに何かこれ改造とかした?思ったより激しかったんだけど。」

鱗に覆われた左腕に生々しい爆発での傷を負いながら煙の中から出てくる
肉が一部抉れ、ちらりと覗く白は骨だろう
腕を肥大化、文字通り肉壁にしたのかその傷は痛々しいどころではない

「思ったよりも強いし折れないよねぇ…殺されるのと大人しくするのどっちがいい?」

転がった男に問いかける
もう相手の生存を諦めて消してしまおうかと
憎悪と敵意が殺意に切り替わり始めた

女の腕のグチャグチャの傷はこうして話している間にも肉を覆い皮膚が貼られ鱗が見え始めている

海藤 宗次 >  
「ケホ、しんどいなぁ。そんな理由で狙われたら世話ないわ」

至近距離で受けたにも関わらず生きてた。
特殊な体術だろうか。
もっともあの場面で気軽に手榴弾を投げ込むなら生きてられる確信はあった

「盗人はおどれやんけ!人様の商売の邪魔するとことかまんまやんけ!良い商売してるおかげで手榴弾の質もええのよ」

ツッコミを入れつつも観察。
訂正、観察の暇はなかった。
相手は再生をしている。あの傷は結構な感じだ。
再生力を腕に一極集中しているなら他の箇所にぶち込めばどうだろうか、宗次はそんな疑問をすぐに実践する

「腕くっつく前がチャンスや。再生能力は二か所同時展開できんのか?あん?」

転がりながら。立つ時間すら惜しんでハンドガン(チャカ)を取り出す。
照準は少女の頭。
呼吸すら付けない程の早撃ち。
腕が再生する前にその頭を撃ち抜かんとする。

ナナ > 「この街だと普通でしょ、そっちだって暴力で酷いことするしお互い様だよ。」

再生にはある程度集中が居る
何せまた元の形を考えないといけないのだから
推測は正しい、この調子でミンチにされればいくら何でも致命傷になる

ただし、それは先程までの事

「腕って二本有るんだよ。
あと、もう殺すって決めたから手加減無しで。」

複眼は弾丸をきちんと見る
人間の反射神経ではたとえ見ても躱せないと言われているがそれは人間の話
加えて、以前弾丸の避け方を人の身で会得していた青年の言葉を思い出す

銃口で方向を、発射されるのは見ていれば一番先に光が来るのでタイミングを把握して

「とりあえず一発いっとこうか。」

しゃがみ、跳びだす
ここにきて最初に飛んでいった下っ端よりも速い

男の顔を掴めば勢いそのまま地面に叩きつけようとする
先程の制圧と違い間違って死んだらそれでもいいという一撃
正直、ここまでしぶとい男には最初からこれ位でやった方が適切だったかもしれない

海藤 宗次 >  
「ちぃ、そういえば虫の目やったな!」

失念した。
複眼は知識なくともどう考えても目が良くなっているもんだろう。
複眼のトンボとか飛んでる虫を捕まえて食べるのはその動体視力だ

「うまい事防ぐやんけ!」

再生能力に頼り切りかと思えば適所で防御を駆使する。
宗次は立ち上がれないこともないが瞬時に距離を詰めてくる彼女に対応できず。

「クソガァァァァ!」

頭から叩きつけられる。
少女の手からごしゃり、と確かに何かを叩き潰した手ごたえが伝わる。
うつ伏せに倒れる宗次の背中は先ほどの手榴弾の衝撃かアロハシャツが裂けて炎の鳥の刺青が覗いた。
これを『素敵な刺青ですね』と褒めようにも聞き取るための頭は潰れてる

