2024/09/11 のログ
■柊庵 >
何とも単純な解答。
でも、そういうものでいいのかもしれない。
それこそ庵は楽しげにアナタの言葉を聞いている。
「ご飯を食べるのは楽しいからね。
この世界にはいっぱい色んなことがあるけど、知らなくても困らない事だって多いよ。」
それこそ無理に学ぶ必要はない。
学びたいというのなら、ゆっくりでいい。
自分のペースでゆっくりと世界に馴染めば充分だ。
「それじゃあ、お願いしようかな。
女ってだけで狙ってくるのもいるから、守ってもらわないと。」
今時性別も種族も関係ないが、商品価値はある。
そういう事をしてきた過去がある。今は忘れた記憶だ。
けど子どもの前くらいは冗談めかしに、言ってみよう。
寧ろいざって時は、アナタを守るくらいはしてみないと。
「量。量かぁ……味はまぁ、それなりじゃないかな。
キング、普通の人は毒なんか食べたら死んじゃうの。
アナタは平気かもしれないけど、ここだとそれが普通。」
普通の人は毒を盛られたら死ぬし、暴力でも死ぬ。
異能者と言えど、人は特別な理由がない限り簡単に死ぬ。
此れは生命としての絶対だ。
たまに忘れてるかも知れないが、異能は飽くまで才覚。
人の生命の段階を引き上げる効果でも無い限り、命の価値は平等だ。
とりあえず、と歩き出したのは焼き鳥屋台。
イカついハゲた中年男性。"いかにも"な風体をしている。
「おじさん。とりあえずえーっと、並んでるの一本ずつ頂戴。
もしかして、トコヨライチョウ?密輸は程々にね。」
『へへ、そういう庵ちゃんは育児も初めたんか?ちょっとまってな!』
顔見知りのように気さくに会話ををすればでーん、と袋に詰め込まれた数々の焼き鳥。
モモにハツにネギマetc...とりあえず一式量を取り添えている。
表で出回っている商品だ。滴る油とまぶされた調味料が、味は保証する。
「はい、キング。召し上がれ。」
■キング > 知識は力、覚える事を諦めてはいけない
ネバーギブアップ!!
ただ、覚える事が多いと知恵熱になったりするので程々に
「まっかせるのだ!」
女と言うだけで狙われるというのなら、可愛い少女スタイルのこの格好もやめた方が良いかもしれない
可愛くて無害な子供、思わずおやつをあげたくなる様な姿…おやつを貰えるのと狙われないの、どちらが大事か非常に悩む
「まっさかぁ、毒でもむしゃむしゃ食べて平気な人間は見たことあるのだ!
…ん?じゃぁあいつもしかして人間じゃなかったのだ???」
そう言えばこの世界ではまだそういう相手は見た事ない
元の世界で人間だと思っていたあいつもこいつももしや人間みたいな何かだった?
地味なショックを受けながら事実は事実として受け入れる
とても美味しそうでない限り人前で毒物は食べてはいけない
「たっくさんなのだ!ハゲおっちゃんありがとうなのだ!」
ニッコリ笑顔で袋を受け取る
禿のおっちゃんだからハゲおっちゃん
悪意はない!
「トコヨライチョウって何なのだ?
食べていいなら…いただきまぁす!」
焼き鳥、串焼きは知っていた
お金がないから食べてないだけで偶に屋台で人が食べているのは知っている
甘いタレだったり塩味だったり、様々な味と食感を残らず楽しむ
今回は渡された袋を食べたりはしない、キングは常に学習し続けている!
「どいつもこいつも鶏肉なのに食感が沢山なのだ!
