異能や魔術などの授業の実習に使われる施設群。
また、主に学生のための訓練施設が併設されている。
異能や魔術を制御するための実習や訓練であり、人や生物、器物を殺傷・破壊する目的のための訓練は認められていない。
参加者(0):ROM(1)
Time:04:37:23 更新
ご案内:「訓練施設」から御崎 眞さんが去りました。
■御崎 眞 >
そのまま暫く『練習』をした頃には、指先の傷も治っている。
之なら、実際に使う時が来ても役に立たない、と言う事は無いだろう。
「… とはいえ」
一つ、ため息を吐く。
「俺一人じゃ、多分入れて貰えない、だろうからな… 誰か
誰か、丁度いい相手が……」
軽く額に手を当てて、また眉を顰めるようにしながら持ってきたものを片付ける。
訓練場を出る頃には恐らく日も傾いている事だろう。
「探してみるしかないな、俺が… 誘えそうな相手」
小さく呟いた声は、片手に持ったバケツの水音にもかき消されそうな程小さなものだった。
■御崎 眞 >
「血は、即ち喪失の象徴であり――」
バケツの中の血を掬い取る様にして触れ、広がった指先の傷口に垂らす。
「同時、命を繋ごうとする人の望みを託すものである」
傷口に血を塗り付け、二の腕に血で陣を描く、それもまたごく単純な呪い… 凝固。
血を増やすのではなく、血を固める、それを自身の体から溢れた血に向けて行使する。
それによって出来上がるのは、謂わば呪いによってつくった瘡蓋だ、絆創膏でも貼っておけば治るものではあるが。
こういったものは少しでも『練習』しておくのが上達のコツだという事は、一般的な勉強と変わるわけでもないだろう。
「… そういえば、俺は血は怖く無いんだな」
ふとそう呟いて、口元を引くつくように笑わせた。
■御崎 眞 >
「… 見た目も本当にただの血だ、確か、触媒として使う血を之で賄う事もあるんだったか」
しかし、今の自分にそれらを【大量に使う】ための呪術はまだ無い、之は後で洗って捨てることになるだろう。
「ハ、これがすっぽんの血だったら、欲しい人もいたかもしれないけど、そんな価値はないな」
香る匂いは不思議と気にならなかった、自分自身のものだからか、【慣れ親しんだ】ものだからか。
呟きながら、ぺらりと持ってきた教本を眺め、次の授業の予習をし始める――。
■御崎 眞 >
『増血――』
人とは、須らく血の嚢である。
皮膚の下にあるそれは、たしかに体内をめぐり、その脈動は生を象徴する。
皮膚が破れれば、赤きそれは命を損ないながら流れ落ち、何れ濁り、黒い染みへとかたちを変える。
血とは肉体が損なわれる瞬間であり、その生が喪われた後になお遺される、最後の痕跡でもある。
「即ち、血とは人にとって最も身近な液体であり、それ故に呪いにおいて最もポピュラーな媒体の一つである」
勢いよく漏れ出す血が、指先の傷を開いていき、僅かに眉を顰める。
そして大きめのバケツ半分程を血が覆い尽くした所でその勢いは収まり、一つ息を吐いて。
「… 成程、こんな感じか」
体に感じるのは僅かな疲労感、本来、この量の血液を出せば、命に係わるのは間違いない。
【呪い:増血】
対象の魔力の一部を、体内に流れる血に強制的に変換するシンプルな呪い。
使用者の血で描いた魔法陣を接触させる事で発動する。
血を過剰に増やすことにより強制的に出血させる、献血に役立つ等、様々な用途に使用出来る、のだとか。
「シンプルだけど、この量の血液が勝手に増えたとすると… 出血先を自分で作ってやらないとかなり危険だな」
魔力を血液に変換するという性質のため、之によって一時的に血液は増えるが…。
生まれた傷口がふさがるわけではない以上、増えた以上の血液を失う事になれば当然失血死のリスクがあり。
血が体からあふれ出ようとする際、既に開いている傷口が更に開く事にも繋がるだろう。
■御崎 眞 >
指抜きされた白い手袋を両の手に付け、しげしげと手の甲に書いた魔法陣を眺める。
それは自分なりに踏ん切りをつけて受けた呪術の授業、その中で目についた一つの術式。
「… 呪いとは、自らの望む結果を招くための信念…だったか」
捉え方は人により、一口に呪術と言っても様々なアプローチが存在する、と前置きされた上で聞かされた言葉。
呪い(のろい)というとおどろおどろしいイメージがあるが
例えば願掛けを含めた縁起担ぎのあれそれも呪いと言う事で呪いの一種と言えるのだと。
其処から発展し、他者の幸運を祈り、身を助けるための術も呪術には数多く存在する。