ナナ > 「便利だよこの目、見えないものも逆に見えたりするし。」

異形の目の化け物が男を捉える
見えている弾丸へ対処すれば大して傷にもならない豆鉄砲

手応えあり
スイカが割れるに近い感触

「やっぱダメか…まぁいいや。」

そのつもりでやったのでそれ以上思う事は無い
文字通り頭を潰した、周りの下っ端達が敵討ちに出てくるとは思えないのでこれで終わりの筈

ふと見れば男の背中には不死鳥、やくざ者なら龍とか菩薩が多いとは知っているので少し珍しいと目に映る
最近の若者の流行りなのかな、なんて

「割と綺麗なの背負ってるのに、中身が下種だとなぁ。」

さて、後は女の子達を解放するだけ
残りの下っ端共はどうしたものか…そういう後処理の為にも生かしておきたかったと頭をかく

威圧の意味も込めた異形の姿のまま、少し思案の時間

海藤 宗次 >  
刺青。最近は刺青の彫師にも面白い奴がいる。
例えば描いた絵に魂を宿らせる能力を持つ人間。
そんな異能を持った絵描き師が刺青の彫師へと転職する。
するとどうだろうか?その彫った刺青は魂を宿すではないか。
例えば鬼の刺青を彫ったのなら鬼の力と妖力、龍の刺青なら龍の力…虎なら虎の戦闘力。
といった具合にこの半グレではこういった刺青が幹部で流行っている。

そしてこの男の刺青は不死鳥…
不死鳥の力が具現する。
具現する際に背中が燃える感覚…この感じは彫った刺青を消費している感じだ。

「もろうた、最大発勁や!」

少女が宗次から意識を切った瞬間、音も無く立ち上がり
少女の胴体目掛けて発勁を繰り出す。文字通り内臓が爆発する衝撃。
攻撃を繰り返す男の頭はいつのまにかあって…かわりに背中の刺青が少し消えかかっていた

ナナ > 「はっ…?!」

さっきまで聞いていた男の声
背後からの衝撃
頭を潰して死んでいた、なのになぜ?

その思考を挟む間に衝撃が中身を蹂躙する

「ぐぷっ…それが異能かぁ!!」

膝をつくよりも前に再度再生した頭目掛けて拳を振り下ろす
ダブルスレッジハンマーの片手版、しかし鱗付きの馬鹿力

「おえ、気持ちわるぅ……べっ!」

発勁、人体破壊の為の武術
そう人体を破壊せしめるための技
発勁を打ち込んでみれば感触の違和感が伝わるかもしれない
心臓を骨で覆いその他の臓腑も人の何倍もの筋肉が覆っている

防御で有りストックである血肉は女の中で密度として圧縮されていた
食らえば内臓破裂も免れない一撃が非常に重い打撃に緩和される程に

「不死の異能か…丁度いいじゃん、手足捥いで旗代わりに飾ればこいつらも言うこと聞きそうだよね。
本物の不死なんて初めて見たよ。」

血を吐き出した女は笑う
それは興味、そして好奇心
不死なんて異能は未だ見た事が無かった、その可能性は惹きつけられるには十分な物

海藤 宗次 >  
「不死身も品切れはあるんやで。俺もお前もや。」

少女と相対する。
そのせいで背中の刺青を見せることはないが刺青は少し掠れた。
言う通り本当に完全な不死身というわけではあるまい
力を使うたび刺青が掠れていき掠れてなくなった時は力が使えなくなり不死ではなくなる。
そんなカラクリだ。

