学園都市である常世島の生産を司る非常に重要な区域。
食料等の一部は輸入を行っているとは言え、学園都市が独立を保つためには最低限の自給自足は欠かせない。
学園から離れた離島にこの区域が設けられているのは安全面などを考慮しているためである。
離島の西側には巨大な工場や高層式農園が林立し、高度な科学・魔術技術を以て学園都市に必要な様々な物品・食料を生産し続けている。
警備も厳重であり、風紀委員の他、警備ロボットや精霊が放たれ、土地の守護を行っている。
なお、上述の高度な科学・魔術技術により環境に与える影響は最小限に留められている。
離島の東側は西側とはかなり様相が異なる。
のどかな牧草地や小高い山に川が広がり、大農園では昔ながらの農業が行われている。小さな町工場のような工場も存在する。
農業系の部活がここで活動を行っており、非常に牧歌的である。
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Time:08:06:22 更新
ご案内:「産業区/農業区」からエルピス・シズメさんが去りました。
ご案内:「産業区/農業区」からDr.イーリスさんが去りました。
■Dr.イーリス > その意気、とだいすきな人に激励をいただいて、イーリスは明るくにこっと笑みを浮かべてみせた。
エルピスさんとイーリスで笑みを浮かべ合った。
「えるぴすさんは、いつも私のことを優しく救ってくださいます。ふふ、いつもいっぱい感謝してます」
ずっと、エルピスさんはイーリスにとっての“希望”で居続けてくれる。
それも、“十年”も前から……。
「そうです、おさんぽです。クリスマスも初詣も、トコケットも、あなたと私のたのしいデートでございますよ」
クリスマス、年末、お正月、このあたりは部室でお話するまでもなく大方決まっていた。
それ以外にも、この常世島で行ける場所はいっぱい!
「えへ。天才的な発明に不可能はないですね!」
照れ笑いしたあと、照れたまま両手を腰にあてて胸を張ってみせる。
「えるぴすさんのお陰でもありますよ。えるぴすさん自身だけではなくて、〝まほう〟で小人さん達が頑張ってくれていて、凄く捗ってます。私こそありがとうございます。それでは、農業区の方々やりんごとみかんを楽しみにしている島の方々のためにも、もうひと頑張りしましょうか」
おにぎりを食べ終えたイーリスは立ち上がる。
少し離れたところで座り込んでいたメカニカル・サイキッカーと正座して本を読んでいた二宮二号も腰を上げた。
折り畳みの椅子をエルピスさんと一緒に、イーリスのトラックに直しにいき、収穫を再開した。
ふたりで力を合わせて、夕日が見える時刻に無事にお仕事を終える。
農業区の人も、一日で収穫を終えた事に凄く驚いていた。
おすそわけしてくださったりんごとみかんは、トラックに乗せる《タンスガーディアン》やカート型メカに積んだり、トラックの荷台の空いたスペースに積んだりして、事務所に持ち帰ったことだろう。
りんごとみかんを積むスペースを開けるべく、《試作型メカニカル・サイキッカーMk-Ⅳ》はトラックの荷台に積まれることはなく、走って事務所にお帰りになった。
お給金をいただき、農業区の人にお礼を言って、そうしてエルピスさんとイーリスがふたり、トラックで事務所に帰還する。
ちなみに、農業区の島と常世島の本島の間の海を走るメカニカル・サイキッカーの姿があったそうだ。
■エルピス・シズメ >
「うん。その意気だよ。イーリス。」
前を向いてひたむきに頑張るイーリスがとてもすき。
どんなイーリスもだいすきだけど、その中でも特に好きな部分。
元気を取り戻したイーリスを見れば、エルピスも嬉しくなって顔をほころばせる。
「備品を買いに街をあるくのもおさんぽだね。
