常世学園も学園都市という一つの都市であるために、闇の部分も生まれていった。
その代表がこの落第街であり、このスラムであった。
落第街の路地に形成された貧民街では、学園都市から見捨てられた落第生が二級学生、不法入島者などが集合住宅やバラックに居住している。
ここはそう言った場所であり、そういう境遇の人間が何かの事件や実験に巻き込まれたところで、よほどのことがない限り表に出ることはない。
参加者(0):ROM(2)
Time:12:39:23 更新
ご案内:「スラム」から焔誼輝夜さんが去りました。
ご案内:「スラム」から火倉 刹那さんが去りました。
■火倉 刹那 >
「風紀委員としての仕事をしているだけですから」
仕事が増えるくらいはどうということはない。
もとt厄介な仕事が増えることも往々にしてある故に。
「体温はむしろ貴女のほうが高いかと思いますけど」
そんなどことなくすれ違う会話を交わしながら、戦火の煙が燻るスラムから二人は大通りへと歩いてゆくのだった。
ようやく肩の荷が降りるのは、本庁で少女の保護者に身柄を引き渡し、分厚い報告書を書いてからになったことだろうが。
■焔誼輝夜 >
「そっか……。
それじゃ、ちゃんとごめんなさいしないと、だよね」
うん、と頷いてお姉さんに「ありがとう」って言いました。
「えっと、せつなちゃん、ごめんね。
おしごとふやしちゃった。
でも、えへへ……」
手を引かれながら、お姉さんの体温を感じて嬉しそうに笑います。
「せつなちゃん、やっぱり『あったかかった』。
あったかいの、せつなちゃんだったんだね」
痛みを感じないお姉さんは、気づかないかもしれませんが。
いつの間にか、細かな傷が全部治っていた事でしょう。
お子様は、『あったかい』お姉さんの言う事を、素直に聞くのです。
■火倉 刹那 >
あのようなクマがいるのだから、この島はまだまだ奥が深い。
わざわざ礼をして去ってゆくクマを一瞥し、視線を少女へと。
「風紀委員の火倉刹那です。
いいえ、怒っていたというよりは‥…心配していましたよ」
多分。
そう、多分。
まあ、悪戯に怯えさせる必要もないだろうと。
「顔を見れば怒るかもしれませんけれど、
…まぁ、それも心配しての裏返しでしょうから」
淡々とした言葉に熱は宿らない。
ただそう思ったから、そう口にするだけ。
この現場にはまもなく風紀委員が到着するだろうけれど。車両は表の通りまでのはず。
そのまま少女の手を引いて、表の通りまでは連れて行くことになったのだろう。
■焔誼輝夜 >
「はぁい……」
しゅん、と静かになったお子様は、少し潤んだ目で、じーっとお姉さんを見上げます。
お姉さんのお電話が終わると、こくん、と頷いて大人しく同意しました。
熊さんは、連れていけないと聞くと、「グモッ」と鳴いて、のっそり立ち上がると、お姉さんに丁寧にお辞儀をしてから、のっそのっそと立ち去っていくのでした。
どうやら、人の言葉が分かるくらい賢かったようです。
きっとこのまま、どこかの山へと帰っていくのでしょう。
「ばいばいー、またねー。
……あのあの、おねーさん、かぐらママ、なんて言ってた?
その、おこってた……?」
お姉さんの手を握ったまま、体をきゅっと縮めながら、こわごわと見上げて訊ねました。
■火倉 刹那 >
「謝るのであれば迷惑をかけた保護者に謝ってくださいね」
徹を握る少女。
妙な熱を感じるも、寒空の下、冷えた手には妙に心地よいもの。
それを声や表情には出さないけれど。
そうこうしているうちに連絡が繋がって…。
「………」
台風のような問答。
「…あの、では本庁のほうに連れていきますので。はい、ではそれで」
そう連絡をつけ、ため息を吐く。
この子にして…というような保護者だ。
「迷子として本庁まで連れて行きます。…クマは連れていけませんがどうしますか」
■焔誼迦具楽 >
はてさて、保護者へご連絡が着きますと、向こうから「ぎゃあー!」と悲鳴が。
『ああ~もう、ほんとごめんね!
くっそー、今度はどうやって脱走したんだか……。
家中の隙間は埋め尽くしたのに』
端末の向こうからは、心底参ったような声。
『あー、えっと、風紀のヒノクラちゃんだよね?
ほんっとごめん、仕事中に迷惑かけちゃったよね。
なるべく早く迎えに行くから、逃げ出さないようにその辺に捕まえておいてもらえる?
もし逃げだそうとしたり、暴れたりしたら、動けない程度に叩きのめしちゃっていいから!』
そんな返答の後に『迦具楽先生ー、早くしてくださいー!』と、遠くから呼ぶ声。
『今行きますー!』と返す声の後に。
『ごめんね、すぐに行けるようにするから、ちょっとだけお願い!
風紀の詰め所に監禁してくれてもいいから!
それじゃっ!』
なんて、慌てた返答と共に、通話は途切れてしまうのでした。
■焔誼輝夜 >
「やーだー!
さやママにおこられるー!