「有効打みっけ」

発勁は有効打。
それは少し予想していたことだが純度100%で食らわせるために流れを作った。
その為に一回死んだがそれはそれだけする厄介な相手だっただけ

「これで殺したはずなんやけどなぁ…ごっつい頑丈やんけ。」

眉を顰める。
先ほど手榴弾爆破させたが騒ぎに駆け付けた人の気配があちこちに

「しゃあない、撤退やで。女共は逃げる時邪魔なるんで諦めるで~」

手下たちにそう指示をして治安維持の風紀委員やらが来る前に撤退する。
逃げながら手を振る。
その背中の刺青は少しばかり掠れていた。

「あ、せや。こないな喧嘩したんや。互いの健闘讃えて後日飯屋行かへんか?」

宗次の思考回路は割と昔のヤンキー的だ。
殴りあって互いの友情を深められる。そんな漫画的な事を本気で考えてた。
本気で少女をご飯に誘いながら走り去っていくのだった

ご案内:「落第街 路地裏」から海藤 宗次さんが去りました。
ナナ > 「そりゃぁ、そうでしょうよ。」

何にでも絡繰りは有る
不死と言えどそれは違わない

「ちょっ!~~~!」

面白い存在を見つけたが時間切れらしい
あれだけ派手にやり合ったのだから人が来ても当然の事
そして、こちらもこちらで風紀委員等に事情聴取等されると困る身

最低限、誰も連れ去られてはいない事だけは確認する

「はぁぁぁ……いい?もうすぐ人が色々来るだろうけど大人しく従って。
何か言われたら攫われそうになったけどそいつらと化け物が戦ったって言う事!」

言い切れば姿を元の華奢な少女に戻し、良いね!とだけ付け加えて建物の上の方へ
別に脅さなくてもお互い名前を出してはいない
しいて言えば白い髪の女と伝わる位だろう

さて、食事に誘われたという事は話す気位は有るのだろう

「あの男、使えるかも…」

悪い笑みを浮かべながら自身も家へと逃げていく

ご案内:「落第街 路地裏」からナナさんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」にギフタ―さんが現れました。
ギフタ― > 路地裏の一角
そこには様々な者が集まっていた
不良達、下級構成員、犯罪者
誰が呼び掛けたのか、自然と彼等はここに集まっていた

こんな事が前にもあった気がする
集まった者達の内何人かはこの既視感と違和感に期待を膨らませる

「ご機嫌よう!諸君!」

高らかに声をあげた男は急遽組まれたであろう足場の上で声をあげた
巻きあがる声は号砲の様に路地裏の一角で響く

ギフタ― > 大歓声、そう呼んでも間違いない
かつてこの場で声をあげた男
それは『理不尽への反逆』を掲げ反逆の牙を与えた張本人

そんな彼は今日も依然と同じく勝手に話を始める

「諸君!私はここ数日見た!感じた!
みなが理不尽へと反逆しそれを成功させた事を!!」

今までではありえない事
異能を持った、魔術を収めた、武術を極めた超常の個人達への勝利
また個人以外では下剋上という形で勢力図、勢力圏が入り乱れている

「今日はそんな諸君達に対する感謝を伝えに、そして与えに来たのである!」

拳を掲げる
場の熱気はとどまる所を知らず強く激しく立ち昇る
それを象徴するかの様に上空に現れたのは…巨大な黄金の鐘

ご案内:「落第街 路地裏」にさんが現れました。
ギフタ― > 「勝利の歌を唄うのだ!
諸君にはその権利がある!!」

鳴り響く鐘の音
舞い散る光は集まった者達の傷を癒していく
生傷、軽傷、重傷
戦いに傷ついた戦士達への讃美歌は光となった降り注ぐ

感極まり涙する者
奇跡を目の当たりにして祈る者
傷が癒え次の算段を整える者
誰もが誰も、また火種として更に激しくなる筈

「理不尽への反逆、その犠牲となった者達への鎮魂歌となれば幸いである。」

そして既にこの世を去った者には深い哀悼を

> その少年がそこに居合わせたのは、本当にただの偶然であった。

「えぇぇ…何、何なのこの熱狂ぶり…。」

スラムへの帰り道、ショートカットしようと歩いていた路地裏の一角で奇妙な集団を見つけた。
そこらに居る不良達、何かの組織の下級構成員、そして札付きの犯罪者…いや、俺も犯罪者だけどね風紀から見たら。

ともあれ、連中の集まりが気になったのでこっそり後を付けていったらこの光景だ――どういう事なの…。

(何だありゃ…新手の宗教的な何かか?…って、いうか待て待てあの演説してる旦那の…)

