2024/12/14 のログ
ご案内:「落第街 路地裏」にルーフラットさんが現れました。
■ルーフラット >
21:02。落第街路地裏にて。
僕は睡眠不足による心身の負荷を無理やり自己再生異能で整え、
今日もこの街に立つ。
イライラする。それ以上に、自分に腹が立っているな。
今まで風紀に良いようにやられていたのも。
自分に覚悟がなかったからだよ。
「だからさ」
眼の前で袋小路に追い詰められた男子を見て。
「僕、人を殺したことがないんだ」
「だからさ……一人目になってくれよ」
「すぐ済ませるよ、そう騒がなくていいぞ」
絞め殺すだの犯して殺すだの言っておいて。
結局のところ、殺人経験がないのが問題なんだ。
だから、今日は一つ壁を越えてみようと思う。
■ルーフラット >
「暴れてもいいぞ、僕だって同じ状況になったらそうするだろうしな」
まずは殴り倒す。
絞め殺す時に爪でも立てられたら痛いからな。
できるだけ弱らせてから殺るか。
この場所なら邪魔も入らないだろう。
「なぁ、僕は別に苦しめたいとか死体を利用したいとか言ってるんじゃないんだぜ」
殴打。
「この街の死に方としては普通だろ、普通」
殴打。
「だからさ、成仏しろよ」
殴打。
好き勝手に言葉を投げながら男を殴りつける。
ご案内:「落第街 路地裏」に廿楽 紫音さんが現れました。
■廿楽 紫音 > 「おぉ、やってるやってる」
ふらりとやってきた落第街。
ここは他と違って”ちょっと刺激的な事”が起こりやすいから。
少し深入りすれば何かおきてると思っていた。
殴られている男は何かやったんだろうか。
まぁ、そんなことはどうでもいいか。
所詮野次馬。助ける義理もないし……
何より、この”先”が少し気になったから。
単純な興味として。
こういう現場ってわくわくするじゃない?
■ルーフラット >
路地裏に声が響いた。
「誰だ」
振り返ると、敵意を感じなかった。
すぐに背を向けて眼の前の被害者を殴り続ける。
「見物客なら静かにしていろよ」
倒れ込んだ男の襟首を掴み上げて、その顔を数度殴る。
「これは儀式なんだからさ」
腫れ上がった男の顔が恐怖に染まっている。
そろそろ頃合いか。
■廿楽 紫音 > 「へぇ、儀式」
何もしないよ、と軽くいいながら、せっかくなので近くで見学させてもらおうか。
へぇ、人ってあんまり殴られるとこんな風に腫れ上がるんだ。
痛そうだなぁ。
「何かされたのかい?その男にさ。
それにしては恨みつらみって感じはしないけど。
あ、答えたくなかったら別にいいよ、見学してるだけだから、お好きにどーぞ」
にこっと笑って、殴られてる男はご愁傷様だ。
この分だと半殺しで済まなさそうだこと。この落第街でもあんまり好き好んでやらんだろうに。
「どうすんの、彼。
このまま殴り続けると死んじゃうと思うけどさ」
■ルーフラット >
力を緩める。
膝から崩れ落ちる生贄の羊。
それをただ見下ろした。
「何もされちゃいない、ただこの辺を歩いてたんだよ」
甲高い声で静かに答える。
「僕さ、人を殺したことがなくてね」
「そのせいで覚悟が決まってないんじゃないかと思って」
「ちょっとこいつを殺そうと思うんだ」
その言葉を聞いた被害者は失禁をした。
足元に湯気が立つ体液が広がっていく。
「うわっ汚いな!! いい加減にしろ、男らしくスッキリ死ねよ!!」
男を蹴り飛ばす。
「はー……全く」
「排尿はトイレでしろって親に教わらなかったのかよっ」
その首に両手を回す。
絞める手に少しずつ力を込めていく。
■廿楽 紫音 > 「覚悟ね」
目的はそれか。
人を殺す覚悟。殺して何か変わるのかは疑問だけど。
落第街なら切った張ったは日常茶飯事だろう。
それを超える、殺しもいとわなくなるって事は…まぁ、確かに儀式が必要な行為か。
「うわばっちぃ。まぁでもいいじゃん?小便ひっかけられたってなら理由になるでしょ、殺しの。
…でも少し雑だなぁ、それじゃ足らないんじゃない?儀式には」
首に手をかける”狂信者”の横にそっと歩み寄って。
煙草をぽいっと捨てながら少し、教師らしいことでもしてあげようか。
「このまま首をぽきっとするんじゃ簡単すぎるんじゃない?