すぶりじゅーまんほんはやだー!」
どうやら、保護者へ連絡がいくと、相当に叱られるようでした。
まあ、当然ですね。
保護者も叱られちゃいますしね。
「ほにゃ……はぁい。
ぐす、ごめんなさい」
制止に出された手を、お子様は両手で握って、大人しくなりました。
触れると、明らかにお子様の体温は普通よりも高く、電熱手袋にでも包まれたような感触があるでしょうか。
■火倉 刹那 >
「いいえ。
怒って欲しいのなら、母親から叱ってもらってください」
ダメです、ときっぱり。
いくら泣きついても毅然とした態度を崩さない。
けれどそれが意地悪でないのは、子供であってもきっと伝わるはず。
「重ねていいますが、苦痛はありません。
お手伝いは不要ですので、できれば目立たないように隅のほうにいてもらってください」
どうやらクマは少女の言うことを聞くらしい。
不思議ではあるが、この島のこと。不思議なことはいくらでもある。
「ダメです。仕事ですので」
ぴしゃり。飛びつこうとする少女は片手で制止させ、コールを続ける。
出るならば直接。でないのであればSMSで連絡をつけよう。
あついは風紀委員を通して職員室へと連絡をつけるか。
■焔誼輝夜 >
「そーです!
ほむらぎかぐらママです!
……わーわー!
ママはわるくないのっ、おこるなら、かぐやをおこってー!」
なんてお子様は言いますが、監督不行き届きは間違いないのです。
お姉さんの言う事はとっても正しいのでした。
「いたくないの……?」
とっても不思議そうに首を傾げました。
「あばれないよー!
くまさんもかぐやも、おかたづけのおてつだいだってできるよ!」
むんっ、とお子様が力むのと一緒に、熊さんも「グモッ」と鳴きつつ、倒れた少年の横にドスン、とお座りしました。
ですが、お姉さんがどこかに連絡しようとしてるのを見ると、ハッとして、お姉さんに飛びつこうとします。
「だ、だめー!
ママにはないしょにしてー!」
お姉さんの豊かなお胸にダイブする勢いでした。
■火倉 刹那 >
「かぐら…先生? …学園の教諭ですか…」
オモイカネのデータベースを呼び出し、調べる。
「…嘱託の体育講師。『焔誼迦具楽』ですね」
学園の教諭であればすぐに調べがつく。
見た目以上に幼い少女に気圧されることもなく、淡々と言葉を続けて。
「どちらにせよ、監督不行き届きですから。
子供のした事は親が責任を取るのが義務ですので。…痛くありませんよ。ご心配なく」
クマをかばうようなそぶりの少女にも一瞥を残し、オモイカネを操作する。
「……では野生の熊ではないですか。
暴れないのであれば、後回しでも構いませんが」
そして端末がコール音を飛ばす。
当然、データベースにあるだろう焔誼迦具楽の連絡先へ、である。
危険なエリアに子供が一人…くまはおいといて、一人でいる。
保護者に連絡するのは当然である。
■焔誼輝夜 >
「えっとー、ママは、かぐらママです!
がっこーのせんせーです!」
見下ろす目に、赤みのある琥珀色の目がきらきらと輝いて、お姉さんを見上げています。
どうやらお姉さんから、「あったかい」を感じたようです。
「にゃ、ママがおこられちゃうの?
ちがいまーす!
かぐやがおるすばんからダッソーしました!」
右手を上げて、お姉さんに悪い子は自分です、と正直に言っちゃいます。
制するような掌にもお構いなしに、身を乗り出しちゃいます。
「そうそう、そのけがー!
いたそう……いたくないの?」
不思議そうに首を傾げたりしましたが、熊さんを射殺するって言われるとあわあわと両手を振ってから、頭の上でバッテンを作りました。
「だ、だめー!
くまさん、かぐやのおともだちなのー!
きょーも、おやまでおすもーしてから、いっしょにぼーけんしてただけなの!」
金太郎かな……?
■火倉 刹那 >
「…学生証がない? 保護者の名前は?」
自分よりも一回りは小さな少女を前に。
表情が抜け落ちたような無表情。視線も冷たく、灰を思わせるアッシュグレーの瞳は光なく少女を見下ろしている。
「一般生徒は近づかないことが周知されていると思いますが、生徒でないというのなら…。
いえ、どちらにせと保護者の責任ですね」
「怪我? …あぁ、そういえばあの男からいくらか喰らいましたか。治療は不要です」
ぐいぐいと近づく少女を制するように掌を向けて。
「…あの熊は? 野生の類なら射殺しますが」
■焔誼輝夜 >
「ほにゃ?
はーい、かぐやは、かぐやでーす!
えっと、がくせーしょーは、まだないでーす」
腕章は読めませんでしたが、お姉さんに訊かれたら、元気に手を上げてお返事しました。
「ここ、きちゃだめだったの?
あのね、かぐやね、あったかそーだったから、あそびにきたの。
そしたらね、おねーさんたちがいて、けがしてたの!」
だから心配で近づいたのだ、という事のようでした。
「ねーねー、それ、なおさなくていーの?
ばんそーこーもあるよ?」
熊の上からそろそろと降りて、お姉さんに、無警戒にぐいぐいぐい、と近づいていきます。
熊さんは、倒れてる少年の匂いを嗅いでますね。
幸い食べそうにはなさそうです。