学園都市である常世島の生産を司る非常に重要な区域。
食料等の一部は輸入を行っているとは言え、学園都市が独立を保つためには最低限の自給自足は欠かせない。
学園から離れた離島にこの区域が設けられているのは安全面などを考慮しているためである。
離島の西側には巨大な工場や高層式農園が林立し、高度な科学・魔術技術を以て学園都市に必要な様々な物品・食料を生産し続けている。
警備も厳重であり、風紀委員の他、警備ロボットや精霊が放たれ、土地の守護を行っている。
なお、上述の高度な科学・魔術技術により環境に与える影響は最小限に留められている。
離島の東側は西側とはかなり様相が異なる。
のどかな牧草地や小高い山に川が広がり、大農園では昔ながらの農業が行われている。小さな町工場のような工場も存在する。
農業系の部活がここで活動を行っており、非常に牧歌的である。
参加者(0):ROM(1)
Time:20:43:31 更新
ご案内:「大麻・芥子畑」から海藤 宗次さんが去りました。
■海藤 宗次 >
「まあ、そういうことならしゃあないか」
原因を聞く。
まあいずれにしろ細かい専門的な事で生産が少なくなったというのも僅かな範囲だ。
「とりあえずここは覇伝洲じゃあ結構大事な拠点やからしっかり頼むで。
勿論頑張れば頑張った分だけ報酬も増えるんでな~」
この麻薬畑というのは覇伝洲でもかなり重要な拠点である。
にも拘わらず兵隊は少ない。それはこんな農業区に兵隊が多くても怪しまれるからだ。
だから代わりに単体で絶大な戦力を誇る幹部が定期的に見回りに来る。
今回は…というか大抵面倒な仕事なので宗次の担当だ。
「ここはバレなきゃ覇伝洲も安泰やろうて」
■海藤 宗次 >
「ほな、搬入するで~」
休憩も終わり各自キビキビと動き始める。
ビニールハウス前に待機している軽トラも寄せて搬入しやすいように停める。
そこからは丁寧に敷き詰める。
最後にブルーシートで被って紐を縛れば完成。
「よっしゃ~ええ感じやな~。…ところで今回の収穫ちと少なくないか?」
違法植物の生産は麻薬の生産と資金に直結する。
まあこの季節だしビニールハウスと言えど温度管理が難しいのは仕方ないだろうが
■海藤 宗次 >
「あいよ~差し入れや~毎度ご苦労さん」
良い汗をかいた現場の覇伝洲構成員にビニール袋に入れた沢山のジュースやコーヒーを渡す。
卸売り業者が農家に差し入れをする微笑ましい一幕でもある。
大麻・芥子生産担当の構成員達は宗次に感謝の言葉を与えながら休憩に向かうだろう。
少し談笑してから搬入作業だ。
「まあ、最近風紀の活動も厄介やねんな。しばらくは俺らのシマ内といえど油断できへんて…
せやから手堅くお金稼ぐためにここが重要やねん。いつもありがとうな」
確かに大麻や芥子を育てているもののビニールハウスで中は見えづらく、そもそもこの区画に立ち入りする人間は少ない。
都市部ではなくここは農村部。
手堅く麻薬を生産できる絶好の立地だ。
■海藤 宗次 >
ビニールハウスで点在するエリア。
農業区内ではよく見られる光景なので誰しもがあまり気にしないだろう。
時に半グレ組織『覇伝洲』には潤沢な資金があり、その資金源も多種多様。
例えば麻薬の販売と生産。
麻薬には莫大な利益を生じさせる裏社会には必要不可欠なモノ。
覇伝洲も麻薬の生産に力を入れており、特に農業区の一部土地を買い取って芥子と大麻を育てている。
「おいっす~。おどれら、今日もきびきび働いとるか~収穫の時期やろ?トラック用意してきたで」
覇伝洲幹部の海藤宗次。
色んな事をやる一種の便利屋的な幹部ではあるが今日は麻薬の原材料の回収に来た。
自分はバイクをそのあたりに停めて、部下達に運転させている軽トラックが収穫した芥子と大麻を運ぶべく待機している。
ご案内:「大麻・芥子畑」に海藤 宗次さんが現れました。
ご案内:「産業区/農業区」からエルピス・シズメさんが去りました。
ご案内:「産業区/農業区」からDr.イーリスさんが去りました。
■Dr.イーリス > その意気、とだいすきな人に激励をいただいて、イーリスは明るくにこっと笑みを浮かべてみせた。
エルピスさんとイーリスで笑みを浮かべ合った。
「えるぴすさんは、いつも私のことを優しく救ってくださいます。ふふ、いつもいっぱい感謝してます」
ずっと、エルピスさんはイーリスにとっての“希望”で居続けてくれる。
それも、“十年”も前から……。
「そうです、おさんぽです。クリスマスも初詣も、トコケットも、あなたと私のたのしいデートでございますよ」
クリスマス、年末、お正月、このあたりは部室でお話するまでもなく大方決まっていた。
それ以外にも、この常世島で行ける場所はいっぱい!