「そして、禍福は糾える縄の如し… 呪いであっても、使いようによっては人を助けられる
まぁ、真っ当に人に教える立場としてはそう言わざるを得ないって所もあるだろうけど」
手袋をそのまま自分に当て、静かに『呪い』を発現させる。
ずくん、と体の中で何かが脈動するような錯覚と共に、体内が煮沸されていくかのような熱を感じ…。
「―― !!!」
間髪入れず、そのまま指先を噛み、皮膚を千切る。
どぷり、と溢れ出す血が口内に入り込もうとするのを吐き出しながら、指を下に向けた。
予め用意しておいたバケツに、だくだくと赤いものが溜まっていく…。
それは見るからに、通常の出血をはるかに超える速度だった。)
ご案内:「訓練施設」に御崎 眞さんが現れました。
ご案内:「訓練施設」から天川 コウハさんが去りました。
■天川 コウハ >
一つのダミーを切り刻んだ後は瞬時に次の目標へ駆ける。
複数戦いる場合を想定しており、複数戦のセオリーに基づいた行動だ。
複数戦のセオリーとは頭数で劣っている分、機動力と勢いと瞬時の判断力が重要だ。
特に足を止めたらそれはこちらの敗北を意味する程でもあるとコウハは考えている。
だから足は一切止めず、尚且つ一定の速度ではなく不規則に動き回る。
手に取れそうだが寸の所ですり抜けられる。
相手からすればこの独特な感覚こそが死神の体術の特徴でもある。
「腕は…落ちてないようですね。」
ほんの少しの時間で合計7つのトレーニングダミーが切り刻まれてた。
これで一旦休憩。
汗はかかないもののふ、と息を吐いて少し整える。
■天川 コウハ >
鎌を右脇の下段に置き、体全体を低くして前傾姿勢。
両手鎌という特殊な武器を使った戦闘術の構えの一つだ。
もし対人戦だと仮定すると相手側からしたらその特異な武装故に動きが読まれにくいというメリットがある。
勿論、戸惑う敵を気持ちが整理するまでご親切に待ってるわけなくそんな心の隙間に付け入るように動きもスピーディーだ。
「しっ…!」
事実、前傾姿勢から踏み込んだ足は一瞬で最高速度に達する。
それはまるでその場から消えたかのような瞬間移動を思わせる速度。
静から動の落差を激しくすることで消えるような錯覚を相手に伝えるのがコウハの独特な体術の秘密の一つでもある。
瞬く間に的に一撃。…否、三撃入った。速すぎて常人には連撃を目視は不可能
■天川 コウハ >
「…たまには動作の確認位はした方がよさそうですね。最近寒くなって身体も固まってきそうですし」
息を吐く。
11月という事もあって気温もかなり下がってくる。
時間は放課後だが、その時間ともなればかなり暗くなってくる季節だ。
陽が沈めばますます寒くなる。
身体が固まらないように入念な準備運動をした後、得物を出す。
「やはり、この重みは悪くないです」
召喚したのは身の丈は超える大きな鎌だ。
重さはゆうに100㎏はある。
それを片手でくるりと一回転回した後、両手に持ち、右脇の下段に置く構え。
ご案内:「訓練施設」に天川 コウハさんが現れました。
ご案内:「訓練施設」から緋月さんが去りました。
ご案内:「訓練施設」から紫陽花 剱菊さんが去りました。
■紫陽花 剱菊 >
自ら申し立てた事。躊躇いは無い。
静寂と閉じた虚はほんの束の間。
僅かに一呼吸。根の底の虚が、昏き水面に赤を映す。
「……技も、武具も、全ては担う者次第。
わかりきった事と侮るなかれ。
行住坐臥。定めし場所は其方と私は違う」
飽く迄剱菊の思想で在り、彼女に教えるのは技。
思想でも無く、純然たる技術のみ。
思うことを、"敢えて"口出し言の葉と刻む。
戒めである。彼女を殺戮者に仕立てるに非ず。
狂人足れば、二律背反の行く末の一助に過ぎぬ。
全て、担った者の扱い次第。
「其方の"備え"が、猶予が在れば、其の暇を頂いていく。
一朝一夕で身に刻めるとは思わない。其方の才覚次第……」
楽に流れず、七難八苦を進むので在れば、
一切合切の妥協も加減も無し。頂きに至るまで、
狂気の果てに至るまで、生命の限り、力添えをする覚悟だ。
音無き歩みが、静寂がゆるりと、赤へと迫る。
「然るに、予言として伝えておく」
「……私は、どうやら加減が不得手らしい。
教え子に既に言われている。然るに……」
「暇を挟む時は、事疾く、潔く言うが良い」
言い終えるや否や、一足、音もなく目前。
何の躊躇もなく掌打を腹部へと放つのだ。
戦人故の機敏と不器用さ。有り体に言えば、承諾した時点で始まっている。
いなすか、受けるか。少女次第。少なくともことの始まる。
生傷を減らせるかどうかは……彼女次第なのであった。