うん、部室を綺麗に整えたら、どこに行くかゆっくりお話しよう。」
狭い様で広い常世島。
まだまだ足を運んでいない所は沢山ある。次は何処に行こうか、考えるだけでも楽しくなるもの。
「これもイーリスの機械のおかげ。ありがとね、いーりす。
休憩も済んだし慣れてきた。午後もいっしょにがんばれば、農業区の人も喜んでくれるよ。」
常世島の食事事情を支える農業区。
農道を走るトラックやドローンは、膨大な食糧流通の一端を垣間見せてくれる。
「それじゃ、後半戦だね。」
椅子を片付けて、イーリスと一緒に彼女のトラックに戻しに向かう。
片づけを終えた後は丁寧さを忘れずにしっかりと仕事をこなすだろうか。
ちゃんと終わらせた事に喜んだ農業区の人から、おすそわけのりんごとみかんをどっさり貰える。
イーリスが用意したトラックの荷台には、りんごとみかんの熟れた甘い匂いが漂う。
お給金も、部室の備品を買った上で活動するには十二分の額を貰えた。
■Dr.イーリス > 「える……ぴすさん……」
エルピスさんが左手で触れてくださる頬がとても温かく感じられる。
罪悪感も浄化されそうになっていく。
その温かさに、涙の雫が一滴零れ落ちて、エルピスさんの左手に触れる。
「そうですよね、ありがとうございます。ふふ、今はえるぴすさんとの幸せや、スラムの方々に手を差し伸べることを考えていきたいです」
罪悪感に押しつぶされそうになる事もある。
けれど、エルピスさんは優しく今あるべきイーリスを取り戻してくれる。
贖罪より、エルピスさんとの幸せはもちろん、イーリスのような過酷な暮らしをしている方々に救いの手を差し伸べてあげたい。
「そうしましょう! 今日のお給金でお金が溜まって、おさんぽ同好会に必要な色んなものを買いにいけますからね。この島は広いですから、まだあまり行けていないところもいっぱいあります。お買い物のあとは、部室でどこにいくかを話し合うのもいいかもしれません」
おさんぽの場所を部室で話し合う。とても部活動っぽい。
「やはり、農家さんも驚いてしまう程の収穫量ですよね……! えるぴすさんと私、すごくがんばってます……!」
普通なら一日で収穫できる量か怪しかったけど、エルピスさんとイーリスが力を合わせて、半日で半分終わらせている。
このペースだと今日中に終わるだろう。
「このみかんとりんごを島のみなさんが美味しく食べます。ふふ、やりがい、とてもあります」
少し離れた道路にある収穫済みのみかんがいっぱい詰まれたトラック(イーリスのものではなくて、農家さんが運び出すためのもの)を眺めて、柔らかく目を細めた。
■エルピス・シズメ >
「……いーりす。イーリスはちゃんと更生プログラムを受けた空、大丈夫。」
曇った顔を見せれば、不安そうに席を立って、イーリスの頬に左手を伸ばす。
それらは既に更生プログラムの中で判決と贖罪が下されたことだからと、
安心させるように優しく告げる。
いずれにしても笑みが戻ったイーリスを認めれば、うん、と、頷く。
「うん。立派な部活動。これからも楽しい記録、いっぱい増やしていこう。」
曇った顔のイーリスより、嬉しそうな顔のイーリスの方が良い。
応じる様に笑みと共に頷いて、ゆっくり立ち上がる。
「ごはんを食べ終わったら、残りもちゃんと収穫しよう。
全部の収穫を終らせたら、きっと農業区の人も驚くよ。」
ダメ元で出来て半分、ぐらいに思っているかもしれない。
ちゃんとやり遂げてみせれば、その仕事はしっかり評価されるはず。
■Dr.イーリス > おにぎりを食べて、麦茶をごくごく飲んでいる。
「ひと汗かいたあとの麦茶はとても美味しいです。そうですね、果樹園の果実はあとで正式に農家さんからいただけるようですからね」
商品にならない果実をいただける事になっている。
