2024/12/18 のログ
■エデン-H-プランク >
「研究し終わったものには興味がないの。
特に『彼女』はそういう性格だったわ。
だから取引が成立したのよ、障害になるとすら思われていないから」
不安材料を全て潰す、不確定要素を排除する。
必要ならば『彼女』はやるはずだが、そこに労力を割けない理由も、優先順位もあったのだ。
だから、『あるか』は危険性のない不用品として、捨て置かれた。
「ふふ、ちょっと正解で、ちょっとはずれね。
差が産まれるのも、どちらかが先に貯まるのもその通り。
――アルカディアの器になれるのは、一つだけ。
だから、『彼ら』の計画が実行される時に、もう一つの器を用意するの。
そうすると、アルカディアの力は、より良い器へと向かおうとするわ」
妖精の目の前で、左右のコップの上を、蛇口が右往左往している様子が演じられる。
どちらに注がれるわけでもなく、行き先を迷うように。
「こうして、力の綱引きが起これば、完全には止められなくても、計画を遅延させるだけの事は出来る。
その間が、わたしたちのチャンスになるの」
えいっ、と右のコップを妖精が小さな手でパンチした。
「計画が実行出来るようになるまで、『彼女』は姿を現さない。
けど、計画の最終段階には『彼女』自身が必要なの。
アルカディアの力を科学力で制御できるのは、もう『クライン』本人しか残っていないんだもの」
右側のコップは、宙をころころと転がって、少女の前で消えた。
「だから、わたしたちは、計画の最終段階までに、もう一つの『アルカディアの器』を用意しなくちゃいけないのよ。
けど、今の『あるか』はとてもじゃないけど、器として機能するのは難しいわ。
目覚めてもいないし、身体もないんだもの」
そう言って、もう一つのコップも転がし、蛇口と一緒に投影を消した。
「重要なのは二つ。
一つは、『あるか』が目覚める事。
そしてもう一つは、アルカディアの器に見せかけられるだけの身体を用意する事」
妖精は、少しだけ真面目そうな顔で、指を二本立てた。
「体のアテは、いくつかあるみたいなの。
とはいえ、使える手札は一つだって多い方がいいと思わない?」
妖精はまた四角いパネルを投影して、そこに、高い壁で囲われた場所の航空写真を映した。
「メアちゃんも見たのよね。
第二方舟の事故。
あの黒い水、あれは星骸って呼ばれる、特殊な液体なの。
アレを沢山集めて加工すれば、間に合わせの身体を作る事が出来る」
そうして妖精は、ようやくお願いを口にする。
「メアには、この星骸を集めてきてほしいの。
それも、なるべく沢山。
もちろん、汚染対策と採取用の装備は用意できる。
報酬も用意できるし、わたしも協力するわ」
そう、妖精は頼み事を伝えるのだが。
「――でも、とっても危険なの。
だから、断ってくれても大丈夫よ」
心配そうな表情で、妖精は少女をじっと見上げた。
■メア >
「残り物に福が宿るとか知らないんだねぇ。
合理主義の申し子みたいでつまんないの。」
そうしてできた油断で面倒な要素が生まれるのだから世の中は分からない
「より良い器、ねぇ…今最悪のプランがよぎったんだけど、まぁそこは任せるよ。
正直知らないことばかりで僕らにとってはブラックボックスだし。」
より良い器に万が一力がそそがれた場合…まぁ、そんな事は彼女も織り込み済みだろうし素人が深く考えるのも良くない
「クライン、ね…やっぱり最後はその女を止めないとどうしようもないよね。」
結局最後はそこに落ち着くのだ
少し前に約束した、クラインの計画を止めると
そしてそこに行きつくまでの道筋は目の前の彼女が説明してくれる
「目覚めと身体…ってあの変なドロドロを?」
第二方舟での事故、その時にあの黒い液体には触れた
そしてその時にナニカに触れた
アレを寄せ集めた身体と聞くだけで乾いた笑いが出そうになる
「……ここまで来て、話を聞いて今更断るのは無いよ。
乗り掛かった舟を乗り捨てる気もないし、約束は守るんだってさ。
だからそんな目で見ないでもらえる?」
心配そうな妖精にそう答える
元より断る気はない、自分が断ったとしてもメアは納得しない
加えて、クラインとその周りの連中のやり口も気に入らない
■エデン-H-プランク >
「ふふっ、やっぱり『メアたち』はとってもいい子ね!
