2025/04/09 のログ
ご案内:「医療施設群 医療研究施設 〇ロ号処置室」にエデンさんが現れました。
ご案内:「医療施設群 医療研究施設 〇ロ号処置室」にメアさんが現れました。
■鄒 >
――白く明るい廊下の中、赤い光が灯った分厚い扉前。
青年――誰がこの青年が数百年と生きた仙人の一人と思うだろう――が、いつも通り瞼を閉じたまま、指先で一枚の瑞々しい葉を揺らしていた。
「――やあ、よく来たね」
小さな足音を聞き取れば、柔和な笑顔で声を掛ける。
そのまま青年は来客の為に道を開け、特殊なロックが掛かった扉を開けた。
「変わりは、無いみたいでなによりだ。
中は少しばかり驚くような状態になっているけど、彼女は君に頼みたいようだからね。
よろしくお願いするよ」
そんな青年の言葉通り、研究室の中に入れば。
浅い長方形の水槽の中に、精巧につくられた人体模型が横たわっていた。
――いや、それは模型などではなく、頭があり、一人でに拍を打つ心臓があり、それらが納まるように骨格があった。
それは間違いなく生きている人間であり、ただ生きるために代償を払い続けた人間の成れの果てだった。
それは、水槽の中で透明な液体に浸かったまま、本来ならあり得ない形で生存していた。
■メア >
小さな足音を響かせながら廊下を進む
声をかけられ、視線を向けるがやっぱり今日も彼の目は見えない
「こんばん、わ…」
最低限の挨拶をして研究室へ
部屋の中にはかなり刺激の強い存在が水槽の中で横たわっている
何も知らずに薄暗い部屋で彼女を見つけたら悲鳴が上がったかもしれない
「んん……」
「マジでよくこれで生きてるよねぇ、生きてるというか死んでないだけか。」
ふんす、と一呼吸
これぐらいで怖気づいてはいられない
これからやる事を考えながら気合を入れなおす
■エデン >
少女たちが思った通り、本来なら生きているはずのない状態と言えるだろう。
そんな状態の女が生きているのは、一重に積み重なった偶然の賜物だった。
気合を入れ直す少女の姿を視界に収めると、青年は再び扉を閉め、外に残る。
研究室の中には、少女たち――少女だけ、のはずなのだが。
「――はぁい♪
また、私に会いたくなった?」
そう後ろから気配もなく声がかかり、小さな体を抱くように、ホログラムの腕が回されるだろう。
当然だが、温度も無ければ質量もなく、実際に触れるような事はなかった。
「いらっしゃい、メア、グリム。
約束を果たしに来てくれたのね、とっても嬉しいわ」
そう行って、少女の来訪を歓迎する。
しかし、少女が後ろを向いても姿は見つけられないだろう。
少女を抱くようにした腕すらも、瞬きの間に消えてしまい、声だけが鼓膜を擽ったように残っている。
■メア >
「ん、こんばんわ…エデン…」
知った顔、お友達の妖精エデンの声に少し安心する
抱きしめられる感触はないけれどしっかりとその腕は見えていて
「約束、だし……放っておけない…から……
あれ、エデン……?」
声の方を振り返ればあるはずの彼女の姿はない
部屋を見回してもその姿はないのがなぜかなと首傾げ
水槽に近づき中に浮いている彼女を改めて見つめる
エデンの話ではここから例のドロドロを使って体を作るらしいが…正直どうやるのかは想像もついていない
■エデン >
「ふふ、大丈夫、今は気にしなくていいわ。
それより、二人で彼女の身体を作りましょう」
声だけは聞こえる。
それも、すぐ近くで話しているような聞こえ方だった。
けれども姿だけが見当たらない。
そんなところに、見覚えのあるモノがやってくる。
『オソウジシマース!』
欠陥だらけの掃除洗濯機は、水槽の近くに行くと大きなホースを伸ばす。
その口から、勢いよく黒い泥のようなものが水槽の中に流れ込んでいく。
しかし、黒い色は水槽の中の液体と混じると、半透明の濃い青色へと変わっていく。
「さあメア、この特別な手袋を使って、水槽の中に触れてみて?」