――白と黒に別れた仮面。何かすごーく最近よく似たような仮面の連中を立て続けに見掛けた気がするんだなこれが。
…とはいえ、ここで変に騒ぎを起こしたらヤバそうだ。なので集まりの最後尾…の、更に後ろの物陰からこっそり様子を伺く事にした…のだが。

「―――おいおいおいおい、何だありゃあ。」

仮面の旦那の演説と周囲の熱気に呼応するように上空に現れた巨大な――黄金の鐘。
物陰から様子を伺っていた少年は、おそらくただ一人ポカーンとしているだろう。
だが、そこから溢れる光で――連中の負っていた怪我などが綺麗に治っていた。
…回復魔術かそういう異能か?それにしちゃあの黄金の鐘は妙だけど…。

(…参ったな、取り敢えずこれはアレだ…絶対”ギフト”関連だよな多分)

ギフタ― > 「オードブルにはみな満足いただけた様であるな。
うむうむ、知らぬ間に似た仮面やらもできていて嬉し恥ずかしであるが分かりやすくていいのである!」

何人かが付けている仮面を見て好きにすると良い!なんて許可を出す
文化とはこうして多岐に渡っていくもの、その流れは止めるべきではなく促すべきもの

「さて、ここからはメインディッシュであるな。
希望者は並んで私の前に一人ずつ来るのである、ギフトを授けるのである。」

瞬間、殺気めいた空気が流れる
全員が全員走り出すの本能をを理性で抑える様な緊張感
張りつめた空気にも男は関係なく話を始める

「あぁ、言い忘れであるが前回ギフトを受け取った者達は今回は無しである。
欲張りも良いであるが慣れない内にあれもこれもと欲しがっては半端物しか出来上がらないのである。」

そう伝えれば8割の人数が肩を落とし中には膝を地面につけて項垂れている者も居る
逆に、目に見えて喜びを露わにしたり未だに首を傾げる者も

喜んでいた者達は我先にとギフタ―へと駆け寄る
中には友人だろうか仲間だろうか?他の者の手を引く姿も

> 一先ず、様子見に徹する事にした少年は物陰から動かない。
ただ、目の前の光景を眺めながら考える事がめっちゃ多い…俺マルチタスク苦手なんだけど。

(――メインディッシュ…って。ギフトを授ける…?)

…その言葉に衝撃を受ける間もなく、この集会の連中がいきなり殺気立った。
…何だよこの緊張感。まるで今にも奪い合いや殺し合いでも始まりそうな空気だ。

「…ギフトを受け取る…半端物しか出来上がらない?…まるで何かの実験みてぇだな…しっかし。」

あの仮面の旦那の言葉に、全体の7,8割が落胆の様子を見せている…つまりそいつらは既に”ギフト”を受け取った事がある?
一方で、残り2割弱くらいは対照的に喜んだり…またはよく分かってないのか不思議そうだ。

(…成程、今あの旦那に駆け寄ってる連中がまだ”ギフト”とやらを受け取ったことが無い連中か。)

ふーーむ、と観察しながら思案する。正直、前に落第街で戦った不良連中や…昨日共闘で何とか退けたコンビの奴ら。
あいつらが”どうやって”ギフトとやらで強化されたのか…気になる所だ。

(…流石にこのままこっそり帰るのは利口だが無しだな。もうちょい様子見てくか。)