こんな、無茶で危ないお願いもちゃんと聞いてくれるんだもの」
両手を合わせて、妖精は嬉しそうにパタパタと羽を動かす。
「星骸はね、その性質上、どんな生き物が変化しても、必ずほんの少しの神性を帯びるの。
そのほんの少しを出来る限り抽出して、より集める。
そうして作った身体は、十分に『神様』に近づけると思わない?」
そう、妖精は口にするが。
笑っているはずなのに、その瞳には僅かの哀しさが滲んでいるように見えるかもしれない。
「計画の最終段階については、まだクラインの出方次第になっちゃうけど。
少なくとも、『あるか』を手放して用意した『新しい器』を調整するには、相応の時間が掛かるはずよ。
少なくとも、数日や数週間で出来る事じゃないの」
うーん、と妖精はちょっと悩んだ顔をして、メアを見つめた。
「だから、その『新しい器』の調整が終わるまでが勝負どころね。
それまでに、『あるか』に器になれる様な体を用意しないと。
後の事は――『あるか』がいつ目を覚ますか、賭けになっちゃうわね」
腕を組んで、むむ、と妖精の眉根が寄った。
「――わたしは、『あるか』にも、『あたらしい器』にも、人造神になんてなって欲しくないわ。
だから、力の綱引きが拮抗している間に、『あたらしい器』を奪い返すのが理想なの。
そのために、色んな人に、力を貸してってお願いしてるんだけど――」
その表情は笑顔ではあるのだが、やはりどこか不安そうに見えるかもしれない。
「どうしても危険な事をさせちゃうことになるでしょう?
わたしはお願いするばかりで、自分じゃ何もできない。
『わたしたち』の負債を、今の子達に押し付けてばかり。
メア、あなたは何もできないわたしを、赦してくれる?」
そう、空のように明るい大きな瞳は、黒い少女をじっと見つめた。
■メア >
「気を付けるだけのゴミ漁りでしょ、なら得意な分野さ。
元が人間だろうが何だろうが神性を帯びて液体になる、美しきかな世界のバグだね。」
神性をかき集めて身体にする
なるほどそれなら神の身体としてはこれ以上なく相応しいだろう
問題は有るけれど方針は理解できた
「器はまぁ、僕等にはどうしようもできないけど…目覚めはするんじゃない?」
賭けになると妖精は言う
けれど彼女が、あるかの諦めが悪い事を知っている
そんな彼女だからメアはこうして危ない橋でも手を貸している
「奪い返す、分かりやすくて良いじゃん。
僕含めこの島には暴れん坊は吐いて捨てる程居るんだ、手伝う連中は少なくないはずだよ。」
続く言葉に首をかしげる
負債を背負わせる…なるほどそういう認識なのかと息を吐く
「赦す赦さないなんて根底からおかしいのさ。
そもそもクラインを止めないとこの島どころか世界規模の問題だ、手伝うのは自分の為でもあるんだからね。
それと、多分他の連中だって手伝いたいからそうしてるだけだろうさ。
そっちの負債を背負わされた、なんて思っている奴なんて居ないだろうしそんな事で悩むのは無駄だよ。」
空色の瞳を見つめ返し、断言した
■エデン-H-プランク >
「――――」
少女の言葉に、妖精はぽかん、として目を丸くした。
それは、予想していない――意外な言葉だった。
「でも、言ってしまえば、この島を巻き込む規模の、はた迷惑な内輪揉めでしかないのよ。
それに――」
妖精はそれまでの笑顔と違い、戸惑うような様子を見せる。
「――クラインの計画は、絶対に続かないわ。
わたしたちが何もしなくても、計画を実行する事だけを考えている彼女は、その後の事を全て捨ててしまってるの。
大切な人の理論を実証する事だけに、彼女は囚われてしまってる。
だからアルカディア計画が成功しても、それは、他の多数によって排除されてしまうだけ」
だから、放置していたって、彼女はいずれ破滅への道を邁進し、自滅するのだ。
「もちろん、その時に出る被害はとても大きいかもしれないわ。
だけど、世界からしたら、少し大きなニュースになる――そんな出来事でしかない。
それなのにわたしたちは、彼女を止めようと手を尽くしてるの」
両手を後ろに回し、もぞもぞと居心地の悪そうな身じろぎをする。
「それは、正義のためとか、少しでも被害を出さないために、とか、そんな理由じゃない。
ただ、間違った方へ進んでしまった彼女を止めたいだけ。
友人として、戦友として、学友として――家族として」