少女の元へと伸ばされるマジックアームには、半透明の手袋があった。
それは不思議と少女の手にぴったりと馴染み、触覚もほとんど素手と変わらないだろう。
そして、水槽の中の色の変わった液体は。
粘性と弾力を持ち、少女が触れば、触ったように形を変えるだろう。
感触としてはスライムか、粘土か。
柔らかいが、弄れば自然と形がくずれないという、不思議な液体へと変わっていた。
もちろん、黒い色に触れた時のような嫌な感覚も、幻覚も伴う事はないだろう。
■メア >
「ん、わかった…」
気にしなくていいのなら気にしない
と、そこにまたしても聞きなれた声…音が聞こえてきた
V式自律駆動洗濯機型掃除機――通称、水漏れ掃除機君
色々とヤバそうな機能も付いている全自動掃除機だ
「今日は、掃除じゃない…けどね…」
掃除というより排出?が今回のお仕事である
集めた黒い星骸が水槽の中へと注がれる
どういうものなのかは少し理解しているため大丈夫なのかなと不安も少しあったりする
「ん、わかった…」
マジックアームから受け取った手袋
サイズはぴったりで付け心地は素手の様
恐る恐る水槽の中へと手を伸ばし…以前のように影響が出ないことを確かめる
「もったり……どろどろ…?」
弾力を得た水槽の中身
ちょっと癖になりそうな感触を確かめつつ触ったり持ってみたりと試してみる
「これ…体になる…の?」
エデンの話ではこれが横たわる彼女の肉になるらしい
ここまで来ても少し信じられない所があるが、そんな事よりこれで人体を作るなんて自分にできるのかな?なんて思ったり
■エデン >
少女が水槽の中身を弄る様子に、どこからか笑い声が響く。
そしてその疑問は想定通り、と言うかのように、骨と頭と心臓だけの周囲に、赤い曲線で輪郭が表示された。
「ええ、捏ねて固めて、そのガイドラインに沿って、星骸を詰め込んでいって。
そうしたら、後はちょっと手品を使うえば、人の身体になるの。
もちろん、赤線の外側に色々付け足しちゃっても大丈夫よ?」
そんな楽しそうな声が、少女の耳元で説明し、悪戯を囁く。
そう、最低限ガイドラインの中を埋めてしまえば、後は弄りたい放題なのである。
それこそ、足したり減らしたり、付けたり取ったり、やりたい放題なのだった。
「ほらほらぁ、メアも粘土遊びとか、スライム遊びはしたことあるでしょう?
この子の身体を作る、なんて大げさに考えないで、気楽にやってみて。
失敗したってやりなおせちゃうもの」
要するに、少女は液体を捏ねて、骨格を中心にくっつけていけばいいだけらしい。
ガイドラインもあるため、たしかに作業自体は簡単かもしれない。
■メア >
笑い声、少し驚くけれどすぐにエデンだと落ち着く
続いて赤い輪郭が現れる、これに沿って作ればいいのかと理解する
「こねこね……綺麗に、頑張る…っ!」
他に付け足していいと言われたが今から作るのはあくまで人体
粘土や玩具みたいに付け足すのは正直あとが怖い
「粘土……」
正直、メアに粘土遊びの経験はほとんどない
だが異能を使う時は似た様な感覚もあるので何となくわかる
不安があるとすればやり直せるとは言うものの今後の彼女のすべてにかかわる体づくり
失敗は許されない
「腕を…増やす……?
エデンは…なにか、こうなりたかったとか……しらない?」
■エデン >
くすくす、そんな笑みが響くのも仕方がない。
少女は真面目な気質なのだ。
冗談めかして言ったものの、恐らく妙な事をする事はないのだろう。
「――あら?
そうねえ、もう少し胸が大きかったらよかった、とか?
あとは動物が好きな子だったから、耳とか尻尾とか――羽とかつけちゃう?」
そんな真面目な女の子にも、そんな事を言うのが妖精さんなのだ。
しかし、実際にそのくらいであれば、多少増えても困るものではない。
「ねえねえ、メアは何かを着けるとしたら、どんな動物の特徴がいい?