まだ周囲には気付かれていないのを良い事に。物陰からギフトウォッチングを決め込む。

ギフタ― > 「こちらに並ぶのである。
焦らずとも全員終わる迄は消えないので順番を守るのである!」

まず一番目の少女
成程今の様に癒す力が欲しいとの事
破壊とか最強とかが連呼されてる中で涙ぐましい奉仕精神に涙が溢れそうになる

例え闇医者紛いの法外な吹っ掛けを行ったり治療の代わりに自分を守らせようと考えていても奉仕には違いない
少女の頭に触れ、数秒
ギフトは授かった

「これで君は癒やし手である。
最初は小さな傷から始めて人体について学べば伸びるのである。
間違っても慣れない間に大怪我を無理やり治そうとしない様に、次!」

さてさて次は最強の力が欲しいと息巻く青年
そんな物が有るなら見てみたいのであると伝え、一先ず彼には武術の心得を授ける

「友人や仲間と実戦で体を慣らすと良いのである。
間違っても格上にすぐには挑まない事、慢心さえしなければ人相手なら問題ないのである。次!!」

その様に並ぶ者達と話し、頭に触れ少しだけアドバイス
それを永遠繰り返す
最初は訝しげに見ていた者達もギフトを受け取った直後に魔術や異能を試し打ちしたり目に見えて動きが変わる者達を見て列に加わる

そうこうしている間に希望者は殆ど…と言うより居なくなった
最初から最後まで様子見だけしていた誰かを除いて

> …あれ、何か案外あっさりだな”ギフト”を授ける手順って。
もっとこう、何か大仰な光景が展開されると思っていたので、赤毛の少年は拍子抜けした面持ちだ。

…とはいえ、集った理由は様々で望むモノも様々。それら一人一人に”ギフト”を与える姿は…成程。

(――与えられる連中からすればマジで神様か救世主みたいな存在って感じか。)

お陰で、あの旦那の信奉者みたいな連中や、ギフトを使って己が欲を満たそうとする者、夢や野心を叶えようとする連中のバーゲンセールが始まってる。

(――ギフトが事実だとしても、タダより高い話は無い…何かしら裏っつぅか落とし穴がある気がるんだけどなぁ。)

まぁ、推測どころか憶測でしかないかもしれないが。そこまで頭良くないので。

「願いを聞いて、頭に数秒触れてアドバイス…ギフトを授ける過程はそれだけっぽいな。」

魔術か異能か未だによく分からんけど、ギフトを授ける流れは理解出来た。
実際、それをただひたすらに繰り返しているだけ…なんだけども。

(うわぁ…まーじかよ。早速使ってるし…即効性あり過ぎだろ。)

試し打ち?してるやつらを眺めて乾いた笑顔が漏れる。お手軽すぎるなぁギフト。だからこそ”怖い”。
で、そんなこんなで考えていたら何時の間にかギフト集会は終わっていた…あれ?俺だけ?

「やべぇ、結局最後まで残っちまった…じゃあ、俺もこっそり退散を――」

しようとしたら、隠れていた物陰の壁が経年劣化により脆くなっていたらしい。
そのまま、壁が少し崩れて「おわぁ!?」と、声を出して転がり出る事に。

ギフタ― > 転がり出てくる青年
周りの視線は釘付けになる
壁がたまたま崩れて出てきた、この場でなぜそんな事をする理由が?
大人しく真面目な学園の生徒達と違いこの場に居る連中はそこまで考えれば口より手が動く者ばかり

「これはこれは!恥ずかしがり屋の青年も居たものである!!」

青年に向かって周りが一歩踏み出す前に声をかける

「さぁさぁこちらに来るのである。そんな所に居ては声もよく聞こえぬし危ないのである。」

疑心と敵対心に睨まれる青年を呼ぶ
このまま放置なんてしたら危険だと
青年を睨む視線にはかつて痛い目に遭わされたのか殺気だっている者も居る…というより少なくない
青年に気付いて態々近付こうとする者も居る始末

なぜこの青年はこんなに恨まれているのか?少し疑問を感じるギフタ―であった

> ちなみに、連中のなかには少年と仕事の依頼の関係で対立した者も居れば、落第街の大通りでやりあった不良連中の何人かも居る。…うわぁ睨んでるよこっち。
転がり落ちた情けない格好から、ゆっくりと埃を払いながら起き上がる。腰に提げた四刀に巻かれた鎖がジャラリと音を立てる。

「いや恥ずかしがり屋じゃねーし!偶々通り掛かっただけだし!!」

なんて割と正直に言い返しつつ…えぇ、この敵意と猜疑心と警戒心の視線の中を旦那の所まで行けと?