この硬いのも肉汁とかタレが沁みてて最高なのだ!」
バリバリと串諸共食べ進める
手に着いたたれもぺろぺろと、止められなければ袋を空っぽにして笑顔で袋を見せつける
■柊庵 >
んー、と人差し指を立てて思案顔。
「まぁ、それこそキングみたいな異能持ちとかかもね。
本当に人間じゃない可能性だってあるけど、まぁ普通ではないかも。」
毒の程度にもよるが痩せ我慢なら見えない所で死んでるかも。
或いはトイレとお友達。技術が発展しても、人は人。
人としての基準、才覚の枝が増えただけで生命として超越したわけじゃない。
だから、庵の基準で見れば間違いなく"普通"ではないだろう。
『ハゲは余計だよ!美味しく食べな!』
にか、と暑苦しい笑顔を浮かべる。
おっちゃん、子どもには優しいタイプらしい。
「ありがとうゲンさん。また今度買いに来るよ。」
ペコリと会釈をしながら、キングを連れて少し離れた。
ちょっと離れた場所で、得も知れない壁に持たれて食べてる様子を見る。
食べ歩きのちょっとした日常風景。そこに表も裏もない。
「んー、表の方で流通してる食用の鳥かな。
コッチだとあんまり入らないとは思うけど……。」
さっきの焼鳥だって、表の倍くらい値段はあった。
歓楽街ならコストは半分だ。まぁ、食べ歩きで値段なんか気にしてられない。
この島ではポピュラーな方に入る食材だけど
キングは本当に何も知らないようだ。
けど、美味しそうに食べてる。串ごと。
思わず苦い笑みを浮かべてしまった。
「キング。食べるのは肉だけだよ。
アタシは串も紙も食べれないけど……串っておいしいの?」
■キング > 「あむあむあむ…」
異能とはスキルみたいな物なのだ?なんて思うけれどお口はいっぱい
知らぬところで失言を回避しながら焼き鳥を味わう
「ハゲおっちゃん!めっちゃ美味しいのだ!」
お金が有ればまた食べたい味
矢張りどうにかしてお金を稼ぐか一攫千金でもしないと
こっちの世界にギルドや迷宮が無いのが悔やまれる
キング汁に本気で力を入れた方が良いのかもしれない
「食べる鳥の名前かぁ。ライチョウなんてなんだかカッコいい名前なのだ!」
どれだけお高めの焼き鳥なのかなんて全く分からず食べている
勿論、他所だと安いなんて事は余計に知らない
ただこれだけは分かった、お金が有ればこんなおいしいものがいつでも食べられると!
「む、そうなのだ?
肉汁とかタレが沁みてて美味しい食感なのに…」
言われてからは串を残すようにした
もう食べた分は仕方ない、完食すればかなりご満悦
「ご馳走様なのだ庵!
この恩は忘れないのだ…何でもこのキングが手伝ってあげるからいつでも声をかけるのだ!」
■柊庵 >
「名前だけならカッコいい動物は多いよ。
キングが気になるなら、今度色んなところに連れてって上げてもいいけどね。」
この感じ、本当に無知なんだ。
子ども以前に、色々物を知らない。
もしかして、"外"から来た人なのかな。
身寄りのない異邦人が、巡り巡って落第街に来ることもよくある。
異邦人街に根付くことだってあるし、此ればかりはめぐり合わせだ。
「うん、普通は食べないけど、美味しければいいんじゃないかな。
少なくとも、アタシは気にしない。キングがやりたいように食べればいいと思う。」
「色々言っておいて、なんだけどね。
アタシの前くらいなら食べてもいいよ。」
確かに普通に迎合するならそれでもいい。
今でも確かに差別的問題は確かに存在する。
そういう意味では、そちらに合わせたほうが都合がいいのは確かだ。
けど、キングにとっては"美味しい"のだから、食べればいい。
少なくとも自分は受け入れる。
さて、と腕時計を見やればいい時間だ。
そろそろ次の配送が待っている。
「ありがとうキング。
アタシもそろそろ行くよ。また来るから、いい子にしててね?」
この仕事を続けていれば、生きていれば会えるだろう。
ひらりと手を振れば、トラックの方へと戻っていく。
程なくして、エンジンの音が何処かに離れていくのであった。
ご案内:「スラム」から柊庵さんが去りました。
ご案内:「スラム」からキングさんが去りました。