私は、メアにはネコさんがとーっても似合うと思うわ!」
なんて聞いておいて、先に自分の意見を示すあたりも妖精さんなのだった。
■メア >
こういう時に最強怪人の様に仕上げる人もいるのかもしれない
ただメアに関してはロマンより実利や利便性を求めるタイプだった
普通の人としての体、後は何か要望とかがあるのならそれを叶えたい
「ん、そんなの……お胸を大きく…」
耳や尻尾、羽…と考えてみる
翼や角は寝る時に邪魔なのでは?尻尾は服やトイレで邪魔になったりしないか?
なんてことを頭の中で考える
耳ならどうか?なんて思ったが大きな耳はそれはそれで邪魔じゃないのかな、なんて
「特徴……?
んん……硬い、体…?」
カチカチの体ならケガをしたりしなくて便利かななんて考える
と、そこで何か思いついたらしい
「人のまま……カチカチ…!」
そう言ってペタペタと身体を作り始める
形としては普通の人間のまま、けれどそこかしこをぎゅうぎゅうと押し固めている
密度を高めて強い体になってほしいらしい
■エデン >
「あらあら」
ぎゅうぎゅうと、押し固めるような捏ね方を見て、少女は少女で個性的らしい。
とても微笑ましい様子に、また小さな笑い声が響く。
「材料はたっぷりあるから、ぎゅうぎゅうに押し込めても大丈夫ね。
でも、あんまり密度を高くしたら、こんどは重たくなっちゃわないかしら?」
悲しい現実だった。
大きさを変えずに密度を高めたら、当然重量はますのだった――。
■メア >
「んっ、押し込む…!
……気になる、かな……?」
ぎゅっぎゅっと押し込んでいる手が止まる
同じ女性として見た目はそうでもないのに体重が重いというのはどうなのかなと
「……やっぱり、普通に…普通に…」
押し込んでいたのを解して体のラインをキレイに整えることに集中する
やっぱり人体の神秘に手を加えるべきではないのだと気付かされた
お胸を少し多めに盛るのは忘れずにそれ以外は赤い輪郭に沿って体の形をつくっていく
■エデン >
「ふふっ、メアも可愛い女の子だものね」
練り固めた液体をあらためて練り直す様子は、とても微笑ましい。
「ねえねえ、やっぱり色々作ってましょう!
出し入れが自由だったら、邪魔にもならないでしょう?」
自分の妹のような相手だというのに、相変わらずいろいろ仕込みたがる妖精さん。
とはいえ、その口調は明らかに楽しんでいて、少女が緊張しないように気遣っている――と、受け取れないこともない、かもしれない、けれどただ楽しんでるだけなのだろう。
「メア、メア、折角ならもっとおっきく盛っちゃいましょう?
ぽよんぽよん、って手触りが良くなっちゃうくらい!」
それもまた、随分なお話しである。
たった今、身体を捏ねられている女は、和服好きなのであり。
あんまり胸が大きくなってしまうと和服を合わせるのが大変なのだ。
などと、妖精が少女の作業に茶々を入れている間にも。
一先ずおおよそガイドライン通りの形は出来上がる。
後は、足したり引いたり、少女の匙加減次第だった。
■メア >
「ん、体重は…気になる…」
小さくとも乙女は誰でも気にしてしまうのだ
「出し入れ……?」
ネコの爪の様に?とつけた時のことを考えてみる
人間の爪が出たり入ったり……やっぱり邪魔に思ってしまう
色々考えてるおかげか慎重には作業を進めているが緊張はあまりしていない様に見える
「もっと…?」
邪魔じゃないのでは、とは思いつつまた追加で胸部分にペタペタ
和服が好きであることも和服を着る際に胸が邪魔になる事も知らないメアは疑う事もなく胸を盛る
と、おおよその形ができたら細かい整形を始める
ある程度整えたらプルプルと流線形になるのでこれはそこまで難しくはない
変なコブができたりしないように注意はする
■エデン >
「あらあら。
メアくらい育ち盛りの女の子は、しっかり食べて栄養取らないとだめよ?」