『あのクソ赤毛…何でこんな所に…!邪魔しに来やがったのか…!?』

『今なら多勢に無勢、今度こそぶちのめせる…!!』

『何が【竜殺し】だ…腰に提げた刀だって抜けないただの虚仮脅し野郎じゃねぇか!』

などと、決して大きい声では無いが罵詈雑言が結構出て来る。あと敵意と殺意もついでに凄いです。

(お、おぉぉ…俺って結構恨まれてんのね…いやぁ照れるな…。)

でも、囲まれるなら女子の方が良かったなぁ、と考える辺りある意味で肝が据わってる。
ともあれ、このまま立ち尽くしてもしょうがないので、ここは一つ、博打とばかりに仮面の旦那の所まで歩いて行く。
――一歩間違えれば、今にも周囲の何人かが不意打ちでも仕掛けてきそうな、そんな空気の中をだ。

ギフタ― > 「ふむ、ではある意味不幸な青年にチェンジである!」

恥ずかしがり屋から不幸体質にジョブチェンジ
見るからに歓迎していない者達が多い
落第街特有の色々ある、という奴か

ふと竜殺しなんて物騒なワード迄聞こえる
噂に聞いた事はあるがもっとごついのを想像していた
割と普通の青年に見えるのに内に秘めた何かが有るのか

「かの竜殺しと会えて光栄である!
私はギフタ―、弱者に救いをもたらす者である。

竜殺しのお名前を聞いてもいいであるか?」

腰を折って優雅に一礼
仮面で表情がまるで分からない男は丁寧なあいさつを心掛ける
少なくともすぐに彼を袋叩きにするつもりなんてない

> 「そっちのチェンジも嬉しくねぇよ仮面の旦那!!」

思わずツッコミを入れてしまう。何だこの空気は…もっと緊迫したのを覚悟してたんだが。
とはいえ、それは仮面の旦那と自分の間だけのもので、周囲の視線と気配はもう最悪だ。

「いや、スラムの一部だけの筈なのにこの辺りまで広まってんの!?
あと、竜殺しは実際やったけど俺一人じゃなくて共闘だからな!!」

スラムの一部だけのささやかな噂かと思えば…周囲の罵詈雑言から拾われたその呼び名。
彼の竜殺し、というセリフからこの旦那も噂を聞いた事があるらしい…何か恥ずかしいなこれ!!

「ギフターの旦那か…アンタとこうして会うのは初めてだな。
俺は【赫】。スラムの方で細々と何でも屋をやってる三流剣士だ。」

彼の名前を聞いて…あぁ、成程、【贈り者(ギフター)】とは単純ながらストレートに彼を示す名前ではないか。

ともあれ、こちらも敢えて正直に名前と身分を名乗りながら軽く会釈。
彼がどんな人間だとしても、挨拶をされたならばきちんと返そう。
周囲に敵意と殺気のほかに困惑と嫉妬も混じる。…っていうか見世物じゃねぇんだけどな俺は。

ギフタ― > 「素晴らしい返しであるな!
青年はツッコミが得意である、と。」

メモの代わりにしっかりと記憶する
目の前の青年は不幸でありツッコミの力が有る

「ふむ、竜殺しという名前は少なからずであるな。
聞いた時のインパクトが強ければ意図せずとも勝手に尾ひれがついて回るのは世の常である。
私の聞いた限りでは竜の心臓を喰らいその身に腹痛を宿した勇士として伝わっているのである。」

無茶をするとは思っていた
竜の心臓なんて食べてよく腹痛で収まったなと
しかし、そこまでやれるのであれば彼は弱者に収まるのかどうか

「安心するのである、ここに居るみなとも初めましては沢山であるからな。
ほぉ、これはこれは…竜殺しで有りここの数多くの者達に辛酸を舐めさせたのが三流の剣士とは!」

謙遜は時に恨みを産む
歯ぎしりと殺気が棘の様に刺さる刺さる
攻撃が飛んでこないのはこの場だからなのだろう

「さて、察するに不運の青年赫は本当に運悪くここに紛れ込んだのであろう。
同情であるがまた幸運でもあろう。私を害したい者はいまや数多くその一派であれば私も彼等も黙っては居られなかった。