「えへ。天才的な発明に不可能はないですね!」
照れ笑いしたあと、照れたまま両手を腰にあてて胸を張ってみせる。
「えるぴすさんのお陰でもありますよ。えるぴすさん自身だけではなくて、〝まほう〟で小人さん達が頑張ってくれていて、凄く捗ってます。私こそありがとうございます。それでは、農業区の方々やりんごとみかんを楽しみにしている島の方々のためにも、もうひと頑張りしましょうか」
おにぎりを食べ終えたイーリスは立ち上がる。
少し離れたところで座り込んでいたメカニカル・サイキッカーと正座して本を読んでいた二宮二号も腰を上げた。
折り畳みの椅子をエルピスさんと一緒に、イーリスのトラックに直しにいき、収穫を再開した。
ふたりで力を合わせて、夕日が見える時刻に無事にお仕事を終える。
農業区の人も、一日で収穫を終えた事に凄く驚いていた。
おすそわけしてくださったりんごとみかんは、トラックに乗せる《タンスガーディアン》やカート型メカに積んだり、トラックの荷台の空いたスペースに積んだりして、事務所に持ち帰ったことだろう。
りんごとみかんを積むスペースを開けるべく、《試作型メカニカル・サイキッカーMk-Ⅳ》はトラックの荷台に積まれることはなく、走って事務所にお帰りになった。
お給金をいただき、農業区の人にお礼を言って、そうしてエルピスさんとイーリスがふたり、トラックで事務所に帰還する。
ちなみに、農業区の島と常世島の本島の間の海を走るメカニカル・サイキッカーの姿があったそうだ。
■エルピス・シズメ >
「うん。その意気だよ。イーリス。」
前を向いてひたむきに頑張るイーリスがとてもすき。
どんなイーリスもだいすきだけど、その中でも特に好きな部分。
元気を取り戻したイーリスを見れば、エルピスも嬉しくなって顔をほころばせる。
「備品を買いに街をあるくのもおさんぽだね。
うん、部室を綺麗に整えたら、どこに行くかゆっくりお話しよう。」
狭い様で広い常世島。
まだまだ足を運んでいない所は沢山ある。次は何処に行こうか、考えるだけでも楽しくなるもの。
「これもイーリスの機械のおかげ。ありがとね、いーりす。
休憩も済んだし慣れてきた。午後もいっしょにがんばれば、農業区の人も喜んでくれるよ。」
常世島の食事事情を支える農業区。
農道を走るトラックやドローンは、膨大な食糧流通の一端を垣間見せてくれる。
「それじゃ、後半戦だね。」
椅子を片付けて、イーリスと一緒に彼女のトラックに戻しに向かう。
片づけを終えた後は丁寧さを忘れずにしっかりと仕事をこなすだろうか。
ちゃんと終わらせた事に喜んだ農業区の人から、おすそわけのりんごとみかんをどっさり貰える。
イーリスが用意したトラックの荷台には、りんごとみかんの熟れた甘い匂いが漂う。
お給金も、部室の備品を買った上で活動するには十二分の額を貰えた。
■Dr.イーリス > 「える……ぴすさん……」
エルピスさんが左手で触れてくださる頬がとても温かく感じられる。
罪悪感も浄化されそうになっていく。
その温かさに、涙の雫が一滴零れ落ちて、エルピスさんの左手に触れる。
「そうですよね、ありがとうございます。ふふ、今はえるぴすさんとの幸せや、スラムの方々に手を差し伸べることを考えていきたいです」
罪悪感に押しつぶされそうになる事もある。
けれど、エルピスさんは優しく今あるべきイーリスを取り戻してくれる。
贖罪より、エルピスさんとの幸せはもちろん、イーリスのような過酷な暮らしをしている方々に救いの手を差し伸べてあげたい。
「そうしましょう! 今日のお給金でお金が溜まって、おさんぽ同好会に必要な色んなものを買いにいけますからね。この島は広いですから、まだあまり行けていないところもいっぱいあります。お買い物のあとは、部室でどこにいくかを話し合うのもいいかもしれません」
おさんぽの場所を部室で話し合う。とても部活動っぽい。