妖精は静かに呟く。
「そんなただの我儘でも、メアはそんなの関係無い、って言ってくれるの?」
■メア >
「我儘なんて別に構いやしないさ、結局は主観と客観の違いでしょ。」
色々と言ってはいるが、結局彼女は自分含め手伝うと言った者達に申し訳ないのだろうというのはよく分かる
自分達のエゴに巻き込んだせいで、そんな理由
「僕達が協力するのはポーラに助けを求められたから、ただそれだけだ。
その手を払いのけるでもなく握ると決めたのは僕達のエゴ。
そこに何かを背負わされたとか言う感情なんて無いんだよ。」
手伝うと決めたのは自分、内容を聞いてそれでも乗ると決めたのも自分
彼女やポーラに協力したい、はたまたクラインとやらに私怨があって手伝う者も居るかもしれない
だが、誰も彼もが自分の意志でそう決めた筈
「自分達にせいで協力させてしまった、そんなの神みたいな傲慢さ。
こちとら考えて動ける知的生命体なんだ。
勝手に決めつけて勝手に悩むなんてむしろ失礼だよ、手伝うって言ったんだから大人しくありがとうとでも言ってくれればいいのに。」
■エデン-H-プランク >
「まぁ――――」
妖精は大きな瞳を輝かせて、頬を染めながら少女を見上げた。
「ふふっ。
ねえメア、それって愛の告白みたいで素敵よ」
両手で頬を挟んで、きゃぁきゃぁと黄色い声をあげた。
「――でも、うん、わかったわ。
ありがとう、メア。
あの子の事を、助けようとしてくれて、本当にありがとう」
心からの感謝の言葉。
溢れ出した笑顔は、嬉しさで泣いてしまいそうな笑顔だった。
「それじゃあ、『わたしたち』の我儘に、思いっきり巻き込んじゃうわね!
沢山がんばってもらう事になっちゃうけれど、絶対にこの恩には報いて見せるわ」
そう言いながら、妖精は小さな両手を力いっぱい握って見せた。
「――そうだメア、ねえ『メア』?
あなた達は二人ともメアなの?
お話しした限りだけど、あなたの方が防衛人格なのかしら」
そう、興味と好奇心のままに、妖精は『二人の少女』にたずねていた。
■メア >
「告白ぅ?」
怪訝な顔
そんなつもりは毛頭ない
「……そうそう、それでいいのさ。
そういう顔させるためにメアは手伝ってんだから。」
お礼を言われれば素直に肯定する
メアも、求めているのはお礼の方だろう
「そのつもりさ、ここで話を聞いたんだ。頼まれたことはやってみせるよ。」
触れはしないけれどしっかりと手を握る
続けられた質問には少し考え…
「…僕とメアは別人格じゃない、別人さ。
防衛人格なんて思い込みと勘違いしないでほしいね。」
■エデン-H-プランク >
「――あら、別人だったのね?
じゃあ、わたしとあなたは似た者同士かしら」
妖精もまた、正しくは心臓に移植された星核の人格である。
違う所があるとすれば、自由に入れ替われるわけではないという事かもしれない。
「それだったら、尚更、あなたを『メア』って呼ぶのは不自然だわ。
あなたに、あなた自身のお名前はあるのかしら?」
あっさりと、何かの事情があるのを分かった上で、当たり前のように少女へと訊ねる。
別人と言うのなら、別の名前があるはず、あってしかるべき、と。
■メア >
「似た者同士……どうだろね、どちらかと言えばぼくは異能のおまけさ。」
あくまでおまけ、付属物
それ以上は深く話すつもりでもないけれどそれだけ理解してもらえれば十分
「僕自身?
あ~……好きに呼んでくれたらいいけど、とりあえずグリムとかにしとこうかな。」
名前なんてどうでもいい
この体はメアのもの、だからメアと呼ばれたって別にいい
グリムの意味は…たまたま思いついて語感がよかったから
「それで、改めて黒い星骸だっけ。アレを回収する方法とか教えてもらえる?
まさか手ですくってこいなんて言わないでしょ?」
以前の、言葉を借りるなら汚染の事を考えながら自身の役目について尋ねる
■エデン-H-プランク >
「それを言ったら、わたしも星核のおまけだもの。
それに、わたしが『あの子』が大事なように、あなたも『メア』が大事なのよね?」
くすくすと笑って。
「う~~ん、グリム、グリムね。
ふふ、音の響きがカッコいいわね、グリム?」
そう、少女の名前を呼んで、嬉しそうにしている。
それでも少女の質問には、どん、と胸を張った。
「もちろん!