なんて保護者めいた事を言ったりするが、少女の女の子らしい反応を聞けば、可愛くなってしまう。
それこそ、身体があれば抱きしめて上げたくなるほどだった。
綺麗に整形されつつ、明らかにガイドラインをはみ出した胸部装甲を見て、妖精はきゃっきゃと笑う。
目が覚めて戸惑う彼女の様子を思い浮かべでもしたのかもしれない。
「そうそう、出し入れできるの。
こんなふうに?」
そう言うと少女の前に半透明の映像が空間投影がされる。
そこには、『いめーじず!』と題名が振られて、女性の頭部や臀部、腰部や背部から、耳や尻尾や翼が、出たり入ったり。
消えたり現れたりとする様子が、映像で表現されていた。
どうやら、この取り扱い要注意な素材で体を作ると、かなり都合のいい事が出来てしまうらしい。
それこそ、腕が増えたり爪が伸びたり、少女が最初にやろうとしたように、超高密度超硬質な身体を作ったりも出来そうだ。
なんて事が今更、『ようせいさんのおまけがいど♪』と言う投影映像に描かれていたりした。
とはいえ、どうするかは少女次第。
少なくとも、少女と仲良くなった妖精は、きゃいきゃいとはしゃいで、半ば遊んでいるらしい事は間違いないのだ。
■メア >
「ん、増やすの…頑張る…」
どちらかと言えばメアの場合体重を増やす事を意識しなくてはいけない
それでも増えすぎは嫌だなぁという気持ちはある
ある程度体をキレイに整え終わればふぅ、と一息
「んん……?」
目の前に映像が現れる
見ているとなんだか怪獣みたいに色んなパーツが出たり入ったりしている
普段使わないで居れるならかなりいろいろできそうだが…
「なら、お耳……兎さん…」
ぎゅっぎゅっ、とウサギ耳をつけ足していく
忘れてはいけないまんまるの尻尾も
なぜ兎なのか…耳が大きいとよく聞こえて便利そうなのと可愛いから
「後は、武器……」
そう言って両腕、その中の部分をこねこねし始める
普段の生活で邪魔にならずにいざという時に役に立つ奥の手を仕込む
と言ってもある程度の形を作り上げれば後は上手くいきますようにと願うばかりだが
■エデン >
「あら――ねえメアちゃん。
今の身長と体重、いくつかしら?」
『女の子だけだし、教えて?』と妖精さん。
ちょっとだけ少女の発育不良がないか心配なのでした。
「――あらうさぎさんなのね!
メアちゃんはうさぎさんが好き?」
そんな事を言いながら、腕の中にむにむにとちょっとした細工をする様子に、まあ、なんて声を出しつつ。
少女の行った細工は、思った通りに形になるだろう。
少なくとも、少女の手先の感覚には手応えがあったに違いない。
「さてさて~っと!
それじゃあ、これで準備はオッケーかしら?」
そう妖精は確認を取るけれど。
見た目には綺麗に整形がされている。
まあ少々、ガイドラインを飛び出したものがあったりもするけれど。
材料となった星骸はまだ残ってはいるものの、使われなかったのなら、また別のものの素材となる事だろう。
■メア >
「ん…130ぐらい…体重は…34…」
平均的な同年代の子供と比べて少し小さく体重も少ない
若干の発育不良が有りはするが、本人に改善する気は有るので今では大きな問題ではない
「ウサギさん…好き…」
こくんと頷く
好きなのと、有ると便利そうと思った結果選ばれたのがウサギだった
細工の仕上がりはとてもいい感じ…の筈
これが人体の肉として完成した時に不具合にならないことを祈る
「んっ、準備…オッケー…!」
できる範囲での事はやり終えた
ここからは無事に体になってくれるのを願うばかり
■エデン >
「まあ――いーい?
この後、帰る前に鄒に健康診断してもらうのよ、
メアだって、綺麗で素敵なお姉さんになりたいでしょう?」
いつもより少し。
もしかしたら大げさにお節介かもしれません。
妖精は、仲良くなってくれて、彼女の事も心配してくれる。
そんな少女がとても大好きで、心配で、愛らしいと思うのですから。
「うさぎさん、やったわ!