「やはり、農家さんも驚いてしまう程の収穫量ですよね……! えるぴすさんと私、すごくがんばってます……!」
普通なら一日で収穫できる量か怪しかったけど、エルピスさんとイーリスが力を合わせて、半日で半分終わらせている。
このペースだと今日中に終わるだろう。
「このみかんとりんごを島のみなさんが美味しく食べます。ふふ、やりがい、とてもあります」
少し離れた道路にある収穫済みのみかんがいっぱい詰まれたトラック(イーリスのものではなくて、農家さんが運び出すためのもの)を眺めて、柔らかく目を細めた。
■エルピス・シズメ >
「……いーりす。イーリスはちゃんと更生プログラムを受けた空、大丈夫。」
曇った顔を見せれば、不安そうに席を立って、イーリスの頬に左手を伸ばす。
それらは既に更生プログラムの中で判決と贖罪が下されたことだからと、
安心させるように優しく告げる。
いずれにしても笑みが戻ったイーリスを認めれば、うん、と、頷く。
「うん。立派な部活動。これからも楽しい記録、いっぱい増やしていこう。」
曇った顔のイーリスより、嬉しそうな顔のイーリスの方が良い。
応じる様に笑みと共に頷いて、ゆっくり立ち上がる。
「ごはんを食べ終わったら、残りもちゃんと収穫しよう。
全部の収穫を終らせたら、きっと農業区の人も驚くよ。」
ダメ元で出来て半分、ぐらいに思っているかもしれない。
ちゃんとやり遂げてみせれば、その仕事はしっかり評価されるはず。
■Dr.イーリス > おにぎりを食べて、麦茶をごくごく飲んでいる。
「ひと汗かいたあとの麦茶はとても美味しいです。そうですね、果樹園の果実はあとで正式に農家さんからいただけるようですからね」
商品にならない果実をいただける事になっている。
盗み食いをするわけにもいかない、というエルピスさんに微笑みながら頷いてみせる。
直後に、イーリスは俯いてしまう。
スラムのストリートチルドレンだった頃のイーリスは、明日を生き延びるために食料を盗んでいた……。
仲間と一緒に農業区の作物を盗んだ事もある……。罪悪感が募る……。
(罪を……償っていかないとです……)
イーリスはお顔をあげて、また笑みに戻る。
前向きにも考えよう。
おそらく求人募集しても誰も応募しなかったやりがいあるお仕事をエルピスさんとこなしている。
「ふふ、私は今日の活動も活動記録に乗せるつもりでいますよ。おさんぽ同好会の資金を集めるためにお仕事しつつ、果樹園を眺めて、こうしてピクニックもできていますからね。立派に部活動ではないですか」
そう口にして、にこっと楽しそうに笑った。
■エルピス・シズメ >
「うん。時間もかかるしお腹も空くと思って……
果樹園の果物を盗み食いする訳にもいかないしね。」
二人で椅子に座って、果樹園の中でおにぎりを食べて、
飲み物──麦茶を飲む。ペットボトルの飲み物じゃなくて、水筒に入れた手作りの麦茶。
水筒も、桃色と水色でちゃんと二人分。
「良かった。……お仕事しながら、ちょっとしたピクニック。
これもおさんぽ部の活動に入れていいのかも……。
徒歩ではないけど、これもおさんぽと言えばおさんぽ。
広大な果樹園の景色の中で食べるおひるごはんはとても美味しく感じた。
お仕事をしながら、というのもあるのかもしれないけど……とにかくおいしい。
■Dr.イーリス > 「では、少しおやすみです。トラックから椅子を取ってきますね」
イーリスは微笑みながら、エルピスさんに頷いてみせた。
折り畳み式の椅子をトラックに取りに行くべく駆けていく。
やがて折り畳み式の椅子を持って、帰ってくる。
そうして座る場所を確保した。
「お待たせしました。おにぎり作ってくれていたのですね! ありがとうございます、えるぴすさん!」
おにぎりと飲みものを受け取る。
「えるぴすさんが朝早くから丹精込めてつくってくれたおにぎりなので、凄く嬉しいです。いただきます」
おにぎりをお口に入れる。
「とてもおいしいです!」
幸せそうに満面の笑みを浮かべた。