直接浴びないように済む防護服も、万が一触れてしまった時のための治療薬も用意してあるわ。
そして、星骸を集めるのは――」
ぱっと、室内の照明が変わる。
そして、大仰なドラムロールと共に、妖精の用意したとっておきの秘密兵器が登場する――!
『オソウジシマス!』
それは明らかに箱ではなく、蓋があり。
スイッチがいくつかあり、底面にはキャタピラ――それと吸い込み口のある、1mほどの長方形。
この世界で一番最初に作られた、星の鍵という戦術兵器。
「じゃーん!
正式名称、V式自律駆動洗濯機型掃除機――通称、水漏れ掃除機よ!」
『オソウジシマス!』
スポットライトの下に現れたのは、キャタピラの着いた洗濯機――いや、掃除機――どちらでもあるのかもしれない。
超が付くほどの希少な素材によって作られた、この掃除機は、Ω型のマニピュレーターを高く上げて、キメポーズをとっていた。
「というわけで、この子を持って行って、片っ端から吸い込んで来れば大丈夫!
ついでに、汗かいたり汚れたりした服も洗って乾燥までしてくれる優れものよ。
しかも、自律駆動式だから、わざわざ運ぶ必要も動かす必要もなくてとっても便利!
動力は星核だから、実質、無限に稼働し続けられるし、強度は100m級のドラゴンに踏まれても、ヒビすら入らないの!」
『オソウジシマス!』
スポットライトに照らされた掃除機、兼、洗濯乾燥機は、何故だかとても誇らしそうに見える事だろう。
「というわけで、メアちゃんはこれを連れて、水溜まりのようになってる星骸を吸い込むだけでもいいし、汚染された生き物を倒してから、お掃除してもいいの!
どうかしら?
とーっても頼りになりそうでしょう!」
『オソウジシマス!!』
■メア >
「あぁ大切さ、メアが大事だしメアを一番に考えてる。」
そこは否定しない
メアが協力したいというから自分も最大限協力する
そしていざというときはメアの命を優先する
「そりゃどうも、エデンの方が強そうでいいと思うよ。
防護服に治療薬ね…それがあれば異能で触れてもどうにかなるか、な……」
説明を受けながら現れた秘密兵器に言葉が詰まる
凄まじい性能を誇るらしいがどう見ても動く掃除機の仲間にしか見えなかった
「なるほど…ね?
要はこれが星骸を集める邪魔をさせなければいいのか。
分かりやすくていいね、水濡れ掃除機君。
長いからお掃除君でいいか。」
おもちゃにも見えるが性能はちゃんとしている筈
意思があるのかもわからないしオソウジシマス!としか言わないが一応握手代わりに蓋の部分を撫でておく
スイッチは押さないように
■エデン-H-プランク >
『オソウジシマス///』
撫でられると、なぜか装甲の表面が薄桃色になった。
これ絶対自我あるって絶対!
「性能は折り紙付きよ。
洗濯機としても、掃除機としても。
だから上手に協力してね!」
そう妖精は言いつつ。
突然思い出したように――
「あっ、いけない!
グリム、メア、掃除機くんの背中側にある、赤いボタンは絶対に押しちゃだめよ!
ぜ~~~ったいに、押したらダメだから、忘れないでね!」
そんな、まるで押せと言わんばかりの念の押しようである。
少なくとも、上部にあるスイッチは、ちゃんと簡単な説明がついている。
例えば、水量調節とか、手洗いモードとか、乾燥モードとか。
しかし、背後にある、透明な強化ガラスか何かで守られた赤いボタンには、『危険!』としか書かれていなかった。
「それさえ押さなければ、絶対安全よ。
何かあったら盾にしたり、壁にしたり、便利に使えると思うわ!」
そして、なぜか妖精は掃除機くんの性能にとっても自信ありげなのだった。
■メア >
「あ、意思あるんだ…。」
よろしくね、と言いつつ雑に扱えなくなったなぁとも思ったり
露払いは自分、回収はこの子と分担作業になりそうだし相棒になるのだろう
「洗濯機能は…まぁお世話になる時は頼もうかな?
そう言われると絶対に押したくないんだけど一応何のボタンなの?」
ねぇ?と聞いてみる
ガラスで守られた上に危険の文字
周囲を巻き込む自爆スイッチと言われても信じられそう
「それ間違って背中攻撃されたら終わりそうだけど…まぁそういうのは僕達が対応かな。
とりあえずは回収屋兼タンクだと思って頼らせてもらうよ。」
背中には触れないようにしつつぐるっと一周見回して
「で、あとは防護服と治療薬…そっちは特段変なのじゃないだろうし後で受け取ってって感じだね。
近いうちに回収作業に向かうことになると思うけど注意点とかある?」
■エデン-H-プランク >
「ええ、可愛いでしょう!」
『オソウジシマス!』
こんこん、とアームが胸?の辺りを叩いた。
頼りにしていいよ、という事だろうか。
「うーん、なんのボタンだったかしら。
疑似ブラックホール発生装置?