メアの好きなもの、一つ知れたわね!」
そんなふうに嬉しそうにするのも、少女がとても好きだからに他ならないのでした。
「――うんっ、とっても良くできてるわね。
それじゃあ、仕上げをしましょう」
そう言って、少女の目の前に、再び映像パネルが表示される。
そこには『ようせいさんのとくべつなまほうよ♪』と題名があり。
その下には少女にはあまりなじみがないだろう文字が並んでいた。
――orandi procul sidereum astrum's aequor liquefactio.
――ego peccatum amoris pugnare Continued. Causa aliquam pace.
不思議とその意味は少女のにも読み取れる。
そして、口に出して読み上げる事も出来てしまうだろう。
「お願いメア、あなたの祈りで新しい体を完成させてちょうだい」
そう妖精は少女に頼む。
映し出されている呪文、文言こそが、肉体を完成させるための最後のファクターとなるのだろう。
■メア >
「むぅ………分かった…」
健康診断、正直面倒
しかしこうも正面からはっきり言われては断れないし誤魔化せない
仕上げ、そう言われ映し出されたのは英語とはまた少し違う文字
「ん、これ…読めばいい…?」
さて、とくべつなまほうよと書いてある文字は正直なんと読めばいいのかもわからない
その筈なのに何故か読み方が分かる
一単語口に出してみればきちんと発音も出来る
なぜかを考える前に、先ずは言われるがままに口を動かす
「――orandi procul sidereum astrum's aequor liquefactio.
――ego peccatum amoris pugnare Continued. Causa aliquam pace.」
新しい体になるように、元気に動けるように
そう想いを乗せながら言葉を紡ぐ
■エデン >
少女が『とくべつなまほう』を読み終えると。
水槽の中で次々と変化が起こった。
蒼い液体は、徐々に透明度を失って、色が変わっていく。
そして、その色が土のような色に変われば、徐々にまるで血が通い始めたかのように。
日系人の中でもやや白い、それでも血色の良い肌色へと変わるだろう。
驚くべきは、それまで呼吸などしていなかったはずというのに、その胸部は、ゆっくりと静かに上下している。
血流の始まりに、自発呼吸の発露。
見た目だけでなく、その内臓器官までが構築された事が分かるだろう。
「――ああ、素敵よメア。
やったわ、これで身体は完成よ!」
そんな歓喜の声が少女の耳を擽るだろう。
そして少女から見ても、その姿は何時か見た女のもの――少々(?)一部が大きすぎるが――と一致する事だろう。
ここに間違いなく、人間一人の肉体が、超常の技術によって作り出されたのだった。
■メア >
「ぐにょぐにょ……?」
まほうを読み終えれば水槽の中の彼女の体はすぐに人の色になる
あまりに早い変化に驚きつつ胸が上下に動いているのを見れば間違いなく生きていると判断ができるわけで…
「ん、完成…!」
依然見たそのままの姿ではないがきちんと五体満足になった
正直体の材料から最後の仕上げの魔法まで殆ど分からない事だらけだがやり切れた
満足感と安心感から大きく息を吸う
「起きたら…また、挨拶しないと…ね?」
恐らく絶対安静だろうとエデンに尋ねる
奇跡に近い治療を行ったのだからまだリハビリにも時間は掛かると思っている
■エデン >
「ええ、起きたら挨拶してあげてね。
そしたらきっと、素敵な友達になれるわ!」
そう言って、妖精は喜びの声をあげた。
「大変な事がいっぱいだったのに、協力してくれてありがとうメア。
あとは、うん、目が覚める時まで待つだけね。
この子が目を覚ましたら、メアにもすぐに連絡してもらうわね」
そんな声は少し寂しそうでもあり、けれどそれ以上に嬉しそうである事が伝わるだろうか。
ただ、相変わらず妖精の姿は見えず。
役目を終えた少女は、自分の仕事を誇りつつ、いつでも帰る事が出来るだろう。
それを表すかのように、研究室の分厚い扉がゆっくりと開き始めていた。