友好の印に握手でもいかがであるか?」

そう言って手を差し出す

> 何か勝手に俺の情報が変な形で旦那の脳内で更新されている気がする…!!
だが、これ以上ツッコミを入れると話のコシが折れそうだし、そもそも漫才がしたい訳じゃあない。

「…あ、竜の心臓は焼いて食ったけど…魔力増大するって噂あったから試しで。」

周囲の何人かが「馬鹿かコイツ?」という表情をした。うん、止めてくれマジで凹むから。
ちなみに、魔力の代わりに竜の特性を受け継いだっぽいけどそこは黙っておこう。
ちなみに、腹痛を起こしたのも事実だ。原因は心臓ではなく、共闘者がやっていた生食を試したからだが。

「…って、うぉぉぉぉい!?腹痛まで伝わってんの!?それ勇士じゃねぇよただの馬鹿じゃん!?」

ハッ!?と気付いてギフターの旦那にツッコミをまたしてしまった。何だこの流れは。
でも、実際冷静に考えるとマジで馬鹿な事をしていたと思うので強く言えないよなこれ…。

「――他の誰が何と評価しようと俺は三流だよ。俺が自分でそう”決めている”からな。」

そこだけちょっと真顔で静かに言い切る。確かにちょっとだけ腕に覚えはある。
だが、それが何だ?自分より強い剣士や怪物なんてこの街には、この島には、この世界には掃いて捨てる程居る。

――裏を返せば。そんな三流にお前たちは負けたんだ、と周囲に突き付けているようなものだ。
少年もそこは分かっているが、それでも三流剣士の自称を辞める気は毛頭ない。

「――ぶっちゃけ周囲の連中はどうでもいいとして。だ。
…アンタが授けた”ギフト”を使って好き放題してる連中のせいで俺は迷惑してんだわ。
まぁ、アンタは授けただけでその後の事は関知しないだろうし、俺もそこは別に恨んじゃいねーしな。」

前置きはきちんとしておく。周囲の殺気や敵意の密度が増す。今にも爆発しそうな火薬庫みたいだ。

「――ぶっちゃけ、アンタをぶちのめしたい、という気持ちはあるぜ。
けど、”今は”止めとくわ。…ギフターと名乗る奴がどんな奴か、それを見極めても遅くねぇし。」

だからこれは”友好”とは言えないかもしれない。けれど少年も堂々と右手を差し出して彼と躊躇なく握手をしようと。

ギフタ― > 「なるほど、では青年は竜の魔力を得たのであるな。羨ましい限りである!」

食べたのなら、恐らく得ただろう
知識がそう告げている

「ふっふっふ、リラックスできて何よりである。
そう!三流とは自分でそう評価しているのであろう、では!
その三流に及ばない彼等を青年はどう評価しているのであろう…それを思うと胸が張り裂けそうである。」

ここまでくれば煽りとも言える
青年は自己評価を三流とし、周囲の者達はその三流にすら届かない
こんな理不尽、許容できるわけがない

「迷惑であるか…まぁ、そうであろう。
そんなに賢く振る舞う必要は無いのである、私は現状落第街における全てを想定していたのだから。」

照準を合わせ、弾薬を装填し、引き金に相手の指を置いた
その後なにが起こっても本人の問題

そんな事を言う気はない

「好きにすると良いのである。
彼等彼女達のした事で私を恨む、大いに結構!
今まで君達が目にも留めなかった者達の希望となれた事を誇りに思おう!」

手をしっかりと握る
握手そのものは大した意味は無い、言うなればここからお帰りいただく際のチケットの様な物
代わりに、演出として使わせて頂く事にする

「諸君!竜殺しにして落第街の万時屋の彼は超常の1人である!
そんな彼は我々を迷惑と!害敵と言った!!