そんな簡単に殺しちゃっていいの?儀式、なんでしょ。
…やるならさ。殺しちゃう前にもう少し”段階飛び越え”ちゃいなよ。
それとも、痛めつけるのは嫌?……って、ボコボコに殴ってる時点でそれはないか」
■ルーフラット >
殺す理由になると聞いて笑う。
「それはそうだ、へへ……お前はなんか口が上手いな」
そして続く言葉には首を傾げて。
「なんだ、それ」
「最初の殺しに簡単も複雑もあるのか?」
絞めていた手を離して。
手をハンカチで拭って。
彼の顔を見た。
「足りない? 何が足りない」
「死を与える以上にこいつに何をする」
■廿楽 紫音 > 「これでも教師やっててさ。
だからこういうの見てるとほっとけないんだよね。
頑張ろうとしてる子は応援したくなる、って奴?」
そう言いながら、倒れてる男の方に笑顔で顔を近づけて。
お、意外。まだ意識はちゃんとしてそう。
こっち見て怯え切ってら。
怖がらないでよ、大丈夫大丈夫なんて言いながら…
助けを求める手を優しくとってあげて。
指を一つ、掴んで。
「人の命ってさ、重いじゃん。
ここじゃ軽いんだっけ、まぁいいや。
でも世間一般じゃ重いらしくってさ、学校じゃ道徳の授業とかでさんざん”人を慈しみましょう”みたいなことを学ぶよね。
だから」
ぽきっ、と。
反対方向に軽く”折って”あげよう。
おぉ、まだこんなに元気があったのか。
凄い勢いの悲鳴、逃げれないから足を取られた虫みたいにうねうね動いて、みっともないたらありゃしない。
まぁでも、骨が折れてるんだから痛いよな。
可哀そうに。やめる気はないけどさ。
「その重くて大事なもの、奪っちゃうんだからさ。
ちゃんと味わってやるのも大事じゃない?
今ここにいるのは精肉された死体の肉じゃないんだから。
殺しちゃったら反応もしないんだぜ?こんな風に」
もう一本。
力をゆっくりと込めて、反発する指の力をじっくり感じながら。
めき……って、指を反対方向にへし折って見せる。
「っはぁ~……
やってみたけど独特な感じだわこれ。
今人を好きにしてんだなって万能感と……普通に可哀そうっていう罪悪感が混ざる感じ。
痛そうっていう共感性もスパイス程度。
人の骨を意図的に折るってこんな感じなのね、成程成程」
殺しが癖になるっていうような殊勝な考え持つ気はないけど。経験としては面白いな。
今までは正当防衛でしかやってこなかったから、なんの理由もなくやるのは一味違う。
加虐趣味の連中の気持ちがちょっとわかったかも。
「お兄さんもどう?
考えながら、少しずつ傷つけるんだよ。
”俺は今から人にひどい傷を与えるんだ”ってさ……
不可逆の致命的な損害を与えてやるんだ、って自覚しながら、一歩踏み出すの」
にこり、と笑いながら、君の方見て。
「結構楽しいよ。
それに”覚悟”もつくかも」
■ルーフラット >
口の端を持ち上げて笑う。
「なるほどね、アンタ大した教師だよ」
そう言うと贄の羊に近づいた。
震えながら首を左右に振る彼の足首を踏んだ。
「ちょっと前に騒がしたテンタクロウってヤツがよく足の内果って部分を折ってたらしいぞ」
そのまま関節を支える骨を踏み砕く。
「そうそう、こんな感じだっ!」
「笑えるくらい腫れてきたじゃないか!」
響く悲鳴。
吟味するように男の周囲を回りながら。
「髄液なのかは知らないけど、お前の指も象の鼻みたいだ」
「見れたもんじゃないぞっ」
嘲笑いながら鎖骨に手を伸ばす。
「この部分って折れたらやっぱり手が上がらなくなるのか?」
「ハハハハ! そうビビるなよ、泡吹いてるじゃないか!!」
「よっと」
鎖骨を折ると悲鳴が絶叫に変わる。
これだけ弱らせたのにどこにそんな元気があったんだ?