盗み食いをするわけにもいかない、というエルピスさんに微笑みながら頷いてみせる。
直後に、イーリスは俯いてしまう。
スラムのストリートチルドレンだった頃のイーリスは、明日を生き延びるために食料を盗んでいた……。
仲間と一緒に農業区の作物を盗んだ事もある……。罪悪感が募る……。
(罪を……償っていかないとです……)
イーリスはお顔をあげて、また笑みに戻る。
前向きにも考えよう。
おそらく求人募集しても誰も応募しなかったやりがいあるお仕事をエルピスさんとこなしている。
「ふふ、私は今日の活動も活動記録に乗せるつもりでいますよ。おさんぽ同好会の資金を集めるためにお仕事しつつ、果樹園を眺めて、こうしてピクニックもできていますからね。立派に部活動ではないですか」
そう口にして、にこっと楽しそうに笑った。
■エルピス・シズメ >
「うん。時間もかかるしお腹も空くと思って……
果樹園の果物を盗み食いする訳にもいかないしね。」
二人で椅子に座って、果樹園の中でおにぎりを食べて、
飲み物──麦茶を飲む。ペットボトルの飲み物じゃなくて、水筒に入れた手作りの麦茶。
水筒も、桃色と水色でちゃんと二人分。
「良かった。……お仕事しながら、ちょっとしたピクニック。
これもおさんぽ部の活動に入れていいのかも……。
徒歩ではないけど、これもおさんぽと言えばおさんぽ。
広大な果樹園の景色の中で食べるおひるごはんはとても美味しく感じた。
お仕事をしながら、というのもあるのかもしれないけど……とにかくおいしい。
■Dr.イーリス > 「では、少しおやすみです。トラックから椅子を取ってきますね」
イーリスは微笑みながら、エルピスさんに頷いてみせた。
折り畳み式の椅子をトラックに取りに行くべく駆けていく。
やがて折り畳み式の椅子を持って、帰ってくる。
そうして座る場所を確保した。
「お待たせしました。おにぎり作ってくれていたのですね! ありがとうございます、えるぴすさん!」
おにぎりと飲みものを受け取る。
「えるぴすさんが朝早くから丹精込めてつくってくれたおにぎりなので、凄く嬉しいです。いただきます」
おにぎりをお口に入れる。
「とてもおいしいです!」
幸せそうに満面の笑みを浮かべた。
■エルピス・シズメ >
秋の終わり、冬の始まり。
気候としては少し冷えるけれど、身体を動かしていると寒さは和らぐ。
少し汗をかきながらも、順調に作業を続けて数時間。
「ん、僕は大丈夫。でもちょっと休憩しておこっか。」
広々とした果樹園の収穫作業も、色々駆使して半分ほど終える。
この調子なら、残りも日が暮れぬ内に終わるだろう。
なので、疲れる前に休憩を提案し、持ち込んでいた飲み物とおにぎりを差し出す。
少し早めのお昼ご飯。中身はしゃけ。
「早起きして作っておいたんだ。ちょっと不格好だけど……」
■Dr.イーリス > 「あ、あの出来事まで、〝まほう〟になってしまっていたなんて……。うぅ……」
イーリスの制御するメカが一斉にぴたりと止まったりもした。
ちょっと頬を染めていたけど、少し口元を歪ませる。
(それだけ、えるぴすさんが私の事を愛してくださっているという事でもありますよね)
そう思うと、嬉しくもなってくる。
そして、目覚めた〝まほう〟がこうしてとても役立ってくれている事も、とても嬉しい。
再び、メカが動き出して収穫を再開していく。
かれこれ数時間ぐらい経つだろうか。
タンスガーディアンやカート型メカ、《二宮二号》の籠にどんどん果実が入れられては運び出される。
だいぶりんごとみかんを獲った気がするけど、とても範囲が広い……。
「ま、まだこれだけ収穫しなければいけない果実があるのですね……! な、中々終わらないです……!」
メカの制御も疲れてくる。
でもまだ果実いっぱい! やりがいあるおしごと!