人口太陽精製装置?
こまったわ、ヴィヴィのくれた取扱説明書もないし」
――少なくともろくなことは起こらなそうだった。
「でももしかしたら、最終兵器に使えるかもしれないわ!
にっちもさっちもいかなくなったら、躊躇わないでね」
押してほしいのか、ほしくないのか。
妖精は楽しそうに笑っている。
「注意点、と言われるとちょっと難しいのだけど。
一次汚染源と思われるもの見つけても、絶対に近づいたらだめよ。
それさえ気を付ければ、メアとグリムなら何とかなると思うわ」
――一次汚染源。
星骸という汚染物質をまき散らした、最大の怪物。
それは姿を消す事が出来るのか、衛星カメラや幾度の探索を行ってもも気激されていない。
当然、危険度は有無を言わさないほどに高いだろう。
■メア >
「え、あぁ…そうだね。」
可愛いのか?とは思うけれど意思がある以上ネガティブな発言は一応避ける
やる気満々の方がいい結果を出すのは人も機械も同じの筈
「なんで掃除機に太陽とかブラックホールが必要になるわけ?」
戦術兵器とは起動させて敵のど真ん中に捨てていくタイプのあれなのか?と訝し気
背中には絶対触らないようにしよう
「そんな物騒な単語を聞いて押してたまるか。」
そんな場面になることだけは避けたい、というより避ける
「一次汚染源…要はあの化け物どもの親玉とかそういう事ね。
まぁこっちもそんな怪物相手にしたくないしこっそり掃除してそそくさ帰ってくるさ。」
わざわざ危険な藪をつつく気はない
必要なものを集めて即逃げる、それだけ
「後はタイミングだね…誰かに持ってかれない内に早いとこやらないと。
それじゃぁ良い時間だし防護服と薬をもらってそろそろ帰るかな。
メアも落ち着くどころか寝ちゃったし…」
方針が決まりポーラが治ると聞いたあたりから気が抜けたのだろう
表に出てくるどころか意識を手放してしまったらしい
■エデン-H-プランク >
「ええ、親玉と思っていいわ。
見かけたら真っすぐ逃げてね!」
そう念を押して。
「タイミングは難しいかもしれないわ。
今も汚染された動植物は増え続けているだろうし。
まずは身の安全を第一に、よ」
そう小さな体が飛んで、少女の鼻先に人差し指を立てた。
「ええ、他の装備は鄒が外に用意してくれてるわ。
鄒はとっても優秀なお医者さんだから、薬品の使い方をしっかり教えてもらってね」
そう言って少女の目前で、くるりと一回転し、スカートの裾を摘まんでお辞儀した。
「グリム、メアちゃんにもよろしくね。
いつでもお見舞いにも、遊びにも来て頂戴!
あ、そうそう、そのクッキー、持って帰って二人で仲良く食べてね」
そう言って妖精がどこからともなく杖を取り出して、一振りすると――なんと、クッキーが可愛い小袋に包まれているのでした。
「わたしのサポートが必要な時はいつでも呼んで。
掃除機くんと一緒に、二人をばっちりサポートしちゃうわ!」
そして妖精は杖を構えたまま、腕を伸ばしてキメポーズ。
グリムとメアという、優しい少女たちを見送るのでした。
■メア >
「勿論、危ない橋はわたらないよ。
増え続けてる、か…まぁ異能さえ使えればそこまでてこずる事はない筈だよ。ヤバかったら逃げるだけだしね。」
逃げるだけならどうという事は無い、多分
そのあたりはまたあの場所に行った後に判断することにする
「了解、ならレクチャー受けてから帰らないとね。
こっちは…お土産?ありがと。」
クッキーの入った袋を受け取る
帰ってからのおやつに丁度いい
「そうさせてもらうよ、特に集める時は必要な情報も多いだろうし。
ま、何とか必要な分は集めるから期待して待っててよ。」
それじゃ、と処置室を後にし青年から必要なものを受け取りレクチャーを受けるのであった
ご案内:「医療施設群 医療研究施設 〇ロ号処置室」からメアさんが去りました。
ご案内:「医療施設群 医療研究施設 〇ロ号処置室」からエデン-H-プランクさんが去りました。