それから、しばらく相手の体を痛めつけていたが。
ぷつりと糸が切れるように反応がなくなった。
「なんだ……?」
「失血性か? 痛みか? ショック死しちゃってるじゃないか」
「なんだ……」
その場にしゃがみ込んで。
「何も劇的なことはない」
「何かが変わるわけでもない」
「この世界に死体がひとつ増えただけだ」
しかし、クマネズミの瞳の淀みはさらに増していた。
もう誰も彼のことを盗人と呼びはしないだろう。
歴とした殺人者なのだから。
■廿楽 紫音 > 「あらま、死んじゃったか」
こっちも、つまんなさそうな顔して。
だって死体を作ったところで楽しい事なんて一つもない。
そんなことはわかりきってたし、殺しのリスクは大きいから誰もやろうとはしない。
「結局殺しってそんなもんだよね。
何かが変わるかって言われるとそんなこともなくてさ。
結局のところ、結果なだけって感じ」
殺したは結果。
殺すのには動機が必要で、過程があって。
でも意味なんてものは殺し事態には存在しない。
生が死に変わるだけ。状態の変化に過ぎないものだ。
「お兄さんはさ、殺して何がしたかったんだっけ。
覚悟をつけて、それでどうしたかったの?
出来そうかい?その何か」
頬杖をつきながら、君の方に語り掛ける。
もう死体から関心は君へと移り変わったみたいに。
にやりと笑って、虹色の虹彩で君を見つめる。
「少なくとも今お兄さんは”殺し方”を知った訳。
殺し方を知って、それをどう使う? もちろん、使わないのも自由だけどね」
■ルーフラット >
「盗みと暴行で風紀に追われてる」
「あいつらに覚悟で負けたくなかった」
「力が均衡したら必ずあいつらは覚悟で上回ってくる」
視線を上げてから立ち上がり。
「覚悟のための儀式だ」
見下ろすのは無惨な死体。
首のあたりをガリガリと掻いて。
「僕は」
「イイと思った」
「これで躊躇わずに“特別”に向かっていける」
そうだ、僕は信じる。
特別な何かになれる。
そう信じて突き進むだけだ。
眠れなくなったから何だ。子孫を残せなくなったから何だ。
お腹は……そりゃ減るけど。
「アンタ悪い教師だな」
口の端を歪ませた。
■廿楽 紫音 > 「悪いと色々できて楽しいじゃん?」
そっちだってそうなんじゃないの?
悪いなら何でもできる…とまでは流石に言わないけど。
でも悪いとできる事が増える。
この街は悪い事は許されちゃいないけど、”目が届かない”
見られてない事はないものと同じだ。
「いいね、面白そうじゃん」
特別に向かう、ね。
さて、どんな特別に向かうやら。
俺には落ちるところまで落ちる姿しか想像できないけど。
それもまぁ、特別といえば特別か。
「ここで会ったのも何かの縁だし。
困ったことあったら相談くらい聞くよ。
俺も面白いもの見えて満足したしね。
俺は……ま、”先生”とでも呼んでよ。
お兄さんはなんて呼べばいい?」
■ルーフラット >
楽しい。
楽しい、か。
この教師は悪に享楽を見出しているのか。
「僕にとって悪事は手段だ」
背を向けて路地から出る。
僕の目はきっと先の興奮と不眠で血走っていることだろう。
「ルーフラット」
クマネズミの俗称を名乗り。
「僕はルーフラットだ」
そのまま路地を歩いて去っていった。
決して、光は差さなかった。
■廿楽 紫音 > 「ふぅん、ルーフラット、ね」
クマネズミ。
本名ではないよなぁ。ま、いっか。
「さて、と」
人が人を殺す瞬間、結構面白かったな。
転げ落ちる人間一人、そのために犠牲になった人間一人。
俺は唆したって形になるのやら。
いや、最初からやるつもりだったし。
止めようとしたら荒事になってたろうし、俺はなんもしてないだけ。
犯罪を止めるのは警察の仕事…こっちじゃ風紀委員の仕事でしょ。
俺は警察じゃないもんで。
「悪事は手段、そらそうで」
悪い事がしたくてするってのは、珍しい方だよな。
普通は悪い事は手段な訳で、誰だって目的もなくてやりはしないさ。
そう思うと俺はどうなのかね。
悪い事をしたいとは思ってないけど、刺激は欲しい。
正直今の生活は刺激がなさすぎて困ってた所だったのはそう。
リスクは負いたくないけど、目的としての悪事ってのは……いいかもね。
「なんてね」
俺もぼちぼち退散するかな。
ご案内:「落第街 路地裏」から廿楽 紫音さんが去りました。
ご案内:「落第街 路地裏」からルーフラットさんが去りました。