理不尽へ突き立てた傷はこうして存在するのである!!」

自己評価の低い彼はその実、竜殺しの異名を持つ実力者
今まで彼の様な実力者に認知すらされていない者達は沸き立つ
自分達は無価値ではないと、理不尽への反逆者であると

「ご協力、ありがとうである。」

熱気の中で小さな感謝を送り、手を放す

> 「いや、まぁ、どうだろうなぁ…?」

何か余計なモノまで一緒に得てしまった気がするけど。
まぁ、異世界の竜を討伐した上に心臓を食べるとか、常世島でもあんまり例は無いだろう…多分、きっと。

「成程ねぇ…やっぱアンタか。まぁギフトを授ける様子とか見てたから分かってたけど。」

今、まさに目の前に最近起こっているギフト騒動の【元凶】が居る。
やるかどうかは別として、本気でやればおそらく彼を殺せる――気はするが。

(…なんてな。俺は別に殺し合いしに来た訳じゃねーし。)

ただ、ギフターと名乗るこの仮面の紳士?がどういう考えを持ち、どんな個性を持っているのか。
それは実際会って話してみないと分からない事だ。だから、今のこの会話は無駄では無くむしろ有意義。

「―――うわ、マジかよ…ギフターの旦那、アンタ人心掌握とか得意なタイプ?」

思わず小声でボソリ、と呟きながら苦笑を浮かべて握手は普通に終えた。

【竜殺し】の通り名と俺の言葉を利用して周囲を盛り上げた…つまりちゃっかり”ダシ”にされた。
周囲の熱狂はもう止めようが無いくらいだ。…全く。

「じゃあ、俺も”サービス”しねぇと駄目だよな。」

くるっとギフターの旦那に背を向けて連中を見る。目は逸らさない。一人一人、しっかりと目を見る。
赤い瞳がまるでドラゴンみたいに細まり…口元がにやっとした笑みを浮かべた。

「おーーいお前ら!!今の俺と旦那のやり取りは聞いたよな!?…文句があるなら何時でも来いや。

来ないなら――…。」

スゥ、と何時の間にか腰の後ろに差していた刀の一振りを鞘ごとベルトから引き抜いて。
後ろを見もせずに仮面の贈り者の首筋に突き付けるような演出をしてみせる。

「お前らの希望――悪竜に喰われちまうぜ?

そう、宣言?をしてから、「ご協力ありがとさん」と、小声で彼だけに聞こえるように返してから刀をあっさりとまた腰の後ろへ戻そう。
――無論、抜刀はしていない。彼が抜刀する時は――■■する時だけだから。

ギフタ― > 「ここであったことを加味した上で私でなかったら、それこそ驚きであろう?」

隠しはしない
騙しもしない
今落第街に不和を巻き散らしているのは自分である

「人心掌握とは心外である、純粋な思いを言葉にしているだけであるよ。」

求める者に求める言葉、それに多少の奇跡の演出
人心掌握と呼ぶよりももっと相応しい言葉が有る

竜殺しの名は青年が思うよりも価値が有る
かつては幻想を殺した英雄の呼び名のそれは呼び水には十分すぎる

「おや、これはまた…命知らずである。」

悪竜と自身を語り、子羊達の目の前で羊飼いを害する言葉
ここまでやっては流石に抑えは効かない

あちこちで魔力の動きや光、熱を感じる

「デザートが自分から来てくれたのである、これはみな歓迎の必要が有ろう!」

コツコツと階段を上る様に空へと歩き出す
そう時間もかからず上空の黄金の鐘の元へと辿り着き

「竜殺しを語る悪竜、それを討ち取るならば真の竜殺しを名乗れるであろう!
勇敢なる青年赫を激しく見送るとするのである!」

黄金の鐘が音を鳴らす
鎖は離れ様々な想いが質量を持って青年に殺到する事だろう

あんなに魅せられては我慢しきるのも無理な話
されど、悪竜はこの暴風雨からも逃げきるのだろう