「農家さんは毎年大変なお仕事をなされているのですね。えるぴすさん、疲れてないですか?」
エルピスさんにきょとんと小首を傾げた。
■エルピス・シズメ >
順調に作業を続けていく最中、話題の一つとして思い出す出来事。
赤く頬を染めたイーリスと過去の記憶を思い返せば、エルピスも顔を顔を赤くする。
「ぁ、ぅ、えーと……たぶん……。」
頬を染めて目を逸らす。
そうと言えばそうなような、違うとも言い切れないような。
いつのまにか思いついて、身についていたものの一つ。
きっとそうだろう、という事にして恥ずかしさと共に肯いて認めた。
ポピュラーの童話の一つであるため、イメージし易かった事もあって習熟も早かった。
使う機会があまりなかったが、いざ手伝わせてみると大分便利に感じる。
とは言え、無理をしないように休憩をはさみながらの行使。小人さんは出たり消えたりしている。
「たぶん……さ、さぎょうの作業のつづき、しなきゃっ」
りんごのように頬を染めながらも、作業に戻る。
思い返したことで内心がどきどきしてるけど、それはそれ。
広い果樹園の果実をてきぱきと収穫していく。
■Dr.イーリス > 柔らかく目を細めて、頷いてみせる。
「そうですね。スラムのみんなに、おいしいりんごとみかんをいっぱい食べさせてあげる事ができます。ふふ、頑張りましょう」
ジャムに、タルトとかアップルパイにしてもいいかもしれない。
「分かりました。《試作型メカニカル・サイキッカーMk-Ⅳ》に加えて、《タンスガーディアン》もアームを伸ばせば収穫できますし、《二宮二号》も果実を獲ることができますね。私が想像していた高所を収穫する用のメカは梯子型でしたけど、なんだかんだでメカニカル・サイキッカーとタンスメカのアームで高所もなんとかできそうです」
梯子型のメカを持ってきていなかったけど、メカニカル・サイキッカーは体格が大きくていざとなったら腕を伸ばす機能や飛行機能で高所に届く。《タンスガーディアン》のアームはながく伸びる。
丁寧な収穫は細やかな作業。
メカ達は、イーリスの体内コンピューターにより制御されている。イーリスはメカのコントロールに集中する事にした。
エルピスさんが指を弾くと出現する七人の小人さん。
イーリスは小人さんを眺めて、目を丸くする。
「小人さんです!? えるぴすさんの〝まほう〟ですね。この〝まほう〟が目覚めたきっかけは……」
イーリスは少し想像してみる。
しらゆきひめ……。心当たりがあった。
ある事を思い出して、イーリスは頬をちょっと染めてしまった。
「も、もしかして……えるぴすさんが可愛らしいお姫様になって昏睡しているところを私が接吻で目覚めさせようとして、そのときに目覚めた〝まほう〟ですか……!? わ……わわっ……!」
恥ずかしい記憶がまた蘇っていく……。
寝ているお姫様に口づけを交わす直前にイーリスは思いとどまったけど、その時にイーリスの視覚を通じて保存していた映像を間違ってエルピスさんに送ってしまった事があった。
■エルピス・シズメ >
「スラムにおすそ分けしてもいいかもね。
ちゃんと貰えるように、しっかり頑張って働いてから交渉しよう。」
上手く出来たら暫くは食卓にりんごとみかんが並ぶ。
ジャムにしてみてもいいかもしれない。
「僕と《試作型メカニカル・サイキッカーMk-Ⅳ》で収穫するから、イーリスはコントロールに集中してくれれば大丈夫。」
人手は自分と《試作型メカニカル・サイキッカーMk-Ⅳ》でこなして……
……そう言えば、使えそうな〝まほう〟がひとつあった。
「あと……おねがい、小人さん。」
指を弾いて、7体の小人さんを呼び出す。
それらは〝まほう〟で出来たもので意志はないが、エルピスの指示に従い、簡単なお手伝いをしてくれる幻想の存在。
収穫を手伝ってくれたり、果実を運んでくれたり、ささやかなお手伝いをしてくれる。
ドローンや機械に混じって、細やかな作業を手伝ってくれる。
「これで良し。僕は転んだり木を傷付けないように注意しながら採取するね。」
■Dr.イーリス > 今日は本当に早起きであった。
朝早くからのお仕事だけど、その理由がこの広大な収穫量であることを思えばとても納得。
(求人募集をかけても、誰も応募しなかったのでしょうね……)
そんな事を思って、ちょっと遠い目。
この辺りの農家の人達、人手不足と資金不足にとても悩まされているのかもしれない……。
「これだけ広いと、売り物にならない果実をかなりいただけますね! しばらくりんごとみかんの生活で、食費が浮きます!」
食費が浮く、そんな想像をしてイーリスは瞳を輝かせていた。貧乏性……。
食費が浮く代償は、りんごとみかん生活である。
「ひとつずつ丁寧に収穫していきましょうか。獲った果実は、カート型メカや《タンスガーディアン》に入れていきましょう」
カート型メカや《タンスガーディアン》は輸送に優れたメカなので、エルピスさんやイーリスに追随してくれる。
「それでは収穫……」
収穫を始めようとしたイーリスは重大な事に気づいて、顔が青ざめる。。
「た、高いところを収穫するのに便利なメカ……持ってきてません……」
カート型メカ、《タンスガーディアン》、《二宮二号》……。見事に輸送に優れていても高所に微妙に手が届かない……。
高所の果実を獲る用のメカを持ってきていなかった……。