2024/08/26 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」にポーラ・スーさんが現れました。
ポーラ・スー >  
「――うーん、ここかしら」

 入り組んだ路地を折れて曲がって、行きついた先の行き止まり。
 まだ日が沈んでいないのに、日陰しかない路地の寸止まり。
 そのちょっとしたデッドスペースは、そこそこ広い割には何もなかった。

「ほんとうに、いつもお掃除が上手なのよね」

 ゴミ一つ転がっていない場所。
 奇妙な事に、周囲の建物にはこの空間に向いた窓すら存在しない。
 室外機や換気扇ですらも、だ。
 そう、あまりにも綺麗すぎる、生気の感じない空間だった。
 

ポーラ・スー >  
「――ふふ、あんまり綺麗すぎるのも怪しいのよ?
 お掃除屋さんは、新人さんだったのかしら」

 女は、その空間の真ん中に立って、ゆっくりと周囲を眺めた。
 そう、あまりにも徹底的過ぎるその『後処理』は、女の確信を強めるだけだった。

「あは――ここで■■■■■が暴走したのね。
 よくまあ、こんなに綺麗に直せたものだわ。
 それとも被害が少なかったのかしら?」

 口元を袖で隠しながら、不思議そうに首を傾げる。
 本当に■■■■■が暴走し、■■■■■■の力が解放されていたのだとしたら――少なくとも、この周辺一画が更地になっていておかしくないのだ。
 それだけ――■■■■■■計画は危うく、不安定なのである。
 

ポーラ・スー >  
「――■■■■■■計画」

 小さくポツリと呟いで、目を細めた。

「ああほんとに、諦めが悪いのね。
 博士は、計画の続きを望んでるのかしら?
 ――ねえ、あなたはどう思う?」

 そう、くるりと踊るように振り返りながら。
 誰がいても居なくても、関係無くどこかへと問いかけながら。